「……ティーガーⅡに動きはあるかしら?」
『いえ、ポルシェティーガーと共に後続の壁となっております』
マリーはその報告に少し息をついた。
「あの……マリー様?一両だけに警戒心を抱きすぎではないですか?」
マリーと同じルノーFTに乗っている生徒からの質問に、マリーはケーキを頬張りながら当然と言った表情で答えた
「……あのティーガーⅡの事前情報が一切無いのは知ってるわよね?」
その問いに貴族風の生徒二人が頷いた。
「てっきりいきなり現れたものだから右も左も分からない初心者かと思ったわ。まぁ大洗も隊長である西住さん以外は完全素人の集団だったから。その結論に至るのは間違いないわ」
「………でもあのティーガーⅡは違った。練度……特に砲手の腕は少なくともかなりの腕を持ってるのは確実ね」
マリーがそう言っていると、次第に爆発音が増えてきた。
「……随分と張り切ってるわね……」
『『おのれ!!ついに本性を現したか!!マリー様、必ずや奴らを仕留めてご覧にいれましょう!!』
通信機を通じて何かを撃破するのに息巻いてるような声だった。ただ、マリーは嫌な予感を沸々と感じていたがそれは的中した
『受験組を!!』
「何やってのよぉぉぉ!?」
どう言う訳かフレンドリーファイヤを起こし始めた為、ティーセットを放置して素早くルノーFTに乗り込んだ
『ご、ごめんなさい!もはやここまでのようです!!』
「……やられたのか?」
インカムからそど子の悲鳴なような声が聞こえた。もう撃破されたと考えると、敵の動きも早いな
「『そうと考えるのが早いみたいです。ボガージュ辺りから戦闘音が全く聞こえてきません』」
「そど子、見た限りでいい。フレンドリーファイアして自滅させた車両はどのくらいだ?」
ペーターはそど子にインカムで伝える。
『た、確か二両……ソミュアとARLが一両ずつの筈よ……」
「助かる。『残存車両は恐らく七両!後フラッグ車は一両だ!』」
「『案外迎撃を優先するべきか。あまりいい状況とは言えなさそうだ!』」
「『ケルツ高速前進しろ!シュローダー、出会い頭の遭遇に備え撃てる用意をしろ!ハートマンは装填優先だ!』」
「『ヤヴォール……!大洗最強のティーガーⅡの底力見せてやる!!』」
と同時に砲撃が着弾する音が聞こえた。恐らく火力的にはARLか!
「『シュローダー、ARLを狙え!火力的にもティーガーⅡには脅威だ』」
「『ヤヴォール!ARLに照準良し!!フォイヤー!!』」
シュローダーが引き金を引いた。ARL44の車体前面は傾斜装甲だが、105mm砲弾はそんな物関係無しに撃破に追い込む
ARLは黒煙を吹き、白旗が上がった。
「『狙いはフラッグ車のヘッツァーなのは間違いない。我々は先に敵を迎撃に掛かる』」
そしてみほに伝える
「みほへ、こちらティーガーⅡ組は外れて迎撃を行う」
『え!?い、一両だけでですか!?無理はしないでください!私達もすぐに向かいます!』
「心配ご無用!足止めを決行するだけだ!みほ達が無理をする必要はない!」
「『ボカージュ地帯で足止め開始!フラッグ車はやらせるな!』」
「『後方にポルシェティーガーが来ます』」
ティーガーⅡの後ろからレオポンのポルシェティーガーが来ていた
『一両だけじゃ荷が重いと思うからねぇー。援護するよ!』
「感謝する!そちらも無理はしないように!」
『わかってるよー!』
ただ、ここからは本当に激戦となるだろう。
BC自由学園の戦車も攻めてくるならここだ!
「『敵戦車を一両も近づけさせるな!』」
敵からの攻撃も激しいが、硬い装甲はARLの75mmすらも簡単に弾く
それに止まった時のシュローダーは誰よりも強い
「『フォイヤ!!フォイヤ!!』」
シュローダーは正確な砲撃でソミュアを撃破する。
「(なんだ………殺気!!)『ケルツ!!旋回!!』」
「『うおっ!?』」
ケルツが咄嗟に旋回させ、敵弾を躱わした。
そして居たのはS35とARL44だ。
「『どうやら、対決したいお方がきたようだな!』」
「『すみませんが、あなた達とは長くは付き合っていられませんよ!!』」
シュローダーは発砲した。するとS35とARL44に両方とも命中した。ARL44に関しては砲身を破損させていた。
「『シュローダー、何をした?』」
「『わ、分かりません………ですが、一発で二両命中しました……』」
ARL44に関しては砲身に命中した。次弾発射は恐らく不可能だろう。まぁ、無理に撃とうとするなら
ズドン!!
「『やっぱりな。砲身が破損してるとこうなる』」
ARLが自爆していた。砲身に花が咲いていた
ペーターは少しだけ休むようにして座った。尚、もう一両S35がいたが、それはシュローダーが撃破した
「『……無事勝ったな』」
「『あぁ。まぁでも私たちがいなくても何とかなりそうだったと思うがな』」
「『ほう?未来の恋人様を買ってるみたいだな』」フフッ
「『どこで知ったその情報』」
いつの間にケルツが知った?
「『ハハハ、お前とは何年から知り合ってると思ってるペーター?』」
「『ハァ………全くすげぇよお前は。誰にも言うなよ』」
「『わーってるよ』」
にしても、BC自由学園がまさかアンツィオと同じような感じとは思わなかったな。
結局、私達もパーティーのようなものに参加することになったが。
「そう言えば、BC自由学園はフランス風の高校だったか?」
「あぁ。S35やARL44はフランス戦車だ。ケーキ類の菓子がそうなのかもしれんな」
ケルツはケーキを頬張っていた。お前そんな甘い物好きだったっか?
まぁ私もこのケーキは好きだがな
「…………………」ジィー
「(見られてるな………器用にケーキを頬張りながらこっちを見てる………)」
顔バレって言っても、映像には映ってないなら良いかと思ってる。
「まさか、大洗があんな隠し球を持ってるなんて」
「ティーガーⅡは黒森峰と同等の重戦車ですので、大洗の中ではトップクラスの性能がある戦車なのは間違いないでしょう」
アッサムが手持ちのタブレットでそう評価した。
するとダージリンがこんな事を言った
「にしてもあのティーガーⅡ、底知れぬ力を感じるわ」
「底知れぬ力………?」
「えぇ。もし私たちが戦うことがあるのなら、一番脅威となるのはみほさんよりも、あのティーガーⅡなのは間違いないわ」
ダージリンは紅茶を飲みながらそう言った
「どうやら大洗は無事二回戦に進める見たいね……途中どうなるかと思ったけど………」
テレビの中継で見てたサンダースの隊長であるケイ。無事大洗が勝って伸び伸びと腕を上げた
「にしてもあのティーガーⅡ………特に砲手の長距離狙撃が凄かった。もしかしたら私以上かもしれない……一体何者?アリサは何か知ってる?」
「知ってるの何も今さっき知ったわよ!!今情報を精査中!!一体いつからあんな隠し球が居たのよ………!!」
アリサは苛立ちを隠せておらず、情報を精査していた。
ナオミの方はティーガーⅡの砲手の方に目をつけていた。
「ミホーシャが勝ったわね!!」
「えぇ。我々を下した大洗なら問題なく勝利を掴むことができたでしょう」
ノンナに肩車をされながら大洗の試合を見ていたカチューシャ。それとクラーラも居た
『同志クラーラ、先ほどの試合どう思いましたか?』
『同志ノンナ、そうですね。言うならやはりあのティーガーⅡでしょうか』
ロシア語に切り替えてノンナとクラーラが会話した。話はさっきのティーガーⅡへ
『あのティーガーⅡは必ず我々の障害となります。可能なら彼女らの詳細を明らかにするべきでしょう』
『その意見には賛同です。個別にあの車両を撮影させます』
ノンナは首を縦に振った。これとは別にノンナは別のことを考えていた
「(砲手の腕は確実性が高いですね。もしかしたらサンダースのナオミさんよりも……そして私以上かもしれませんね。是非戦ってみたいものです)」
静かに闘志を現していた。同じスナイパーとして