重ちー(偽)のヒーローアカデミア   作:銀の鈴

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シーズン4(文化祭開催編)

 

──雄英文化祭への侵入ミッションは想像以上に過酷のようだ。

 

目の前に立ち塞がるハウンドドッグ先生の姿にそう思わざるを得ない。

 

実は警備員をしている友達のおっちゃんに業者用の通用門を内緒で通してもらおうと思っていたんだけど、通用門に辿り着く前に巡回中のハウンドドッグ先生に見つかってしまったんだ。

 

あっさりと見つかった理由は、ハーヴェストの助言を今回は受けないと事前に決めたからだ。

 

──そう、あれはメリッサと別れて喫茶店を出た後のことだ。

 

さてと、雄英文化祭にはどうやって侵入しようかな?

 

《本体、警備状況は把握しているので、好きなルートを選んで下さい》

 

うーん。確かにハーヴェストに誘導とかを任せちゃえば、雄英文化祭に忍び込むミッションはイージーモードで楽勝だろう。

 

だけど、そんな楽勝なミッションではダメだと思うから、ハーヴェストの監視網は使わない事にするよ。

 

今回のミッションは動画投稿をするからね。

 

マナミお姉さんから借りた自動追尾型の飛行カメラが動画撮影をしてくれる。

 

動画編集は、マナミお姉さんが得意らしくて二つ返事で請け負ってくれた。

 

だけど、どんなに上手く編集をしてもらっても何のハプニングも起こらなかったら面白い動画にはならないと思うんだ。

 

雄英文化祭に侵入されるという失態を多くの人に見てもらう為には、絶対に面白い動画が必要なんだ。

 

今日の警備責任者が相澤先生という事は調査済みだ。侵入動画が話題になれば責任を問われて始末書をきっと書かされるよ。

 

ククク、必ず相澤先生をギャフンと言わせてみせる。

 

《とても器の小さい企みです。本体らしくて微笑ましいです》

 

ハーヴェストはうるさいよ!

 

今頃、本来なら可愛い衣装に身を包んだヒミコちゃんを激写しながら、照れたヒミコちゃんとイチャイチャしていた筈なんだ。

 

そんな大切な時間を奪われたんだ。

 

たとえこの身を冥府魔道に堕としてでも、相澤先生への意趣返しはしてやると決めたんだ。

 

《それならコッソリと忍び込んで、ヒミコ嬢とコッソリとイチャイチャされては如何でしょうか?》

 

ハーヴェストは天才なの!?

 

僕のヒミコちゃんとコッソリとイチャイチャする。その発想はなかったよ。

 

いつでも堂々とイチャイチャしてたからね。

 

早速、僕はヒミコちゃんにウキウキと電話をした。

 

『どうしたのですか、重清くん。今日は企み事の日ですよね。私に手伝って欲しいことがあるのですか?』

 

ウムム。そういえば、ヒミコちゃんには具体的なことは言ってないけど、今日の企み事はなんとなく察せられていたんだ。

 

うーん。ここで、企み事は止めたから一緒に文化祭で遊ぼう。と言うのはあまり格好良くないと思う。

 

よし、やっぱりミッションは続行だ。

 

「ヒミコちゃん。難攻不落と謳われた雄英バリアを破って、必ず君の艶姿を見に行くよ。だから待っていて欲しい」

 

『はいなのです! 重清くんの勇姿を目にする瞬間を楽しみに待っています!』

 

ヒミコちゃんの弾む声に、僕の心は激しく沸き立った。

 

さあっ、行くぞ!

 

僕のお姫様の艶姿を必ず撮影してみせる!

 

 

 

──というわけで、僕は窮地にいる。

 

「グルル。(変装をしているようだが、この匂いは矢安宮君だな。うーむ、特定の生徒を贔屓するわけにはいかないのだが、女子寮に遊びに行った程度で停学はやり過ぎだと思うしな。うーん、どうしたものか。まずは矢安宮君の出方を見るか)えーと、君の氏名と目的を言いなさい」

 

ハウンドドッグ先生は、その凶暴そうな見た目とは裏腹にいきなり実力行使はしなかった。

 

まずは言葉でこちらの出方をみようとした。

 

「フッ、ここは雄英高校の裏手ではあるけど、雄英高校の私有地ではなく国有の解放されている森だよ。そこで何をしていようとも僕の自由のはずだ。名も知らない貴方に誰何される謂れはない!」

 

だけど、僕は屁理屈なら負けないよ。

 

さあっ、正々堂々と口喧嘩をしようじゃないか!

 

「グルル。(なるほど、舌先三寸で言いくるめるつもりか。うむ、教師の私を言いくるめられるのなら褒美として、この場を見逃すぐらいならバチは当たるまい)私はヒーローだ。これは職務質問となる。素直に答えなければ、君を不審者として確保することになる」

 

「へえ、自らをヒーローと名乗るんだね。それなら本物のヒーローだと証明して見せてよ。最近はヒーローを騙るヴィランもいるからね。特に貴方の外見はどう見ても凶悪なヴィランだよ。シャチのおっちゃんと同じだね」

 

「グルル。(シャチのおっちゃんとは確かギャングオルカの事だったな。しかし、矢安宮君の潜入技術は不安すぎるぞ。変装は見事なのだが、肝心の言動が普段のままだぞ。これは担当教師に注意するように言っておいた方がいいな)フン、いいだろう。これがヒーロー免許……むむ? 変だな。確かここに入れておいた筈なんだが、ロッカールームに置き忘れたかな?」

 

身体中のポケットを弄るハウンドドッグ先生の背後には、彼のヒーロー免許証を抱えてスタコラサッサと逃げるハーヴェストの後姿が見えた。

 

「ねえ、知ってる? ヒーロー活動中のヒーロー免許証の携帯はヒーローにとって絶対の義務だよ。ヒーロー免許証を持っていなければ、たとえ先生だろうと、それは自称ヒーローに過ぎないんだ。つまり、その指示に従う義務をこの僕は持たないって事だよ!」

 

ズギューンと、ハウンドドッグ先生を指差す。

 

「グルル。(矢安宮君。君、私のことを先生と呼んでいるんだけど。うーん、これは突っ込んだらダメなやつか? 下手に突っ込んで泣かせたら彼を可愛がっているオールマイトやリカバリーガール、それにミッドナイトに怒られるだろうしな。よし、聞かなかった事にするか)ロッカールームに戻ればヒーロー免許証はある。それを証明する為にも雄英高校まで同行をしてもらいたいのだが」

 

ふはははっ、ハウンドドッグ先生。それは失言だね。

 

僕は渾身のドヤ顔で言い放つ。

 

「ふっふーん。それは断らせてもらうよ。自称ヒーローの指示に従う義務はないからね。じゃあ僕は行かせてもらうよ。なにも文句はないよね。自称ヒーローのハウンドドッグ先生!」

 

「グルル。(なるほど、バカな子ほど可愛い。オールマイト達の気持ちが分かるな)いや、ない。時間をとらせて済まなかった」

 

ハウンドドッグ先生の妙に慈愛に満ちた視線に見送られて、僕はその場を颯爽と後にした。

 

 

 

 

ヒーローに立ち塞がれるという窮地を冴えた知略で見事に脱する。

 

序盤のイベントとしてはまずまずだね。

 

「これで第一関門は突破だよ。もうすぐこの僕が雄英バリアの不敗神話を破ってみせるぞ」

 

ハウンドドッグ先生はロッカールームに戻ると思う。その隙に雄英高校に忍び込むんだ。

 

「――雄英バリアを破る? 君、今の話はどういう意味だ」

 

急に背後から声を掛けられた。

 

うーん。やっぱりハーヴェストの助言を止めていると隙が増えるね。

 

《本体、助言する?》

 

いや、このままでいいよ。

 

命の危険があるとかじゃない限り、ミッション中は予定通り助言は無しでいい。

 

《了解です》

 

「質問に答えてよ!」

 

再び掛けられた声に振り返ると、そこには強い意思を感じさせる光をその双眸に宿らせた同級生の男子――緑谷(みどりや)出久(いずく)君が立っていた。

 

「フッ、言葉通りの意味だよ」

 

──僕はキメ顔でそう言った。

 

 

 

 

《右にステップ》

 

とうっ!

 

ハーヴェストの突然の言葉に身体が反射的に動いた。

 

直前まで僕がいた場所を、何かバチバチした光を纏った緑谷君が派手に飛んでいった。

 

当たってたらちょっと痛いぐらいじゃ済まないと思う。

 

「避けた!? いや、動揺するなっ、当たるまで続けるんだ!」

 

《しゃがむ》

 

サッとしゃがむと、僕の真上をライダーキックで飛んでいく緑谷君。エフェクトのバチバチが格好いいね。

 

《左に大ジャンプ》

 

とおっ、シュタッ。

 

――ドカッ!!

 

筋トレの成果はこうした部分でも出てくるんだ。以前よりも身体のキレが良くなったと自分でも分かる。

 

さっきより更にバチバチが大きくなった緑谷君がすぐ隣の地面にちょっとしたクレーターを作った。

 

「クソッ! あんな遅い動きなのにどうして当たらないんだ! 当たりさえすればあの貧弱な身体なら一発で砕ける筈なのに!!」

 

僕を砕くつもりなの!?

 

ちょっと殺意が強過ぎだよ!!

 

よし、逃げよう。

 

バーサーカーな緑谷君なんかに付き合えないよ。

 

メリッサ、君の発明品の力を借りるよ。

 

実はメリッサの仮面には、認識阻害の機能以外にもう一つだけ機能があるんだ。

 

それは正体がバレた時、逃走する為に目眩しの閃光を放つ機能だ。

 

喰らえっ! 仮面フラッシュ!!

 

仮面から放たれた強烈な閃光が周囲を白く染める。

 

「グゥッ!? 目がぁぁぁ!!」

 

緑谷君が両眼をおさえてしゃがみ込む。

 

そして強烈な閃光は閉じた瞼の上からですら目を焼いていた。

 

そう、僕の目を。

 

うぅ、目が痛いよぉ。

 

《本体、運ぶ》

 

緑谷君の隣でしゃがみ込んだ僕の身体がフワッと持ち上げられる。

 

ヨイショ、ヨイショと、ハーヴェスト達が運んでくれているのが分かる。

 

「待てっ、逃げるなっ!!」

 

緑谷君が視力が戻らないまま当てずっぽうに殴りかかってきたみたいだ。

 

《本体、反撃する》

 

「ぐわっ!?」

 

ハーヴェストの言葉と同時に、緑谷君の悲鳴と地面に叩きつけられた音が聞こえた。

 

うぅ、緑谷君は好戦的過ぎるよ。

 

ハーヴェストがいなかったら、僕は緑谷君に殴り殺されてたんじゃないかな?

 

今後はあまり近付かないようにしよう。

 

よし、もう追撃されないように口撃で意気消沈を狙おう。

 

歯を食いしばってよ、緑谷君。

 

僕の口撃はちょっとばかり響くよ。

 

──ハーヴェスト達に担がれたまま両目を左手で押さえている。右手で緑谷君が倒れているだろう方向を指差す。

 

「ズキューン。雄英生よ、力任せに突っ込むしか脳がないとはとんだ猪武者だな。その程度の格闘センスでヒーローを目指そうとは片腹痛いわ。貴様にはヒーローとしての才能など微塵も感じられん。そこで惨めに這い蹲る己の姿を見れば嫌でも自覚しただろう。自分がヒーローに向かない事にな。さあ、悪いことは言わぬ。これからは平和に生きる道を歩め。他人を殴らぬ人生を送るのだ。それが貴様にとっての最善だ。さもなくば、大切な者((同級生の僕))を自らの手で傷つけることになるぞ」

 

「ゥ、ゥゥ…か…ちゃん…」

 

ムムム?

 

何を言ってるのかな。よく聞こえないんだけど?

 

「ゥ、ウアアアアッ!!!」

 

再起動した緑谷君が見境なく暴れ始めた。何かを砕く破壊音が連続して聞こえる。

 

口撃を失敗しちゃった!

 

どうやら逆に緑谷君を怒らせたみたいだ。

 

彼は怒ると殴りまくるタイプなんだ。あの恐怖のツインテールの鬼と同じなんだ。

 

ヒゲのおっちゃんの忠告が脳裏に浮かんだ。

 

──三途の川の渡し賃は、いつでもポケットに入れておきなさい。これは先人からの忠告だよ。

 

ひぃっ!?

 

ハ、ハーヴェストっ、早く逃げよう!!

 

《了解です》

 

白く焼かれた視界の中、破壊音だけが聞こえてくる状況はすごく怖いです。

 

ハーヴェストに運ばれながら、僕はその恐怖に耐える事しか出来なかった。

 

 

 

──ポヨン。

 

「キャッ、誰よアンタッ、ぶっ殺すわよ!!」

 

ハーヴェストに運ばれているとポヨンと柔らかい何かにぶつかった。

 

《本体、Mt.レディです》

 

よかった。彼女とは友達なんだ。目の手当をしてもらおう。

 

僕は仮面を取るとMt.レディ――ユウ姉に助けを求めた。

 

ユウ姉、助けて。目が痛いんだ。

 

「なんだ、重清君じゃない。どうしたの? 目にゴミでも入ったのかしら」

 

ユウ姉が顔を覗き込んだ気配がした。

 

うん、強い光を見ちゃったせいで目が痛いんだ。

 

「こんな道端で強い光を? まあいいわ。とりあえず近くのファミレスにでも入って目を冷やしましょう。私が手を引いてあげるから重清君は目を開けちゃダメよ」

 

ユウ姉に手を引かれながら、僕達は近くのファミレスへと向かった。

 

 

 

 

Mt.レディとは、神野の一件で知り合った。

 

Mt.レディは巨大化の個性の為、ヒーロー活動中に建築物を破壊してしまう事が多く、その被害額はとんでもない金額になる。

 

ヒーロー活動に伴う被害だから政府からの補助金やヒーロー用の損害保険があるけど、それだけでは賄いきれない程の金額だった。その為、Mt.レディのヒーロー事務所の経営は常に火の車だ。

 

そんな経済的に苦しい時に出会ったのが、建築物も直せる治癒系ヒーローだ。

 

彼女が救いを求めるのは当然だろう。

 

うん、あの時はMt.レディに凄い勢いで縋られて大変だった。

 

「お願い! お姉さんを助けて! 重清君だけが頼りなの!」

 

そういう交渉は正式なヒーローになってからにしてね。と、僕が言っても諦めてくれなかった。

 

ミルコ姉さんにも縋って『ミルコ先輩の舎弟になりますからお願いします! 本当に経営が大変なんです! このままだと夜のお店でアルバイトしなきゃいけないかもなんです!』などと言いながら、Mt.レディは悲しげな表情を浮かべて、チラッチラッと態とらしく僕の様子を窺っていた。

 

ミルコ姉さんは呆れた顔で『こんなあざとい女は相手にするなよ』と言っていた。

 

Mt.レディは確かにあざとい感じがするし、腹黒いタイプだと思う。たぶん同じ女性には嫌われるタイプなのだろう。

 

気の毒だとは思うけど、ミルコ姉さんは依頼を受ける気が無さそうだった。

 

僕が反応せずに黙っていると、Mt.レディのあざとさが増した。

 

「うえ〜ん。夜のお店でアルバイトなんてしたくないよぉ。王子様のような素敵な男の子に助けて欲しいよぉ」

 

もう明らかに媚びる表情になり、甘ったるい口調でお願いをしてくる。そして自分のモモを強調するように腕を組んだ。

 

ミルコ姉さんの表情から『コイツ蹴ってやろうか?』と考えているのが手に取るように分かった。

 

うん、これはダメだ。

 

女性受けはきっと最悪だ。

 

だけど、僕には言いたい事と確かめたい事があった。

 

──両足を開いて立つ。両手を顔を挟むように構え。上体を後ろに逸らす。

 

「ゴゴゴゴゴゴゴッ。Mt.レディよ。すまなかった。君にそこまで言わせてしまった事を謝罪する」

 

「えっと、どうして私は謝られているのかしら? それとそのポーズは何かな?」

 

Mt.レディが首を傾げている。

 

視界の端っこではミルコ姉さんが苦笑していた。

 

Mt.レディの前に片膝をつき、そして彼女の手をそっと手にとった。

 

ハーヴェストが感知して教えてくれた。

 

手袋で隠されている彼女の手には無数の傷があることを。

 

そしてそれは手だけではなく、化粧で上手く隠してはいるけど、彼女の顔も同じだった。

 

傷の一つ一つがこれまでの激闘を物語っていた。僕には宝物のようにそれらの傷が輝いて見えた。

 

年頃の女の子が直して欲しいと願ったのは、自分の傷ではなく建築物だった。

 

彼女には自分の傷なんかよりも大切なものがあるんだ。

 

それはヒーロー事務所を維持すること。

 

それはヒーローとして活動すること。

 

Mt.レディは新人でありながら自分のヒーロー事務所を立ち上げて、たった一人で懸命に戦っている正義の女の子だったんだ。

 

同性に嫌われようとも一人前のヒーローとして立ち、正義の為に戦い続ける。彼女のあざとい言動の裏にはそんな信念があったんだ。

 

その強い心に敬意を抱いた。

 

僕は威儀を正して彼女に告げる。

 

「Mt.レディよ。貴女の尊い真の姿に気付くのが遅れたことを恥ずかしく思う。俺はここに誓おう。貴女がこれよりどの様な振る舞いをしようとも惑わされたりはしない。強い心の(マウント)淑女(レディ)、貴女は正義の心を宿す素晴らしい淑女だ」

 

僕は傷だらけの手の甲(宝物)にキスをした。

 

「ミ、ミルコ先輩……えっと、この子って思い込みが激しくないですか? こんなに褒められても困るんですけど」

 

「ハァ、女に甘いのがコイツの欠点だ、とは言いたくねぇからな。チッ、仕方ないか。Mt.レディは自己顕示欲は強いが、ヒーローとしては及第点だからな。いざという時の巨大な肉壁が手に入ったと考えれば帳尻は合うって事にしてやるよ」

 

「それって依頼オッケーって事ですよね! ありがとうございます!」

 

「礼なら重清に言いな。だが、考えてみりゃ重清の治癒があれば、お前の巨体なら軍隊とも戦えそうだな。もしかしたら、思わぬ拾い物だったかもな」

 

「うぇぇぇ!? ミルコ先輩っ、いくらなんでも軍隊とは無理です! ミサイル一発で死んじゃいますよ!」

 

「いや、クレイジー・ダイヤモンドの治癒速度なら爆破されても死ぬ前に治せるはずだ。そうだ、うちの事務所に機動兵器を持っている奴がいるんだが、ソイツに頼んだら喜んでミサイルを撃ってくれるぞ。きっと良い経験になるだろうから私の方で頼んどいてやるよ」

 

「そんな経験したくないんですけどっ!?」

 

こうして一見あざとく見える強い心の(マウント)淑女(レディ)――ユウ姉と友達になったんだ。

 

 

 

 

「もう、重清君は後衛なのよ。脳筋なんかとケンカなんてしちゃダメよ」

 

ユウ姉にざっくりと事情を説明した。

 

彼女はヴィラン相手なら容赦なく戦う正義の人だけど、それ以外だと大らかなタイプだ。だから停学の話を含めて正直に話した。

 

案の定、ユウ姉は特に僕を諌めるような言葉は発しなかった。

 

だけど脳筋の同級生と対峙するという失策には苦言を呈した。

 

「一人なら無理に戦わずに逃げなきゃダメって分かっているの? 君さえ無事なら戦況の巻き返しなんて後からいくらでも出来るんだからね」

 

ファミレスの座席に寝かされた状態でユウ姉に膝枕をされた僕には、彼女の延々と続くお小言から逃げ出す手段はなかった。

 

ユウ姉のヒーロー事務所に職場体験にいった峰田君が、僕がちょっと引くぐらいユウ姉の事を恐れていたけど、きっとこういう部分を味わったのだと思う。

 

ユウ姉の膝枕は気持ち良いし、下から見上げると視界いっぱいに溢れるモモ景色には癒されるけど、この逃げられないお小言は嫌だよね。

 

もう痛みは治まったから、目を冷やしていた濡れタオルも外している。それなのにお小言が終わらないんだ。

 

ユウ姉はパフェをパクつきながら延々とお小言を……ん? パフェ?

 

ユウ姉は美味しそうにパフェをパクついてる。その姿は年頃の女の子らしくてとても可愛い……じゃなくて、もしかして僕をダシにして仕事をサボっているの?

 

「ギクッ!? ま、まさかそんな不真面目な事はしないわ。今日は雄英文化祭の警備依頼を受けているのよ。具合の悪くなった雄英生である重清君を介抱するのは仕事の内だもの」

 

そう言って、オホホと笑うユウ姉。

 

口に手を当てて笑うその姿はとても怪しいと思う。

 

僕のジト目に気付いたのだろう。

 

ユウ姉は少し慌てた感じでパフェのクリームをスプーンで掬うと、僕に差し出してきた。

 

「ほらほら、もうお小言は止めてあげるからね。はい、重清君にもアーン」

 

アーンと食べさせてもらう。

 

「はい、これで重清君も同罪よね。今日のことは二人だけの秘密よ」

 

なぬ!?

 

これは一本取られちゃったね。

 

僕は苦笑するしかなかった。

 

そんな僕を見て、ユウ姉は満足そうにニンマリと笑うとパフェを美味しそうに食べる。

 

なんだかその様子が得意気になった小さな女の子の様に見えて、僕は優しい気持ちになった。

 

パクパクと美味しそうにパフェを食べる姿を微笑ましい気持ちで見続けていると、不意に彼女の手が止まる。

 

どうしたのかな?

 

「――ねえ、実家のお父さんみたいな目で、私を見るの止めて欲しいんだけど」

 

頬を少し赤らめたユウ姉がそんな言葉を口にした。

 

恥ずかしそうにモジモジしている女の子。

 

──可愛いから写真を撮った。

 

 

 

 

──喫茶店から逃げ出した。

 

せっかく撮った可愛い写真を消せって言うのを断ったら怒っちゃったんだ。

 

彼女は怒っても殴らないタイプだからね。そこは安心して欲しい。

 

怒ったユウ姉は、ミルコ姉さんと同じ様にくすぐってきたんだ。

 

その魔の手から何とか逃げ出して、今は再び雄英文化祭に侵入を試みている。

 

あれから時間が経ってしまったからハウンドドッグ先生はもうロッカールームから戻っていると思う。

 

業者用の通用門を利用する案は諦めよう。

 

ふむ、次のプランは――

 

「重ちー!」

 

それは可愛い愛弟子の声だった。

 

可愛い声に振り向くと、跳ねる様にしてエリちゃんが胸の中に飛び込んできた。

 

ウグッ!?

 

その衝撃にひっくり返りそうになるけど、そんな醜態を愛弟子の前で晒すわけにはいかない。

 

ぬぉぉぉ!!

 

足腰に力を込める。

 

ハーヴェスト達にも支えられて何とかバランスを保つ。

 

そんなギリギリの状態だったことはおくびにも出さずに、僕は笑顔でエリちゃんを抱き締める。

 

「エリちゃんはお転婆さんだね。急に飛びついてきたら危ないよ」

 

「えへへ、ごめんなさい。重ちーを見つけたら我慢できなかったの」

 

エリちゃんと額同士を合わせてグリグリして親愛の情を表す。小さな子ってこういう事をするのが好きだよね。

 

「重ちゃん。この子も抱いてあげてね」

 

エリちゃんはママに連れられて雄英文化祭に向かっている途中だった。そのママの後ろには、恥ずかしそうに隠れている女の子がいる。

 

僕のヒミコちゃんが可愛がっている幼稚園児だ。確か名前は、壱与(いよ)ちゃんだ。

 

「壱与ちゃんもこっちにおいで」

 

しゃがんで壱与ちゃんと視線を合わせる。こうして見ても本当に小さな頃のヒミコちゃんに似ていると思う。頭の雑なお団子までそっくりだ。

 

左腕でエリちゃんを抱っこして、右腕を壱与ちゃんを迎えるように広げた。

 

「壱与ちゃんもおいでよ!」

 

モジモジと恥ずかしがる壱与ちゃんにエリちゃんが声をかける。

 

その声に背中を押された壱与ちゃんがジリジリと近付いてきた。

 

そんな臆病なウサギのような仕草に、僕は出会ったばかりの頃のヒミコちゃんを思い出した。

 

あの頃のヒミコちゃんは、僕以外の人にはとても臆病だったんだ。

 

僕のママに対しても今の壱与ちゃんみたいな感じだった。

 

僕に促されて、勇気を出してママの胸に飛び込んだ幼い頃のヒミコちゃん。

 

「壱与ちゃん。ほらおいで」

 

昔のヒミコちゃんと壱与ちゃんが重なって、自分でも驚くほど優しい声が出た。

 

顔を真っ赤にした壱与ちゃんが意を決したように急加速をして胸に飛び込んできた。

 

今度はちゃんと予想して体勢を整えていたから余裕を持って受け止める。

 

両腕に小さなお姫様を抱えて立ち上がる。

 

満面の笑みのエリちゃんにつられて壱与ちゃんも満面の笑みを浮かべていた。

 

うん。決めた。

 

今日のミッションは変更だ。

 

「ママ、ごめん。停学期間が延びちゃうと思う」

 

「ええ、構わないわ。今日は折角の文化祭だもの。思いっきり楽しんで来なさい」

 

相変わらずの理解のあるママだ。

 

ニッコリと微笑むママに笑い返して――僕は跳んだ。

 

 

 

 

ハーヴェストはスタンドだ。スタンドというのは基本的に空中に浮いている。

 

残念ながら空中に浮いているといっても、飛行タイプのスタンドでなければ自由自在に飛ぶことは出来ない。

 

ハーヴェストの場合だと地上なら地面を蹴ることで小走り程度の速度が出せるけど、空中だとゆっくり歩く程度の速さでの移動が精一杯だ。

 

だけど、僕のハーヴェストは群体タイプのスタンドだ。今ではその総数は5000体以上になる。

 

そして、スタンドは射程距離内ならどこにでも出現させれる。予め、空中に出現させてその場に待機させる事が出来るんだ。

 

空に無数のハーヴェストを待機させて足場にする。移動はハーヴェストに押し出してもらいその勢いを利用する。

 

移動中に存在するハーヴェストもその都度押してくれるから勢いが落ちる事もない。

 

必要のなくなった場所のハーヴェストは消して新たに必要な場所に出現させる。

 

ハーヴェストの具現化と解除を繰り返せば、僕の精神力を消耗する。だけど、今の僕には自家製ハチミツがある。自家製ハチミツは精神力も回復させるんだ。

 

「重ちーっ、お空を走っているの!?」

 

エリちゃんから驚きの声が上がる。壱与ちゃんも目をまん丸にして驚いている。

 

フハハッ、空を駆ける男。矢安宮(やんぐう)重清(しげきよ)だよ!

 

本当は、僕のヒミコちゃんの誕生日に披露して空のデートをしようと思っていたんだ。

 

だけど、二人の小さなお姫様の為なら仕方ないよね。

 

彼女達の楽しい思い出を作る為だもん。

 

さあっ、雄英文化祭を堪能しよう。

 

まずはA組のステージ見学だね!

 

 

 

 

ステージの真ん中で、ウチはポツンと立っている。

 

客席に目を向ければ、万雷の拍手と歓声があがっていた。

 

ステージでは気合十分なクラスメイト達が、ウチの合図を待っている。

 

それなのに、本来なら燃える筈のステージなのに、ウチの心には火が灯っていなかった。

 

煌びやかなステージにいるのに、ウチは孤独を感じていた。

 

「――結局、来てくれなかった」

 

心のどこかで期待していた。

 

文化祭のステージで歌うウチを励ましに来てくれるのを。

 

停学中だろうと、アイツならきっと来てくれるって信じていた。

 

この想いは一方通行だったのかな。そんな弱気が、ウチの心を蝕む。

 

ふと、空の彼方か気になった。

 

なんの脈絡もなく胸が高鳴った。

 

ウチは慌てて空を見上げる。

 

そこにはアイツがいた。

 

気がつくと手を伸ばしていた。

 

ウチだけの太陽を掴もうと手を伸ばしていた。

 

──パァァァン!!

 

触れ合ったのは一瞬だった。

 

その一瞬が永遠に思えた。

 

胸の奥に何かを感じた。

 

『――うん、これからは触りっこしよう』

 

あの夜、アイツが言ったヤバいセリフを唐突に思い出した。

 

ウチ相手じゃなかったら洒落にならないセリフだったと思う。

 

クスッと笑いが込み上げた。

 

格好良いのに子供っぽい男の子。

 

優しいリズムを刻む男の子。

 

ずっとその温もりを感じ続けたい男の子。

 

ウチはクラスメイト達に合図を送る。

 

幕開けの激しいドラムに身体が震えた。

 

胸いっぱいに息を吸い込む。

 

「――よろしくお願いしまぁす!!」

 

ステージが始まった。

 

ウチは歌う。

 

アイツを想って歌う。

 

──心に宿った太陽(矢安宮)の温もりを感じながら。

 

 

 

 

空からA組のステージに向かったら勢いあまってステージに突っ込んじゃった。

 

そんな僕に気付いて咄嗟に手を伸ばしてくれた響香ちゃん。

 

彼女と手を叩き合ったお陰で、そういう演出だと観客には思って貰えたみたいだ。

 

A組のステージはとても盛り上がった。

 

アドリブで空を駆けながらステージに混じってたけど、違和感なくいけたと思う。

 

小さなお姫様達もとても興奮して大満足してくれた。

 

さて、ステージが終わったから他の所を回ろうかなって考えた時だった。

 

相澤先生が現れたんだ。

 

「矢安宮、貴様は停学中のはずだな。どうしてここに居る?」

 

うーん、どうしようかな?

 

とりあえず、別人を装ってみよう。

 

ポケットの中の仮面を装着する。

 

「俺があの男気溢れる好青年の矢安宮だと言うのか? ククク、どうやら雄英教師の目は節穴のようだな」

 

「な、なんだこれは? 俺の認識が狂わされているのか……なるほどそうか。あの馬鹿は空を飛べなかったな。貴様ッ、何者だ!」

 

「フッ、俺の正体を推察することすら出来んのか。現代のヒーローというのは頼りないものだな」

 

「現代のヒーローだと? まさか!? 貴様はオール・フォ……いや、アイツが脱獄したなら連絡はすぐに来るはずだ。ならば貴様はオール・フォー・ワンに連なる者か!」

 

うーん。上手く誤魔化せてるみたいだけど、オール・フォー・ワンって誰なのかな?

 

ハーヴェストは知ってる?

 

《神野で倒したヴィランです。本体をそのヴィランの関係者だと考えたようですね。最近、奴の配下のヴィラン集団がヴィラン連合を名乗り出したので、それを名乗れば誤認させれるかと思います》

 

なるほど、この世界でのディオの呼び名なんだ。

 

よし、じゃあディオの配下の振りをしてから逃げよう。

 

僕は邪悪に見える笑みを浮かべる。イメージするのは、ヒミコちゃんのちょっぴり邪悪風味な笑顔だ。

 

「ククク、オール・フォー・ワンは決して滅びぬ。彼の目的は我々ヴィラン連合が引き継いだ。貴様らヒーロー共は精々足掻くがいい。近い将来訪れる暗黒の時代の到来に怯えながらな!」

 

言い放つと、僕はジュワッチ! と飛び立つ。

 

これ以上喋ったらボロが出そうだからね。

 

地上を振り返ったら相澤先生が悔しそうな顔をしていた。

 

近くにいたハイパームキムキなおっちゃんは何だか苦笑している。

 

僕のヒミコちゃんは小さなお姫様達と一緒に楽しそうに手を振ってくれている。

 

モモちゃんは頭が痛そうにしているけど、大丈夫かな?

 

梅雨ちゃんは困ったような顔をしている。心配かけてゴメンね。

 

三奈ちゃんは混乱したようにワタワタしていた。その様子はとても可愛いと思う。

 

透ちゃんは笑顔で見送ってくれている。相澤先生の背後でナイフ片手に立っているのは気にしないでおこう。

 

響香ちゃんは優し気に微笑んでいた。なんだかいつもより表情が柔らかい気がした。気の所為かな?

 

ところで、苦笑いしているお茶子ちゃんだけど、なんだか顔色が良くない気がする。何かあったのかな?

 

 

 

 

人目のない所で降りた後、皆と合流しようと思ってヒミコちゃんに電話をした。

 

そしたらモモちゃんが出た。

 

『重清さん。今日はもう大人しく寮に戻って下さいね。奇跡的にも先程の出まかせを相澤先生が信じましたわ。私達に真剣な顔で箝口令を敷いていたので間違いないでしょう。逆を言えば、ここで真実がバレれば相澤先生の逆鱗に間違いなく触れますわ。出まかせを信じた相澤先生を『コイツマジか!?』という目で見ていたオールマイト先生がさり気なく私に『今日はもう大人しく帰るようにね。今のがバレたら庇いきれないからね』と、小声で伝えてくれたので指示には従うべきですわ』

 

今までで一番真剣な声色のモモちゃん。

 

うん、今日はもう帰ろう。

 

帰る途中でママに会ったから事情を説明した。

 

ママは『時間は短かったけど、文化祭は楽しめたみたいね』と、ニコニコしながら言った。

 

とても理解がある。

 

流石は僕のママだね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





──ヴィラン連合を警戒するようにと、雄英高校からヒーロー全体に呼び掛けがありました。

雄英文化祭に侵入されたことに危機感を強めた相澤先生が、職員会議でヒーロー全体への呼び掛けを提案したそうです。

オールマイト先生とハウンドドッグ先生が呼び掛けによる影響を考えて消極的(気まずそう)に反対したそうですが、相澤先生の勢いに押し切られたそうです。

この実行された呼び掛けによってヴィラン連合の存在がヒーロー内だけではなく、一般社会にまで広まってしまい社会全体に不穏な空気がちょっぴり広がりましたが、雄英文化祭での実害はなかったので影響は微々たるものみたいです。

まあ、終わった事はどうでもいいのです。

それより、重清くんが飛べるようになったことが問題です。

いえ、正しくは飛べること自体は問題ではありません。

重清君の地上から少し浮いて移動できる能力が鍛えられて、空も飛べるようになったと言っちゃえばいいだけです。

問題は発表のタイミングなのです。

偶然にも、私の重清くんに変装して雄英文化祭に忍び込んだヴィランが空を飛んでいたのです。

このタイミングで重清くんが飛べるようになったと報告したら、疑り深い相澤先生に重清くんは痛くもない腹を探られかねないのです。

発表のタイミングはモモちゃんがよく考えて決めて下さいね。

くれぐれも、私の重清くんが困らないようにして下さい。

それと瞬間移動の件も早く発動の理屈を考えて下さい。迂闊な重清くんがいつ訓練などで使ってしまうかとヒヤヒヤしちゃいます。

そういえば、自家製ハチミツの件はどうなっているのですか? まだ何も考えつかないのですか?

まったく、ちゃんとして下さい。モモちゃんは推薦組で副委員長の優等生なのですよね?

はいはい。そんな言い訳は結構なので、早いとこ対策を考えて下さいね。

それでは、私は人目のない深夜に、重清くんとお空のデートの約束があるので仮眠を取りますね。

はうっ!?

モモちゃんっ、私のお団子を引っ張らないで下さい!

重清くんが似合っていると初めて出会った時に言ってくれた大切なお団子なのです!

ハァハァ、モモちゃんの突然のヒステリーにはビックリしました。

もっとお淑やかに出来ないのでしょうか?

早く仮眠を取らないとお空のデートに差し支えるのです。

お団子もクシャクシャになっちゃいました。

空を飛んだら強風で同じようにクシャクシャになっちゃうのでしょうか?

うーん。お団子を解くか悩みどころですね。

空を飛んだことがないので判断がつきません。

そうそう、空を飛ぶといえば最近話題になっているホークスという空飛ぶヒーローがいますが、なんでもとんでもなく酒癖が悪いらしいです。

本来なら全く関係のない人なので、彼の酒癖が良くても悪くてもどっちでもいいのですが、私の地元で真っ昼間から泥酔して裸踊りをしていたそうです。

まったく、もしもそんな裸踊りの場面に遭遇したら最悪です。粗末なモノなど見せられたくないです。

気の荒いミルコさんの目の前で、裸踊りをしようものなら蹴り潰されちゃいますよ。

私ですか?

絶対に潰さないです。

だって、ズボンの上からでも汚い汁が付くんですよ。

生で潰したら大惨事です。

絶対に嫌です。

どうしても潰す必要がある場合はモモちゃんに任せますね。

ゴム手袋でも創造して握り潰してくだ――はうっ!? お団子を引っ張らないで下さい!

ハァハァ、モモちゃんの突然のヒステリーは本当に困るのです。

























そういえば、オールマイトが現役引退を宣言しました。これからは後進育成に専念したいと深刻そうな顔をしてテレビで言ってました。

それを見ていたお茶子ちゃんの張り詰めた表情が、不思議と印象に残ったのです。




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