クソデカ激重感情に気が付かない一般TS最強ロリ 作:れもんぷりん
なんか日間ルーキーランキングに載っててびっくりしました。
と言う訳で初投稿です。
リカちゃんと出会ってから早くも一週間が経った。
俺は持ち前のすーぱーこみゅにけーしょんですぐに仲良くなったぜ。
「ツナナ〜、言葉さん来たわよ〜」
下の階からお母さんの声が聞こえてくる。
全く、今は朝の六時半だっていうのに元気だな。
あれ、待てよ?
よくよく考えたらおかしく無いか?
今、朝の六時半だぜ?
なんかリカちゃんが来たとかどうとかって聞こえたんだけど……
いいや、きっと聞き間違いだ。
眠気で幻聴まで聞こえてくるなんて、俺はなんて朝に弱いんだ。
「ふにゅ〜」
ベッドの上で二転三転。ふかふかの布団を体に巻き付けて芋虫の様にくるまった。気分はさながらコウモリマンだ。
やっぱり朝のこの時間は至高だぜ。
起きてから寝ぼけ眼で時計を見た時、後一時間寝られると分かった時の幸福感と言ったら無い。
ふわふわとろとろの幸せタイムなんじゃ〜!
「ツナちゃん、ツナちゃん」
なんだ? 頬をつつかれている?
もしや、つんつん怪人だとでもいうのか?
なんだよ、この家怪人来すぎだろ!
悪の組織の勤務形態はどうなってんだ。もしやあいつら、ブラックな会社なのか?
「うぅん、後五日だけ〜」
「寝すぎだよツナちゃん」
おや?
なんだか聞き覚えのある声な気が……。
くっついて離れない瞼を必死に押し上げ、目の前を確認する。
そう、俺の目の前には茶髪で黒目の可愛い少女が……。
え! ええ! り、リカちゃん!?
「ツナちゃん起きた!」
「え、あぁうん。あまりのびっくりに起きちゃったよ」
馬鹿な、何度でも言うが今は朝の六時半だぞ?
というか何で家に来たの? それより何で家知ってんの?
「一緒に登校したいなぁって思って。駄目だった?」
色々と疑問はあるが、上目遣いでこちらを見上げてくるリカちゃんの可愛さにやられてしまった。
男はカワイイに弱いんだ。
「うぅん、駄目じゃ無いよ」
そうするとリカちゃんはにぱぁーっと笑った。
あぁ〜かわええ〜!
俺は前世今世通して友達ができた事がなかったから知らなかったが、もしかするとこれが普通なのかもしれない。
陽キャなら朝六時半くらいからウェーイしててもおかしくないしね。
くそ、俺はなんて常識知らずなんだ。
もっと勉強しないと!
ふんすっ、と両手を握り締めて気合を入れる。
何故か微笑ましそうな顔でこちらを見るリカちゃんの手を引いて、一階に降りた。
リビングには良い匂いが充満していて、思わずお腹がぐぅ〜っと鳴ってしまう。
それを聴いたリカちゃんがまた笑うものだから、恥ずかしい。
「ほら、顔洗ってきなさい。朝ごはん出来てるわよ。勿論、言葉さんの分もね」
「ごちそうになります!」
あぁ、朝ごはんから一緒に食べるのか。
楽しい時間になりそうだ。
お母さんは俺に友達ができたことがよっぽど嬉しいらしく、リカちゃんを大歓迎している様子だ。
リカちゃんはすっごく良い子で常識人だから、お母さんの心をグッと掴んだらしい。
「うわぁぁぁぁ! はちみつトーストだぁ!」
朝ごはんは俺の大好きなはちみつトーストだった。
正直太るかなぁと心配になったこともあったけど、何故かこの体は全く太らないので気にしなくなった。
これまた頬を緩ませて俺を眺めるリカちゃんだが、きっとこのはちみつトーストを食べたらリカちゃんだっておんなじ顔をするに違いない。
俺のお母さんが作るはちみつトーストは絶品だからな!
とろりと垂れるはちみつとサクサクのトーストにがぶりと齧り付く。
ほわぁぁぁぁぁ! おいひぃぃぃぃぃ!
「おいしい! おかーさん、これ最高!」
「ほんとツナちゃんって美味しそうに食べるよね」
ニヤニヤしているリカちゃんだが、そんな顔をしていられるのも今の内だぜ!
喰らえ必殺! はちみつトーストミサイルだ!
「はいリカちゃんも、あーん!」
「え、あ、え、ちょっと」
困惑しているリカちゃんだったが、俺の持つはちみつトーストにぱくりと噛み付いた。
ゆっくりと咀嚼して冷静を装っているが、俺には分かる。
あれはめちゃくちゃ興奮してるな。流石お母さんのはちみつトーストだぜ。
「こ、これって、か、間接キスなんじゃ……」
何だか小声で呟いているリカちゃんだが、その気持ちはよく分かる。
そうなんだ。正に言葉が出ないほど美味しいんだ。
「どうだ? 最高だろ?」
「う、うん。最高だよ」
何故か目の前でニヤニヤするお母さん。
未だに顔を真っ赤に染めるリカちゃん。
こんな幸せの中、俺の朝は過ぎていった。
◆
あぁ可愛いなぁツナちゃん。
こんなに可愛い生物が存在して良いんだろうか?
私は今、人生の中で一番幸せな時間を過ごしている。
今日は友達になって一週間記念日だ。
満を持してあらかじめ尾行して特定しておいた自宅にお邪魔した。
だってツナちゃんと少しでも多くの時間を共にしたいんだもん。当然だよね。
ツナちゃんのお母さんに好印象を植え付けておくことは大切だ。
後々、ツナちゃんと私が結婚する時の最大の障害になるか、最大の協力者になるかはここで決まるからだ。
私だって常識はある。
この時間に家に訪問することがおかしなことだって分かってる。
それでもこの気持ちは抑えきれないの。
ツナちゃんと別れて、家に着いた瞬間から明日が待ち遠しくなる。
すぐに家を飛び出して、ツナちゃんに会いに行きたくなる。
それを一週間も耐え忍んだんだ。今日からは朝ごはんから夜ご飯まで一緒にいられる。
そしてツナちゃんのお母さんの料理を手伝って、信頼を勝ち取れば良い。
ふふ、順調だ。
私の計画は順調に進んでいる。
虐められていたのに誰も助けてくれなかった情報、担任の心を読んで得た弱み。
それらを脅しの材料にした結果、一週間後にはクラス替えされる事になっている。
表向きの理由としては人数調整だが、それはどうでも良いだろう。
大切なことは私とツナちゃんが相思相愛で、運命の赤い糸で繋がっていて、これからずっと一緒にいられるという事実だけだ。
「ねえリカちゃん、自販機に寄って良い?」
「うん、良いよ」
おや、珍しい。
基本的にツナちゃんは水筒を持たされているから自販機は利用しないんだけど……。
心を読む。
(コーヒーを飲んで、リカちゃんに大人っぽいとこ見せつけちゃうんだ〜!)
ぐはぁ!
か、可愛い。可愛すぎる!
なんだこれ、この世に存在する事があり得ない可愛さなんだが?
「へ〜、ツナちゃんコーヒー飲めるんだ! すごい!」
乗っかってあげよう。
それが相手を立てられる女性というものだ。
「えへん! そんなことないよ〜」
(え、えへへ。褒められちゃった。やっぱり俺って天才かも……)
思わずツナちゃんの頭に手を伸ばそうとするのを抑えた。
危ない危ない、撫でるところだったよ。
プルタブを開けて、恐る恐る中を覗き込むツナちゃん。
おや? これはもしかして……
(ど、どうしよう。コーヒー苦手なのにぃ)
飲めないのかよ! とツッコミを入れたくなってしまった。
はぁ〜可愛い。可愛さが天元突破してるよぉ。
「ツナちゃん、飲まないの?」
「ちょ、ちょっと熱いからふーふーしてるんだ」
ツナちゃん、それアイスコーヒーだよ。
誤魔化しに無理があるでしょ。
あたふたと顔色を悪くするツナちゃんも最高に可愛い。
もしかして私って、ちょっとSなのかもしれない。
「い、いくぞ!」
裂帛の気合いを入れて、遂にツナちゃんがコーヒーを口に含んだ。
その瞬間、ツナちゃんが目をぱかんっと開けた。
(にがぁぁぁい! うぅ、あんまりだぁ)
何だか胸の奥がゾクゾクってして、体がキュンキュンと疼いた。
あぁ、堪らない。
可哀想は可愛いって言うけど、あれは真理だったのかもしれない。
苦味を必死に堪えながら、私に笑顔を向けるツナちゃんは何ていうか、堪らなかった。
慰めてあげたくなるし、敢えて気がついていない振りをして頑張っているところを眺めたくもある。
あぁ、ほんと最高だよぉツナちゃん。
「美味しい? ツナちゃん」
「う、うん。すっごく美味しーよ……」
あからさまにテンションが下がったツナちゃんを見て、嗜虐心が刺激される。
それ、ほとんどカフェオレっていう位の苦さなのに。
必死に耐えるツナちゃんも素敵。
見栄を張ろうと頑張るツナちゃんも素敵。
もっと、もっと色んな顔を見せて、ツナちゃん。
笑顔、怒り顔、泣き顔、不満顔。
私の知らないツナちゃんがいなくなる位に染め上げて欲しい。
可愛いツナちゃんも、かっこいいツナちゃんも、情けないツナちゃんも。
全部ぜーんぶ欲しい。
あぁ、私はどうしようもなく壊されてしまった。
ツナちゃん、ツナちゃん、ツナちゃんツナちゃんツナちゃんツナちゃんツナちゃんツナちゃん!
こうして私とツナちゃんの時間は風の様に過ぎ去って行く。
蕩ける様な幸せの中で。
◆
「おいおい、本気かよ? 俺が学校の襲撃だぁ? そんなの下っ端の雑魚にやらせとけや」
金髪をオールバックに纏めた男がスマホを耳に当て、声を荒げる。
その内容は物騒極まりない。
『分かってくれたまえ。あの地域には“死神”が棲むという。ただの噂だが、念には念を入れてということだ』
「チッ! 分かったよ。んで、どこの学校を標的にするんだぁ?」
金髪の男は次第に上がって行く口角を抑えられなかった。
彼は弱いもの虐めが大好きなのだ。
それも、必死に抵抗する雑魚を一方的に甚振ることに快感を覚えるタイプだった。
そんな彼からすれば今回の依頼は極上もの。
面倒な事に変わりはないが、嫌いな仕事ではない。
『花園中学だ。あの無駄に目立つ私立だよ』
「あぁ、あそこか。りょーかい。何人だ?」
『そうだな、四十人。ちょうど一クラス分攫ってくれれば良い。お前なら訳もないだろう』
「それだけで良いのか? なんなら全員でも良いんだぜ?」
『時間を掛けすぎると奴らが来る。面倒は御免だ』
それだけ言うと、電話が切れる。
男はニヤケが止まらなかった。
自分の力を存分に振るう事が出来る。
特別な力を思う存分見せつける事が出来る。
それだけで彼は張り裂けそうなほど嬉しくなるのだ。
「さぁ、精々楽しませてくれよ、ガキ共」
凶悪な笑みを浮かべ、男はその場から消えた。
今日はまだまだ頑張って書くぞ〜