この話では推しの子要素0なので あらかじめご了承ください。
悪夢としか言いようが無い光景だった。
数百年同じ群れで生きてきた
「犬どもが…腹の足しにもならんな…」
「ん?1匹だけ生き残ったか……どこの野良犬かと思えばお前次郎にくっついてたバトルウルフか。」
目の前にいるのは八王すら及ばない頂点捕食者、勝てる見込みも無ければかえって自分が食料にされかねない存在。
だというのに俺の頭に逃げる選択肢なんてのは綺麗さっぱり無くなっていた。
それはバトルウルフとしての誇りだとか、グルメ細胞がもたらす食欲なんかでは無く。
ただひたすらに腹が立っていた。
多くの
アカシアがわざわざ悪人のフリをしているのは知っている。
これが原作通りの展開である事も知っている。
ネオに悪意が無いのも知っている。
だが知識として知っていようが実際に目の前でこんな惨状を目にして冷静ではいられなかった。
今からやるのははっきり言ってただの八つ当たりだ、この先のストーリーに影響が出るわけでも無い。
それでも一発は思いっきりぶん殴ると今決めた。
「次郎の仇でも取りに来たか?狼王といいテメェといい犬畜生が随分泣かせてくれるじゃないか。」
もっと他にやりようは無かったのか?
「次郎も馬鹿な奴だ。 思い出や感情なんていうくだらねぇ物のためにあんな無様な最期を迎えるなんてなぁ?」
それ程の力があるなら次郎も死なず、一龍と三虎が殺し合う様な事もない方法があったんじゃないのか?
「本当に、どうしようも無い出来損ないだったなぁ。」
そのニヤケ面、吹き飛ばしてやるよ。
『ノッキングハウル』
次郎のノッキングブレスを参考に咆哮でノッキング出来ないか試行錯誤した結果できた俺のオリジナル技、その辺の雑魚はともかくネオには精々一瞬動きを遅らせる程度しか効果は無いけど、十分すぎる。
バトルウルフがノッキングなんて技術を使ってくる事に驚愕の表情を浮かべるネオに向けて全速力で突撃する。
この世界で習得したあらゆる技術を総動員し今の自分が出せる最強の技を構える。
全身の筋肉を膨張させ右前脚に集中させる、ギギギギと筋肉が圧縮される音と共に黒く変色した右前脚を、満身の怒りを込めてネオの顔面に叩き込む
『ビッグバン』
ドゴオオオオオオオオン!!!
血を吐いて遥か彼方にまで吹き飛んでいくネオに追撃をしかけるべく、さらに加速する。
光速で接近し2発目を叩き込む瞬間。
しゃく
気づいた時には前脚は既に食われていた。
そのまま首を鷲掴みにされ地面に叩きつけられる。
「今のは次郎の技か?犬風情が随分と器用な真似をするじゃあないか。」
「だがやはり所詮は薄汚え野良犬だな、アイツに技を教えたのは誰だと思っている?」
「それなりにいい一撃だったがこれで終わりだ、精々ネオの腹の中で仲間と楽しくやってろ。」
この世界で死ねば俺も食霊になるんだろうか?
迫ってくる巨大な口を横目にトリコの方を見ると強い覚悟を感じる真っ直ぐな瞳と目が合った。
ああ、これなら大丈夫だな。
自分はもう十分生きたし、トリコ達なら原作通りハッピーエンドで終わらせてくれるだろう。
不思議な満足感を感じながら、俺は2度目の死を受け入れた。
しゃく
バトルウルフ (前世ダイヤ)
哺乳獣類
捕獲レベル 5810
生息地 グルメ界 エリア2
・ノッキングハウル
ダイヤ君の数少ないオリジナル技
次郎が息でノッキング出来るんだから声でもノッキング出来るでしょという安直な発想から生まれた技。
・ビッグバン
本来はノッキングマスター次郎の技
全身の筋肉を集中させて黒く変色した腕で殴る。
食らうと宇宙まで吹き飛ぶ。