便利屋68に降り立つは、傍観者のゲマトリア 作:マスターBT
という訳でいつもより早めの更新……なのですが、筆が乗ったのでまだ続くよトリニティ。改めて見ると戦力過多が凄いね此処。
「救護!」
ヒエロニムスを中心に湧き出てくる無数のユスティナ聖徒を派手に吹き飛ばすミネ団長はその勢いのままに、無数のユスティナ聖徒を吹き飛ばしていくが彼女の破竹の勢いを止めるかのように叩きつけられる弾幕によって足が止まる。
「ぐっ!!」
ユスティナ最強の信徒バルバラ──彼女が三人も現れ、両手のガトリングが一斉掃射されてしまえばさしものミネ団長も止まるどころか、ジリジリと圧に押され始めてしまう。
しかしそれでも彼女の救護の理想を体現する盾は撃ち砕かれる事なく、その場にバルバラを簡易的に拘束する事に成功した。
『今です。サクラコさん』
「はいっ!!」
作戦通り、ミネ団長が作り出した瓦礫に隠れ潜んでいたサクラコが飛び出しバルバラの一人に肉薄。
狙われたバルバラは迎撃対象をサクラコへと切り替えるが、威力の為に鈍重となっているバルバラでは『覚悟』のサクラコに追いつける訳がなく、ユスティナの後継、シスターフッドの長であるサクラコの一撃がバルバラの脇腹へと放たれる。
『──』
「やはり私一人では足りませんか……」
が、それでもバルバラを撃ち倒すには足りない。
ダメージはあるものの『複製』としての特性か『色彩』から送り込まれるエネルギーの為かバルバラは倒れず、受けた傷を回復させながらサクラコへとガトリングの銃口を向ける。
「流石は最強と謳われたバルバラ。私に貴女の様な強さはありませんが──」
「はぁぁ!!」
「そこ、です!」
「──私達は負けませんよ」
ヒナタの鞄に格納されているグレネードランチャーによる爆撃がバルバラを襲い、その隙にサクラコが下がりリロードを済ませると彼女の背後から鈍重な銃声が鳴り響き、爆撃によって姿勢を崩していたバルバラの顔面をマリーが撃ち抜く。
トドメとしてサクラコの祈りが込められた弾丸がバルバラを貫き、バルバラは溶けるように消えていった。
「負けていられないな……私が活路を開く!!」
シスターフッドの勢いに乗るようにサオリが、一気呵成に駆け抜けユスティナ聖徒を撃ち倒し残り二体のバルバラへと飛びかかる。
一体はミネ団長へと圧をかけたままだが、一体が敗れた事で行動パターンが切り替わったのか先程よりも早くサオリの動きに反応し、バルバラのガトリングから放たれる弾幕がサオリを襲う。
「無茶をするんだから」
その刹那、サオリを守るように投げ込まれたスモークグレネードから噴き出す煙が彼女を覆い隠す。
濃い煙によってサオリを見失ったバルバラの意識を自分に向けるようにアツコは攻撃を加えながら、目立つように態と大きく動きバルバラの意識を己に惹きつける。
「それは姫も同じ」
「みんな、人のこと言えませんよね」
バルバラの足元に地雷がばら撒かれたかと思えば、次の瞬間には飛来した弾丸がバルバラのガトリングを二丁とも破壊する。
地面へと落下した銃身が地雷を起動させ、連鎖爆発が起きるとバルバラの足元の一部が崩落し大きく体勢を崩す。
「──でなければ我々の罪は赦されないさ」
煙幕から飛び出したサオリがバルバラにトドメを刺し、残った一体の方へと視線を向ければ──
「救護!!」
「……凄まじいな」
バルバラの攻撃を受けながらミサイルかと錯覚する勢いで、突っ込んできたミネ団長がバルバラを一発KOする瞬間を目撃する事になった。
ガチャリと着地したミネ団長はクルリとサオリ達を鋭い視線で見た。
「怪我はしていませんね。であればこのまま共同戦線をッッ!?」
『───!!!!!』
ミネ団長の言葉を遮る様にグレゴリオと弾幕戦を繰り広げていたヒエロニムスが叫ぶと、辺り一帯に冷たく不穏な空気が流れ込みユスティナ聖徒が再び、湧き出てくる中『彼女達』は立っていた。
「──えっ?」
シスターフッドの正装に身を包む『彼女』だが、その表情は安らぎとは程遠いまでに冷え切り両手に握られた黄金の銃は『彼女』が祈りよりも力を求めた証であり、亡くした友がこの世界に居たという証明でもあった。
『……そう来ましたか』
補修授業部の面々と出会っていなければ、自分がもっと早くトリニティというものに見切りをつけていたら、大切な誰かを失ったとすれば納得出来るとハナコは
世界への拒絶を示す様に漆黒のドレスに身を包む『ハナコ』はヒエロニムスを見上げ、グレゴリオを見て、此処に集まった者達を見て──全てを理解し手を振り下ろす。
「ッッ、『マリー』さん!!」
苦楽を共に分かち合い、『彼女』が敬虔な信徒である事をよく知っているサクラコは自らに向かってくる『マリー』に動揺を隠す事が出来ず、向けるべき武器ではなく言葉を投げかけてしまう。
そんなものは再現でしかない『マリー』に届く訳がないのに。
「ぐっ!?」
「サクラコ様!きゃぁあ!?」
攻撃を受けるサクラコを助けようとしたシスターフッドの面々や、ヒナタ達を邪魔する様に先程とは違い統率の取れた動きで襲いかかるユスティナ聖徒達。
それはサオリ達の方も同じで、バルバラやアンブロシアスといった特級戦力が数の暴力で彼女達に襲いかかる。
「一先ず私の後ろに!!」
「すまない!!ヒヨリ、そこから狙えないか?」
「ご、ごめんなさい!スコープで捉えると分かってるみたいに身体を逸らして……わわっ!?」
優位に運べていた戦況が一気にひっくり返る。
数の多いシスターフッドには、精神的動揺から連携を封じ込め個人戦闘力に優れるアリウスやミネ団長には数の暴力を。
与えられた兵力を即座に把握し、的確に運用する力量……それは間違いなくハナコのものだ。
「……なるほど。彼方のバイステンダーめ、ヒエロニムスに本を仕込んだのか」
『それがあの二人の正体ですか』
「こちらの世界よりも経験を積んだ者達相手だぞ。手はあるのかね?」
マエストロの言葉にハナコはじっと、送られてくる戦況を見つめ考えを巡らせ──とある知らせが入った事でニヤリと笑った。
『向こうが戦力増加したのなら此方もするまでですよ』
「ほぅ」
カタコンベの崩落した屋根から黒い羽根が舞い散る。
よく見れば灰色も混ざった羽根は、『マリー』とサクラコの間にふわりと舞い散りワイヤーを引き絞る独特な金属音と共に力強い羽ばたきが起き、より一層羽根が舞うと彼女が現れた。
「──悪い悪い。ちょっと遅れちまったなサクラコ」
取り付けられたスパイクで『マリー』を突き飛ばし、サクラコを庇う様に立つのはセラよりトリニティ自治区の防衛を命じられたレイヴン9で彼女はニヒルな笑みを浮かべていた。
「ココノエさん!」
「今はレイヴン9な。しかし……なるほどねぇ、仲間が相手となればやり辛いだろ。此処は私に任せな」
『マリー』を見て状況を察したレイヴン9は気遣いのつもりで、そう話すが返事はなく代わりに自身の隣にサクラコが立つ。
「おい。こういう汚れ仕事はお前には」
「私は!!シスターフッドの歌住サクラコです!!……また貴女一人に全てを押し付ける訳にはいきません」
「……はっ!んじゃあ、泣き言溢さず付いて来い!!」
隣に立つサクラコの『覚悟』を理解したレイヴン9は楽しげな笑みを浮かべて、サクラコと背を合わせて共に『マリー』へと銃口を向ける──嘗ての友との共闘が楽しくない訳がない!!
「おいサオリ!!そっちにも強力な助っ人だぞ!!」
「……ふっ、あぁ。分かってる」
サオリが見上げた空に一筋の流星が走る。
愛らしい桃色の光を放つソレは、カタコンベの空で軌道を変えると勢いよく落下しサオリ達を取り囲んでいたバルバラやアンブロシアスを吹き飛ばす。
立ち込める土煙が彼女の放つ膨大な神秘で掻き消されると予想通りの人物が、自身の生み出したクレーターの中心に立ちサオリを見て満面の笑みを浮かべる。
「やっほー☆苦戦してるみたいだねぇ?」
「ミカ……お前は相変わらず規格外だな」
「えー?折角、助けてあげたのに第一声がソレ?私、これでも結構疲れてるんだけどなぁー」
事実、広いトリニティ自治区の大半をほぼ一人で守り切り押し寄せる敵を殲滅してからミカはこの場に来ているため、疲労はかなり蓄積されていると言っても良い。
しかし、そんな素振りは微塵も見せず軽快な足取りでサオリの周りをクルクルとするミカは恐らくかなり鬱陶しいだろう。
「礼は後でな。表通りのケーキ屋で良いか?」
「え、良いのやったー!ナインちゃんも誘って行こっか」
「あぁそうだな。だが先ずは」
「うん。そうだね先ずは」
「「此処を切り抜けてからだ!!」」
相手は尽きる事を知らない無数の軍勢と知らない世界で経験を積んだ手練れ。
だが、そんなものは関係ない。
何故なら背中を預けるに足る友が、未来を語り笑い合える友が一緒に戦っているのだから──!!
『『……』』
目の前の奇跡を
二丁拳銃マリーはただの私の趣味!
黒いドレスを纏うハナコはきっと未亡人感あると思う。友達が出来なかったけど、生来の気質のせいでなんだかんだと有事に巻き込まれ、ブラックマーケットで名の知れた人になったのかも?ロアナプラ似合いそう。
感想・此処好き待ってるぜ!!