便利屋68に降り立つは、傍観者のゲマトリア   作:マスターBT

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えー……めっちゃ趣味に走っております!!


サンクトゥムタワー完全攻略!!

 私にとって居場所と呼べるのは便利屋68が居る場所でこれは何があろうとも揺るぐことはない。

 その上で関係を細かく紐解いていくのなら、共犯者としてリオが相談者としてケイが、友と呼ぶべき『先生』がと挙げていけばキリがないがその中でも特殊とも呼べるのがカイテンジャーだ。

 彼女達とはあくまで、便利屋を介さない私独自の伝手の一つとして確保していた出資者だったのだが便利屋を去る気がなくなり、レイヴンという優秀な駒が手に入った以上、カイテンジャーは金ばかりかかる厄介者と呼べてしまう間柄に落ちていた。

 

 だが不思議と私は出資を止めなかったし、アビドスでの借りがあるとは言え彼女らを頼る事は常に選択肢の一つにあった。

 それが何故かと考える事は一度たりともなかったが……そうだな、敢えて答えを明確にするのなら私は彼女達を好ましく思っていたのだろう。

 

「正義を掲げ、正義を唄う君達はたかがロボットが動かなくなった程度で諦める者達であったか!?私が金を出し、技術を提供していた者達がその様な軟弱者であったなど認めたくはないのだがね!!」

 

『危ないから身を乗り出さないでください!!いくら私とは言え操縦のラグはあるのですから』

 

「ククッ、ケイは私の想定以上の結果を出すからな。信頼しているのだよ」

 

『このッ人誑しぃぃ』

 

 なにやらケイが騒がしいがしっかりとペロロジラの攻撃を避けているのだから流石と言える。

 

「貴方は……まさか!!」

 

「この姿では初めましてだったかな?君達の親愛なるパトロン、バイステンダー改め萬屋セラだ」

 

 この姿になってからは送金はあったが、実績作りとカヤ防衛室長に掛かりっきりで会議の一つもしていなかったか。

 彼女らからすれば意味不明な状況ではあるが、私が男か女かなどという細かい事を気にする彼女らではあるまい。

 

「死ぬなとは言ったが……はっはっはっ!!やはり貴女は我々の想像を容易く超えるな!」

 

「ククッ、可能性は決してゼロではないからな。この心が折れぬ限り」

 

 もしも私と彼女らの間に明確な言葉を設けるのなら──そうだなきっとこれが正しいだろう。

 

『ッッ!!ペロロジラの光線、機体側面を溶解……バランスが保てません!!』

 

「カイテンジャー!!その胸のレーンは止まってしまったのか!?」

 

 彼女らの原動力は、例え王道から逸れようとも所属する学園から疎まれようとも、犯罪者と呼ばれようとも決して止まる事のない己の正義への熱意、この予想が正しいのであれば──!!

 

「否だ!!我々の正義は未だ止まっていない!!」

 

 あぁ、そうだ、そうでなくてはつまらんよカイテンジャー!

 

「ではパトロンでもあり、君達の描く正義の同志足る私が戦う力を授けようではないか!!」

 

『くっ……流石に限界です!!』

 

 ケイの悲鳴ともにペロロジラの光線が私の乗るヘリに直撃した。

 

 

 

 

「パトロン!?」

 

 目の前で爆炎をあげるヘリに叫ぶレッド。

 彼女の視界にはあのヘリから、親愛なるパトロンが逃げ出した瞬間は見えておらず、バイスタンダー否、セラは死んでしまったと思ってしまったのだろう。

 

「トウッ!!」

 

 ──その程度で死ねるほど諦めが良ければ、セラはこの世に生まれていない。

 ヘリの爆煙から飛び出す人ほどの大きさをしたナニカがカイテンジャーの前に着地すると、ソレは白い指を天に突き立て己の名を叫ぶ。

 

「正義の名のもとに無限の可能性を信じるのなら、私が力を貸そう。我が名は──カイテンコマンダー。君達の行路を手助けする者だ!!」

 

 カイテンジャーと同じデザインのスーツに身を包み、何処までも白い装いは無垢なる正義の体現でもあるのだろう。

 

「さて追加戦士伴い、追加ロボットが現れるのもお約束だったな。来い、無限回転イカベース!!」

 

 右腕に装備された腕輪から光が真っ直ぐと海へと向かうと、命令を受託し待機していたロボットが浮上し蓄えた水力によって飛翔する。

 

『──!?』

 

 ──機械仕掛けのイカがペロロジラに勢いよくぶつかり、吹き飛ばすとカイテンFX Mk.∞の側で滞空状態へと移行した。

 

『……はぁ、中身大人のヒーローごっこに付き合わされるとは』

 

「ククッ、ケイの力無しではコレの完成は無かったからな」

 

「パトロン……いや、コマンダーよ。これは」

 

「地に伏し倒れてもなお、諦めずに立ち上がらんとする君達の新しい翼だ──詳しい話をしている暇はないな。戦えるか?」

 

 カイテンコマンダーの煽る言葉は仮面に隠された奥で、彼女がにやりと笑みを浮かべているであろうと示しており、彼女らもまた同じように応じるのであった。

 

「「「「「応!!!!!」」」」」

 

「では行くぞ!!超回転!!」

 

「「「「「無限寿司合体!!」」」」」

 

 打ち合わせでもしていたのかというのは野暮だ。

 画面の向こう側で、『先生』が周囲を置き去りに騒ぐ中超回転無限寿司合体は行われる。

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

 倒れたカイテンFX Mk.∞が立ち上がるのと同時に、イカベースの耳が勢いよく外れ足が胴体へと収納され、一本のミサイルの様になるとカイテンFX Mk.∞の背中にある蛇口へと合体し、空を飛ぶイカの耳は鯖ソードと合体し先端が鎌の様になる。

 

「ククッ!」

 

 カイテンジャー全員が集まる場所、レッドの後方より僅か上の場所に新たにカイテンコマンダーが腕を組みながら現れ、超回転無限寿司合体は完了する──念の為、記載しておくが日曜日朝の番組とは無関係である。

 

「「「「「「カイテンFX Mk.∞∞(クロスインフィニティ)!!」」」」」」

 

 地面を割り、土埃を上げて着地するカイテンFX Mk.∞∞と睨み合うペロロジラ。

 

「イカベースで賄えるエネルギーでは巨大化は一分が限度だ」

 

「ふっ、あまりに十分すぎるな!!」

 

 両者が地響きをあげ走り出す。

 敵対者を捩じ伏せんと渾身のぶちかましを行うペロロジラであったが、カイテンFX Mk.∞∞は横綱相撲の様に真正面から受け止め先ほどのお返しと言わんばかりに、近くのビルへと叩きつける。

 

『──!!!!!』

 

「飛翔だ!!」

 

 怒りと共に放たれるペロロジラの光線であったが、イカベースと合体した事で得た水力で上空へと逃れたカイテンFX Mk.∞∞に当たる事はなく、小規模の爆発を起こすのみであった。

 

「収納した足はこの様に使う!!」

 

『──!?!?!?』

 

 飛翔したまま伸びてきたイカの足によって、グルグルと拘束されるペロロジラ。

 引き千切ろうと力を込めるが、ペロロジラは単純な力よりも光線が主体のどちらかと言えば遠距離タイプである為、千切るにはパワーが足りなかった。

 

「お前の力の一端を考えれば思う事が無いわけではないが」

 

「キヴォトスを滅ぼすのであれば我々の敵だ!!いくぞ皆!!」

 

「止まることのない!!」

 

「我らの無限の正義が!!」

 

「熱き情熱が!!」

 

「未来を切り開く時!!」

 

 限界まで引き絞られたイカの足が、水力と共にカイテンFX Mk.∞∞を押し出す!!

 

「「「「「「無限回転・∞スラッシュ!!」」」」」」

 

 ペロロジラを横一閃にし、着地するカイテンFX Mk.∞∞によってペロロジラに∞の文字が浮かび上がると依代となっているペロロジラのぬいぐるみが燃え盛り、今度こそ完全にペロロジラが爆散する。

 

『……なんだこれは』

 

 困惑に満ちた声を漏らし爆炎から逃れる様に『バイステンダー』は逃げて行った……貴方の困惑はきっと正しい。

 何故なら当事者である彼女達以外、『先生』を除き全員が困惑の表情を浮かべているのだから。

 

“ふぅぅ!!格好いい!!”

 

 なお、『先生』は大はしゃぎであった。

 

「……私の予想を超えての巨大化……デメリットがない訳がありません」

 

『あぁ。その予想は正しいぞヒマリ嬢』

 

「セラさん……」

 

『ククッ、具体的に言うのならもう間も無くこの機体は爆発する。まぁ、所謂、爆発オチというやつだな』

 

 カイテンジャーの面々が「え?」と声を漏らすより早く、カイテンFX Mk.∞∞は爆発し空に六つの光が輝いたという。

 なんともふざけた結末ではあったが、これにより全てのサンクトゥムタワーは攻略されキヴォトスに青空が戻るのだった。




カイテンコマンダー……カイテンジャーのスーツを白くしたもの。

イカベース……でっかいイカ。一人だけ寿司じゃないのは立場が違う証拠。ちなみにイカの血は青い。

感想やここ好き待ってるぜ!!
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