ロックマンエグゼ世界でエックス的なナビを持ってしまった 作:黒兎可
「って、リンクもなく電脳ぶっ壊して爆走とか有り得るんですかアレ!? しかも科学省の電脳に突っ切ってきましたよ、今のネットナビ!」
「通常の移動ルートでなければ、無い訳じゃないかな……。所謂URLの総当たりに近い所がある」
「えっと…………?」
「ものすごく非効率的な方法ってことです、ガンサイ君」
思わずターボマンの蛮行? にツッコミを入れてしまったけど、全く有り得ない訳じゃない、みたいなことを言われてしまった。でもゲームだとリンクもパスコードもないと外部のネットワークに出れないと思ったんだけど……。
いや、シャドーマンとかなんか壁抜けとかしてるって話が合った気がするし(何で見たんだっけ)、全く不可能ではないってことなのかな。
それにしたって、ゲームだったらナビマークとかが延々流れている背景の一部、空間が裂けて(それこそドリルマンとかがやってたような感じ)突入してきたように見えるし、そのまままた新しく空間を裂いて脱出したようにも見えるし。
プログラム君たちがわらわら「シュウリシュウリ!」とか大慌てで穴埋め作業に取り掛かろうとしてるのを、ちょっと待ってくれと止める光博士。少なくとも出口の方は、あのナビがどの方面に逃げたかわかるからと情報集めのためにストップをかけたらしい
いやそれにしても、ゼロウィルスに感染してる割には正気だったなあのナビ……。スポーツカー姿イケメンだったし、声もイケメンとか無敵かな? 変形機構か、参考にしてみようかな……。
とりあえずエイリアさんを見て「検査終わったら帰って良いですか?」と聞いてみる。
「僕にあのターボマンとか捕まえろとか言いませんよね。無関係なら、帰った方がいいと思うんですけど」
「えっ?」
「…………いやあの、『えっ?』ってどういうことなんです?」
「えっ、あー、その……、お恥ずかしい話ですけど、やっぱりシエルだと戦闘面に不安が大きくて…………」
『エイリア、甘えすぎよ流石に。貴女が無理を言ったから遭遇しただけで、本当だったら何も無かったと思うわ。
まあ、今あなたが管理してるナビは私とアルエットしかいないから、戦えないって言うのは納得なんだけど』
「もう一体くらい作らないといけないかしら……、でも流石に製作時間が…………、2週間くらい頂かないと」
「2週間あれば作れるんだ……」
『2週間あれば作れるんだ……』
思わずエックスマンと一緒に困惑してしまった。マーティを始めシエルちゃんも彼女の作品だとは聞いていたけど、いくらなんでも早すぎでは? カスタムパーツを適当にモデリングしてアニメーションつけるのとは訳が違うはずなんだけど…………。
しかも言いぶりからして、適当な性能じゃないナビだよね、それ。カスタムしてあるオンリーワンな、それこそシエルちゃんとかみたいな。
作れるなら作りなよ! ってツッコミを入れちゃいたいけど、もしかすると本当にスケジュールカツカツなのかもしれない、この人。
……どうでもいいけどアルエットちゃんも作ってあると聞いて、少し変な気持ちになる僕だった。なんかこう、エックスマンはエックスのはずなんだけど、出てくる因縁が全体的にゼロシリーズよりというか、こう、ね?
「…………そんなガンサイ君に少し残念なお知らせだ」
「残念って、えっと、光博士?」
「今、オフィシャル本部の方から連絡がメールで来たんだ。見て欲しい」
言われて僕と、エイリアさんも後ろから大型ワークステーション隣にあるデスクの、光博士のノートPCを覗く。
内容は、短くまとめると「秋原町を回って才葉シティ方面へ爆走中」ということだった。
「…………えっ、何で?」
「このまま帰ると、たぶん向こうでまた事件に巻き込まれたりするんじゃないかな。
どうにも熱斗、僕の息子なんだけど、あの子とロックマンもそういう事件に巻き込まれやすい体質、みたいなところはあるんだ。
エイリアちゃんから聞いた今までの話からすると――――」
「せめてさんって呼んでくださいっ! あるいは博士!」
「――――おっと、ごめんね。キャスケット防守博士の話を参考にすると、君にもそういう嫌いがあるように思えてしまってね」
「相当笑えない話なんですけど…………」
既にゼロウィルスに限ってもご都合主義的に、関係ナビ3体、遭遇ナビ5体ときてるんだ。その説は正直言って笑えない。
しかも、主人公のパパさんからの直々の感想と来てるので、ますます始末に負えない。
……メタなことを考えれば、エックスマンがたぶんロックマンXモチーフのキャラクターだからかな? もともとゲームの世界であることを前提にすると、なんだか説が補強された感じがしてますます笑えない。
っていうか、あのナビって多分一般通過ネットナビというか、きっと対戦できる一般ネットバトラーのナビだよね。それで、科学省にまでオフィシャルが連絡してくるくらいってなると、相当パワーが強いとかで被害が凄いことになってるんじゃ……。
「…………私の方にも来ましたね。えっと、現在オフィシャルのナビでバリケードなど構築中、と。炎山君は別件に駆り出されてますね」
「ということは、熱斗の方も何か進展があったかな?」
少しテレビ電話をするというので、僕とエイリアさんは部屋の外に出た。
何て言うか、段々と「またか!」みたいな気分になってくる……。一体いつになったら終わるんですかね、このゼロウィルス関係。
そんな僕の心境を察したのか、エイリアさんは「すみません」といきなり謝った。
「えっと、そんなに僕って顔に出てました?」
「はい、結構」
「そうですか」
「ええ。……こう言っては変かもしれませんけど、私がこちらに来てくださいって言ったから、巻き込まれた形になっていますので」
とはいえ、それ自体にエイリアさんに責任問題はないと思うんだけれどな。どこに責任を求めるかと言えば、このシナリオに僕を巻き込む筋書きを作った何かとか、僕が転生? する時に会った神様を名乗る女の人とか、あのあたりに問題がある気がする。
なおエックスマンと「共有してる視界」では、あっちはあっちでシエルちゃんと少しお話しているらしい。もっとも何を聞いているかと言えばエイリアさんがエックスマンに思った疑問と同じ内容で、それに対してエックスマンは「――――」とスマイル&無言を貫いていた。
少しはしゃべったらどうなのさ、エックス…………。いや、下手なことをしゃべるよりは良いのかもしれないけど。
※ ※ ※
「おぅガンサイ! 今帰りか!」
「お疲れ様です、マサさん。……サロマさんは?」
「おやつの時間くれぇから学校だからな、店じまいだ! 俺もこの後、デンサンタウンの本店の方に戻って仕事の続きだぜ!」
なるほど、お店の人入りはサロマさんに完敗だとか言っていたからどうやって商売してるのかと思ったら、こっちは単に出張店舗っていうだけだったんだ。
本店というかが別にあるなら、こっちは実質顔売りみたいなものなのかな。
追加の検査や簡単なヒアリングなどが終わり、はれて僕は自由の身。そのまま自宅に帰ろうかと思うのだけど、せっかくだからとサロマさんたちに顔出しをしようとした。
そしたらサロマさんの出店はなくなってるし、マサさんも色々片付け始めていたから、ちょっとびっくりしたんだ。
そういえばみゆきお姉さんと同じ学校なんだっけ……。みゆきお姉さんはお店、開店時間が午後からだったから、あっちは午前中なんだろうか。
とりあえず顔見せに来たとだけ言うと「気にしなくていいぜぃ!」と笑い飛ばしてくれた。
「ちゃんと俺が渡したカルシウム、頭からしっぽまで食ったみてぇだからな! カルシウムは大事だぜぃ! ビタミンと一緒にとって、健やかに育てよ!」
「あー、はい」
『――――』
そして申し訳ないんだけど、そのテンションの高さについていけない僕とエックスマンだった。なんだか微妙に気疲れした感じがする。なまじ、視界と感覚とかが一部共有されていることもあってか、一緒に疲れてしまった感じだ。
高校までで受けてた簡単めな検査と全然違うと言うか、エックスマン視点で見たら解剖でもされてるんじゃないかっていう微妙な背筋の寒さも味わいながらだったし。
話題はかわるけど、お昼は光博士の研究室でとらせてもらった。エイリアさんは手作りのお弁当、僕は露店で買ったサンドイッチと海老天ししゃも天。……博士が当然のようにカップ麺にお湯を注いでたのを見て「もしかしてずっとですか?」と聞いたんだけど、まあ予想通りというか、苦笑いしてた。「妻の手料理が恋しいよホント……」と言ってるその感じからして、アニメやゲームでの仲の良さは相変わらずって感じだ。
まあ当たり前って言えば当たり前なんだけどね。3でも当然のように仲良し夫婦みたいだし。
そんな感じで、マサさんと別れてメトロラインの駅まで歩いて行った時だった――――。
「うおォン、僕はまるで人間発動機だ……!」「ウッホ! ウッホ、ウッホ!」「カーナカナカナカナカナカナでマス、ワタシは人間ナンバートレーダーでマス、カーナカナカナカナカナ……」「ヌゥン!ヘッ!ヘッ!ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ア゛↑ア゛↑ア゛↑ア゛↑ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!!」
「何事!?」
『っていうか最後の人、本当に何ッ!?』
駅の出入り口(エスカレーターじゃない方)から、複数人わーっと暴れるように出て来た。というよりメトロ溢れてない!? しかも全員目がちょっとイっちゃってるし。
大声で聞こえてきた声には聞き覚えのある人のもあった気がするけど、それより血走った目で「きしゃぽっぽ」ごっこみたいなポーズしながら「ブロオォォォン! ブロオォォォン!」とか言ってるツナギの男の子がちょっとヤバい。明らかに膝が笑ってるし、それでも走ってるとかどうなってんですかねこれ……?
「こりゃ、一体どうしたんでぇ! ガンサイ、ちょっと頭下げろ!」
「え? あ、ハイ――――」
言われた通りその場でしゃがむと、こっちに突撃してきたツナギの子の背中に、何か刺さって服を地面と縫い付けた。それは…………、魚の骨? いや、ちょっとおもちゃの剣みたいになんか変形してる? いや、それ何! どういうことなのそれっ!!?
情報量が多くて大混乱に陥る僕。立ち上がって後方を見れば、マサさんが両手にあの魚みたいな剣を構えて「おうおうおうゥ!」とか高いテンションで、暴走してる? 人たちを威嚇してた。
「やいやいやい! テメェら一体どうしたってんだい……、って、デカオじゃねーか!」
「ウホウホ! ウッホッホ! ウッホー!」
胸でドラミングしてマサさんに襲い掛かる体格が良い男の子はデカオ君……、つまり原作主人公の親友のジャイア〇枠(ジ〇イアンじゃない)だ。同時にガッツマンのオペレーターで、僕が勝手に天才認定してる子でもある。
その彼は、原作ゲームでもお目に掛かれないくらいの謎の暴走っぷりで、動きは完全に怒れるゴリラだった。
『ウホー、でガッツ! って違う違う! デカオー、しっかりしろーでガッツー!』
ちなみにPETからもそんな声が聞こえるので、どうやら本当に何か催眠術か何かにでもかかってるのかな。いやこれどんな状況なのさ! ノリが完全にゲームというよりアニメだよ、マサさんのあの変なソードとか含めてさ!
「カーナカナカナカナカナ、ワタシはナンバートレーダーでマス、番号を入れてもレアチップは渡さないでマスよ、カーナカナカナカナ……」
「いやナンバートレーダーかヒグラシかどっちなの!?」
あとついでに特徴的な髪型をした
ちなみにマサさんもマサさんで、テレビとかでやってる特撮ヒーローみたいな感じで凄いキレの良い動きで、デカオ君をはじめ襲い掛かってくる一般人を千切っては投げ千切っては投げしてるし。ビールっ腹でもそんなの関係ないとばかりにキレの良い動きで魚の骨ソード二刀流で戦う姿を見てると何かこう、脳がバグる。
別にこの人、本当に何かのエージェントとかじゃないよね……? アニメだと変な仮面付けてた気がしたし。
今のうちに逃げろォ! って叫んだマサさんに感謝の言葉を言ってから、僕は反対側のメトロ入り口まで走る。水道局の浄水路というか、河川みたいになってるところの上を走っていこうとすると、ジョギングしてた人とかご老人とかが暴走してる人たちに襲われて……。
いやこれどうしろっていうのさ!? 全然、手を付けられないけど!
それこそ大学生くらいの姿だったらどうにかできなくもないけど、僕、今普通に小学五年生だし!
流石にお爺ちゃんお婆ちゃんへの攻撃は見過ごせないし、とりあえず「ダーッ!」とか言ってる人の腰にしがみ付いて、お爺ちゃんをバックブリーカーしようとしてるのを阻止する。
と、標的がこっちに移ったらしく、ギロリと見降ろされ。
「俺はチャンピオン! チャンピオーネだ! うらァッ!」
「せめて格闘技のジャンルくらい統一してー! あっギブ、ギブギブ――――」
『ガンくん! くそ、こんなギャグ漫画みたいな展開で……!』
本当にギャグ漫画みたいな展開で軽く命の危機だった。チャンピョンを名乗った体格の良い人(なんかゲームで見覚え有る?)が、僕を足払いして倒したと思ったらそのまま十字固めで腕をロックしてきた。ついでに太い足が首にのしかかって呼吸が……、呼吸が…………ッ!
「――――拡張用バトルチップ『シャイニング・ワンズ・センス』、スロットイン! うおらああああああ、光になれえええええええええッ!」
『ガンくん、目を閉じて!』
「ッ!」
エックスマンの一言で、危機を感じて目を強く閉じると、それと同時に周囲一帯が強烈な光に満たされた……! 目、閉じてても瞼の裏が白く見えるから、これ本当凄い光なんじゃない!? 何これ、大丈夫っ!!?
色々な疑問はあったけど、僕を拘束していた人の腕力が弱くなってきた。無理やり腕だけ抜いて、目を閉じたままよろよろと四つん這いで這い出す。
『もう大丈夫だよ、ガンくん!』
「……開けていいんだよね、目を。うん、…………よし」
白くなってた瞼の裏が黒に戻ったから、もう大丈夫だとは思ったけど、一応恐る恐る開けてみる。
お爺さんお婆さんとかを襲っていた一部の暴走した人たちが、その場で眠りについていた。僕を襲ったガッシリしたお相撲さん体形の人(失礼)も同様だ。
と、その一帯の中心にいた人が「早く逃げてください!」と周囲の人に声をかけて避難を促していた。
「くそッ、なんでこんなことに…………! オーナーから渡されたゼロウィルスワクチンプログラムか? それくらいしか原因が考えられないっ!」
その人を一目見て、名前は思い出せなかったけど変な声を上げてしまいそうになった。
フラッシュマンのオペレーターじゃん! エグゼ3最初のボスの! 独特の剃髪に垂れたもみ上げと中華っぽい服装!
こんなところで出て来て何やってるの、出番まだ先じゃない!!? とか色々びっくりしたところはあったけど、自分のPETを見て「あと数発が限界か……」とか言ってるのを見て、話しかける決心がついた。
「あ、あの……! 助けてくれてありがとうございます!」
「ん? 嗚呼、大したことは無い。それより早くキミも逃げた方がいい」
「それは、そうなんですけど……、何かその、PET大丈夫ですか? なんか色々見てましたけど」
「嗚呼、そうだね。これは…………」
フラッシュマンのオペレーターさんのPETは、なんか独特な照明装置みたいなのがついていて、画面のプログラム君が「ヒヘ~!」みたいな情けない声を上げていた。
「……私のことはどうでも良い、さぁ早く――――」
「――――駄目だ! メトロからまた増援が来てる!」
「うおおおおおおッ! フィッシュボーンセイバー!」
マサさん!? メトロのエスカレーターすら逆走してこっちに来始めた人たちを、両手の魚の骨みたいな剣でさばき始めるマサさん。いや本当にあなた一般人なんですか!? ゲームだとエージェントみたいな設定なかったですよね!
「アレを止めるのが先決か……。君、もし余裕があったら科学省の側に応援を呼んでくれないか? 市民ネットバトラーだけでなく、とにかく人手がいる。
私はこういう者だ」
言いながらフラッシュマンのオペレーターさんは、僕に名刺を渡してきた。
催眠療法士、西古レイ…………。そんな名前だったんだ。というかサイコ(精神)レイ(光)って結構そのまんまだな。
西古さんは剃髪の額を撫でて、深くため息をついた。
「簡単に言うと、おそらくゼロウィルスだ。私が開発した催眠療法プログラム、それを汲み込んだ私のフラッシュマンが、突然暴走したんだ。
そしたら後はいたるところでその催眠プログラムを発動させ、人やネットナビを暴走させているんだ……。その人のうちに潜む属性を解放してね」
「ネットナビまで!?」
「かかり方に個体差はあるけれどね。
わざとではない、とかそういう次元の言い訳をする話じゃない。とにかく一刻も早くフラッシュマンを止めないといけない。最悪、デリートも視野に入れる。
このままでは、催眠術という人の心に寄り添える技術に対する、世間のイメージが大きく悪くなってしまう。一人の催眠術師として、それは断じて看過できない!」
『――――ついでに自分が出てるテレビ番組とか、お店も潰れちゃうってこと?』
そこまで何か使命感に燃えた人というか、そんな感じで拳を握って燃え上がっていた西古さんだったけど、エックスマンの一声にピタリと動きが止まる。
PETの画面を確認すれば、そこには深夜のテレビ番組で催眠術をかけるバラエティ企画に出てた西古さんの姿が……。あっケロさん見っけ。
「……そういう部分もないわけではない。だが、事態は一刻を争うんだ。頼む!
私はフラッシュマンの催眠をとにかく解除して回らないといけない! 君が頼りなんだッ!」
「…………わかり、ました」
状況がカオスすぎて色々混乱するけど、それどころじゃないっていうのは納得が出来た。……西古さんの声がなんだか勇者ロボットアニメみたいな声してるから、妙にその激励? じみた言葉で使命感にかられてしまったのもあるけど。ひょっとしてこれも催眠の一種?
それはともかく、応援を呼ぶって話ならエイリアさんもいる科学省の方だと走っていったんだけど、官庁の自動ドアは完全に閉まっていた。こんな時に!? いや、そうじゃなくてこんな時だからか。
ここ水道局だけじゃなく周辺の電源施設もあったはずだし、暴徒の侵入なんて許したらそれこそ大事件だ。
「だからって扉を開ける訳にもいかないし…………」
『――――!』
エックスマンからチャットが来る。「光博士の研究室の電脳までいって、裏口とか確認できないかな?」と。
「とりあえずエイリアさんに連絡入れて確かめてからかな。……って、電話繋がらない?」
エイリアさんは、何故か電話が届かない。メールは送れるはずなので、仕方ないから音声メールで状況を説明して転送。
そうなると、後は逃げてもいいんだけど……、最悪エイリアさんが倒れてると考えると、それどころじゃないかもしれない。
こういう時ゲームなら、熱斗君はパパさん、光博士に相談したりしている。
「…………」
『――――』
そうなると、父さんは才葉シティだし連絡してもすぐに何か有効な方法とかを出せるタイプの人じゃない。あの人、怖い顔してるけど基本は常に悩みまくって、中々結論出せないようなタイプの人だから、こういう場合には不向きだ。
それだったらいっそ、光博士に連絡した方が早い。
連絡先は知らないから、エックスマンでプラグインして、1階の電脳から研究室の電脳まで行って。
相も変わらず、こういう時の状況がひたすら僕に「プラグインしろ!」とでも言ってくるかのようでさえある。逆ご都合主義って言ったらいいのか、いや今回は特に滅茶苦茶だ。そしてネットバトルでさえないのに、物理的に痛い。
「安全にプラグインできる場所は……、あった!」
幸いと言うか、マサさんとかサロマさんの出店があったところ、つまり足元に電源やネット関係の端子がそろってるエリアは誰もいない。わざわざ物のないところに人がいかないという理由からかはわからないけど、とにかく。
「プラグイン、エックスマン・トランスミッション!」
『――――』
とにかく今は時間が惜しい。だいぶ慌てて混乱してるから、この作戦が間違ってるかもしれないけど、とにかく今はと、急いで僕はプラグインした。
【長文解説にならないレベルの作者メモ】
・マサさんの剣・・・ 元ネタはもはやおなじみビーフ指令。一体何なの!? というツッコミは、後々回収されるかもしれないし、回収されないかもしれない…ビーフ!(挨拶)
・西古レイの職業・・・ 3でのWWW加入の流れをベースに色々アレンジしてます。まだ失職してないので、物腰は丁寧。
絶叫とかのノリはアニメでやらなかった分、僕らの勇者王に頑張ってもらう方向です。
プロットはある程度決めてからその場のノリでイベント増やしたりして書いてるんですが、今回どうしてこうなった…、みゆきお姉さんも呼べばよかった(モモンガ)