ロックマンエグゼ世界でエックス的なナビを持ってしまった   作:黒兎可

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第22話「バンチョーに不可能はないッ!」

  

 

 

 

 

 脳内では テレンテレン・テレンテレン・テレンテレン・テレンテレンテーレ♪ ってゲームでのボス戦なバトルBGM鳴ってるような感じがするけど、きっと錯覚だ。

 目の前のスターマンはニコニコしながらエックスマンを窺ってる。自分から先行する訳でもないのかと思ったけど、そうでもなく次の瞬間には背後まで転移してきて「スターアロー!」と叫ぶ。と同時に、上方向に構えたスターマンのボウガン状に変形した腕から、彼を中心に拡散するように四方八方へとアローが飛び出した!

 ゲームだと多分フミコミ+全範囲攻撃になるんだろう。地味に面倒だぞコイツ!? 後ろを振り向きながら転ぶエックスマンだけど、そっちにも矢が飛んで来ていたので回避できず一発当たる。ダメージは 60 とまあまあ喰らうな。あと普通に電脳体を貫通するので、エックスマンからこっちに痛覚がフィードバックする。

 トリプルクラックを一度して、距離を取る。地面の影響は受けていないようだけど、穴パネルには移動していないっぽいな。

 

 思わず足を押さえた僕に「大丈夫っす!?」と快太君がびっくりして駆け寄ってくる。

 

「ど、どうしたの? 突発性骨折でもした?」

「なんでそういうの知ってるのさ君!? いや、そう言う訳じゃないけど……、快太君はターボマンを応援してあげてて」

「本当に大丈夫?」

「大丈夫だからッ! エックス――――」

 

『――――エックスバスター!』

 

 再びこちらの前方に戻ってきたスターマンにチャージショット二連射。一発は瞬間移動で躱されたけど、真ん中から右側に寄ったおかげで一発は命中。とはいえ20ダメージだから、先は長い……。

 

「バトルチップ『エリアスチール』『ダブルクラック』、スロットイン!」

  

 ただエックスと同調した視界と、若干俯瞰視点で覗いてる画面への視点として、戦ってる時の転移の仕方に若干の規則性を見つけた。普段の移動はランダムなようでいて、攻撃を受けた際の転移は、前後はともかく必ず左から右へと流れていく。右端まで行ったら左側に転移するというのを見れば、マスを限ってやればある程度その動きを制御できるだろう。

 様子見をしながらHPを削り削られ、こっちが 210 に対してスターマンは 305。ちょっと豆鉄砲で削ったから中途半端な数値だ。

 

 ただ、対策は少し見えた。

 

「バトルチップ『ラビリング』、スロットイン!」

『――――止まれっ!』

 

『おっと?』

 

 フロート効果があるのかフワフワ浮いてはいるけど、転移先は地面パネルに依存しているのはさっき確認済。これで右か、左か、「バトルオペレーション」内部の戦闘フィールドは限定された。

 だからエックスバスターのチャージショットを撃った後、すかさず左側へ走る。転移してきたスターマンは連続で転移できないのは、さっきのエックスバスター2連射で確認済。

 

 だからまずラビリングで麻痺効果、足止めをしてから――――。

 

「バトルチップ『バンチョーマン』、スロットイン!」

『――――――――』

 

 

 

『――――フハハハハ! 呼び出したかエックス、この私を!』

 

「何でしゃべったの!?」

『何でしゃべったの!?』

 

 

 

 僕らの前に召喚された疑似ナビ(メインフレームの劣化コピーだと思う)のバンチョーマンは、でも後ろを振り向いてニヤリと笑ってから、腕を振りかぶる。

 飛んでいく鉄拳、がスターマンに激突したのを皮切りに、そこへとバンチョーマン本体がスライド移動して目の前に立ち、一度拳を合わせてガトリングかマシンガンかのようにその拳のラッシュを叩き込む……!

 

 よし! 100ダメージだけど、これで差は縮まった。ただ続けてナビチップを、というほどに隙を作ってくれる相手じゃない。大人しくエックスバスターの豆鉄砲をしながら後退して射程をずらす。

 

『やるじゃないか――――キラキラメテオ!』

『――――!』

「エックス、連続で来る!」

 

 エックスの視界だと頭上の一発しか見ていなかったので、そのまま横にそれた彼に口頭で言う。続けざまに時間差で落ちてくる2つのメテオを見て、しかし避けられない……!

 

「――――ッァ!」

「ガンサイ君!?」「ガンサイ君!」「ガンサイさん!」

 

 直撃したキラキラメテオ。その瞬間、変な頭痛がしてまたその場で崩れ落ちた。いきなり平衡感覚が喪失したような気持ち悪さというべきか。エックスマンの視界と、実際お互いがイメージした動作が大きく食い違う。どう食い違っているかは俯瞰視点があるからまだわかるけど、それにしたってこれは……。

 そうか! 混乱か、あのキラキラメテオには混乱効果があるのか!

 

『「リュウセイグン」、スロットイン』

『さあ、終わりだ!』

 

 両手を広げるスターマン。その頭上から、大量のメテオが降ってくる。1発40としてもチップ効果が変わらなければ30発、最低4発は40ダメージが当たる。というか痛い痛い痛い痛い!なんか普通に押しつぶされてる訳じゃないけど押しつぶされてる感じがする。あまりにもあんまりな痛さだから、思わず座って机に背中を預けている。幸いというべきか、ターボマンの変形も佳境らしく今回はツッコミが入らなかった。

 

 とはいえ一気に形勢不利に追い込まれた。もうHPが赤い。このままだと……。

 弱ったな、そういう状態異常の回復系チップ積んでない……。さっきのキラキラメテオだけでも威力が30だからまだマシだけど、時間経過で回復を待った方がいいか?

 

「えっと、回復系は……、バトルチップ『リカバリー(+80)』『ホーリーパネル』『シエル』、スロットイン!」

 

 とりあえず時間稼ぎを兼ねて、機を窺おうと考えていたのだけど、ここでちょっとPETの表示に予想外の表示が出て来た。

 

 

 

 プログラムアドバンス――――システマシエル。

 

 

 

「何か知らないプログラムアドバンス出てる!? えぇ……? いや、確かにチップコード一緒だったけど、この構成で……?」

 

 予想外と言うか予定外と言うか、ちょっと混乱してて感想が予想外なんだけどしか出てこない。おまけにこれ、全然どんな効果が出てくるかわかったものじゃないんですけどこれ。まあ、なんとなく出ても不思議じゃない感じというか、それっぽいイメージがないわけではないチップ構成ではあったけどさ。

 あとその名称はいろいろイケナイ。システマシエル、システマ・シエルっていったらロックマンゼロでのシエルちゃんが戦争終了目的のために作った新エネルギーシステムで、なんならロックマンゼクス、下手するとDASH時代においてさえ現役選手のエネルギーシステムだし……。

 

「まあ、回復系っぽい気はするけどさ……。エックス」

『――――プログラムアドバンス!』

 

『何をする気だい? ……ん?』

 

 発動と同時に僕の背後にオーラを纏ったカプセルと、中央に花……、桃色に光るフリージア? が咲く。と同時に、異常現象が起きた。

 

 

 

 エックスマンのHPが、急速に回復していったからだ。

 

 

 

『何だって!? くそッ、キラキラメテオ!』

 

「これは……」

『いけるよ、ガンくん!』

 

 生成されたオブジェクトのシステマシエルを破壊しようと、また星を降らせるスターマンだったけど、当たったところでビクともしてないあたり、やっぱりあれオーラだよね……。エイリアさんも自分のPET越しに、エックスマンの出したシステマシエルを見て凄いびっくりしてる。これ想定されてたプログラムアドバンスじゃないってことか。

 確かにホーリーパネルはともかく、シエルちゃんのチップを入れるって決定したのはほぼ数分前くらいだしね。というより、どういう理屈でプログラムアドバンスが生成されるのか本当によく判らないと言うべきか。

 

 それはそうとしてまとめると、システマシエルは効果としては逆ポイズンアヌビスだ。そこに存在するだけで、時間経過でHPが1ずつガンガン回復していく。

 ただ、ゲーム的な使用を考えるならそう長くは設置されないだろう。明らかにバランス崩壊必須だし。まだ初期実装時期だと考えればそこは無調整かもしれないけど、警戒はしておいた方がいい。

 勝負を決めるなら今の内ってことだ。

 

「バトルチップ『ソード』『ワイドソード』『ロングソード』、スロットイン!」

『――――!』

 

 エリアスチールの効果が切れる前にベータソードでもいいから当てようという発想でのプログラムアドバンス。フォルダ構成を変更した中で一応は残しておいたのだけれど。表示された名前は、「ドリームソード」になっていた。

 えっ何でここでドリームソード!? いや助かると言えば助かるからありがたいけどさ!

 

 ただ、僕たちの動きに対してスターマンのオペレーターも手をこまねいてる訳じゃなかった。

 

『「インビジブル」、スロットイン』

『――――ッ! か、間一髪だった……』

 

 空打ち!? ドリームソードの軌跡がスターマンに届く寸前に、スターマンがインビジ状態に突入する。

 システマシエルでHPが既に200台まで戻ったとはいえ、決定打が足りない。

 

『「メテオ」、スロットイン』

『振りしきれ! …………チッ、これでも粉々に砕けないか』

 

 僕は凄い痛いけれどね! 回復したから降り注ぐ隕石15連撃くらいじゃまだ余裕があるけど(エリアスチールの効果が切れたのを含めても120ダメージ)、それはそうと「うぐっ」とか声は上げてしまう。流石に煩かったせいか、エイリアさんがびくりと現実世界の僕を見る。そしてついでにアレで破壊されず未だに発動しているシステマシエルを見て「これはこれで別な問題が出るかもしれませんね……」と頭を振っていた。 

 

 ちなみにキラキラメテオとちがって、通常のメテオ系の攻撃は弾(?)サイズがエックスバスターのショットよりもはるかに大きいので、粉砕しきれなかったりした。

 

「どうしよう、このままだと……、全体的なチップパワーが追い付かない――――」

 

 

 

「ガンサイくん、教えたことを思い返せ!」

 

 

 

 名人の声が聞こえる。名人本人は自分のPETを見ながらバンチョーマンのサポートをしているのだけど、それはそうとしてこっちの状況もなんとなく判断しているらしい。

 教えたこと? 時にチップフォルダは下手に確認し続けるより、消費速度を上げた方が有利になると言う事? でもチップフォルダは今物理フォルダだから、ランダムに出ると言ってもそこにはある程度恣意的な操作が可能であって……、いや全然見る余裕がないからそれどころじゃないんだけど。それどころじゃ…………。

 あっ。

 

「そういうことか! ありがとうございます、名人さん!」

「“さん”は要らない!」

 

 余裕がないので「名人!」と言い直す時間すら惜しい。とにかく僕は、チップフォルダをざっくばらんに引き、そのチップのうちコードが揃っているものを片っ端から適当に入れていった。

 ソードとスプレッドガン、ソードとスプレッドガン、リカバリー、みたいな。とにかくチップに規則性がある訳でもなく、コンボと言う訳でもなく、必要だろうと必要でなかろうと勢いに応じてと言う形で準備しているということになる。

 当然、エックスマンもチップを使うけど、使いどころが現在の状況に一致してないから若干、無駄撃ちみたいになっている。全く効果がない訳じゃない(今だってスプレッドガンは当たった)けど、それでもいいんだ。エックスマンも僕の意図を判っているのか、特に何も言わずスターマンの接近だけを妨害していた。

 

「スロットイン! スロットイン! スロットイン! スロットイン!」

『――――!』

 

『気が狂ったかい? そんな自棄になったって、君たちが今日の星空に命を散らすのは目に見えているというのに――――』

『待つんだ、スターマン…………! まさか――――』

 

「よし、来た! バトルチップ『シャークマン』、スロットイン!」

 

 やったことは単純で、選んだり悩んだりせず巾着袋の中のチップを使い続ければ、いずれは母数が減って目的のチップに行き当たるってことだ。そして、ようやく引けたナビチップ! エックスマンの目の前に生成されたシャークマンは、その場でフィールドに潜り、目の前のフィールド全体に背びれが出現する。シャークマンのチップ自体は、催眠事件の後「テェしたもんでぃ!」ってマサさんがくれたチップなんだけど、それはともかく。

 流石に嫌な予感を感じたのかスターマンも焦る、でもあっちのオペレーターもインビジを転送しない。どうやら1枚しか準備していなかったってことか。そのまま突進攻撃を喰らい、90ダメージが入る。

 

 システマシエルのお陰でHP比がかなり大きく開いた。インビジブルがないなら、ここで畳みかける――――!

 

「エックスバスター!」

『エックスバスター!』

 

 意識を合わせて二連射。スターマンの転移(ムーンダンスだったっけ)もタイミングが変わる訳じゃない。だから二発目のエックスバスターを回避した丁度そのタイミングで、真ん中の列から移り―――――。

 

「バトルチップ『スカルマン』、スロットイン!」

『――――!』

 

『――――――――キッシェッシェッシェ!』

 

 目の前に生成されるスカルマンが、相変わらず高威力の頭部を飛ばしながら不気味に笑う。

 そしてそれを聞いて、何故かスターマンは半狂乱だった。タイミング的にその場から動けないのもあったけれど、自分の頭上に迫ってくるシャレコーベイの威圧感が怖いのはよくわかる。よくわかる。なんとなく脳裏でみゆきお姉さんがちょっと黒い笑みを浮かべてるイメージだ。

 

『えっ!? 何アレ、ちょっとパパさん(ヽヽヽヽ)、僕ああいうの苦手なんだけれども!』

『落ち着けスターマン、回避系のチップは――――』

 

 当然のように見てから間に合うかと言えばそう言うこともなく、スターマンはものの見事にシャレコーベイにダメージ150に押しつぶされた。

 

 

 

   ※  ※  ※

 

 

 

『くそ……ッ、まだだ、まだ僕は終わってない!』

 

 もはやなりふり構ってられないのか、口調から余裕が無くなってるスターマン。

 自分の肩を抑えてるスターマンは、状態としては行動不能判定のようだ。

 

 バトルオペレーションが終了しても、エックスマンのHPも回復していないので、数値的には231と中途半端。バトル終了まで解除されなかったシステマシエルによる回復のせいだけど、最大HPが300なことを考えるとやっぱりぶっ壊れ性能だと思う。

 それはともかく、目の前のスターマンにエックスバスターを向けるエックスマン。スターマンが何か行動をしてもいいように、という牽制目的なんだけど…………。

 

『…………何をしてるんだい? 手早くデリートすれば良いじゃないか。ねぇ? エックス。

 それとも何かい、僕と一緒に今のネットワーク支配から解き放たれるつもりになったかい?』

 

 牽制目的以上に、僕とエックスは、それ以上動くことが出来なかった。

 

 僕は好きにしていいと、エックスマンに判断をゆだねてる。……その判断から逃げている。そしてそれ以上に、エックスマンも僕の「本当の」意をくんでいるのか、それとも彼も似たような考えなのか、バスターからデリートのための追加攻撃は出来ないでいた。

 

『何をそんなに悩んでいるんだ、君は』

 

「…………そりゃ、悩むよ」

『…………そりゃ、悩むよ』

 

 僕とエックスは、また同時に言葉を紡いだ。

 そう、だって。僕とエックスの関係は特別、何か父さんが怪しいことを隠しているっていうのもあるけど。それがなければナビなんてプログラムなんだからデリートしたって次のナビがいるじゃないか、と割り切ることが出来るはずだっていうのに。

 

 ――――西古レイとフラッシュマン、ナルシー・ヒデとビデオマン、コピーマンとオペレーターさん、エイリアさんとシエルちゃん曳いてはマーティも含めて。

 

 今までのオペレーターとナビとの関係を見続けたせいなのかな。どうしても、最期の引き金を引くことが出来ない。なんだか口先だけで「ナビなんて所詮~」みたいなことを言っていたわけじゃないはずなんだけど、でも、それでも。

 

 今ここで銃撃することが「確実に命を奪う行為である」と思った時、ウィルスバスティングの時とは全く違う震えが、僕やエックスの全身に及んでいた。

 

『ナビをデリートするのは初めてってことかい? …………ククク、つくづく甘いねぇ』

 

 嘲るように笑うスターマン。もっともそんな彼も、そこから何か出来る訳じゃない。必然的に、お互い膠着状態となっていた。

 そんな状況で、太い声がエックスの背後からした。

 

 

 

『流石にデリート経験豊富だと言いたいところだが、そういったことへ相互に躊躇を覚えるエックスたちの甘さこそが、人間とネットナビとの関係として重要だと言わざるを得んな』

 

 

 

 バンチョーマン!? 思わず振り返るエクスマンの視界越しに見たバンチョーマンは、片手をポケットに突っ込んで左手でスターマンを指さしていた。なんかちょっとジ〇ジョっぽい? そのあたりがデザインの元ネタなんだろうか。

 インスタントパルスマンは、ちゃんと人型になったターボマンを介抱するように、なんか横から出ていたサイドアームで持ち上げていた。……なるほど、快太君のヒーローであらねばならない、みたいなことを言っていただけあって、そのターボマンの姿は凄い格好良かった。というか趣味だった。後で色々もうちょっと詳しくシステム系の話とか聞きたいな……。

 

『ガンくん、ちょっとっ』

「い、いや、何も言ってないよ?」

『言わなくてもわかるから。現実逃避しないの』

 

 それた思考をエックスマンに修正されて、バンチョーマンとスターマンに意識を集中させる。エックスバスターは構えたままで、状況は一触即発。

 だっていうのに、バンチョーマンは不敵に笑う。こう、大物感が凄いなやっぱり……。

 

 一方のスターマンは、バンチョーマンを見て目を見開いていた。

 

『君は……! どうして、あれだけの駆動系に仕込まれたゼロウィルスのナビに組みつきながら発症していないんだ! 確実にゼロウィルスに侵されているというのに!』

 

 スターマンの場合は、彼のオペレーターか誰かかは分からないけど対策プログラムを組み込まれているから。

 エックスマンの場合は、本来ならナビに感染して繁殖するだろう部分がエックスマンには存在していないから。

 

 それぞれがゼロウィルスに対しての抵抗に別な理由があるというのに、バンチョーマンはおそらく「普通の」ネットナビだというのに、しかしどこ吹く風と言わんばかりに笑った。

 

『知らないなら教えてやろう、スターマン――――バンチョーに不可能はないッ!』

「そうだバンチョーマン! 今こそ東西南北中央不敗、ウラで培ったネット喧嘩殺法を魅せる時だ!」

 

「名人、なんか凄い……?」

「江口君どうしたんですか!? テンションがPETのプログラム君のインターフェイス調整に追われてて頭からカレーなべを被って悲鳴を上げた時のようですよ!」

 

 いや名人追い詰められすぎじゃない!? えっ、科学者というかプログラマーってそんなもの? えっ? えっ?

 

 別種の恐怖を味わって冷汗をかく僕と顔が引きつるエックスだけど、言葉は挟まず事の推移を見守る。

 当然、スターマンはバンチョーマンの台詞に反発する。そんな馬鹿なこと、適当を言うな、そう簡単に防げるほどネットナビ感染系のウィルスは甘くない! とか。

 

 それに対してバンチョーマンは不敵に笑った。

 

『真面目に答えれば、私も「似たようなもの」だからな。単なる電脳の妖精(ヽヽヽヽヽ)が、「アンチボディすらない」だろうに、ウィルスを軽く語るものではない』

 

「似たような、もの?」

『――――』

 

『あ、有り得ない! だとすると、君の正体は――――』

 

 がたがた震えるスターマンは、急いでプラグアウトするようにオペレーターに絶叫する。そんな彼を笑いながら、バンチョーマンは拳を構えて振りかぶった。

 

『エックスとそのオペレーター。お前たちのその躊躇いは、大事なものだ。捨てずにとっておくとよい。だが時として、敵に引き金を躊躇ってはいけないときがある――――その時には、覚悟を決めろ!

 オーラフィスト!』

 

『う、うぁ、うわあああああああああ――――――――――――――――ッ』

 

 そしてバンチョーマンの拳がスターマンにヒットすると同時に、スターマンはプラグアウトされた。……その場には、スターマンの胸から下だけが、ノイズ交じりに残った。

 仕留めそこなったなと肩を落とすバンチョーマンに、名人は「いや、よくやってるぞ」と激励した。

 

 …………それはそうとして、快太君はやくターボマンプラグアウトしてあげて! なんか状況的にそういう空気じゃなかったとしてもさ!

 

 

 

 

 


【作者メモ】

・脳内BGM:大体エグゼ3のボス戦あたりのが流れてる。ガンサイの中の人(?)は3以外やったことがないのだ……(※作者は他もやってる)。

 

・スターマンの強さについて:リュウセイグンとか強チップ使ってくるけど、そういうのさえ除けばシャークマンよりは戦いやすいイメージ。

 

・PAシステマシエル:リカバリー系のチップ+ホーリーパネル+シエル で発動。ゼロシリーズでイメージにあるお花オブジェクトを設置する。効果はガンサイも言っていた通り逆ポイズンアヌビスで、ゲーム仕様だったら多分オーラはなし。

 回復速度はリカバリーの数字が大きい方が早く、耐久はナビチップによって上昇していく。

 

・やっぱり怪しいバンチョーマン: 仕 様 通 り。

 

 

 

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