ロックマンエグゼ世界でエックス的なナビを持ってしまった   作:黒兎可

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長らくお待たせしております。やる事が……、やらないといけない事が多い……(人生)
戦闘はやっぱり長くなりそうだったんで、勢い重視にしました。作者メモもその都合で次回まとめてということでお願いします…


第38話「「引き金を躊躇わないこと」」

 

 

 

 

 

 おれ、光熱斗! 今は相棒のネットナビ、ロックマンと一緒に、WWW(ワールドスリー)の教授って奴の野望を阻止するために、凄い急いでる。

 

 ウラインターネットの奥にあるエリアから移動した先、教授がドリームウイルスの量産の準備とかしてるって声高に笑って通信を入れて来た。そんなことさせるか!

 教授はそんなおれ達の足止めのために、ガッツマンたち「ゼロウイルスに感染したことのあるナビ」をコピーして、いっぱい戦わせようとして来た。時間稼ぎってやつだ。

 

 だけど――――――――そんなのに負けるような、おれとロックマンじゃない!

 

「どうした! もうお終いか、教授!」

『心の通ってないネットナビなんかに、ぼくと熱斗君は負けない!』

 

 再生エレキマンまで一通り、合計8体を同時に相手しながら、なんとかおれとロックマンは勝利した。

 エリアの上方、ウィンドウが開いて教授の顔が映る。すごい焦ってる感じだ。

 

『ぐぅ……、馬鹿な…………っ! ゼロによって収集されたデータを元に、ドリームウィルスによって産み落とされた強化ナビを! あれほど多くの強化ナビを、同時に相手にして、そこまで戦うことが出来るだと…………っ!

 人間とネットナビの絆だと? そんなもので底上げされた力ごときで、どうにかなる次元を超えている――――』

 

『ぼくたちナビの力は、オペレーターの力と一緒になることで! どんな困難にも負けない力になるんだ! 決して偽物なんかじゃない……、あなただって、本当は判ってるんじゃないのか! 教授!』

 

 ロックマンの叫びに、教授は少しだけびっくりした顔をした。

 だけどすぐ睨むように、おれとロックマンを睨みつける。

 

『黙れ黙れっ! こうなれば、一刻も早く「最終調整」を完了させなければ!』

 

 あっ待て! と言っても、相手はネットワークの先。

 ロックマンに指示をして、一刻も早くウラの奥にある教授の使ってる電脳までいかないと…………!

 

 そしてエリアの奥にあるリンクゲートから先のエリア、とくに変哲もない通路みたいなところを走っていくロックマンだったけど。

 

「ロックマン、待てっ!」

『熱斗君!? ッ』

 

 PET越しに変なノイズ音みたいなのが聞こえて、思わずロックマンを制止させる。おれのPETが壊れるってよっぽどのことでもないと無いと思うから、これはきっと電脳の方に何かあるんだって思った。

 案の定、その場でロックマンの周囲が鈍く光って。

 

『白いドリームビット……? 突然涌いてきたよ、熱斗君!』

「しかも12体も!? くそっ囲まれてる……!」

 

 ギシギシっていうか、ぎちぎちっていうか、映画とかに出てくる超デカい虫みたいな感じのウイルスが、オーラをまとってこっちを囲む。

 きっとあのドリームウイルスが生み出したんだ。おれは、ロックマンと戦ったあのドリームウイルスのことを思い出してそう言った。

 

「HPだって減ってるのに、くそ……っ、やれるか!?」

「このままじゃ時間が……!」

 

『――――行け、ブルース!』

『――――フミコミザンッ!』

 

 バトルオペレーションを起動しようとしていたおれ達に、聞き覚えのある声。

 

『ブルース!』

「炎山か!?」

 

『ガッツでガッツ!』

『ロールアロー!』

『グライトキャノン!』

 

 続く声に、思わずおれはちょっと笑っちゃった。安心しちゃったんだ。

 メイル、デカオにやいとまで……!

 

 ナビの後ろにウィンドウが出て来て、みんなの顔が見える! みんな元気に、おれ達に笑ってくれる(炎山は別)。

 

『待たせたな熱斗! ド根性でみんな色々頑張ってきたぜ!』

『炎山君に協力してもらって、でしょ? もう……。だいじょうぶ? 熱斗』

『だいぶ苦戦しているようじゃないか』

『フン! だらしないわよ熱斗、テレビじゃあんな啖呵切ってたけど』

 

「う、うるせーな! テレビは関係ないだろっ! 中継とか知らないし。……ってあれ?」

 

 後、後ろに目立たないけどナンバーマンもいた!

 

『こんなウラのウラみたいなところまで普通に来て……、流石でマスな熱斗君』

「日暮さん!」

  

『――――おしゃべりしている時間はない。行け、光! ここはおれ様たちが喰いとめるッ』

『『『おれ様?』』』

 

 あ、みんなで炎山に言っちゃった。日暮さんだけは「若さゆえのなんとやらでありマスな~」とか、懐かしそうに言ってる。

 

『炎山様、慌てすぎです……』

『――――っ! そ、そんなことはどうでもいい!

 一度ドリームウイルスを倒してるお前を先に行かせた方が、勝算が高いと判断したまでだ!

 わかったら早く―――――――』

 

「――――ああ、行ってくる! サンキュー、みんな!」

『うん!』

 

『気を付けてね、二人とも!』

『あっ、行く前に回復してあげるわ! ロックマンーーーーちゅ♡』

 

『『あ~~~~~~~~ッ!?』』

 

 ガッツマンとデカオが、ロックマンのほっぺにキスして回復したロールを見て、凄い顔してる。

 い、いや、とりあえず時間がないから、先を急ぐぞロックマン……!

 

 

 

 そしてさらにその奥のリンクゲートにたどり着いて、急いでワープした先。

 そこには、唸り声をあげるドリームウイルスが……、あの時みたそれよりも、色々変わってるドリームウイルスがいた。

 

『刮目して見よ! 恐怖と絶望に震えろ! これが我らが傑作……、ドリームウイルスRだッ!』

 

「ドリームウイルスR……!」

『そんなのに負けやしない、ぼくと熱斗ならっ!』

 

 ロックマンが熱くなってるのか、しゃべり方が少しだけ彩斗兄さんっぽくなってる。でもそんなことは教授にはわからないから、おれ達のかける気合いなんて伝わらない。

 でも、そんなの伝わらなくったっていい! おれ達は絶対、勝たないといけないんだ!

 

『とうとうここまで来たか、ロックマン。……嗚呼、来ると思ってはいた。

 そうだろうとも、我らが偉大なる最終成果! その世界への試練の妨げになる愚か者どもめッ!』

「試練? 試練だって!?」

『そうとも! これを試練と呼ばずして何と言おうか!

 貴様の祖父が築き上げたこのネットワーク世界を今一度リセットし、ワイリー様の夢見たロボット文明の栄える世界を! 否定された我らロボット工学の輝ける世界を! 再構築するのだッ!』

 

 ウィンドウの奥で、拳を突き上げる教授。はっきり言って狂ってるように見える。

 だけど、教授の目からは涙が流れてた。

 

『そしてその時にこそ! 光博士(ドクター・ライト)ワイリー博士(ドクター・ワイリー)そのどちらが優れているのか……白日の下に! 天下万人が思い知り、新たな世界へと導かれるのだッ!』

 

『星河教授、やはり……』

「パパ!? 何か知ってるの?」

 

 テレビ通話で会話に入ってきたパパを、ロックマンが何も言わずに通話状態にしてたみたいだ。普通にパパが会話に入って来て、ちょっとびっくりしちゃった。

 

『彼は元々、科学省の宇宙開発センターで、無重力での活動を前提とした無人ロボットの開発にいそしんでいたんだ。

 だが当時の科学省は色々あってね。部署編成が大掛かりに変わったり、弱冠十三歳の天才少女が入省してきたりと色々ゴタゴタしていたのを引きずったのもあって、宇宙開発センターは大幅に規模を縮小することになった。

 民間の研究室に流れた人もいたが……、彼は省内政治に負けてしまった。私が今の立場に就く前に、その足取りもつかめなくなってしまったんだ』

「それじゃあ…………、クビになった逆恨みってことかよっ」

 

『違う! これだから即物的な貴様たちは……ッ!』

 

 私はあのお方に救われたのだ、と教授は震えながら、泣きながら話す。

 

『あのお方は、私に言ったのだ……「例え歯車がかみ合わず、夢も理想も現実も敗れたとしても! それでもなお目指した理想を! 憎たらしさすらのみ込んで前進するのみであるのだ」と!』

 

 言ってることはよくわかんないけど、それでも、言葉の一つ一つに強い悲しみ、っていうか。そういう聞いてて痛いってわかるようなことを、教授は泣き叫ぶように言って。

 

「……だからってその理想のために、ミサイルとかで関係のない人たちを巻き込んでいいわけないだろ!

 はっきり言っちゃうけど、極端なんだよ! ワイリー博士も、あんたも! そんなに認められないんだったら、それこそ会社でも作ったりすれば良かったじゃん!」

『ええい! 黙れ黙れ黙れ! そんなものは「成功者の詭弁」だ! 「追い落とされて」「立ち上がる力どころか」「その全てを奪われた」者のことなど、何がわかるというのだッ!

 世界の前にまずは、貴様たち「親子」をデリートしてくれるッ!』

 

「ロックマン! ラストオペレーション・セット――――」

 

『ゼロが集めた戦闘データを組み込んだこのドリームウイルスの前に!

 絶望でその思考回路を粉々に打ち砕かれるが良い! ロックマン!』

 

『――――イン!』

 

 

 

   ※  ※  ※

 

 

 

 ラストオペレーション! とか意気込みはしたんだけど…………、うん、はっきり言って大ピンチだ。

 僕とエックスマンは、光熱斗とロックマンじゃない。だから、その格の違いみたいなのをすごい思い知ってる現在進行形なんだ。

 

『ヴアーッハッハッハッハ! さぁ行くぞエックス! ふんっ!』

 

 大声で叫ぶと、サイコマンを取り込んだドリームウィルス(ドリームベルガーってアナライズ表示されてる)は拳をこっちに飛ばしてきた!? あの時追跡してきたドリームウィルスのそれみたいな動きで、しかも片手なのに「両手が上下に重なったような」独特の形状をしている。つまり握った拳が大きな塊となってこっちに迫ってくるので、感覚的にはファイターソードを二連射、障害物破壊効果付き、みたいなイメージだ。

 つまりヤバイ。

 

『感想が直球だね、ガンくん』

「言ってる場合じゃないよエックス!?」

 

 気を遣ってくれてるのか、いつもの調子で声をかけて来るエックス。

 だけどそれにリアクションもとれず、とりあえずキャノン系チップを連続スロットイン。コードが揃ってないからプログラムアドバンスにはならないけど、サイコマン……、バンチョーマンから引き継いでるみたいなバリアそのものを、まずは剥がす必要がある。

 

 そうはいっても、当然その程度のダメージはものともしない。HPは普通に2000とかいっていて、エックスマンの約6倍強。サイコマンから連戦な分、色々気が遠くなりそうだった。

 とりあえずリカバリー系チップを積んでエックスのHPを回復させるけど、飛んで来る拳の威力が怖い。一発150とかだったりするから、メモリ積んでないと一撃でエックスも御陀仏だ。

 本当、何と言うか冗談じゃないっ!

 思いっきりチャージしてるのか、胴体にエネルギーが集まってるし!

 

「バトルチップ『ラビリング』、データスロットイン!」

『――――――――ッ! ダメだ、麻痺しないっ』

 

 おまけに状態異常の耐性まで持ってる!? 一体何がどうなってるっていうんだ。

 胸の中央にいるスターマンの頭はぐったりして、ちょっとバ〇オなハザードのVっぽい感じになっちゃってるし。

 

「バトルチップ『マーティ』、データスロット…………! あっ間違えた、後続選択しなかったから」

『こんな時に(ぼく)凡ミス!?』

 

 幸い空打ちにはならなかったけど、普通にマーティが波を出したりして、多分彼女が恥ずかしがってた原因の何かは起こらなかったんだけど、そんなことも気にならないくらい「命の危険を感じる」。

 

『さぁ――――』

 

「……ッ!? れ、レーザー光線!?」

『――ッ!? れ、レーザー光線!?』

 

 ドリームベルガーのチャージなのか、エリアの上方からエックスマンを追尾するレーザー光線。

 追尾レーザーは……威力250!? 死ぬ死ぬ! いや普通にヤバイやばい!?

 

「い、『インビジブル』、データスロットイン!」

 

 幸か不幸か、攻撃そのものは通常の物理系? みたいなので、無敵時間を確保さえできればなんとかなりそうだ。

 ベースがサイコマンなのに攻撃が物理とはこれいかに……、いや、サイコマンのベースがそもそもバンチョーマンなんだけどね。

 

 その後もタワー系の技を交互に繰り返してきたり、何と言うかこう、「微妙に」戦いにくい。なんならシステマシエルを起動はしたけど、HP124くらいのあたりでまた拳が降ってきて耐久がガリガリ削れてる……。

 

「それでも、(おれ)は勝たないと――――――――」

『――――――――(ぼく)は勝たないと、「心が死んじゃう」んだからッ!』

 

 それでも死に物狂いで戦って。バリアを剥がして攻撃を当てて。いつしか「画面を見る時間も惜しんで」戦って。

 

 その時の僕とエックスは、まるで「一人だった」。

 

 それこそゲームのロックマンエグゼ3をしていた時みたいに、バトルチップを選ぶ感覚と、バトルをする感覚とが。ダメージを受けて、色々ガタガタになってたせいもあったんだろうけど、そのせいで「共有してる視界」と「共有していない視界」とが、上手く交差して、そして「何かが重なった」。

 

「『プログラムアドバンス、ドリームソード!』」

 

 チップの名称を復唱もしない。エックスマンに指示を出すこともない。

 それでも、僕はエックスマンがどう動くのかも理解できたし、エックスマンも僕がどのチップを選ぶかを理解してた。

 そこに電脳と現実との壁なんてなかった。差なんてなかった。ただただ、あるのは集中力だけだった。

 

 ――――――――目の前のドリームベルガー……、バンチョーマンを倒すと言う、そのためだけの。

 

『良いぞ、良いぞエックス! フハハハハハハハハーーーーーー』

 

「『バトルチップ、バンチョーマン! スロットイン!』」

 

 目の前に召喚されたメインフレーム複製のバンチョーマンは、僕たちを見て「ほう」とだけ呟いて。そのまま当たり前のように、ドリームベルガーへと一撃を入れる。

 バリアが剥がれた。残りのHPは――――――――あつらえたかのように、40!

 

 二段チャージのうち、片方はまだ残ってる。後はバスターの連射とシステマシエルの耐久だけ…………!

 

「『うおおおおおおおおおおおおおおおお――――――――――――』」

『はァアアアアアアアアアアアアアアアア――――――――――――ッ』

 

 振り下ろされる巨大な拳――――エックスマンはインビジブルで処理。

 システマシエルが破壊、耐久力はゼロ。

 残存してるHPは50。一撃喰らったらその場でジエンド。

 

 バトルチップは…………ッ! よし!

 

「これで…………」

『――――終わりだ!』

 

「『バトルチップ、スカルマン! スロットイン!』」

 

 これで、どうだ……………………!

 

 シャレコーベイの落下で圧殺はされなかったけど、それでも頭上からオブジェクトが降ってきたために相応にダメージを食らったドリームベルガー。

 相応にダメージを受けて、ドリームベルガーは音を立ててデリートのエフェクトに包まれていく。行動不能判定もなく一発で倒されるあたりは、ウイルスらしいって言えばウイルスらしいのかな?

 

 でも、気は抜けない。ここで倒しても、まだスターマンが残っているかもしれないし、それに…………。

 

『フッフッフ……、見事だエックス』

「『バンチョーマン…………』」

 

 ドリームベルガーの体が破壊された後、その場に倒れたままのスターマンとは別に。上半身だけ残ったサイコマンが、僕たちの方を見てニヤリと笑った。

 

『やはりこうして倒されるのは、「慣れている」とは言え複雑だな。今回はこちらの本意でなかったのも含めて』

 

「ちょっと何いってるかわかんない」

『ちょっと何いってるかわからない』

 

 僕とエックスのリアクションに、苦笑いするサイコマン……、バンチョーマン。「見たいものは見れた」と、それでもどこか楽しそうだった。

 

『何、案ずることはない。例えこの場で倒れようとも、ネットワーク上にナビのデータは残滓として残り続ける。それがこの私と同一かは疑問が残るだろうが、な』

 

「バンチョーマン……」

『――せめて名人に、会ってあげて欲しいんだ』

 

『江口か。…………フン。どうせ、勝手にまた落ち込んでいるのだろう。こんなイレギュラーな存在相手に、まったく律儀なことだ』

 

 だが流石に無理だろう、というサイコマン。僕とエックスマンは、それに無理強いをすることもできなくって。

 

 

 

『――――まだだ! まだ終わってないよ!』

 

 

 

 そして、スターマンが立ち上がった。その背中からドリームウイルスの本体っぽいアレが「うねうねと」ホラー映画の怪物みたいに、スターマンから脱皮するように出てくる。

 こうなったらキミたちも取り込んでくれる、と。ドリームウイルスの方から触手みたいなのが伸びて、びっくりして反応が遅れたエックスマン目掛けて伸びてきて――――――――――。

 

『させるか! ゼットセイバーッ!』

「『ゼロ!』」

 

 当たり前のようにやってきたゼロが、そのドリームウイルスの触手を叩き切った。断面からデータの粒子が溢れ、スターマンが苦しむ。

 

『く、くそォ……、このネットナビもどきがッ! ボクとパパさんたちの絆を、散々コケにしてきたキミのような相手が……!

 もうこうなったらボクのことなんて関係ない! パパさんの邪魔だけは絶対にさせない、それだけができればいいんだ! 覚悟しろ!

 ビッグバンチャージ――――――――――、ッ!?』

 

『いや、ここで終わりだスターマン』

 

 背中のドリームウイルスが怪しげにチャージを始めた瞬間、サイコマンがオーラを飛ばして妨害し、そのまま後ろに回って羽交締めにした。上半身だけなのに、まるで念力みたいに浮かんでる……!

 離せって無理に振り解こうとするスターマンに、サイコマンはニヤリと笑う。

 

『そう連れないことを言うな。せっかく共に「可能性の一つ」を見届けたばかりだと言うのに』

『可能性? あんなものが可能性だと? ふざけたことを言うな……! ボクは認めない、断じて認めない! あんなもの「ただの人間」じゃないかッ!』

『そう杓子定規に捉えすぎるからこそ、お前は負けたのだスターマン。縋るだけではダメだ。求めるだけでもダメだ。お互いの願いが一致し、立ち上がる時にこそ、その可能性は芽吹くといえよう。

 さぁエックス! そしてゼロよ! 言うべきことは言った。ならば何をするべきか、わかるな!」

 

 叫ぶバンチョーマン。その姿に、僕とエックスは言葉に詰まる。

 ゼロはゼットセイバーを構えて、エックスの方をチラリと見て。

 

『……オレは奴のことをよくは知らない。だが、何を求めているかはわかる』

『――――――――引き金を』

「……………………躊躇わないこと」

 

 それしか本当に方法はないのか? もしここにいたのが僕たちじゃなくって、熱斗君たちだったらもっと何か変わったんじゃないか? 僕たちみたいな変なイレギュラーだから、こんなことになってしまったんじゃないだろうか。

 取り止めもなく考えが浮かんでは消えて。そのどれもが、結局この状況をどうにかできるものではなくって。

 必然的に、僕たちにはどうしようもなくって。

 

 だから、もうそれしかないのかと。それならば、せめて盛大にと。エックス越しにゼロへと、息を合わせる掛け声を話して。

 

『や、止めろサイコマン! せっかく復活したと言うのに、まだやりたいこともあるのだろう! 名人にだって、まだまだ言いたいことだって、たくさん――――』

『当然、ある。だが、それももはや感傷に過ぎない。

 見るが良いスターマン――――――――――』

 

 

『『――――――ファイナルストライク!!』』

 

 

 

『――――――――――あの光が、この世界の可能性だ』

 

 バンチョーマンのその言葉に反応するスターマンだったけど。それが何を言っていたかは、僕とエックスマンには聞こえず。

ただひたすらに、エックスバスターの連射音と、ゼロのソニックムーブの音だけが、聞こえていた。

 

 

 

 

 

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