ロックマンエグゼ世界でエックス的なナビを持ってしまった   作:黒兎可

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※6年生に上がる時にクラス替えがあると思っていただけると助かります


第5話「それ僕の台詞っ!?」

  

 

 

 

 

 お金の稼ぎ方としては、みゆきお姉さんの提案で「自作のカスタムパーツの販売」と言う形に落ち着いた。

 僕のモデリング速度とデバッグ速度(ポリゴンが崩壊していないか、ボーンに追従して矛盾が発生しないか、カスタムパーツの機能容量とつりあっているか等々の確認)もかねて、学校の片手間で一週間かからないという話が決め手になった。

 

 形態としては、表向きの手続きとかは全部みゆきお姉さんの方で対応してくれる形。彼女から僕の方に発注が来て、その分の作業を僕が行う、みたいな。

 ベースになるナビ拡張パーツは持ち込み(HPアップとかバスターアップとか)、デザインはこちらで描くかユーザーさんの好みのイメージを描いたり指示してもらって、それをベースにモックアップを作る。それの動作確認をしてもらって、と一通りの作業を含めて、1週間で1つ案件を担当するというのが落としどころだ。

 

 お金については、みゆきお姉さんの方で別口座を作り、僕が引き出せるようにするというような流れ。PETに電子通貨を紐づけることになるから、ミニPETか何かを新たに一つ購入してそっちに対応させることになるのかな。

 

『なんなら、他にも恒常で販売するパーツを作っても良い気がするわ。ロゴを入れれば名前も売れるのではないかしら』

 

 なんというか、普通に相談して良かった。アドバイスが普通にためになる。

 みゆきお姉さん、伊達に一人でお店をやっていないということだね。

 

 

 

 とにもかくにも、既に週の半ば。

 今の所エックスマンが暴走する兆候とかも全然ないし、僕は気楽に学校へと通っていた。

 休み時間はクラスもにぎわっていて、こう、この年代としてそれなりに皆自由に楽しんでいるのがわかる。

 

 まあ僕の周りには、そんな友達は……、そこはその、察してもらえると。

 

『――――――――』

「煽るの止めて、エックスさぁ……」

 

 相変わらずチャットでは「ぼっち」コールが続いている。なんで君そんなに僕いじめるの好きなのかな? まあエックス相手だから許せるところはあるけれど。

 とりあえず手持ちのフォルダ(物理)にダッシュアタックを投入した。これは買ったものでは無くて、ウィルスバスティングしたもの。そろそろ真面目にバトルチップを準備しないといけない感じになってきたから、という例のアレだ。

 

 なおロックマンならダッシュアタックはキオルシンを手でつかんで突撃していくイメージだけど、エックスの場合は蹴りの姿勢……、というよりスライディングっぽいポーズで直進していく形になるようだ。足にキオルシンを取り付けて、さながらライダーキックみたいな姿勢で衝撃波を放ちながらスライディングしていく様は、案外格好良い。

 格好いいけどスライドするエックスってそれ、ゼロシリーズのコピーエックスなんじゃないかな? という疑問はあったりなかったり。

 

 記憶が正しいと、スライディングは初代のアクションでエックスには搭載されていなかったような記憶が…………。

 

「どうしたッス? ガンサイさん。浮かない顔ッスね」

「大森君? あー、まあ、そのね。大したことじゃないよ」

 

 とはいえ全く友達がゼロというわけでもない。単純に話が出来る子がいない(精神年齢的に話が合わない)のもあるけど、彼の場合は別だ。

 大森明日太。眼鏡をかけたちょっと背の小さい子。

 そこまで親しい訳じゃないけど、バトルチップ関係に詳しいクラスメイトだっていうのは知ってる。というのも実家がチップショップ「アスタランド」で、そこでよく店番をしているかららしい。クラス替えの時の自己紹介の時の話だ。

 ……そこは大森ランドとかじゃないんだ、とか、色々思ったりしたけど割愛しよう。

 

 そうだ、せっかくだから相談してみようか。

 

「…………実は、ちょっと真面目にネットバトルとかやってみようかなって」

「本当ッスか!? いやー、ついにようやくッスね! ガンサイさんの実力を前に見た時から、ずーっと勿体ない勿体ないって思ってたんスよ!」

 

 お、おう。随分好印象な反応だ。

 基本的にウィルスバスティングに関しては、授業でやっているのとかがメインでほとんど見られてはいないはずなんだけど、なんでこんなに好印象なんだろう。

 ただ、聞いてみれば理由は単純なものだった。

 

「ガンサイさんのエックスマン、めっちゃ格好良いじゃないッスか! ビジュアル」

「ああ、ビジュアルね。ありがとう」

『――――』

 

 PET越しにエックスマンもにっこにこである。普段からニコニコ笑顔のエックスマン(非戦闘時はロックマンよろしくマスクオフになる)だけど、露骨に褒められると流石に嬉しいらしい。

 そこはまあ、ロックマンに被らないよう色々拘った結果なので……。少なくとも原作主人公、熱斗君と遭遇した時に、ロックマンの偽物とか言われないように気を遣ってデザインラインを変えてはいたのだ。

 まあその結果、ロックマンにサイバーチックなスーパーアーマーを着せたみたいな感じになってるのはご愛敬なんだけど。

 

「で、今金策中ってところ。元手がそもそもあんまりなくってね」

「それは、確かにそうッスね。流石にウチでも、無料で強力なバトルチップを提供はできないッス。そろそろマザーコンピュータとかインターネットの大型アップデートがかかるらしいッスから、中古だとバトルチップのグレードも一気に下がるし」

「あー、それがあったか……」

 

 大型アップグレードっていうのは、なんだっけ? ムーアの法則だったか、みたいな話だ。エグゼ世界、現代のインターネット関係の技術の躍進はそれはもうものすごい速度だ。なにせPETですら2年もしないうちに6回大掛かりなモデルチェンジしている(しかも有線アダプター式からのレーザー方式みたいな完全上位互換が複数回)。それに対応するインターネットも相応にアップデートしていくので、既存のバトルチップは仕様が特殊であれば特殊であるほど使えなくなっていく。

 早い話、シリーズが変わる時になんで前作のバトルチップを持っていなかったのかー、とか、HPメモリで 1000 にしたのに何で次の作品だと 100 に逆戻りしてるんだー、みたいな矛盾を無くすための話なんだと勝手に思ってる。

 

 実際、アップグレードでインターネットの状態は徐々に変わっていってるし(才葉シティはここセントラルシティ含めてパネルに色が付いた)、エックスマンの強化メモリとかベースデータのアップグレードも何回かやっている。

 この間のみゆきお姉さんのスカルマンも、HPが 200 になったといっていたのはそういうことだろう。インターネットの性能が上がった結果、以前のHPが相対的に弱体化したってことだ。

 

 例えば、インターネット全体の容量が2倍になったらバトルチップやウィルスの能力も2倍に膨れ上がる、と考えれば。元々 1000 のHPだったものが、結果的に 500 相当の意味しかもたなくなる、みたいなことが起こる。

 

 そんな感じで雑談をする僕と大森君。来年は万博があるとか、リニアバスの駅が現在増設中だとか、メトロ線の振り替えが色々変わるとかそういう意外と知らない話(リニアバス?)をされたりしつつ、エックスマンに調べて貰ったりして時間を潰していた。

 

 

 

 …………そして、まあ何と言うか、それこそエグゼのシナリオだとこういう平和な時に限ってイベントとか起こるよねー、とか。そんなことを考えたのが間違いだったかもしれない。

 

 

 

 最初に気付いたのはおでこの広い女子生徒。

 何これ? と、「ぴちゃぴちゃ」足音を立てて困惑している声が聞こえる。

 

 言われて大森君も僕も足元を見たら、何だろうこれは…………。えっ? 床下浸水?

 

 近未来的な校舎の床が、徐々に徐々に水浸しになっていく。

 

 な、何だコレとか色々声があがったのを聞きながら、僕は大森君にも言って窓に向かって走る。まあ有り得ないとは思うけど、この勢いで水かさが増していくと水没とかしちゃったらギャグマンガの世界なので、念のため窓を開けようということだ。

 大森君は背の高さ的に力仕事苦手そうだから、あっちは教室の入り口のドアを開けてもらうように声をかけた。横引きの扉だから今くらいの高さならまだ開けられるだろうと思って―――――。

 

「あ、開かないッス!? 扉、電子ロックとかかかってるッス!!?」

「いやそんな馬鹿な! いっつも適当に開けてるだろ!」

「アナログな開閉する癖に扉に電子ロックあるの!? 私、知らない!」

「アレだ、外でガードロボットか何かが足止めしてるんだきっと!」

「押せ押せ!」

 

 僕らの動きに反応した他の子たちもわらわらと色々思い思いに文句を言ったり、大森君に協力して扉を開けようとしたりと大忙しだ。

 もちろん僕の方の窓も、僕以外の生徒が窓に張り付いて開けようとしてる。

 

 でも、それも開かない。

 

「…………いや、本当に電子ロックかもしれない」

 

 窓に関しては錆びついてるということもなく、普通にさっきまで開けられたのにいつの間にか閉まってる。いや、いつの間にかというより「自動的に」閉まったと言うのが正解かもしれない。

 ただそれだけならまだ隙間があるから大丈夫だったかもしれないけど、目の前で防火用シャッターが下りて来て窓が完全封鎖されてしまったのが痛かった。

 

「いやいやいや、まずい! まずいって!」

「こ、これまずいですよ!? このままだと床下の水で溺死してしまいますって!」

「先生! ……駄目だ、連絡がつかない」

「職員室ももしかしたら……」

「オ゛カ゛ー゛サ゛ー゛ン゛ッ゛!!?」

 

 何か凄い野太い声を出す子とかがいたけど、教室中がパニックになった。

 いやいや、こういうイベントってむしろ熱斗君とかそっちの方で起きて欲しいイベントなんだけど……。そんなことを考えながら、とりあえず僕は教室の電子黒板へ。横のサイドに……、あった、接続端子。

 

 PETから無線端子を引き抜いて、画面のエックスマンと顔を見合わせる。向こうもこっちの意志を察しているからか、チャットもとくにせず真面目な顔で頷いた。

 

「行くよ、エックス!」

『――――!』

「プラグイン! エックスマン・トランスミッション!」

 

 両腕を胸で交差して、そのまま表に一回転。ぐるっと腕を回転。そのまま右腕を腰に構えて左腕を添えるような状態から、右腕をつきだして無線端子を接続。

 このあたりの動きも手馴れたものというか、もはや恥ずかしがるような話じゃない。ないったらないんだ。…………というか皆それぞれ独自のポーズをつけてるし、もはや一つの文化だと思う。

 

 そして黒板の電脳から教室の電脳へと出た時点で、ちょっとドン引きした。

 うわっこれはひどい。PET越しに見える映像より「視界の半分に投影された」エックスマンのそれで見たものが酷い。

 

 電脳の中は、既にだいぶ水没していた。本物の水じゃなくてプログラムの水(?)だけど、その水中を我が物顔でウィルスが泳いでいて(ジェリー、クラゲみたいなのもいる)プログラムくんがあばばば言ってから溺れてる。これはシステム障害をきたすよと、一目でわかるレベルのものだった。

 とにかくこのままだとエックスマンもプログラム君と同じように溺れてしまう。リンクゲートがたまたま高所にあるから溺れていないだけなので、何かしら移動手段は必要と見た。

 

「といっても、これは行けるかな…………。水中を歩くと、たぶんそのままだと溺れちゃいそうだし」

 

 とりあえずウィルスバスティングはしないといけないと、エックスバスターをジェリー数体とアーバルボーイ(魚に腕が生えてるやつ)に連射。海老(エビロン)がいないのがちょっと寂しいけど、それはともかく。

 

「そうか! 教室の電脳異常はウィルスのせいなのか!」

「ぼ、僕だとこの量はちょっと勝てなさそうッス……、ガンサイさん、これを!」

 

 言いながら、大森君は僕に「ツナミ」のバトルチップデータをわたしてくれた。

 絵的には水系ウィルスには効果なさそうに見えるけど、一応は効果あるんだよね…………。属性分け的に、たぶん衝撃とか打撃系のダメージが入るって考え方なんだろう。

 

 とりあえずそのチップデータをブランクチップに落としながら、引いたバトルチップ4枚は…………。インビジブル、ソード、ソード、キャノン、うーんてんでバラバラ!

 コードが連続してるからインビジとキャノン、ソード1枚はつなげられるか。

 

「まあいいか、いこうエックスマン!」

『バトルオペレーション、セット――――」

「――――イン!  てそれ僕の台詞っ!?」

 

 思わずツッコミを入れてしまったけど、とりあえず僕らは大量のウィルス戦闘に挑んだ。

 

 

 

   ※  ※  ※

 

  

 

「――――攻撃用バトルチップ、『ツナミ』スロットイン!」

『――――ッ!』

 

 最後の最後で、アーバルボーイたちを一掃してようやく終了だ。ゲームだったら多分6連続バトルくらいはやったんじゃないだろうか。水は腰のあたりまで上がって来てて、中々にヒヤヒヤしている。プラグ端子まであと30センチと言った所だったけど、まあ何とかなった。

 回復アイテムがまだ販売されていない時間軸のようなので、早い所実装して欲しいな……。昨日のアップデートで、PETからのエネルギー供給によるHP回復量が80%と段々減って来てるし。

 

 戦闘が終わった結果、教室の電脳内の水が少し引いた。ゼロではないけど、今ならエックスマンの膝丈くらい。頑張れば進めなくもない。

 そのまま奥に倒れてるプログラム君を起こす。……セリフはカタカナ語なので相変わらずわかりにくかったけど、どうやらここの数体は空調やシャッター、鍵のロックなどこの教室の動作を管理しているプログラムのようだ。

 

『ワタシタチヲ タスケテ クレテ、アリガトウ ゴザイマス!』

『コレ、ヨカッタラ ドウゾ!』

『ホカノ キョウシツモ タイヘンナ コトニ ナッテイル!』

 

 渡されたのはレギュラーアップ(フォルダ拡張用)か。悪くないね。……僕がメガクラスチップとか大容量のやつを全然持っていないことを除けば。

 ま、まぁそのうちサブフォルダとかも来るだろうし、電子フォルダを使えるようになったら使う機会もあるだろう。とりあえずエックスマンのナビ拡張スロット(ナビカスタマイザーより簡素な追加パーツ用のやつ)に取り付けておく。

 

 しばらくすると窓のシャッターが開いたり、教室の床に排水溝なのか排気口なのかわからないものが出てきたりして(そんなの有ったの!?)、水も一気に引いていく。

 とりあえず皆で一息ついたところで、教室の扉も前後ともに、横に自動で開いた。

 

 ――――ざばぁ! とまた水が流れ込んで来た!?

 

 いや、今回は教室に穴が開いてるから大丈夫だけど、水の丈かなり高かったよこれ!? 

 下手するとどこかの教室、もう大変なことになってるんじゃない!!?

 

 そう思って水にぎゃーぎゃーとわめくクラスメイト達を横目に、一旦教室の外に出て他の教室を確認しにいこうとすると、PETに通信が入った。

 誰だろう、知らない相手だ。名前は………、Ilis、イリス?

 

 こんな状況での通話となると、事件の犯人と関係があるのか? 急いで通話してみる。

 

 PET画面にはノイズ交じりだけど、髪の長い、物静かそうな女の子が映った。場所はどこだろう、ノイズのせいで良く見えない。

 

「君、誰?」

『わた……し…………アイ、リス…………。……今は…………そん……な…………こと…………より………………』

「そんなことより、何? あの……」

 

 PET越しに電話で会話する彼女は、言葉が中々出てこなかったけど、僕に力を貸して欲しいという。

 単なるウィルスバスティングじゃなくて、ここには暴れている強力なネットナビがいると。

 

「何で君、そんなこと解るの?」

『……………………私の、ことは……いいから…………』

「えーっと、場所はわかる?」

『…………き…………みの、…………今の…………位……置…………から……………………北、…………突き当り……………………』

 

 どうやらガイドしてくれるらしい。通話しながらだけど、エックスマンの方にメールが届いたようだ。驚いた顔でエックスマンがそのマップ(簡素な線の地図)をこちらに見せて来る。

 

『みん、な…………、私……………………、た……す、けて……………………』

「――――ッ!? ひょっとして君も水没して……、あっ切れた」

 

 状況はよくわからないけど、アイリスを名乗った彼女の電話が切れた。

 もしかすると、彼女もどこかの教室で必死になって電話してきたのかもしれない。

 

 その場合、なんでナビゲートできるのかとか色々疑問は残るけど、他の教室で誰か窒息しかねないという状況に変わりはない。

 

 走った先は、職員室。その中のパソコンにプラグインしろと彼女は言っていた。

 

 扉がロックされているけど、シャッターは降りてない?

 思いっきりガンガンガン! って叩くと、向こうから白衣を着た先生が駆け寄ってきた。ゲームならモブ研究者顔にされているだろう彼が、僕を見て驚いた様子だ。

 

「君は、5-2の鐘引君!? どうしてこんな所に――」

「教室! 水没! ウィルスバスティング! 排水! 廊下からまた水! 他の教室! シャッター! 水出て行かない! ヤバい!」

「わ、わかった、少しだけ落ち着いてくれ……」

 

 焦っていたせいで名詞とか体言とかばっかりになっちゃったけど、とにかく事情を話し終えた僕に、先生は難しい顔をした。

 

「現在、この問題を引き起こしたネットナビと戦っているんだが…………、どうもゼロウィルスに感染しているらしくてね」

「ゼロウィルス…………!」

 

 またかゼロウィルス、事件の規模がなんかシリーズレベルで大きくない?

 

 一部の先生たちが(凄いガタイの良いマッハG〇! しそうな先生もいる)戦っているけど、順番順番にプラグアウトしてPETの電源を切っていた。

 セリフを聞く限り、どうもナビの性能が低下していってバトルチップの送受信も受け付けなくなっていってるとか。ギリギリプラグアウトできた先生はともかく、現場に残って倒れているナビもいる。

 

 そしてパソコンの画面に映し出されているのは――――。

 

『はーっはっは! 弱いじゃないかいアンタたち。ブルースとまではいわないけど、せめてうわさに聞くロックマンくらいの相手はいないかしらね!』

 

「マーティじゃんッ!?」

『マーティじゃんッ!?』

 

 僕とエックスが思わずそろってツッコミを入れてしまった。ぎょっとした先生は「知り合いかい?」と聞いてきたけど、厳密には知り合いとはいえない(持ち主と走り合いだけど)ので何とも微妙なところだ。

 まあ確かにさっきの水ウィルス大量なのって、それっぽい感じはしたけどさ…………。

 とりあえずエイリアさんに簡単な音声メールで事情を説明して送ってもらい、僕はそのPCの方へ。先生が止めなかったところを見ると、もう本当に万策尽きて対策出来ない状況なのだろうか。

  

「プラグイン! エックスマン・トランスミッション!」

 

 あんまり目立ちたくはないけど、ここはそうも言ってられない。

 なにせ本当に人命がかかってる。冗談でも何でもなく、一介のネットバトラーもどきとしては、放っておいて良い事態じゃない。

 

 ネットナビの性能で言えば、クラスどころか学級で見ても多分僕のエックスマンが一番高い。伊達や酔狂でエックスマンはロックマンの似姿をしている訳ではないだろう。

 だから一先ずエックスバスターで乱入し、彼女を再度アナライズ。

 

 名前がマーティなのは良いとして(Zがついてないけど)…………、HPが800 !? 嘘でしょ、序盤の敵じゃないってもっと低いって普通!!? あとアップデート入ってるんだから、減るならまだしも増えてるのおかしくないっ!!?

 

 そんな風に驚愕する僕とエックスマンを前に、マーティは「ん?」と半眼になる。

 

「誰だいアンタたちは…………、見覚えない顔だね。中々格好良いとは思うけど」

 

 おや? マーティ、エックスマンのことを忘れてる?

 

「まぁ良いわ。このアタイの仕事を邪魔するっていうなら、容赦はしないよ――――!」

 

 右手に槍の様なものを構えてポージングをとる彼女に、エックスマンはマスクオンする。

 

「行くよエックス。バトルオペレーション・セット――――」

『――――イン!』

 

 きんちゃく袋(物理フォルダ)からバトルチップを逆さまにして机の上に展開する僕と、エックスバスターのチャージを始めるエックスマン。

 

 目の前では、マーティが槍を回転させて、向こうもチャージを始めたようだった。

 

 

 

 

 


 

【折り畳み式PET(1、2モデル)でのプラグインポーズ】

 

・鐘引ガンサイ(主人公):

「プラグイン! エックスマン、――――」

 左腕を後にして両腕をクロスさせ(ファラオマン)、腕の内側へ回すようにして突き出し右腕を上に。

「――――トランスミッション!」

 そのままぐるっと回転させながら右の腰に拳を構えるようなポーズになってから、突き出すようにプラグイン。

 きっとエグゼ6の熱斗君ばりに残像が出てる。

 

・黒井みゆきのプラグインポーズ:

「プラグイン。……スカルマン、」

 棒立ち状態から左腕を上に掲げ、ゆっくり下ろし拳銃の銃口を適当に向けるように。

「――――トランスミッション」

 そこから左手を適当に下ろし、右手で端子を掲げてそのまま適当にプラグイン。 

 

 

 




すみません、またアンケートお願いします……、今回は長めにとります。
ボス数体のうち2体分をどうするか? 的なアンケートです。誰が出るかはお楽しみに…?

トランスミッション時点で登場するボスナビを何作目から出しましょうか(2体予定)

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