ロックマンエグゼ世界でエックス的なナビを持ってしまった   作:黒兎可

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普通に腰ヤったり、風邪拗らせたりして執筆中々できませんでした。
文字数増えたのでおまけは少な目・・・


第53話「Z国のドローン? どうして……?」

 

 

 

 

 

 …………エイリアさんと一緒に倒れた後、酔っぱらったエイリアさんがひたすら甘やかすような物言いをしていたのはさておいて。

 あまりに誘惑してくるパワーが強すぎたというか、お陰で一周回って正気に戻った僕は、無理やり彼女から離れて立ち上がろうとして、また転んだ。転んだというか流されたと言うか、結果的に現在はエイリアさんに後ろから抱きしめられてふわふわ流されている感じになっている。

 

 足場が不安定……? 不定形? 何と言うか、地面()()()ものは視界に入らないんだけど、体感としてはとにかくグラグラしていて立ってられないというか。

 

「ディメンショナル・トランスポーターとか言われてますが、ちょっとオーバーテクノロジーすぎて基幹部分はブラックボックスらしいですね~。アメロッパから渡って来たコピーロイドの研究で、確か才葉の方でされてたと思いましたけど」

「何の話!? というか、思いっきり地元の話だ……って全然知らないよそんなの!」

「学術雑誌とかには書いてありますけど、まだまだ一般公開されてませんでしたっけ~? でー、そのコピーロイドに搭載されてるトランスポーターを元に技術転用したのが、サイバースーツって言われてるやつですね~」

「それは……、この間テレビでやってた」

 

 とりあえず僕を抱っこしてるエイリアさん(背中が柔らかい……)、酔っぱらってても最低限はコメントできるのかちゃんとそれらしい話をしてくれている。まあだから何だって話というか、全然わかったもんじゃないんだけどね。

 ただサイバースーツとかいうのは聞き覚えがあった。確か一台うん百万うん千万するって言ってたけど、バラエティ番組とかで人が着込んでその全身を別な姿にすることができるとか、そんな感じの機能だったような……?

 

「はっきり言ってオーバーテクノロジーの類なんですよね~。基幹はケイ素とシリコンを電力を使ってデジタルデータの型に()()して、それが仕様上本来持ち得る能力を現実世界で再現する、みたいな? そんな思想なので~。疑似物質~みたいに言い張ってますけど、ネットワークで規定されたオブジェクトを~、物質的に再現するロボットの類ですかね~?」

「電力、疑似物質…………?」

 

 うん、まあ、だからちょっと何言ってるかわからないというかですね。

 前世ふまえても意味わからないことを言われてると思ったけど、どうやらそれはこの世界でも意味わからないようなことであるらしい。

 

「基礎理論はWWWで有名なドクター・ワイリーが作ったものなんですけど、本当に天才だと思いますね~。私も、昔ならわかったかもですけど~、今は全然論文が頭に入ってこないですね~」

「エイリアさんそれ、僕に話しちゃって大丈夫なことだった……? 何か機密に振れてたりしない?」

「大丈夫ですよ~……、責任取ってあげますから」

「ねえそれって僕に話して本当に大丈夫なことなの!? ねえちょっと~~~~!」

 

 いや、ワイリー様が作っている以上はもうどう考えてもアレだよな……。深く考えたらいけないやつだ。

 で、そんな情報ぽんぽん教えちゃっていいやつだったのかな? この間の教授のこととか考えると明らかに部外秘の類だと思うんだけど……?

 そんな訳で比較的安全(?)な感じだった僕らはともかく。視界からどんどん離れていくやいとちゃんとメイドさん、星河君なんかは変なポーズして悲鳴を上げてるし、何だろうこの状況。星河君の伯母さん? は伯母さんでこんな状況でも占い師さんとあーでもないこうでもないとか言い合ってるし。

 というか、いきなりすぎてちょっと意味不明なんだけど。どんぶらっこっこ、どんぶらこっこ、みたいにそれぞれ流されて行ってるし……。

 

 こんな中で明らかに僕を抱えたまま体勢を変えないで余裕っぽいエイリアさんが何なんだって話かもしれない。

 

「津波の中だと立てない、みたいな理屈でしょうね~。うーん、多分どこかにプラグインポイントがあると思うので~、そこに差し込んで中断させるのが一番ですかね~」

「どこにあるの、プラグインポイント!? 端子だよねエイリアさん!」

「は~い♡ え~と、サイバースーツの技術応用の類であるとすれば、かならず元になるシリコンとかケイ素とかで出来たマイクロロボットの集積体を制御する~、コアブロックが必要なんですね~? 流石に電気とか電波とか~、エネルギー波動を物質波動に転換する技術は~、まだ開発されてませんから~」

「意味わかんない事言ってないでもっとわかりやすく言って!」

「えっ!? そ、そんな強く言わないでも……」

「えぇ!?」

 

 何、何かいきなりすごい傷ついてるけど!? というかエイリアさん涙目だし、あーもうどうしろっていうのさ……!

 思わず「左手の」PETを見てエックスに助けを求めれば、エックスはそっぽを向きながらチャットアプリで「頭でも撫でたら良いんじゃない?」とか返してくる。幼児をあやすんじゃないんだからさあ、とか思っていたらむしろ、そのまま僕の方がエイリアさんに頭を撫でられ始めた。

 

「暴走してるときは心が乱れてる時ですから…………、お姉ちゃんと一緒に寝ます? このまま」

「ね、ね、…………………………………………ね、寝ない……」

「そうですか~。いつでも寝たくなったら言ってくださいね♡」

 

『──────けっ』

『いや、ちょっと怪しかったけど頑張って振り切ったじゃないかい』

 

 マーティとエックスのやりとりが気にならないくらいな状況なんだけど、どんぶらこっことされているうちにちょっと気づいたことがあった。

 基本的に視界一杯が宇宙空間みたいになっていて、僕らだけじゃなくて周囲を歩いていたっぽい人たちも流されてるんだけれど。頭上にある太陽みたいなの(そんなに眩しくない)だけ、座標が変わっていない。変わっていないと言うか、そこを起点に物が行ったり来たりしていているみたいな感じだ。

 だってさっきから流されきってるはずの、やいとちゃんたちが「まだ」ちょっと探せばすぐ確認できる位置に居る訳だし。離れ離れになったりと言うか、戻ってこれないみたいなことはないだろうから、大丈夫といえば大丈夫なんだろう。……メイドさんに腰に抱き着かれて泣かれてて絶叫してるやいとちゃんとか、座禅みたいなポーズして「色即是空」とか悟り開いてそうな星河君が大丈夫かはともかくとして。

 

「理屈はわからないけど、中心点があるっていうのなら……アレかな?」

「ドローンの類ですかね~。よくできていると言えばよくできているというか…………、ん? Z-308式? Z国のドローン? どうして……?」

「エイリアさん?」

 

 どこから取り出したのか暗視ゴーグルみたいな半透明なのをつけたエイリアさんは、目を細めて訝しんでる様な声。Z国って何……? 現実世界の国名をパロディしてる感じのこの世界観でもあんまり聞かない名前が聞こえて、思わず疑問を口にしたんだけど。

 

「あっ、いえいえ何でもないですよ~? おっぱい飲みます?」

「何その脈絡のない返し!?」

 

 本当にどうしたんだよ!!? 何一つ脈絡がないよ!

 

「でもごめんなさいね~。私、まだ出ないんで、後で哺乳瓶を……」

「ストップストップ」

「それともやっぱり()が良いです? 出なくても吸ってるだけで安心感があるパターンも────」

「ホビアニ的世界観をぶっ壊しにかかるの止めない!? 放送コード! 放送コード!」

「とりあえずぎゅーってしてあげますから、それで我慢しててください。ごめんね? だめなお姉ちゃんで……」

「いや、だ、か、ら、さ!? えっと、あの太陽っぽいのが怪しいんじゃないかって話!」

「怪しい、じゃなくて多分確定ですね~。

 えーっとぉ、ガンサイく~ん、PET確か無線式カスタマイズしてましたよね? プラグイン端子、貸してもらって良いです~?」

 

 なんか間延びしすぎてギャルっぽい口調になってきたエイリアさんのテンションがわからない……。 

 わからないけど、とりあえず言われるがままにPETからプラグイン端子を引き抜いて手渡すと。エイリアさんはやっぱりどこから取り出したかわからない銃みたいなのに、それを取り付けた。

 …………って、銃!? 何さそのSFとかにありそうなレーザーガンみたいなの!

 

「パルスレーザータイプの無線プラグインはドクター・リーガルが六年前に論文発表してたものなので、実用レベルで搭載されているドローンならZ国のもので間違いないんでしょうけど……、どうしてニホンで稼働してるんですかね~?

 まあ良っか」

『軽くないかい……? いや、それより何でアンタそんなモン持ち歩いてるんだい。物持ちが良いとかそういうレベルじゃないだろう、エイリアさぁ』

「それはもっちろん! ガンサイくんのお…………、あっ何でもないですよ? はいはい」

「何で(おれ)の名前出たの!?」『────何で(ぼく)の名前出たの!?』

「プラグイン・エックスマン.exe(エグゼ)、トランスミッション!」

 

 僕の発言をスルーして、エイリアさんは銃のトリガーを引いて、銃口っぽいパラボラアンテナみたいなところから赤いレーザービームみたいなのを放射した。……何だろう、そのレーザー光線みたいなのは知らないのに知ってると言うか、アニメで見たような記憶があるようなそうでもないような……?

 

 頭上、あんまり眩しくない太陽に直撃するレーザー光線。

 瞬間、エックスがPETから電脳空間(サイバーワールド)へと転送されて、僕の視界も半分がエックスのものに切り替わる。

 

 えっと、…………何? つまり、あれよくわかんないけど今、プラグインしてる!? あ、そういえばアニメでやってたな、確かに後半というか、プラグイン端子持ってる熱斗君のシーンなかったや! つまり、今のってあのレーザー光線っぽいプラグインのやつ! えっもう出来てるの!?

 

『ガンくん!』

「えっ? あ、ごめん。……ここ、何だろう?」

『足場はあるけど光景は同じだね、ガンくん』

 

 まあ僕の動揺というかは置いておいて。エックスの言う通り、小惑星みたいに転々と浮かんでるパネルエリア以外はそのまま、今僕らが流されている電脳空間の光景と同じようなものだった。いや、というよりこれって…………、良く見ると矢印が描かれてるような? うん。

 フィールドのギミックか何かかな。えーっと、つまり何だコレ?

 僕を抱きしめて身体がぶれないように安定させながら「私も見せて~♡」と子供っぽい口調でエイリアさんがPETを覗き込んできた。と、エイリアさんはそれを見ながら「これ安全地帯ありますね~」とか言ってくる。

 

「ちょっとエクステンションチップ(※他のPETへナビを転送する際に使用する拡張用バトルチップ)、入れますね~。いいです?」

「え? あ、うん。……どうして僕のPETにマーティを?」

「それは、見てのお楽しみですよ~♡

 プラグイン・マーティ.exe、トランスミッション」

 

 言いながらエイリアさんは片手で器用に有線式の自前PETから、プラグインケーブルをチップにつないで、そのまま僕のPETにスロットイン。画面に人魚っぽい? 感じの赤い美人さんなナビが映り込み「久しぶりだねぇ、ぼうや」とニヤリと不敵に笑った。

 

「マーティ、エックスから中継されてる映像からそのまま地図みたいに落とし込めますぅ? 矢印の位置含めて、方眼紙的に~」

『あいよ。……表計算に落とし込んだ方が早くないかい? ポネグラフティにすると要領食うけど。今日ちょっとアルエットの拡張用のやつ積んできてるから、少し減らした方がよくないかい?』

「いえいえ、エク〇ル方眼紙とネ申エ〇セルは諸悪の根源ですし……」

「何の話?」

「社会人の悲哀の話ですね~ ……」

 

 なんか遠い目をしてるエイリアさん。そんな彼女を見ている内に、マーティが片手を上げてエックスの視界が映ってる画面にかざしてる。もう片方の手でキーボード的な何かをばちばち打ち込んでいた。

 エックスが見てる映像をもとに図に起こしてるらしいってことなので、とりあえずエックスに一声。特に細かいやり取りを交わさず、僕とエックスはさらっとゆっくり、周囲を見渡した。

 

『矢印の形状と方向からして、大きさは25メートルプールくらいの感じだねぇ』

「プラグインポイントが大体端っこの一つですか。車が侵入してないあたり、多分外に向けて膜が張ってあるとみて間違いないかしら。

 後はあっちの、綾小路ちゃんの流され方をみるに~、矢印の規則性は間違っていないと。ふむ」

 

 エクステンションチップを抜くと、ぐにぐに、みたいな感じでエイリアさんは地面(?)を触って何かを確かめる。「いけますね」とにっこり断言すると、そのまま────。

 

「……って何ぃ!?」

『ガンくーん!!?』

「よっ、はっ、そぉい!」

 

 その場でいきなり立ち上がったと思えば、何かこう、曲芸師とかも真っ青な感じでぴょんぴょんと飛び跳ねてる!? 不安定な足場どこ行ったという勢いで僕を抱っこしたまま飛び跳ねたエイリアさんは、やがて太陽の真下のところに着地した。

 

「ここなら安定して探索できると思いますので、ガンサイくんにお願いしますね~♡」

「いや、今の何なのエイリアさん……!」

「何って…………、何が?」

「いやいや足場不安定だとか何か色々あったじゃん! 津波に流される的な話とかさ、完全に無視して、すっごいサーカスみたいに飛び跳ねてたけどさ!」

 

 僕の当然の疑問に、彼女は少しだけ悩んでから。

 

「組成があらいからダイラタンシーが働いていたから一瞬負荷をかける分には、硬化して安定してくれるみたいですね~」

「いや全然わかんないから! というか、そう言う話じゃないって!」

 

 どっちかというと彼女の身体能力的なことが聞きたかったんだけど、その真意が伝わらないまま「あらあら」「うふふ」とニコニコ話が流されてしまった。

 

 

 

   ※  ※  ※

 

 

 

 なるほどなるほど、基本的にステージギミックと連動して宇宙空間っぽいのが動いてるってことか。

 エイリアさんの解説を聞きながらなんとなく納得した。とりあえずエックス視点で、マップ全体のうちの七か所の島(というか惑星?)にある矢印の制御スイッチを動かして、この足場ふわふわ空間を安定させる。

 出てきたウィルスについては普通にエックスでの戦闘になったけど「そういえばアップデートしてませんでしたね」と渡されたシエルちゃんのバトルチップのお陰で、多少は安定して戦えていた。

 

『やっぱり回復安定してると違うね』

「だね。安心感もあるし…………、あのユラユラしてくるやつは嫌だけど」

『それは同意』

 

 バトルオペレーション中に雑談しながら、エックスバスターのチャージを放つ。

 制御スイッチを操作したと同時に湧いて出てきたウィルス。アナライズ結果「ユラ」と言う名前なのはわかってる目の前のウィルスは、球形のSF衛星みたいなやつがゆらゆらしながら突撃かましてくるような、そんなウィルスだった。

 エックスバスターみたいに攻撃判定が左右に広がるタイプの動きで、かつ複数体出てくると避けるタイミングが難しかったりするで地味に止めて欲しい。しゃがめばしゃがんだで上空から放電みたいなことしてくるし、結果的に避ける手段がないのが痛い。

 

 幸い障害物にぶつかるとその周辺をさまようみたいな、そんな性質があるっぽいのが途中でわかったから、システマシエル(三分の二アップデート前なので回復量は御察し)をとりあえずポンと出して、そこを起点にさまようユラを狙撃していた。

 とりあえずこのチャージしたエックスバスター2連撃を当てて終了。倒し終えると操作したスイッチがきっちり上から下までガタンと落ちて、宇宙空間っぽいフィールドの矢印が停止する。

  

 とりあえず一緒に居た2グループ? について確認してみる。座禅を組んだまま上下ひっくり返った体勢で固まっている星河君と、犬上家じみたポージングで「ふぎゃ!」とか叫んでたやいとちゃん(スカートはギリギリめくれてない)。声をかければ一応リアクションはしてくれるけど、立ち上がるのにはちょっと時間がかかりそうだ。

 

「気持ち悪い……」

「うちのメイド隊ならもっとしゃんとしなさい、桜子ォ……」

「すみませぇん、ちょっとすっぱい水上がってきまぁす……!」

 

 うん、ダメそう。

 いや、まあ、あれだけぐらぐらしてるところで流され続けたら酔うよね……。

 

『ガンくん、何か下りてきた……!』

「おっと? ……エレベーターかな?」

「移動床みたいですね~、ボ〇タイとかの~」

「エイリアさんも知ってるのボクタ〇!?」

「一般教養ですよ~、えへん!」

 

 七か所の島というかパネルエリア、それぞれ宇宙空間フィールドの矢印に従って迷路状に張り巡らされていたギミックを解除すると、上空、太陽のような位置にある最後の島からパネルが1つ下りてくる。いかにもというか「ウィ~ン」とかなりながら降りてくるそれは、ちょっとしたダンジョンとかにありそうなエレベーターのギミックめいていた。

 エイリアさんの感想がまさしく、と言う感じなんだけど……、それはそうとして忙しそうにしてるけどボクタイ、やる暇とかあるのかなこの人? 無理して睡眠時間とか削ってない? 大丈夫?

 

 それはさておいて……。ふと視界に違和感を感じて見れば、頭上に浮かんでいた太陽みたいに光ってた制御装置? らいし機械もまた、移動床よろしく地面に下りて来ていた。えっと、何でだろう……? よくわからないけど、そういうところも現実世界と連動してるってことかな。下りてきた太陽みたいだったそれは、若干光量が落ちてそのシルバーっぽい原形をあらわにしている。……意外と小さいな。こう、ウィルスのユラをディティールアップしたみたいな見た目してるな。

 それを見て「プラグアウトします?」とエイリアさんが確認してくる。現在のエックスのHPは60か。……三分の一以下だな。うん。バトネ2になってから給電による回復が出来なくなってるし、そういえばサブチップもあんまり買ってないし、節約考えればプラグアウトお願いします……。

 

 エイリアさんはレーザー光線銃みたいなやつを構え直して、ポンプの部分を再度引いてレーザー照射。ユラみたいな装置の中央にある大型のレンズみたいなところに当たると、エックスの視界がわらわらと光って共有されてたそれが解除される。PETを見ると、エックスが自分の身体を抱きしめて「気持ち悪かった……」とかチャットアプリで呟いていた。

 

「ネットナビが気持ち悪いってどういうことさ……」

『いや、こう、未知の体験というかね? ガンくん。あのプラグインとプラグアウト、宇宙人にさらわれたみたいな感覚がするんだよ』

「どういうことなの……?」

 

 むしろ謎が深まるばかりな感想だ。

 

「これってどういう技術なんです? 無線式とも何か違うみたいだし……」

「無線式は対応しているプラグ端子に対してデータを飛ばす感じですけど、これはパルスレーザー式ですね~。一応、海外だと論文も飛んでて才葉の方で実用段階の研究が進んでますよ~?」

「また聞いたことのない地元の話だ……」

「というより~、ガンサイくんのお父様の研究ですね~」

「そうなんだ……。というかそれって、やっぱり僕、聞いちゃって良かった話?」

 

 僕の疑問には応えず、エイリアさんは「あっ来ましたね~」とか言いながら、やっぱり何かガサゴソと取り出してる。……良く見るとベルトの後ろ側に大きなポーチがついてるな。まあ、ちょっとサイズ感おかしいけど、そこから色々取り出してる姿はちょっとドラ〇もんめいてる。

 で、今度取り出したのは……何だろこれ? たこ足配線とかのやつ? ソケットみたいになってるそれの先端もまたレンズみたいになっていて、エイリアさんは器用に衛星っぽい制御装置のレンズ部分を取り外して、一分もかからずにがちゃがちゃとつないだ。

 

 そんな間にふらふらしながらも星河君と、メイドさんに支えられながらやいとちゃんが歩いて来た。

 あっ、来ましたってそういうことか。

 

「何かよくわからないけど、ありがとう」

「どうせこれからボス戦みたいな感じでしょ? 私たちも一緒にやるわよ」

「やいとちゃん、メタなことを……」

「メタでもタメでも何でもいいわよ。早い所やらないと、多分外に弾かれてるうちのメイドたちの安否が気にかかるの。てっきり一緒に流されてると思ったんだけど、あっちこっちで倒れてるサラリーマンとか女子校生とかに紛れ込んでもいないし」

「それは確かに、そうかもね。星河君は?」

「…………どっちにしろ伯母さんが面倒くさいことになりそうだから、早い所帰りたい」

 

 ぷんすことちょっとだけ怒ってる? 感じのやいとちゃんと、疲れたように肩をすくめる星河君に首肯。エイリアさんが「終わりましたよ~」と一声。彼女の手元は、端的に言うと、制御装置からスイッチングハブみたいにプラグイン端子の束になってるやつが伸びてる様な、そんな状態になっていた。うん、これならみんなプラグイン出来るね。

 

「早い所片づけるわよ!

 ────プラグイン、グライド! トランスミッション!」

「同意するよ、綾小路。

 ────プ・ラ・グ・イン! スターマン、トランス・ミッション……!」

「プラグイン、エックスマン・トランスミッション!」

 

 これもお約束とばかりにビシバシとポーズを決めてから、それぞれプラグインした。

 …………プラグインしたんだけど。

 

「あれ? エイリアさん、マーティは……?」

「いやだな~、酔っ払いはネットバトルしても~、足引っ張るじゃないですかぁ」

「酔っ払いの自覚はあるのか……」

 

『その割には色々やってたよね、マーティ』

『機械いじりとかプログラミングとかはお遊びみたいなもんだからねぇ。……ネットバトルは苦手なんだろうさ』

 

 なるほど、だから炎山君から煽られたりするわけだ、そっか…………。にこにこ笑って僕の後ろに立つエイリアさんは、僕の両肩に手を置いて「だから頑張って下さいね♡ ご褒美あげますから」とか、なんとも無邪気な声を上げて笑っていた。

 

 

 

 

 


 

【折り畳み式PET(1、2モデル)でのプラグインポーズ】

 

・星河静夢:(有線式)

「プ・ラ・グ・イン! スターマン、────」

 右手で引き抜いたPETの端子で五芒星を描くようにして、頭上に掲げる。

「────トランス・ミッション……!」

 そのまま一度振りかぶってプラグイン。

 

・綾小路やいと:(有線式)

「プラグイン、グライド!────」

 引き抜いた端子を持って、左手で右の肘を押さえ右手で頬を押さえるような、思案するようなポーズをとりウインク。

「────トランスミッション!」

 その場で反時計回りに一回転してプラグイン。

 

 

 

 

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