ロックマンエグゼ世界でエックス的なナビを持ってしまった   作:黒兎可

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来たる星のあんちくしょう


第7話「キャラ被りしそうだったから」

  

 

 

 

 

 メガクラスチップ自体は現在のフォルダだと、あのスカルマン1枚のみ。

 なので基本戦術はそう変わらず、コピーマンは鏡を飛ばしてくるばかりだ。

 とはいっても残りHPがHPなので回避ミスが出来ない。それが僕とエックスマンにとって、苦戦する理由だった。

 

『コピーミラー!』

『――――ッ!』

 

 ただ、ブーメランのように飛ばす鏡については見切った。

 

 効果範囲については連続投擲してくる場合と、タイミングを見計らってバラバラに投げて来る場合とがある。ただ投擲についても回避できない訳ではなく、動きについても正面からくるパターン、背後からくるパターン、横方向からくるパターンとがあるとわかった。

 

 なのでせっかくだから、ダッシュアタック1を使ってスライディングしながら回避。そのまま直進して、コピーマンにエックスマンの蹴り? を決めた。

 

『ぐぉッ! クソ、やっぱり口惜しい……、そして憎い!』

『――――?』

「何かそんなに憎まれることしましたっけ?」

 

 コピーマンのオペレーターさんは音声だけだけど「あー」と言い辛そうに……。

 

『…………そもそもな、アイツの姿は色々寄せ集めなんだよ。色々なウラのナビの残骸データ。だからアイツ本来の趣味には合ってないんだろうなぁ』

 

『寄越せ! お前の顔! 顔!』

 

 何と言うか、ものすごい私怨らしい私怨だった。

 ただ長期戦になってるせいで、そろそろこっちも集中力が切れそうだ。それでもHPはこっちが 70 に対して向こうは 200 なんだから、初期フォルダに毛が生えた程度のこれでよく持ちこたえていると思う。

 

 と、コピーマンが「フッフッフ」と腕を組んで笑い出した。

 

 扱いとしてはバトルがいったん中断したのかな? エックスマンのHPも 180 に戻ったし、向こうが一旦戦意を引っ込めたという事だろうか。

 幸いなことに向こうはPETとの接続が切れている状態だから、HPは回復(給電)されない。

 

 だけど、わざわざ中断したということは何かを仕出かしてくる可能性も高いってことだから…………。

 

『フッフッフ! やっとだ、やっとお前のデータが集まった! 後はお前をデリートすればお前は「俺一人だけ」になる!』

 

 何か変な事言い始めてるとゆるく構えてるのは僕とエックスマンだけで、何ですか!? と驚いているエイリアさんと、何だと!? と驚いているコピーマンのオペレーター。そんな彼らを尻目に、コピーマンは自分の身体に張り付いていた鏡を一つにまとめ、胸のナビマークへと合体――――。

 

『コピーオン! 「エックスマン」!』

 

 その叫びと同時に、コピーマンの姿はエックスマンのそれになった。デザイン的にもおかしな部分はなく、外見も声も見た目もほぼエックスマンのそれだ。

 

 ただ表情の作り方とかはニコニコしてたり僕とリアクションが一致するエックスマンのそれじゃなく、ダークロックマンみたいな悪い笑顔。それだけで明らかにどっちが偽物かがわかってしまう。

 

『クックック……、さぁやろうか!』

「でもなぁ……。まあ良いか。エックス!」

 

 エックスバスターのチャージを始めながらアナライズするエックスマン。……ご丁寧に名称までコピーマンじゃなくてエックスマン表記になっている。ただちょっと笑っちゃうのが、HPも 180 とエックスマンの数値までダウングレードしているというところだ。弱体化してるけど良いの? 君さ。

 

 ともかく、引き続きバトルオペレーションセット! イン! とエックスマンと息を合わせる僕たち。戦闘時のメモリが解放されたので、前のバトルチップを再度スロットインすることが出来る。

 なら、決め技はスカルマンとして…………。

 

「バトルチップ『エリアスチール』『ストーンキューブ』スロットイン!」

 

 相手の近場まで踏み込んでからストーンキューブを設置。

 その間、相手はチャージショットの性能の微妙な悪さに「えっ?」と困惑していた。なまじ僕が意外と戦えていたから、もっと強力な性能をしていると思ったのだろうか。残念ながらそこはオペレーターとナビが一緒に戦った場合の平均的な戦力、というのを鑑みないといけないと思うんだ、うん。

 

『………………コピーマンという名前に違わず、ということですか。しかし』

「悪いけどバトルチップもリロードされてるから、ね……。使えるチップもとからなかったろうけど」

『くそ……! エックスバスター!』

『――――エックスバスター!』

 

 コピーマンとエックスマンのエックスバスターが正面衝突。発した2発のうち1発はお互い別方向にそれているけど、それでもぶつかったショットはお互い反発して左右方向にそれて、職員室の電脳に着弾した。それを見計らって。

 

「スプレッドガン! クロスガン! クロスガン! スロットイン!」

 

『えぐい……』

『ま、まあ強いチップがないのなら、同一コードでフォルダをそろえるものですし……』

 

 生憎エックスマンはナビ専用チップとか作っていないので、普通と言えば普通だ。

 ストーンキューブ横の手前にいるので、この3枚は全部ヒットするだろうと判断。その上で、次のチャージを貯めようとしている彼の前にスカルマンを置き、同時にエックスマンもチャージを始める。

 

『――――!』

『キッシェッシェ!』

 

 首が飛ぶスカルマンの攻撃を警戒するコピーマンに、エックスマンはエックスバスターを連射。一発は被弾し、もう一発はかわされた。でも、直線移動というラインからはずれているわけじゃい。

 

 そのまま頭上に落下してくる巨大なシャレコーベイを前に、コピーマンは――――。

 

 

 

『――――それは困るなぁ、マーティのオペレーターがいるところで研究材料を手渡すのは』

 

 

 

 シャレコーベイ直撃コース上に居たコピーマンは、一瞬でその姿を消して。

 その後方に、見覚えのある様な微妙なナビが、変身解除したコピーマンを抱えていた。

 

 

 

 そのネットナビは何だろう、顔は可愛い系なんだけど頭が金色でツンツンしてて、首のマフラーから何か伸びている。先端が星型になったそのデザインに違わず、額のナビマークも星型。黒目が大きく(と言うかほぼ全部?)、どっと模様のあしらい方も独特でちょっと宇宙人めいた存在感がある。

 そしてその姿に、ゲームではなくアニメで見覚えがある僕だった。

 

『ぐ……、わ、悪い、スターマン』

 

「スターマン……!」

『――――?』

『一体、あのナビは……?』

『今回の依頼者だ。内容はともかく、報酬としてゼニーとゼロウィルスのワクチンを後でインストールしてもらうことになってたんだが…………』

 

 呻くように言うコピーマンと、やれやれと呆れるスターマン。そんな彼等に、また勝手に一人で驚いている僕だ。スターマンっていったら敵ナビとして出て来たのは確実なんだけど、それ以外の情報は全然覚えていないと言うか。

 そして、ワクチン? と首を傾げた僕だけど、この事件の後にエイリアさんから「ゼロウィルスのワクチンと称してゼロウィルス自体を販売していたネットナビ」だということを教えてもらった。まあこの時点では知らないので、そこはあしからずだ。

 

 スターマンは、腰に抱えた彼に冷笑を浮かべている。

 

『助けたとか勘違いしていない? 君さ。僕の目的は、おおよそ君がここの電脳でネットナビを行動不能にしてくれたことで達せられてるんだ。

 マーティ経由でゼロウィルスに侵された君が、バックアップデータにまで影響するゼロウィルスの感染を広げてくれたなら、パパさん…………、いや、あの方の計画はしっかり進行してるってことだ。だから、今の君には星屑どころかバグの欠片ほどの価値もない』

『何だと?』

 

 つまり君は用済みってことだよ、と。柄が悪い外見のコピーマンを転がすスターマンは、そのまま握っていた左手……、おそらくチャージしていた左手を振り上げて――――。

 

 止めろ! と、エックスバスターをスターマンめがけて放つエックスだったけど。

 

『ムーンダンス――――』

 

 その場で一回転して姿を消すと同時に、コピーマンの頭上へ。

 

『――――キラキラメテオ!』

 

 星型の隕石がそのまま落石。直撃したコピーマンは、そのままブブブブブと爆発音をたててデリートされた。

 オペレーターさんの叫び声が聞こえるけど、それもナビがデリートされたせいで数秒も持たず通信切断される。

 

『さて、あれだけコピーマンと戦ったんだ。君もそろそろゼロウィルスの症状が――――おや?』

「…………!」

『――――!』

 

 無言。僕も言葉を出さず、エックスも言葉かわさず、キャノンのチップを連続でスロットインする。慌ててたせいでオメガキャノンにはならなかったけど、それでも一発、初撃だけは不意打ちだったせいで当たった。

 ムーンダンスというのか、攻撃が当たる瞬間になるとその場で回転して必ず直撃を避けて来るスターマン。

 

『どこかで見たことのあるナビの姿をしてると思いきや、フフフ。どうやらボクと一緒で「耐性がある」ようだね。

 でも残念ながら、あの方の改良がなされていない君ではいずれゼロウィルスに負けることになるだろう。天の河に流星が一つ流れても、誰も認識できないようにね』

『――――エックスバスター!』

『おっと、会話中の攻撃は好きじゃない。……フフフ』

 

 またひらりと躱すと、目の前にあの星型の何かが横一列に落石する。ゲームならきっと横一列なんだろうなとか思いながら、再びエックスバスターのチャージを始めるエックスマン。

 そんな僕らの戦闘に、通話で入り込んできていたエイリアさんが叫んだ。

 

『ネットナビ、スターマン! 光博士の言っていた通りなら、おそらく貴方が主犯ですね……! マーティは今どこにいるのです!』

『話す訳ないだろう。それに「主犯」っていうのも、ニュアンスが少し違うかなぁ』

『何を……!』

「…………もしかして、君はオペレーター持ちってこと?」

 

 くつくつ笑いながらも、スターマンは肯定も否定もしない。

 そんな状況で、エックスマン越しに感じるプレッシャーが増していく。

 

『くっ…………、ガンくん! このままだとまずい。倒せるか分からないけど、戦闘準備を』

「うん! ……コピーマンのオペレーターの約束も、無理やり破らされたしね」

 

『倒す? 君が? 約束?

 フフフフフ――――僕に勝てるとでも思っているのかい?』

 

 言いながらスターマンは一瞬で僕らの背後に出現し。

 

『「スターアロー」、スロットイン』

『ハハハッ!』

 

 多分スターマンのオペレーターだろう誰かの声が一瞬割り込んでくる。そのスロットインしたバトルチップに応じて、スターマンは「全方位に」矢を放った――――痛ッ!

 

 一方向ではなくスターマンを中心として放射状に放たれた矢。それを受けて倒れたエックスマンに、スターマンは冷笑している。

 

『いくらHPが回復したところで、それではお話にならないね。

 手っ取り早く強くなる方法を教えてあげるよ――――ゼロウィルスに身を任せるんだ! そうすれば正気は失うかもしれないけど、僕に勝てるくらいにはなるかもね』

『本末、転倒じゃん……!』

「意味ないよね……!」

 

 エイリアさんが歯がゆい思いをしているのが、通話越しの表情で伝わってくる。プラグアウト、いけるか? 下手するとこのままスターマンが、学校の電脳を荒らして帰っていくかもしれないと言う懸念もある。だけどこのままじゃどの道――――。

 

 

 

『――――「フミコミザン」、スロットイン!』

『――――はァッ!』

 

 

 

 丁度そんなタイミングで、赤いネットナビが現れた。こちらにたなびく紫系の白い髪。標準的な右手のソードを振り切るその頭頂部やら全体のデザイン――――。

 何より一瞬こちらを見て様子を確認したそのサングラスっぽいバイザー越しの顔は――――。

 

『ブルース……、ということは炎山君!?』

『――――先月ぶりです、先輩』

 

 そして画面に、頭に卵の殻を被ったみたいな白と黒の…………、嗚呼、ついに主人公組に一気に近いキャラと対面してしまった。

 感動よりも「これって色々なんか大丈夫なのかな?」って恐怖心が強くなった僕だけど、今の状況で、助けてもらったのは有難い。

 

 そして会話するよりも先に「ここは逃げるが勝ちかな?」と言い出したスターマンが、その場でまた姿を消す。プラグアウトした感じではなかったので、伊集院炎山も「追うぞ、ブルース」とナビの方に指示を出した。

 リアクション的に、こちらの姿をよく見てなかったのだろうか。しっかり見ていたらエックスマンがロックマンと基本的に瓜二つなことが如実にわかりそうなものだけれど……、まあ状況的にそうしている暇はなかったので、この場ではスルーしてもらって正解なんだけど。

 

 とにかく、エックスマンをプラグアウトさせた僕。エイリアさんとの通信は維持したままなので、二人して彼女の表情に驚かされた。

 

「えっと……、顔色悪いですね」

『――――』

 

 PET越しにもわかるほどに、エイリアさんは青い顔をしていた。こう、まるでテストの点数が大変宜しくないことを両親に見つからないよう必死で隠していた子供が発見されて顔を青くしたような(経験あり)、そんな顔色の悪さというか。

 

『ど、どうしましょう……! 絶対後で根掘り葉掘り聞かれます、そんなことになったら方々に謝罪行脚必須になってしまうじゃないですか……!』

「あのー、エイリアさん」

『……はっ!? す、すみません。……えっと、今回の件で後々聴取があるかもしれませんので、そこは念頭においてください。私が担当するにも戦えるレベルのナビではないので、おそらくさっきの彼が担当することになるかと』

 

 うへぇ、と思わず嫌な顔をしちゃった。いや、事情を話した上でなら両親も納得してくれるかもしれないけど、それにしたってちょっと嫌な話だ。

 通話が切れたところで思わず冷や汗を流していたけど、そういえばと思って廊下に出る。……床に若干水が流れてきたけど、水嵩的にこれは多分排水されたってことだろう。

 先生たちが慌ただしく立ち上がって、それぞれ教室に確認しに走っていく。

 

 とりあえず事件は解決、かな?

 

「お疲れ様、エックス」

『……ゼロウィルスもだけど』

「? どうしたのかな」

 

 歯切れ悪く、エックスマンは僕を見上げる。

 

『あのアイリスっていうの、()だったんだろう』

「そうだね。……アイリス? って、アイリス、アイリスか…………」

 

 そしてあの時は慌ててて気づかなかったけど、今更ながら。アイリスって詳しくは知らないけど、ロックマンX時代のゼロとは浅からぬ縁のある女の子型の作業人型機械(レプリロイド)だったはずだ。たぶん。

 僕らに職員室へ行くように指示を飛ばしたあの子。ゼロウィルスが出てる時にわざわざその女の子の名前…………。いや、でもあの子はちゃんと人間だったはずだ。ロボットとかではない。服装だってちゃんと普通の女の子が着用していたっぽいのを着ているし。

 

 でも、そういう過去作ネームドキャラ(しかも結構重大)ってどう考えても何かしらイベントに関わる話なんだよね……。

 

 その後、教室に戻ると大森君が「すごいッスよ! 皆があの状況なのにちゃんと一人で解決に協力なんてできて! 今日からアニキと呼ばせてくださいッス!」とか言われたので、そこは丁重に断った上でチップ屋さんの割引券をもらった。

 

 

 

   ※  ※  ※

 

 

 

 そして数週間後。

 あれから時間が経ったこともあり、みゆきお姉さん経由でいくつかモデリングの依頼をこなしていた。大体4つほどでまだ1月経っていないから、かなり平和といえば平和だといえる。エックスマンもゼロウィルスの兆候もみあたらず、父も不思議そうにしていた。とはいえ検査入院というか分析のために取り上げられたりしないくらいには、父は僕とエックスマンのことを信じてくれているんだと思う。

 ただしウィルスについては未だに特効薬が出ていなくて、僕らをはじめクラスのみんなも、戦々恐々としていた。僕とエックスマンに関しては、いまだに伊集院炎山から事情聴取の連絡がこないことも含めて。

 

「…………ヨシ! とりえあずこれで終わりかな」

 

 今回、みゆきお姉さん経由で回された依頼は「ビデオテープを使うネットナビの武装のモデリング」というもの。なんかアニメで見たことがありそうな感じのモチーフだったけど、いくつかオーダーにそったものを作ったら腕にビデオテープを巻き取るタイプが好まれたので、今回はそれをモチーフにしている。

 

 とりあえずオープン価格? と言うことで、安全マージンをとった結果、お値段は2万ゼニー。ウィルスバスティングをエスケープしないでずっと続けて居ればあっという間にたまる金額かもしれないけど、負けたら即デリートというリスクに見合わないので、こうして堅実に育てていくことにした。

 と、そんなことでお礼のメールをみゆきお姉さんに送ったら、彼女からビデオ通話が来た。

 

『どうする? ガンくん』

「えっと…………、繋いで話してもらってて。顔だけ洗ってくるから」

『了解!』

 

 流石にデスクトップのディスプレイから離れ始めてたので、音声で確認してくれたエックス。朝起きてから顔も洗わずそのまま朝ご飯を食べて歯も磨かず机に齧りついていたので、ちょっと人様に見せられる風体はしていないんだ。

 多少洗面所で整えてから画面に戻ると、相変わらずのみゆきお姉さんが……?

 

「あれ? 髪型変えました?」

『ええ。キャラ被りしそうだったから』

 

 みゆきお姉さんは、お下げを下ろしていた。さらっとした髪型も普通に綺麗。

 って、キャラ被りとは…………? 彼女の周囲に誰かおさげの人が出来たんだろうか。……オカルトな理由を疑えばエイリアさんの髪型もおさげなのを知っているから、あえて変えたって見方もできるけど、なんだか怖いのでそこはスルーしておこう。

 

「顔合わせては久しぶりです。で、どうしました? 学校とかは……」

『今日は休み。…………まあ、もともと午前中だけなんだけれども。

 とりあえずお金は貯めておくけれど、あまり使っていないのかしら』

「あー、まぁ…………。バトルチップはちょこちょこ買ってますけど」

 

 エックスマンがデスクトップので「ガンくんはけちんぼだからね~」とかチャットで煽ってくるのに苦笑いしつつ、そう返す。実際、有り金全部を無計画に使い込んでるとクセがついて、貧乏性になっちゃうのだ(前世? で経験済)。お金の使い方は慎重に、なんだ。

 そんな僕の渋い顔が面白かったのか、くすくすと微笑むみゆきお姉さん。クールだけれど案外冗談好きっぽいのは、ここ最近の付き合いでわかってきたところだ。

 

『じゃあ、今度ビーチストリートに行かないかしら。手数料ということで、軽くランチ奢って欲しいわ』

「手数料……、あー、確かに収益のマージンはそのまま全部僕の手元ですよね」

『広告料はもらっているけれど、手間はちょっとあるもの。……んー、というのも、これよ』

 

 みゆきお姉さんからメールが着信した。……ん、メールを送ったってことはスカルマンだろうか。でもゼロウィルスに感染していたはずだから、今は使えないんじゃ……。

 

『別なナビよ』

「な、なんで考えてたことわかったんですか!?」

『そのくらいは占わなくても。表情の変化で充分わかるもの。……ウィルスチェックしたら中身を確認して』

 

 言われるままにエックスマンに簡単なチェックをしてもらってから、添付ファイルを開く。

 

「……………………テレビ局で、イベント?」

『ええ。今回のモデリング依頼をしてた人がテレビ局の人ということで、イベントをやるらしいの。限定バトルチップの販売とかしているらしいわ。

 期間中はいつでも歓迎すると言われているから、一緒にいく?』

「あー、えっと、ちゃんと特別入場券が2枚……」

 

 少し考えさせてください、と。この場では一旦保留させてもらって、後日、僕はOKのメールを送った。

 

 

 

 そのことを後悔するのは、当日だったりするんだけど…………。

 思えば、誘ってくれた時のみゆきお姉さんの笑顔が、ちょっと、微妙にニヤリって感じの、いたずらっぽい顔をしていたことに気付いていれば…………。

 

 

 

 

 




次回、デートと対面とレトロアイテム

アンケート引き続きお願いします…!
>ボス数体のうち2体分をどうするか? 的なアンケートです。誰が出るかはお楽しみに…?

トランスミッション時点で登場するボスナビを何作目から出しましょうか(2体予定)

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