side主人公
俺は白井さんが殺害された前後の警部の動きを調べた。警部が言った通りあの日の早朝は知り合いの人らしきマンションに行ったことがわかった。そしてその後に例の歩道橋に向かって行った、電話しながら。そこからは監視カメラが整備されていないのでわからなかった。それから退勤まで俺たちといたが対して動きはなかった。俺は退勤後の警部の動きを調べた。すると警部はカミキプロダクションに入って行った。やはりあの情報は警部が漏らしていたのか。数十分後警部が出てきて帰宅した。
◇◇◇
「小枝、俺がこの前捜査一課しか知らないはずの情報をカミキが知っていたって話したよな」
「ああ。それがどうした?」
「その情報はもしかしたら警部から漏れていたかもしれん」
「どういうことだ?」
「この前警部がカミキプロダクションに入っていくのを見たんだよ。最初は偶然かと思ったんだがなんか怪しいと思って色々調べたんだよ。そしたら白井さんが殺害された日の夜に警部がカミキプロダクションに行ってったんだよ」
「それ本当か?ただの見間違えとかじゃなくて?」
「ただの見間違えだったらこんなこと言ってない。あと前お前に調べてもらったリョースケのことなんだが携帯の連絡先に何か気になるものとかあったか?」
「何も…いや一つだけ気になるものがあったな。お気に入りの連絡先にミカキっていう名前のやつがいたな」
「ミカキっていうやつ?」
「ああ。ただの人だと思ってあの時何も言ってなかったんだが」
「なるほど」
ミカキっていうやつはカミキだろう。とにかくカミキを調べていくのが良いだろう。まずはカミキが昔いた劇団ララライにいた頃のことから調べていこう。
◇◇◇
「結構酷い雨だな」
「梅雨時だからな」
そう話していると携帯に電話が掛かってきた。誰からだ?名前を見ると斉藤社長からだった。
「もしもし」
『次郎君か!今こっちに来れるか?』
「もう退勤の時間だから行けますけどどうしてですか?」
『今取引先にいるんだがこの雨で全然タクシーが捕まらないんだ。悪いが迎えに来てくれないか?この後も予定が入ってて…。頼む!』
「わかりました。今どこにいるんですか?」
『六本木だ』
「わかりました。迎えに行きますね」
俺は退勤後すぐに社長の元に車で向かった。
「すまない、急いで来てもらって」
「全然大丈夫ですよ、でどこに向かえばいいですか?」
「武道館の方へ向かってくれ」
「了解」
車を走らせてから時間が経った。
「そういえば劇団ララライって知ってますか?」
「ああ知ってるよ。前アイが一時期ワークショップに参加してたな」
「そうなんですか?」
「ああ」
「詳しく教えてください」
「すまないが俺にはよくわからない」
「何で知らないんですか?」
「アイがなかなか話さねえんだよ」
「はあ」
アイは何で話さないんだ?なんかやましいことでもあったのだろう。
「ただそのワークショップに行ってからアイの雰囲気が変わったな。前までは現場にあまり馴染もうとせずにプロ意識もあまりなく、服も無頓着だったな。ただそのワークショップに行ってからアイは変わった。プロ意識が芽生えたり服にも気を使うようになった」
「なるほど」
やはり劇団ララライに何かあるな。
「なあ次郎君、俺もふと思ったんだがアイを孕ませた野郎って劇団ララライの中にいるのか?」
「…わかりません。そこは調べないと。社長、今度いつ空いてますか?」
「そうだな…」
社長は手帳を見た。
「来週の水曜日だな」
「じゃ、一緒に来てください」
「なんでだ?お前だけで十分だろ」
「俺1人で行ったところで劇団側は取り合ってくれないからですよ」
「…わかったよ」
◇◇◇
例の日になった。俺と社長は劇団ララライにいた。
「斉藤久しぶりだな」
と劇団ララライの代表者の1人である金田一敏郎が話した。
「そちらは?」
「警視庁捜査一課の雨宮です」
「なんで警視庁の人がここに?」
「少しお話したいことがありまして」
俺たちは応接室に通された。
「で、話っていうのは?」
「ここ劇団ララライに昔在籍していたカミキヒカルという人物を知っていますか?」
「ああ知ってるよ。数年間いたな。あいつの演技は天才の域だったな。俺としてはもっと劇団ララライにいてもらって欲しかったんだがな」
金田一さんはカミキが劇団ララライにいる頃の写真を見せた。
「劇団ララライには数年間しかいなかったんですか?」
「そうだな。なんか事務所を作るとか言って辞めていったな。まあ突然だったから驚いたな。最初は上手く行くのかと思っていたが今や大女優の片百合ユメが所属しているくらいでかい事務所になったって聞くから心配する必要はなかったがな」
「なるほど。ちなみにカミキさんは劇団にいる頃は彼女さんとかいたんですか?」
「それはよくわからないな。ただワークショップに来ていた星野アイと仲が良かったっていうのは憶えてるな」
それを聞いた社長は何かを察した。
「そこを詳しく教えてくれないか金田一」
「すまんがこれ以上のことはわからない」
「そうか…」
◇◇◇
「なあ次郎君、アイを孕ましたやつはカミキか?」
「………」
「どうなんだ?」
「…そうだと思います」
「…!」
「ただまだDNA検査をしてないのでわかりません。ですが顔や金田一さんの発言を踏まえるとアクアたちの父親はカミキでしょう」
「何でアイはそんなこと言わなかったんだよ‥!」
「詳しくはわかりませんが、アイはカミキに何かしらの不信感を持っているのかもしれません。もしカミキのことを信頼しているならアイはカミキを家に呼ぶだろうし、何より俺のことを好きになりません」
「アイが何も言わねえんだったら俺が直接カミキのところに「ダメです!」!?」
「彼は非常に危険な人物だ。しかもあなたみたいに社長をしている人ならそんなことするのはあまりに危険すぎる。とにかくこのことは俺に任せてください」
リョースケとカミキは繋がっていた。アイとカミキは付き合っていた。だがカミキは子を孕ませてしまう。そしてそれに焦ったカミキはリョースケにアイを殺害するよう命令した?だがそんなことして何か得することでもあるのか?デメリットの方が多くないか?
…いや待てよ。警部とカミキが繋がってることが確定したらこれが可能になる。ということは警部とカミキも繋がっていたということか。これはさらに調べる必要があるな。
金田一と斉藤社長って原作だと繋がっていたのかな?