俺氏、アイドルと付き合うことになる   作:atacs

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もう疲れた。何もしたくない。


第25話

side主人公

 

 

 

俺は証言を聞いた後に監視カメラを確認した。しかし楽屋に監視カメラがなく証拠は何も得れなかった。だめもとでトイレの監視カメラも見たが特に変なものは写ってなかった。さらにマーカーの指紋も山瀬さんのものしか検出されなかった。これは山瀬さんが犯人なのか?

 

 

 

「雨宮刑事」

 

 

 

「どうした?」

 

 

 

警官が話しかけてきた。

 

 

 

「山瀬さんの荷物検査をしましたが片百合さんの荷物から片百合さんの持ち物が見つかりました」

 

 

 

「そうか」

 

 

 

ということは山瀬さんが犯人か。彼は収録が迫っていて慌てていてちゃぶ台にぶつけてしまって茶をこぼし、その衝撃でマーカーを落としてしまった…ということか。

 

…いや待てよ。茶はかなり溢れていて床も少しであるものの溢れていた。だが茶が全部こぼれるくらいなのだから床にもまあまあ溢れててもおかしくはない。でもそこまでではなかった。そうなると彼の衣服のうちどれかかが濡れているに違いない。しかし彼の服、ズボンなどどこも濡れている箇所はなかった。もしかすると彼は嵌められた?

 

これはもう一度彼に話を聞かなくては。

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「だから俺はやってないって!」

 

 

 

「ですがあなたのカバンから片百合さんの荷物がでてきたんですよ?」

 

 

 

「俺は本当にやってないんだって!。信じてくれよ刑事さん!誰かに嵌められたんだよ!」

 

 

 

山瀬さんはかなり焦った感じで自身の身の潔白を訴えていた。

 

 

 

「一つ聞きたいことがあるのですが今日あなたがここに来てから身につけているものを脱ぎましたか?」

 

 

 

「何も脱いでないが?」

 

 

 

「靴下とかも?」

 

 

 

「ああ」

 

 

 

ということは山瀬さんの可能性が減ったな…。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

「次郎君いつになったら解放されるんだい?」

 

 

 

「もう少しお待ちを…」

 

 

 

「刑事さん!早くしてくれよ!俺はもう疲れたんだ!」

 

 

 

と川口さんが言っていた。長い間スタジオにいる状態だからだろう。

 

 

 

「もう少し…」

 

 

 

「もう犯人は山瀬で決まりなんだろ!?」

 

 

 

「少し気になることがありましてね」

 

 

 

「何だよ?」

 

 

 

「言うよりも見てもらった方が良いですね。ついてきて下さい」

 

 

 

俺は楽屋に向かった。

 

 

 

「見て下さい。ちゃぶ台にはお茶がかなり溢れていますよね?」

 

 

 

「ああ」

 

 

 

「これくらい漏れているなら床に落ちててもおかしいのに床にはそんなに汚れがありません」

 

 

 

「そんなの犯人が拭いたりしただけなんじゃないか?」

 

 

 

「いえ、あの時間では拭くことなどできません」

 

 

 

「ということは衣服とかに汚れが付いたってことかい?」

 

 

 

鏑木さんが聞いてきた。

 

 

 

「そうです。もし山瀬さんが犯人なら服のどこかしらが汚れているはず、だがそんな汚れはない。短時間で着替えたとも思えない」

 

 

 

「犯人は別の人…?」

 

 

 

と方百合さんが驚いている。

 

 

 

「で、誰が犯人なんだい?次郎君」

 

 

 

「それがですね……わかりません…」

 

 

 

「…そうか…」

 

 

 

鏑木さんは事件が解決しそうかと期待していたみたいがまだ時間がかかりそうなので落胆していた。

 

 

 

それにしてもさっきから腹が痛い。トイレはどこだ?

 

 

 

 

 

「鏑木さん、トイレはどこに?」

 

 

 

「ああ、スタジオでて楽屋の先にある角を左に行くとあるよ」

 

 

 

「ありがとうございます」

 

 

 

俺はトイレに向かった。

 

 

 

 

 

♢♢♢

 

 

 

俺は男子トイレの2つ目の個室に入った。

 

俺は用を足した。なんだろう何か違和感があるな。ここのトイレットペーパーはホルダーに掛かったものが2つ、ビニールカバーの掛かったものが2つあった。

 

何かビニールカバーの掛かり方がおかしいな。まるで誰かが封を開けたような感じがあるな。俺はそのカバーを破いた。するとトイレットペーパーの芯の中に…

 

 

 

白い靴下があった。

 

 

 

その靴下は何とお茶らしきものがついていた。

 

ということはこの靴下を履いていた人が犯人か。だが、この靴下を履いていた人が誰なのかだな。

 

 

 

俺はある会話を思い出した。

 

 

 

『あんた今白い靴下履いてないけどどうした?』

 

 

 

『今日暑くてさ脱いじゃった』

 

 

 

俺は監視カメラで川口さんがトイレに入った瞬間を見た。入った瞬間は靴下を履いていた。しかし、トイレから出てきたときには履いてなかった。さらに、トイレから出てきた川口さんは濡れた手をズボンで拭いていた。

 

 

 

そういうことか。俺は確信した。

 

 

 

 

 

♢♢♢

 

 

 

「犯人がわかった!?」

 

 

 

「本当ですか刑事さん?」

 

 

 

「はい」

 

 

 

「一体誰なんだい?」

 

 

 

「それは…川口さんあなただ!」

 

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

 

「川口さん、そういえばあなた今日靴下履いてませんね、どうしてですか?」

 

 

 

「今日暑くて、カバンの中に入れてました」

 

 

 

「なるほど…ではこれは何でしょうか?」

 

 

 

俺は例の靴下を見せた。

 

 

 

「この靴下はトイレに行ったときに見つけたものです。あなた、さっき男子トイレの2個目の個室に入ったとおっしゃっていましたね。これはそこで見つけました」

 

 

 

「別の誰かのじゃないのか?」

 

 

 

「…そうですか。じゃ、これはどういうことでしょうか」

 

 

 

俺は例の監視カメラの映像を見せた。

 

 

 

「川口さんの靴のあたりをよくみてください。靴下を履いているでしょう?そしてトイレから出てきたときには履いていない。これがいたずらに見えるでしょうか?さらに時間を進めると戸愚呂さんがトイレに入って行くのが見えますね」

 

 

 

「じゃ、戸愚呂が犯人じゃないのか?」

 

 

 

「いえ、それはありません。彼の足元を見ると入る前と後で靴下は履きっぱなしです。そしてその後にトイレに入った人は俺しかいないんですよ」

 

 

 

「じゃ、あのマーカーは?胃薬は?」

 

 

 

「マーカーは事件の起こる前にあなたがこっそり盗んで楽屋に置いたんじゃないですか?罪を擦り付けるために。そして胃薬は本当なら方百合さんの物を盗んで隠すための時間を作るためのことだったんじゃないでしょうか」

 

 

 

「胃薬を飲んだりしていればみんなにお腹の調子が悪いことをわかってもらえてトイレに長くいても疑われにくい」

 

 

 

と鏑木さんが付け足した。

 

 

 

「そういえば川口さん、事件があったとき、毎回お腹の調子が悪いことをアピールしてたような…そうやって私の荷物を盗んでいたんですか?」

 

 

 

「ま、待ってください!じゃ、なんで山瀬のとこに方百合さんの物があるんだよ!俺の指紋がなかったろ!」

 

 

 

「指紋が付かないようにするには手袋をつけるかハンカチで指紋を拭き取ることが多い、ということは川口さんの身体を検査したらハンカチか手袋が出てくるんじゃないでしょうか?ま、出てくるのは手袋でしょうけど」

 

 

 

俺は川口さんの身体を検査した。すると手袋が出てきた。

 

 

 

「…やっぱり」

 

 

 

「き、君が犯人なのかい?」

 

 

 

「ち、違う…!俺じゃない!」

 

 

 

「まだ言いますか、いいですよ、この靴下、鑑識に回せばあなたのものってすぐわかりますから」

 

 

 

それを聞いた川口さんは観念したのか膝から崩れた。

 

 

 

「どうしてこんなことしたんですか?」

 

 

 

「…方百合さんの物は金になるんだよ…。俺は最近パチンコにハマってしまって金欠になっていた。そこである時魔が指してしまったんだ。方百合さんの物を売れば金になるのではと思ってしまったんだ。実際方百合さんの物を盗んで売るといい値段で売れたんだよ。それで味をしめてしまって何回も…」

 

 

 

 

 

 

 

♢♢♢

 

 

 

その後川口さんはパトカーに乗せられて警察署に連れていかれた。

 

 

 

「刑事さん、本当にありがとうございました」

 

 

 

「いえいえ、当然のことをしたまでです」

 

 

 

「連絡先教えていただけませんか?」

 

 

 

「え?」

 

 

 

「今、お礼ができないので」

 

 

 

「別に良いですよそんなことしなくて」

 

 

 

大女優と連絡先交換したらアイになんて言われるかわかんねぇし。

 

 

 

「そんなのだと私の気が済みません!とにかく教えてください!」

 

 

 

とぐいぐいきた。

 

 

 

「収録疲れた〜」

 

 

 

?何か聞き馴染みのある声が…。

 

 

 

そこにはアイたちがいた。

 

 

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