side主人公
俺は例の音声を聞いてからアイがもしカミキに入院先を教えてなかったら兄さんは死んでいなかったのではと思い始めてしまいアイのことを見れなくなってしまった。このままだとどうにかなってしまいそうだったので必要なものだけ持って、手紙を置いて家を出た。しばらくの間はホテル暮らしかな...
◇◇◇
あれから家を出てからいいビジネスホテルを見つけた。ここでしばらくの間お世話になるだろう。アイには絶対にばれないだろう。
今の状況は警部の秘密とカミキの秘密を握っている状態だ。これが本当だったら相当ヤバいことになるぞ。とにかく警部よりも上の立場の管理官に報告が必要だ。本来なら今すぐにしなきゃいけないことなのだろうがもし管理官に電話した時に警部がいたら今までの努力が水の泡となってしまうし、このことがカミキにばれたらどうなるか分からない。
しかしカミキはどうして殺害なんかしたのだろうか?何か殺さなきゃいけないほど追い詰められた?それはない。あのレコーダーからしてそんなことはありえない。となると...
ダメだ。つらくなってきた。これ以上兄さんを殺したやつのことっを考える気分がさらに沈み込んでどうにかなってしまいそうだ。別のことを考えよう。
そういえば前みた白い髪の女の子が言ってたよな。本当かどうかわからんが彼女曰く兄さんの魂は転生したと言っていた。もし、これが本当だったら?俺は兄さんが本当に転生した場合のことを考えた。そういやアクアは前から思っていたが子供とは思えないような行動や言葉を知っていたな。最初はギフテッドかとあまり深く考えてなかったがアクアは読んでいた本が兄さんが読んでいた本と同じだったし....
兄さんがアクア?
そんなわけないよな。何考えているんだか。転生なんて普通はありえない。兄さんが殺されて変なこと考えてしまった。とにかく明日管理官に報告だ。話はそれからだ。
sideアクア
今朝起きたら次郎がいなくなった。置手紙を残して。
『すまない。少し仕事でまずいことになった。しばらくの間1人でいなきゃいけなくなった。すまない』
何かの事件に巻き込まれたのだろうか。だが昨日見たときはいつも通りだった。夜中にトイレに起きたときには何かを聞いていたくらいだった。特に何か焦っている感じはしなかった。
「これ、どういうこと…?仕事でまずいことになったって...」
アイも気が動転しているようだ。
「そこまで深く考えなくても大丈夫だと思うよ」
「どうして?」
「もし本当に危機的な状況だったら昨日の時点でかなり焦って僕達に何かしら言うでしょ?早く逃げろとか。でもそんな雰囲気はなかった。だからそこまで心配することはないよ」
「……確かに、もしそうだったら次郎は私たちに逃げろとか言うもんね。ということは……浮気?」
「…わからない」
「もし、浮気だったら……今度こそ……ね?」
アイから禍々しいオーラが出てきてしまった。僕は知らね。
「とりあえずこのことはルビーには内緒だよ?最近元気ないから」
「わかった」
あれからルビーはマシにはなったものの元気がないままだ。どうにか2人で話をしたいところだが最近また監督のもとで映画を撮影することになってしまったから中々時間が取れない。撮影が終わったら2人で話をするか。
次郎、お前昨日の夜何があったんだ?兄さん心配だぞ。
◇◇◇
今回も五反田監督の映画に出演させてもらうことになった。
今回の映画はいわゆる復讐もので母親が何者かによって殺されて復讐をするという物語だ。僕は主人公の幼少期を演じる。
「母さん...母さん...!」
「悠太...これ多分無理...だ...」
「っ!後少しで救急車が来るから!」
「悠太...ごめん...ね...間に合わ...ない...かも...」
「そんなこと言わないでよ...!」
「はい、カット!今日の撮影はここまで!」
◇◇◇
そんな感じで2日が過ぎた。未だに次郎から連絡はきてない。さすがに何かしらの連絡はして欲しいところだが全く連絡はきていない。やはり本当に何かあったのだろうか。
あいつから何も連絡が来ていないので僕とアイはかなり心配している。さらにいつもより演技に集中できていない。他の役者は気づいていないが監督には感づかれてしまった。
「早熟、ちょっといいか」
「監督、何か変なところでもあった?」
「まあ少しだけ。お前何か焦ってねぇか?」
「...そうか?」
「ああ、素人だったら気づかねぇがな。何かあったのか?」
「...何でもない」
この件は僕らの問題だ。ここであいつのことを話すとアイには恋人がいるということがばれてしまう。
「...そうか」
監督は何かを察したのかそのままスタッフのところに戻っていった。
◇◇◇
「これで今日の撮影は終了。お疲れさん」
撮影を終えて僕は車に乗った。
「アクア、次郎さんは見つかったの?」
車を運転していたミヤコさんが聞いてきた。
「いやまだ」
「...そう」
次郎はあの手紙を残して消えた。前日の夜の様子は特に変わりはなかった...いや、一つあったわ。
あいつあの夜、1人でレコーダーで何かを聞いていた。それに何か原因があるのではないだろうか。もし、あのレコーダーが原因だったらあいつはかなり追い詰められていることになるんじゃないか?
これが正しかったらあいつに
正体
を明かすしかない。
そんなことを考えながら窓を見ていると珍しい車が前を走っていた。あの車はス○ルインプレッサのWRX STI RA リミテッドじゃないか。昔乗ってたな。ものすごい加速をして運転がとにかく楽しかった。
誰が運転しているんだろうか。インプレッサが信号に引っかかって隣りに停車した。いったいどんな奴が運転してるんだろうか。
運転席を見ると
次郎がいた。
まさか適当に考えた次郎の愛車がこんな所で役に立つとは。