俺氏、アイドルと付き合うことになる   作:atacs

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今回は次郎が宮崎に行く前の話です。


第39話

side小西

 

「大丈夫ですか?」

 

私は何かに当たって階段から転げ落ちるところだった。もうダメかとも思ったが金髪の男性が助けてくれた。

 

「お怪我はありませんか?」

 

「だ、大丈夫です…」

 

「それは良かった、では僕はこれで」

 

「あ、あの…」

 

金髪の男性はそのまま私の元から離れていった。何かお礼でもしたかったなけどな…。男性の後ろ姿を見ていると何かの紙を落としていた。

男性は気づかずにそのまま歩いていってしまった。

その紙を拾うと電話番号が書かれていた。

 

◇◇◇

私は紙に書いてあった電話番号を調べた。するととある芸能事務所が検索結果に出てきた。

カミキプロダクション?

もしかしてあの人って芸能事務所の社長さんだったの?

早速私はその電話番号に電話をかけた。

 

『もしもし』

 

あの男性の声が聞こえた。

 

「あの、今日歩道橋で助けてもらったものなんですけど」

 

『あぁ、あの時の。どうして僕の電話番号を知っているのですか?』

 

「あの時あなたのポケットから電話番号が書いてあった紙が落ちていてそれからかけました」

 

『そうでしたか』

 

「あの今度何かお礼をしたいんですけど大丈夫ですか?」

 

『…そうですね、今度の日曜日だったら会いていますね』

 

「わかりました」

 

私もちょうど日曜日非番だったのでちょうどいい。

 

 

◇◇◇

 

「あれから何か変わりはありませんか?」

 

「いえ特にありません」

 

約束の日曜日になった。私達は少し高めなカフェに来ている。さすが芸能事務所の社長だ。金はたくさんあるみたい。

 

「そうですか。それは良かった」

 

その後も色々な話をした。彼はカミキヒカルという人で芸能事務所を経営していてあの大女優方百合ユメが所属しているようだ。

 

「警視庁で刑事をしているんですね」

 

「そうですね」

 

「素晴らしいですね」

 

「いえいえあなたほどではありませんよ」

 

「そんなことはありませんよ。十分立派ですよ」

 

「そうですかね」

 

カミキさんはとても物腰が柔らかくて聞き上手で笑顔を絶やさない。それに先輩よりもイケメンだ。何でも話せそうな雰囲気がある。

その後も雑談などをしてカフェでの時間を過ごした。

 

「今日は本当にありがとうございました」

 

「いえいえ僕も楽しかったですよ」

 

こうしてカミキさんと別れて帰路に着いた。

あれ?カミキさんにお礼してなくない?お礼したいって言って会ったのに逆にこっちが色々もてなされているような…。

 

 

 

◇◇◇

 

「お礼ですか?」

 

「はい、この前会ったときにしよう思ったんですけど忘れちゃって…」

 

「別に大丈夫ですよ」

 

「いえ、あの時もし助けてくれなかったら今頃どうなっていたことか。お礼をしないと気がすまないんです」

 

「そうですか。ではお礼として定期的に僕の話し相手になっていただくというのはどうでしょうか?」

 

「え?そんなのでいいんですか?」

 

「ええ。仕事柄かなりストレスが溜まるんですよ。なのでこういうふうに利害関係のない人と話すといいガス抜きになるんです」

 

「そうだったんですか。私でよければ…」

 

 

◇◇◇

カミキさんと知り合ってから時間が経ってきた。この間に先輩が宮崎で事件に巻き込まれたという話があったけど詳しく聞こうとは思えなかった。今、先輩とはあの件以来仕事以外では全く話をしていない。話をしようと思ってもあの件を思い出して気軽に話せない。こういうのもあってか最近は仕事が少し億劫に感じた。

 

『最近何か元気がないみたいですけどどうかしましたか?』

 

「そんなふうに感じます?」

 

『ええ。いつもよりも声が元気ないので。僕でよければ相談に乗りますよ?』

 

「…誰にも言いませんか?」

 

『ええ』

 

私は先輩との関係を少しぼかしながら話した。

 

『そんなことがあったんですね。辛かったでしょう』

 

優しい言葉をかけてくれた。少しだけだけど心が救われた。

 

『ちなみに何ですがその先輩というのはどう言った名前なんですか?』

 

「雨宮次郎って言う人です」

 

『雨宮次郎ねぇ…』

 

「それがどうかしたんですか?」

 

『いえ、何でも』

 

「そうですか」

 

カミキさんと話しているととても楽しい。ずっとこの時間が続けばいいのにな。

 

 

◇◇◇

 

『最近仕事の方は順調ですか?』

 

「まあぼちぼちですかね」

 

今日もカミキさんと電話をしている。

 

『最近周りに変化とかありませんか?』

 

「とくには…あ!そういえば先輩が最近全然元気がないですね」

 

『…何かあったんですか?』

 

「先輩の同期の人が言うにはなんか聞いてはいけないものを聞いてしまったって言ってました。でこれとは関係ないかもしれないんですけど先輩は今ホテル暮らしをしているみたいなんですよ」

 

『雨宮さん、元通り元気になるといいですね』

 

 

 

sideカミキ

小西さんと関係を築いて正解だった。山内さんは最近雨宮さんのことを何も言っていなかったが雨宮さんは山内さんの前では自分の状況を隠している可能性が高い。そう考えると僕と山内さんとの関係が

 

 

 

 

 

 

 

 

バレている可能性がある。

もしバレているのならどのようにしてバレたんだろうか?アイから?監視カメラから?それとも内通者がいるとか?

他にも最近彼の身に何かあったみたいだ。彼はアイと一緒に住んでいるのにホテル暮らしを始めた…。

これは調べる価値があるな。

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