もしもザフト水泳部の新米が連合に盗まれずミネルバに加入したら   作:ちゃーらんき

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やっと主人公の登場になります。

飛べ、インパルス!

……三石さんによる次回予告のナレーション聞きたくなってきました。


燃える瞳

 

 ガイアとカオスの強奪。

 マーレとくだらないやり取りをしながらもアビスのコクピットで設定を完了したユノの耳に届いたのは、微かに息のあったザフトの警備兵が押した事で発生した警報。

 

「えっ、何──なんで!?」

 

 6番ハンガーからの警報に驚くユノの目に映ったのは、立ち上がりVPS装甲を展開していたカオスとガイアの姿。

 訳がわからないと混乱する中、その下に広がる惨劇の跡が目に入る。

 

「なっ!? マーレ!」

 

 仲間たちや友人が血を流して倒れている惨状。

 そしてアビスのハッチを開けようとしている水色の髪の謎の少年。

 それを見た瞬間、そいつらがマーレたちを手にかけてカオスとガイアを強奪しそしてアビスをも奪おうとしていることを理解する。

 

「お前ら……よくも!」

 

 仲間を殺されたことに激昂するユノが、すぐさまアビスを起動。

 それを見たアウルが中にパイロットがいたことに気づき機体から飛び降りる。

 今すぐ踏み潰したいところだったが、ガイアが隔壁を破壊して出ていったためちょこまかと逃げる犯人よりもまずはガイアとカオスを抑えるのが先と判断。

 アビスのVPS装甲もすぐに起動し、長柄の近接兵装であるビームランスを構えてカオスに向かって突撃する。

 

 狙いはコクピット。

 機体は直せるが殺された仲間は帰らない。

 ならばせめてその下手人をぶち殺し地獄に送らないと気が収まらない。

 

 まだカオスの方はアビスが強奪に成功したと思っているのか、反応が遅れている。

 

(取った──!)

 

 そう確信したビームランスの刺突は──しかし寸前で対ビームシールドを前に出してきたカオスによって防がれた。

 

「何!?」

 

 これでもユノはアカデミーをトップクラスで卒業し赤服を授かり、かつての大戦にもカーペンタリアに所属して戦い抜いた戦士である。

 実戦を知らない新米どころか、かの大戦にて戦ったザフトの精鋭でもあのタイミングから防御するなんてことはそうそうできる芸当ではない。

 カオスの強奪犯の技量に驚く中、ドラグーンをガイアに追随させるように繰り出して本体が残っていたカオスは、バーニアを吹かせるとガイアの破壊した隔壁からハンガーの外へと出ていった。

 

「オマエ、待ちやがれ! 仲間を殺しておきながら、生きて帰れると思うな!」

 

 カオスの後退に、仲間を殺されて怒り心頭のユノはすかさずアビスで追いかけてハンガーから出た。

 

 そして足元にまだ混乱するザフトの仲間たちがいる中で、怒りにより視野が狭くなっている状態でビームランスを構えて突撃する。

 カオスは余裕を見せながらビームライフルを発射。

 ロックオン警報と構えられた銃口から肩の対ビームシールドを展開してそれを防ぐが、視野が狭くなったユノに拡散された跳弾による足下の友軍への被害まで配慮できる余裕はなく、カオスを絶対に倒すと言わんばかりにビームランスを突き出す。

 

「はっ! 足下の仲間を巻き添えにする気か?」

 

「うるせえ、くたばれ!」

 

「いいねえ、その殺気。面白い!」

 

 嘲笑うスティングに対し、怒りで半分我を忘れているユノは周囲を逃げ惑う友軍の姿が見えていない。

 繋がれた通信の先に映るスティングのにやけ面を見て、さらに燃え上がるマーレを傷つけられ仲間たちを殺された怒りをぶつけるように、その顔面を貫いてやるとビームランスを突き出す。

 

「オラ、背中がお留守だぞ!」

 

「──ッ!」

 

 その時ロックオン警報が鳴り、咄嗟に反応して回避したところにドラグーンからのビームが走った。

 そして回避した先でカオスがビームライフルを撃ち込んでくる。

 

「舐めるな!」

 

 対ビームシールドでその攻撃を防ぐが、再度発生した拡散された跳弾が車やそばを逃げ惑っていたザフト兵たちに襲い掛かり、被害が拡大する。

 

 一方、カオスとアビスの戦闘が見えるほどの距離で展開されるカガリとデュランダル達の方は、とにかくこの方々の安全だけは確保しなければとザフトが次々と集まってきた。

 

「議長、ご無事ですか!?」

 

「私は問題ない。何があった?」

 

「はっ! 6番ハンガーの新型機のうち、ガイアとカオスが何者かに強奪されました!」

 

「何だと!?」

 

 状況を把握しようとしていたデュランダルは、その報告により何が起きたのかを初めて知ることとなる。

 

「新型……?」

 

 アレックスに庇われたカガリの耳にも、その言葉が届く。

 そして何が奪われたのかと戦闘が繰り広げられる先に目線を移し、そこで激しく激突する2機のモビルスーツの姿を目の当たりにする。

 

「あ、あれは……ガンダム!?」

 

 強奪されたザフトの最新鋭セカンドステージシリーズのモビルスーツ。

 それは初めて見る機体だったが、そのシルエットは、その外観は、ザフトのモノアイが特徴的なモビルスーツとは異なる、かの大戦で猛威を払ったあの兵器を彷彿とされるものだった。

 

 目を見開いて驚いたが、しかしすぐに冷静さを取り戻し事態の収束に努めるべく集まってきたザフトにデュランダルが指示を出す。

 

「シェルターを解放して民間人を非難させろ、彼らの安全が最優先だ! 姫をシェルターに、私は後でいい!」

 

「はっ!」

 

 ミネルバの進水式を明日に控えるアーモリー1には、多くの民間人も訪れている。

 彼らの安全を確保するためにシェルターの解放と避難誘導を急がせるように指示を出し、非公式の会談とはいえ同盟国の代表の身を自分よりも優先し同じく避難させるように命じた。

 

「こちらへ!」

 

「カガリ!」

 

「あ、ああ……!」

 

 再び巻き上がった戦火。

 それに愕然としショックを受けるカガリをアレックスが引っ張り、案内役のザフトの誘導の元シェルターに向かって走る。

 

「何としても取り押さえろ!」

「急げ! 出られる機体からでいい、片っ端から出撃しろ!」

 

 ザフトが次々に事態の収束を図るためにモビルスーツを起動して出撃する。

 しかし優先的にハンガーを狙う攻撃に出撃前から機体が撃破され、人員がごった返すせいで起動したモビルスーツの通路が確保できず、さらにこの2年の平和に浸っていた兵士たちの対応は目に見えて遅れており、実際の稼働率は訓練の時とは比べ物にならないほど低いものだった。

 

「エヴァンスは!?」

 

「だめです、つながりません!」

 

 現場の指揮官を呼ぶデュランダル。

 しかし通信に何らかの障害が生じているのか、混乱も相成り統制が効かず、指揮官との通信もまともにつながらない。

 

「何としても抑えるんだ! ミネルバにも応援を要請しろ!」

 

「はっ!」

 

 デュランダルは指揮官に連絡がつかない状況に対し、ならばと自ら集まってきたザフトに指示を飛ばす。

 また進水式を控えているが最新鋭機であるセカンドステージシリーズ──その中でもユニウス条約の隙をついて戦闘機として生産枠を獲得した秘密兵器であるガイアやカオスに対抗可能なモビルスーツが配備されているミネルバにも応援を要請するよう命令。

 

 それを受けたミネルバにてそのモビルスーツの出撃命令が出され、急いで秘密兵器のセカンドステージシリーズ──インパルスの発進準備が行われた。

 

 一方、カガリとアレックスはザフトの案内の元シェルターに急ぐが、運悪くガイアがその道行に出てきて鉢合わせとなる。

 

「カガリ!」

 

 カガリ達の後ろに起動して出撃してきたジンの姿があったため、ステラに狙われることはなかったが、そのジンめがけて発射されたビームが直撃。

 避けることもできずに撃破されたジンの爆発に、アレックスは咄嗟にカガリを庇ってハンガーの壁に身を隠し、逃げ遅れた案内役と護衛役のザフト達は一瞬の判断の遅れが命取りとなって吹き飛ばされた。

 

「くっ……こっちだ!」

 

 ガイアに見つかる前に逃げなければと、建物の影を縫うようにしてカガリと共に走るアレックス。

 案内役がやられた今、アーモリー1の地理を知らない彼にシェルターへの道は分からなかったが、この場にいても巻き込まれて潰されるだけである。

 とにかく走ることが先決だと、己の直感に従って安全な場所を探す。

 

「ガイアを発見!」

 

「…………」

 

「クソッ!」

 

 だが、機動力に優れるガイアと、それを確保するために出撃してきたディンの戦闘に巻き込まれ、近場の建物が崩壊。

 装甲車の影にカガリを庇いながら隠れた直後、ガイアによって撃ち落とされたディンが火を吹きながらすぐそばのハンガーに落下し、内部で爆発を起こして建物を吹き飛ばした。

 

「ううっ……何で、何でこんな──!」

 

 アレックスの腕の中で、突如として破られた平穏に、カガリが何でこんなことにと悔しさと悲しさの混ざった声を上げる。

 彼女を守るためにどうすればいいか。

 考えろ、考えろ! と心の中で叫ぶアレックス。

 

 すると、吹き飛ばされたハンガーの中から彼らのそばに一機のモビルスーツが飛ばされてきた。

 

 ゲイツの後継となるザフトの最新鋭量産機として開発されたニューミレニアムシリーズに属するその機体。

 オーブからの避難民の技術提供などにより完成したザフト版ストライカーパックといえるウィザードシステムによる換装を駆使し、高い汎用性を持ち完成したモビルスーツ、ザクウォーリア。

 

 機体整備や稼働を行う際に早く動かせるように、ハンガーに置かれるモビルスーツはコクピットのハッチが開きっぱなしになっていることが多い。

 フリーダムの強奪などもあり大戦の頃は絶対にやってはいけない不用心ぶりだが、2年の平和はザフトの危機管理意識をさびつかせてしまっていた。

 

「アスラン……」

 

「大丈夫だ」

 

 不安げな声で彼の本当の名前を呼ぶカガリに、アレックスは安心させるように頭を撫でながらその体を抱きしめる。

 そして、彼女を守るためにもはや乗ることはないと思っていたモビルスーツに乗り込むことを決意した。

 

「──来い!」

 

「えっ……?」

 

「乗るんだ!」

 

「あ、ああ」

 

 ザクウォーリアに上がると、開いたままのハッチにカガリを入れ、そして自らも乗り込みザクウォーリアを起動させる。

 ハッチが閉じ、モノアイに光が灯った。

 

「お前……」

 

「こんなところで、君を死なせるわけにいくか!」

 

 立ち上がるザクウォーリア。

 武装面とウィザードシステムを除く基本的な操縦方法などは、ジンやゲイツとさほど変わらない。

 今回は換装するパックもないのでウィザードシステムについては考えなくてもいいだろう。

 武装を確認したアレックスは、ザクウォーリアを起こす。

 

 機体の上に残る瓦礫を落としながら起き上がったザクウォーリアは、脇のダクトより排気を噴き出すと、2年の平和を破った戦場に立った。

 

 アレックスが起こしたザクウォーリア。

 そのモノアイが映す先には、モビルアーマー形態からモビルスーツ形態に変形しシグーとゲイツをビームライフルで仕留め近場の敵を殲滅したガイアがいる。

 

 立ち上がったアレックスのザクウォーリアに気づいたステラが、そちらの方向を向く。

 換装による武装もない、ザクウォーリアの標準装備である機体からの供給ではなく武装に独立したバッテリーを持つビーム突撃銃もない。

 

 まるで、戦場に転げ落ちた機体に誰かがそのまま乗り込んで立ち上がらせたような代物。

 暴れた時に相手とったのがジンやディン、ゲイツなどの旧式機であり、ザクウォーリアと相対するのは初めてということもあり、ステラはアレックスの乗るその機体を見て警戒する。

 

「なんなの……?」

 

 だが、ザフトならば敵。

 すでに馴染んだガイアを流れるように操作してビームライフルを構え、コクピットに向けてビームを発射した。

 

「……ッ!」

 

 ライフルを構える動きとロックオン警報に、コクピットを狙う一撃であることを見抜いたアレックスは、咄嗟にバーニアを噴かし回避。

 コクピットを貫くどころか掠りもしなかったビームは背後の建物を貫き爆発を起こす。

 

「──何!?」

 

 避けられた。

 一撃で仕留めてきた今までの敵とは違う動きに、明らかに乗っているパイロットの技量が他と比べて高いそのザクウォーリアに驚くステラ。

 

 だがそれで攻撃を止めるようなことはない。

 ガイアはビームライフルを回避したザクウォーリアに合わせると、もう一撃発射する。

 

「くっ……!」

 

 アレックスはその2発目を左肩に装備している対ビームシールドで防ぎつつ、回避するばかりでは阻止できないガイアの攻撃を止めるために突撃。

 モビルスーツの体重を乗せたシールドバッシュに、ガイアは吹き飛ばされる。

 

「こいつ……!」

 

 コクピットを揺らされながらも、バーニアを使って速度を殺しある程度の距離で着地するガイア。

 しかし衝突時にビームライフルを落としたため、やむを得ず腰に装備されているビームサーベルを抜いた。

 

「近接装備……“ビームトマホーク”、こいつか!」

 

 サーベルを抜刀して仕掛けてきたガイアに対抗し、アレックスもザクウォーリアの近接戦闘装備であるビームトマホークを盾から抜き、お互いのシールドに近接兵装をぶつけ合う。

 しかし力で勝るガイアが押しのけ、今度はザクウォーリアの方を突き飛ばした。

 

「えええい!」

 

 すかさずガイアで追撃し、ビームサーベルで切りかかるステラ。

 アレックスはそれをシールドやトマホークを使いうまく流しながら、パワーで競り負けて転倒に追い込まれるのを避けるために鍔迫り合いにならないように受け流して後退する。

 

 ここは軍事施設。

 続々と起動したモビルスーツが出撃してきており、少し持ち堪えれば援軍が来てくれる。

 それまでカガリを守るべく、被弾を避け後退を続けるアレックスだが、そこにもう一機の別のザクウォーリアが接近してきた。

 

「アスラン──」

 

「いや、敵だ!」

 

 ザクウォーリアはザフト、すなわち味方だろう。

 援軍が来てくれたと思ったカガリだが、アレックスはそのザクウォーリアが味方でないことをすぐに見抜く。

 

 実際、現れたその新たなザクウォーリアはロックオンの標的をアレックスの扱うザクウォーリアに向けており、ビーム突撃砲を発射してきた。

 

「お待たせステラ!」

 

「アウル!」

 

 新手のザクウォーリアに乗っていたのはザフトではなく、アレックス同様に戦場に転がった適当なザクウォーリアを乗っ取ったもう一人の襲撃犯であるアウルだった。

 

「そんな……!」

 

「ええい!」

 

 ビームトマホークを取り出し、切り掛かってくるアウルのザクウォーリア。

 それを対ビーム装甲で受けた隙をつき、ガイアがビームサーベルを振り下ろす。

 

「くっ……!」

 

 ガイアの振るうビームサーベルに、ビームトマホークを握るアレックスのザクウォーリアの片腕が切り落とされ、ガイアに有効な装備を失ってしまう。

 すかさずアウルがビームトマホークをザクウォーリアのコクピットに狙って振り回した。

 

「貰ったぁ!」

 

「この──」

 

 ビームトマホークが迫る。

 これを防いでもガイアの攻撃がザクウォーリアを両断するだろう。

 万事休すだが、それでもカガリだけは守ってみせるとその攻撃を何とか防ごうと機体を動かす。

 

 アレックスのザクウォーリアが対ビームシールドでアウルのザクウォーリアのビームトマホークを防ぐ。

 

「ステラ!」

 

「あああぁぁぁ!」

 

「させるか!」

 

 しかし待ってましたと言わんばかりに、アウルが呼びかけ応じたステラがビームサーベルをコクピットに向けて突き出す。

 追い詰められたアレックスだが、寸前のところで機体を大きく横にずらして間一髪のところでガイアの攻撃を凌いだ。

 

「残念でした!」

 

「しまっ──」

 

 しかし、まだ攻撃は終わらない。

 不安定な体勢となったアレックスのザクウォーリアに、アウルのザクウォーリアが開いた方の手にもつビーム突撃銃を向ける。

 これは避けられない──

 

 思わず目を瞑るカガリの横で、何もできなくてもそれでも何とかしようともがき思考を巡らせるアレックス。

 だが、避けられない。

 

「なっ──!?」

 

 しかし、そのビームが発射される直前に、アウルのザクウォーリアにミサイルが直撃。

 ビームの軌道はコクピットからそれて、背後の建物を直撃する。

 

「誰だ!?」

 

 トドメを妨害されたアウルは苛立ちながら、その横槍を入れてきた方向を睨む。

 直後、ザクウォーリアの横を青い戦闘機が通り過ぎ、再び空に上がっていった。

 

「戦闘機!? 何だよあいつ──」

 

 ザフトには珍しい機体。

 ミサイルで横槍を入れてきた無粋はこいつかと狙いを変えるアウルだが、戦闘機を追いかけるようにコロニー内の空をまるでぶった斬られたモビルスーツのパーツかと思えるような胴体と脚部、さらにもう1機の別の戦闘機が飛んできた。

 

「なあ!?」

 

「えっ……?」

 

「何だと!?」

 

 そして、直後にアウル、ステラ、スティングが驚愕する光景が空に映る。

 青い方の戦闘機が形を変えると、そこから誘導レーザーが他の機体に伸ばされ次々に合体していき、最後にもう1機の戦闘機から切り離されたパーツが背中に装着され、機体の色が赤く変化した──すなわちフェイズシフト装甲を持つモビルスーツを形作り、アレックスのザクウォーリアを守るようにして降り立ったのである。

 

 それは、ミネルバから送り込まれたザフト軍の秘密兵器。

 5機目のセカンドステージシリーズ、戦闘機として生産枠を獲得し作られた合体機構を持つVPS装甲を持つモビルスーツ。

 

 燃えるような赤い瞳を持つ少年──シン・アスカがパイロットを務める機体。

 シルエットフライヤーのパーツによって高機動タイプ、近接戦闘タイプ、砲撃戦闘タイプに変化し、高い汎用性を持つ“ ZGMF-X56Sインパルス”であった。

 

「何でこんなこと……!」

 

 破壊されたアーモリー1。

 アレックスのザクウォーリアを守るようにして降り立ち、近接戦闘装備である対艦レーザー刀“エクスカリバー”を連結して構えたインパルスのコクピットにて、その惨状を見たシンはガイアとザクウォーリア、そしてカオスに乗る襲撃班に燃えるような赤い瞳に怒りを宿して叫ぶ。

 

「──また戦争がしたいのか、あんた達は!?」

 

 戦争に巻き込まれ、優しかった両親を失い、本当の祖母のように接してくれた老婦人を失い、妹が歩けなくなる大怪我を負わされ、そしてそれを庇ってくれた幼馴染に自分たちのせいで消えない火傷を刻んだ。

 もう終わったはずの戦火を再び燃やし巻き起こした敵に向けて発したそれは、家族を散々傷つけた戦争(それ)を憎む少年の怒りと悲しみのこもった叫びだった。

 

 もう、何も失いたくなかったから。

 自分の無力により、残された家族をこれ以上奪われたくなかったから。

 奪われないために、力を手に入れた。

 お前らみたいな戦争を望む奴に、奪わせないために──! 

 

 インパルスがエクスカリバーを振りかぶり、ガイアに向けて突撃する。

 

 開戦の狼煙はすでに上がった。

 もう、誰にも止められない。

 

 アーモリー1は火の海に沈むこととなる。




……というわけで、アニメにおける第1話“燃える瞳”に当たるキリのいい箇所になりましたので、前話より短くなりましたがここで区切りといたします。

次の投稿は一応GW明け頃を予定しています。
次回もお楽しみに!
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