もしもザフト水泳部の新米が連合に盗まれずミネルバに加入したら   作:ちゃーらんき

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お待たせ致しました。
今回はインパルスの初陣とアニメ版の『PHASE–02 戦いを呼ぶもの』に当たる話を投稿していきます。
まずはインパルスの初陣からになります。


ソードインパルス

 

 アーモリー1にてガイアとカオスが何者かに強奪され、緊急事態を知らせる警報がコロニー内に鳴り響き、つい先程まで平和だったはずの世界に再び戦火を産むだろう火種が放り込まれた頃。

 進水式を翌日に控えていたザフトの新造戦艦“ミネルバ”では、先ほどの警報を受けてクルーたちが事態把握に努めようとしていた。

 

「何だ? 警報?」

「今日って緊急事態発生時の訓練とか予定してたか?」

「いやそんなことないぞ。誤報じゃね?」

 

 だが、前大戦の終戦からこの2年平和を享受してきたプラントのザフトは実戦を知らない兵士が増え、ブルーコスモスのテロなどがいまだに横行する地球と異なり平和だったことからもう2度と戦争は起こらないだろうという意識が蔓延しており、いつ仮初の平和が崩れてもおかしくないという危機意識が欠乏していた。

 セカンドステージシリーズを強奪した犯人たちを手引きしたスパイの侵入や、整備性などを重視するあまり待機中のモビルスーツのコクピットハッチを開きっぱなしにする不用心ぶりがいい例である。

 

 そしてミネルバのクルーたちも、停泊している新造戦艦の専用ドックと事態の発生したモビルスーツ工廠区画の6番ハンガーは距離があったこともあり、予定にない緊急警報が鳴り響いた時はまさにその非常事態が発生しているという正しい認識ができる者がほとんどおらず、誤報と受け取り事態を正しく直視する者がほとんどいなかった。

 

「うわっ! 爆発!?」

「ハンガーの方だ。煙が上がってる」

「事故か? 物騒だな」

「さっきの警報はあれか。推進剤タンクが吹き飛んだとか言ったら確かに非常事態だわ」

 

 その危機意識の欠乏は深刻であり、ガイアの攻撃により16番ハンガーが破壊されミネルバのドックにも爆音と衝撃波が届くほどの大爆発を起こした時にも、事故による爆発だと認識したほどである。

 

 その中で警報と爆発、そして見るものが見れば工廠の方で明らかに戦闘が発生していることがわかる喧噪にそれでも平和ボケして事故と判断している者が大半だった中、訓練でも事故でもない緊急事態が発生したことを正しく認識した者たちがいた。

 

「……戦闘?」

 

「おいおい、何だったんだ今の爆発──シン!?」

「ちょっ、お前何そんなに──てか速っ!?」

 

 今まさにミネルバに乗艦するところだった黒髪と燃えるような赤い瞳が特徴の赤服のザフト──シン・アスカは、警報と大爆発、そして遠目からわずかに見える戦闘が発生している光景を見て、この事態が事故でも誤報でもない本当の緊急事態が、戦いが勃発していることを察し、一緒に来ていた友人の整備兵2人を置いてミネルバへと駆け出した。

 

(何でこんなこと……いや、とにかく今はミネルバに!)

 

 爆発が発生したのはモビルスーツの工廠が並ぶ区画の方である。

 向こうには現在、シンの同期であり友人のレイとルナマリア、そして前大戦で両親を失ったシンと妹のマユの後見人であり姉のような存在である恩人のユノがいる。

 彼らの安否確認と、きっと来るだろう事態収束のための出撃命令に備えるために、ミネルバのブリッジへと急いだ。

 

 そして、ミネルバのブリッジでは。

 こちらの方でも警報の発生は認識されており、そして直後にデュランダルからの指示で事態の鎮圧の為の応援要請がミネルバのブリッジに届けられる。

 その時、ミネルバの方も事故でも誤報でもなくモビルスーツを強奪され本物の戦闘が勃発したことを初めて正しく認識することとなり、応援要請を受けたミネルバ艦長のタリア・グラディスがミネルバに搭載されているセカンドステージシリーズの1機である“ZGMF-X56Sインパルス”の出撃を命令した。

 

「アーサー、直ちにインパルス出撃用意!」

 

「はい!? い、一体何が──」

 

「カオスとガイアが何者かに強奪されたのよ!」

 

「な、何ですと!?」

 

「驚いている暇があるなら動きなさい!」

 

「は、はいぃ!」

 

 命令を受けた副官のアーサーが突然のインパルス出撃命令に驚くも、タリアからカオスとガイアが強奪されたことを聞かされ驚いてある暇があるなら動けと重ねて叱責の入った命令を受け、言われるがままに動く。

 

「アーサー、彼は!?」

 

 機体はすぐに用意できるが、インパルスの正式パイロットであるシンはまだ乗艦したという報告はCICに届いていない。

 シンの所在を確認するようにタリアがアーサーに指示を出す。

 

「ええっと、確か少し前にミネルバに向かっていると──」

 

「そんな報告じゃなくて、今の所在を確認しなさい!」

 

「は、はい! 直ちに!」

 

 アーサーは現在モビルスーツの受領のためハンガー区画の方に向かっているシンの同期でミネルバ所属のモビルスーツパイロットであるルナマリアからシンもまたアーモリー1に到着し整備兵のヴィーノが迎えに行っているという報告を受けていたので、そのことをタリアに伝えるが、そんな報告ではなく今の所在を確認しろと叱られる。

 

 頼りない副官の姿、そして2年の安寧が齎したザフトの堕落ぶりに、タリアの眉間に皺が寄る。

 

 アーサーが所在を確認しようとしている中、ミネルバのオペレーターでありルナマリアの妹であるメイリン・ホークに、その捜しているシンから通信が入った。

 

「メイリン、聞こえるか!?」

 

「シン! 今どこに──」

 

「もうミネルバに! そんなことより、何が起きたんだ!?」

 

「詳しい話は後! インパルスに出撃命令が出た、すぐに準備してコアスプレンダーに向かって!」

 

「……分かった!」

 

 メイリンは短いやり取りでシンの所在の確認とインパルスの出撃準備に向かうように指示を出す。

 シンからの了解の返答を受けてから、あたふたとシンの所在の確認をしているアーサーとクルー達に指示を飛ばしているタリアに報告する。

 

「艦長、副艦長! シンですが、すでにミネルバに乗艦しており、インパルス出撃命令に基づき出撃準備に取り掛かるよう指示を出しました」

 

「は、早い……」

 

「ご苦労さまメイリン。何をしてるのアーサー! インパルスの出撃準備はどうなってるの!?」

 

「は、はい! ええと、現在ソードシルエット装備で出撃準備を──」

 

「用意でき次第直ちに出撃! 訓練じゃないのよ、気を引き締めなさい!」

 

 メイリンの仕事の早さに見惚れて手が止まるアーサーに、タリアがすぐさま叱責をとばして気を引き締めさせる。

 

 CICからの指示を受け、ユニウス条約の軍備制限の中で、合体機構の換装により単機で複数の目的に基づく運用を可能とするザフトの秘密兵器、インパルス。

 合体機構は前大戦でザフトが開発したニュートロンジャマー・キャンセラーを搭載した核動力モビルスーツであるファーストステージシリーズの1機でありコアユニットと無数のパーツから構成される機体“リジェネレイト”からの技術が取り入れられておる。

 コアユニットと大量のパーツから構成される巨大なリジェネレイトと比較して小型で構造が簡易的なインパルスは、パイロットが搭乗する“コアスプレンダー”、武装の取り扱いや各種センサーを備えるモビルスーツの上半身“チェストフライヤー”、補助推進機と脚を用いた各地形に対応できる移動手段となるモビルスーツの下半身“レッグフライヤー”、換装機構による機動力強化・火力強化・近接強化といった各用途に応じた機能を持つ“シルエットフライヤー”の4つのパーツから構成され、各パーツは自動制御によりコアスプレンダーに追随し、空中で合体してモビルスーツを構成する構造となっている。

 合体に関しては誘導レーザーなどにより自動で行われ、パイロットは合体時の微調整を行うのみ。

 必要とあれば母艦であるミネルバから各パーツが射出され、各戦況に応じて換装を行う必要性が出た場合や破損したとしても即座にパーツを交換することが可能という、ユニウス条約によりバッテリー式となったがリジェネレイトの利点がしっかりと受け継がれていた。

 

 この合体機構により母艦には専用の構造が必要であり、ミネルバはインパルス運用の専用艦としての側面も持つ。

 インパルスシステムと呼ばれるインパルスの合体機構を効率よく運用するために専用のエレベーター式カタパルトがあり、コアスプレンダーに追随してすぐに各パーツの射出が可能となっている。

 

 そのカタパルトではすでにインパルスのコアスプレンダーが発艦体制を整えており、メイリンからインパルスの出撃命令が出たことを受け手早くパイロットスーツに着替えたシンが走ってきた。

 

「インパルス発進スタンバイ、パイロットはコアスプレンダーへ」

 

 初めての実戦に臨むべく、メイリンのオペレートに従いコアスプレンダーに乗り込むシン。

 シンがコアスプレンダーのコクピットで各システムを起動する側で、ミネルバに搭載されるインパルスの各パーツの方も発進体制が進められる。

 今回はアーモリー1内部における強奪されたカオスとガイアの奪還を目的とする戦闘のため、破壊と撃滅に真価を発揮する火力強化である“ブラストシルエット”は論外、コロニー内における戦闘のため機動力が売りの“フォースシルエット”も目的に適しているとは言えず、対艦刀エクスカリバーを主兵装とする近接戦闘強化装備の“ソードシルエット”が選択された。

 

「モジュールはソードを選択。シルエットハンガー2号を開放します」

 

 各種換装用装備であるモジュールが格納されているハンガーから、ソードシルエットを搭載された機体がエレベーター式カタパルトに運ばれる。

 その上ではコアスプレンダーに続いて発進できるように、チェストフライヤーとレッグフライヤーがスタンバイを整えていた。

 

「シルエットフライヤー射出スタンバイ、フラットホームにセット完了。中央カタパルトオンライン、機密シャッターを閉鎖します。発進区画非常用員は退避してください。中央カタパルト、発進位置にリフトアップします」

 

 ソードシルエットがエレベーターに入りインパルスの発進体制が整う。

 カタパルトと艦内を遮断する隔壁が閉じ、カタパルトへコアスプレンダーが上がる。

 

「コアスプレンダー、全システムオンライン。発進シークエンスを開始します。ハッチ解放、射出システムのエンゲージを確認。カタパルト進路クリア」

 

 ミネルバのハッチが開かれ、コアスプレンダーからの接続を受けたカタパルトの推進システムがコアスプレンダーを射出するのに適した電圧を流し、カタパルト上に障害物などがなく進路を確保したことを確認したことで、コアスプレンダーの発進体制が整った。

 発進区画からの発信準備完了の通信を受けたメイリンが、コアスプレンダーのコクピットにいるシンに発艦許可を飛ばす。

 

「コアスプレンダー、発進どうぞ!」

 

「シン・アスカ、コアスプレンダー行きます!」

 

 CICからの発艦許可を受け、シンはコアスプレンダーの推進機の出力を離陸用に最大まで上げて加速をかける。

 カタパルトの推進力も受け、コアスプレンダーはアーモリー1の空へと飛び立った。

 

 そしてコアスプレンダー発信後のカタパルトに、エレベーターにて各パーツが上がってくる。

 まずはソードシルエットを搭載している輸送機のシルエットフライヤーが上がり、カタパルトに接続。コアスプレンダーからシルエットフライヤー用にカタパルトの出力が変更される。

 

「カタパルトエンゲージ、シルエットフライヤー射出どうぞ!」

 

 進路クリアを確認後、メイリンからの発艦許可を受けてシルエットフライヤーが発進。

 戦場に向かうコアスプレンダーを追って飛行していく。

 

 シルエットフライヤーの発艦後、再びエレベーターが起動。

 カラとなったフラットホームが後ろに下がり、代わりに下からモビルスーツの上半身パーツであるチェストフライヤーを搭載したフラットホームが上がってくる。

 

「続いてチェストフライヤー、射出どうぞ!」

 

 カタパルトの出力が再度変更され、発艦許可を受けたチェストフライヤーのラックが外れるとともにチェストフライヤーがミネルバから飛び立つ。

 続いて入れ替わり、モビルスーツの下半身パーツであるレッグフライヤーを乗せたフラットホームが上がってきた。

 

「レッグフライヤー、射出どうぞ!」

 

 そして最後のパーツとなるレッグフライヤーが発進。

 コアスプレンダーを自動で追尾する各パーツもまた、戦場となるアーモリー1へと向かう。

 

 5機目のセカンドステージシリーズ“インパルス”が、2年の平和を破った戦場に向けアーモリー1の空を飛翔する。

 

 今は一刻の事態を争う状況。

 最高速度ならばモビルスーツよりも各パーツに分解している状態で進むコアスプレンダーが最も速いため、現着を急ぐシンはインパルスを合体させずに工廠へと飛行していく。

 

 移動中、コアスプレンダーにはミネルバから現状を説明する通信が繋がれており、メイリンとアーサーがアーモリー1で発生している事態、カオスとガイアが強奪され現地の部隊が交戦していることが伝えられた。

 

「──というわけだ。現在、強奪を免れたアビスと付近のハンガーから出撃した即応部隊が交戦している。あくまで目的は強奪された機体の捕獲、可能であれば強奪犯の確保となる。くれぐれも破壊するなよ!」

 

「わかりました! メイリン、姉さん達の、みんなの安否はわかるか!?」

 

「お姉ちゃんとレイは無事だけど、モビルスーツが瓦礫に潰されて使えないみたい。ユノさんは偶然アビスに搭乗していたことで強奪を免れて、今はカオスと交戦中です。カオスはアビスが対応するので、インパルスはまずガイアの制圧をしてください」

 

「了解!」

 

 ミネルバの方にもある程度の情報は伝わっており、強奪されたのがガイアとカオスの2機であること、レイ達の方はモビルスーツを瓦礫に埋められすぐには対応に走れないこと、アビスのパイロットのマーレに呼び出されて6番ハンガーに赴いていたユノは偶然アビスに乗っていたことで強奪を阻止し現在カオスと交戦中という事が戦場に向かうシンにも伝えられた。

 他にもザク2機が占領されていることや、非公式の形でアーモリー1に入り事件に巻き込まれたオーブの国主が行方不明になっているといった事態が発生しているが、それらの情報はまだミネルバには伝わっていない。

 

 現地では各ハンガーから緊急出動した部隊が応戦しているが、ジンやディン、シグーといった旧型のモビルスーツがほとんどであり、実体弾ではVPS装甲を持つガイアに歯が立たず次々に落とされている。

 ビームライフルやビームクローを装備しているゲイツのハンガーは、まるで予め場所を知っていたかのような攻撃を仕掛けたカオスのドラグーンにより近場がほぼ潰されており、ビーム兵器を備えるモビルスーツは現状アビスだけがカオスと交戦している状況だった。

 

 カオス本体の方はアビスがかろうじて抑えている。

 しかし破壊を繰り返すカオスのドラグーンやガイアにはまともに対応できる戦力がなく、好きに暴れているような状態だとのこと。

 

 インパルスにはカオスの対応はひとまずアビスに任せ、ガイアの制圧を優先するように指示が出された。

 

(姉さん、レイ、ルナ……あの時とは違う。今度は、今度こそは守るんだ!)

 

 コアスプレンダーを飛ばして現地に到着したシンは、一帯を瓦礫の山に変えていたガイアと、それと交戦しているザクウォーリア2機を確認し、その方向に向かう。

 状況は劣勢で、ガイアとザクに挟撃を受けているもう1機のザクが今まさに撃破されそうになっていた。

 

(──って、ザクまで奪われてるじゃないか! 間に合え!)

 

 その状況に、2機のザクウォーリアのうちガイアに加勢している方の1機もまた強奪されていることを見抜いたシンは、すぐにその強奪されている方のザクとガイアに向けてミサイルを発射した。

 

 インパルスのコアユニットとしての機能が重視されているコアスプレンダーの武装は必要最低限のもの。

 搭載されているミサイルも装甲の薄いディンならばともかく、堅牢なザクウォーリアの装甲を破壊できる威力はない。

 しかし牽制としては十分な効果があり、今まさにアレックスの乗るザクのコクピットを撃ち抜こうとしていたアウルの占領するザクのビーム突撃銃によるトドメの一撃を妨害し、アレックスとカガリの命を救うことに成功した。

 

 ミネルバがこの時点で把握していた強奪された機体は、カオスとガイアの2機。

 アレックスとアウルが占領した2機のザクは把握しておらず、状況から咄嗟の判断でアウルの占領するザクを攻撃したシンの判断は同士討ちになりかねない危険な行為であったが、しかしこの咄嗟の判断はオーブの代表がプラントで死んでしまうという最悪の事態を防ぐファインプレーとなった。

 

「誰だ!? 戦闘機、何だよあいつ──」

 

 アレックスのザクを撃破する一撃を妨害されたことに苛立ち、その犯人であるコアスプレンダーを睨むアウル。

 その視線の先でガイアを含めた3機の注目を集めながら空に舞い上がったコアスプレンダーにて、シンはインパルスの合体体制に入る。

 

「レッグフライヤー、チェストフライヤーに誘導ビーコン発信。続いてシルエットフライヤーを分離、誘導ビーコン発信」

 

 コアスプレンダーが変形し、誘導レーザーをレッグフライヤー、そしてチェストフライヤーに飛ばして装着。

 モビルスーツの形を取ると、続いて輸送機が離したソードシルエットに誘導レーザーが飛ばされ、シンが微調整を行い装着。

 4つのパーツが合体し、VPS装甲が展開され、赤いカラーリングに染まったガンダムを形作ったインパルスが、エクスカリバーを装備してアレックスのザクを庇うようにガイアの前に降り立った。

 

「なあ!?」

 

「えっ……」

 

 戦闘機がモビルスーツになったことに驚愕を隠せないアウルとステラ。

 また、アレックスとカガリもインパルスには驚きを隠せず、一瞬その場の時間が止まった。

 

「また戦争がしたいのか、あんた達は!」

 

 その中心に降り立ったシンは、ソードインパルスの主武装である対艦刀エクスカリバーを振りかぶり、ガイアに対して切り掛かった。

 

「──!」

 

 それに真っ先に反応したのは、狙われたガイアである。

 インパルスに狙いを定められ、エクスカリバーで切り掛かってきたソードインパルスの大ぶりの攻撃を回避し、頭部のCIWSによる銃撃の雨をお返しとばかりに放つ。

 しかしVPS装甲を持つインパルスには無力であり、傷一つつかない姿にこのモビルスーツが同じフェイズシフト装甲を持つ機体であることを見せつけられる。

 

「はあ!」

 

「な、なんだこいつ……!?」

 

 ガイアに立ち向かって行くインパルス。

 一の太刀でガイアが寸前まで立っていた地面を抉り、返す刀で振り回す流れるような二の太刀をその巨大な刀身でシールドを構えるガイアを持ち上げる。

 

「そこだ!」

 

 吹き飛ばされながらも体勢を立て直そうとするガイアに、今度は腰に装着するビームライフルを取り出して発射。

 

「こいつ……!」

 

 空中に持ち上げられたところを狙われたガイアだが、スラスターを駆使した機動でビームを回避。

 今度は着地した先に狙いを定めて撃ってくるインパルスに、ビームライフルを落としていることもあり反撃に出られず回避に徹するしかない。

 シグーやディンと違いVPS装甲にも有効なビーム兵器を駆使するモビルスーツに、ガイアは押され、アレックスたちを乗せるザクから距離を取らざるを得なくなった。

 

「ステラ!」

 

 ザクよりもインパルスを脅威と判断したアウルは、注意を引きガイアの立て直す時間を作るためビーム突撃砲をインパルスに向けて発射する。

 

「!? やっぱりこいつも敵!」

 

 ロックオン警報にてアウルのザクから狙われていることを察知したシンが対ビームシールドにて対応しザクのビーム突撃銃を防ぐと、ガイアを援護したインパルスを狙ってきた動きからやはりザクも奪われていたとアウルの占領する機体が強奪犯の仲間であることを確信する。

 ならば容赦しないとビームライフルを反撃に発射。

 アウルはすぐさま瓦礫に隠れるように機体を動かすが、インパルスの高出力のビームライフルはハンガーの残骸など2発も撃てば木っ端微塵に破壊してしまうためすぐに機体が露出してしまった。

 

「やべ!?」

 

「アウル! させない……!」

 

 そのアウルの危機に、今度はステラの方が反応する。

 ザクがインパルスの注意を引いてくれた隙にガイアをモビルアーマー形態に変形させ、インパルスに向かって突進。

 巨大な対艦刀を連結しているエクスカリバーが大ぶりの獲物ゆえに懐に素早く入り込めば対応が困難であることを見抜いての突撃である。

 

「だったら──」

 

 それに対し、シンはソードインパルスのエクスカリバーの連結を解除。

 懐に入り込まれる前に取り回しにすぐれた二刀流となり、逆にガイアに向かってインパルスの方からバーニアを駆使して距離を詰めてきた。

 

「なに!?」

 

 インパルスが降り立った時、エクスカリバーは実体剣の状態であり、連結されてからビームの刃が出力された。

 そのため連結させておかなければエクスカリバーはビーム刃を出力できない武装ではないかと誤認していたステラの意表をつく形となり、思わず撃破のための攻撃から回避に機体を動かす。

 

「こいつで──!」

 

 紙一重ですれ違いざまの攻撃を跳躍して空に上がったガイアはすかさずインパルスの背中を捉えるように機体の向きを変えビーム突撃砲を発射するが、その時にはガイアに向き直っていたインパルスが対ビームシールドでその攻撃を防ぎエクスカリバーの一本を投げ飛ばしてきた。

 

「こいつ……!」

 

 ビーム兵器はガイアのVPS装甲を突破する力を持つ。

 モビルアーマー形態からモビルスーツに戻して対ビームシールドを構えた直後に、ソードインパルスから投擲されたエクスカリバーがシールドに直撃。

 質量を伴う攻撃に不安定な空中で受けたこともあり、ガイアは吹き飛ばされる。

 

 何とかバランスを保ち着地したガイアの側に投げられたエクスカリバーが落下し地面に突き刺さると、インパルス本体からのエネルギー供給が切れたことでビームの刃が消え元の実体剣に戻った。

 

 しかし、インパルスの手にはもう一本のエクスカリバーがある。

 片手が空いたことでビームライフルも装備可能となっており、その戦力はさほど削れていない。

 

「クソッ、仕留められなかった……!」

 

 一方で、インパルスのコクピットではシンの方も額に汗を浮かべていた。

 

 先ほどの攻防で仕留めるつもりだったガイアだが、機体に大きな損傷を与えられていない。

 相手は今日強奪して動かしているばかりの新型機であり、しかもビームライフルを落としている状態だというのに、ガイアを占領する敵の技量はむしろ正規のパイロットを上回ると思えるレベルであり、初の実戦という緊張もあるがあれだけ激しく攻めたというのに撃破どころか碌な損傷すら与えられなかった。

 

「シン、命令は捕獲だぞ!」

 

 敵の強さと、力を手に入れたというのにアビスの援護に向かうどころかガイアにもこうして苦戦している現状を悔しがるシンに、破壊するつもりで攻撃を仕掛けていたことを先ほどこぼした声から拾ったアーサーが目的が捕獲であることを忘れるなと注意してくる。

 今回の目的はガイアとカオスの捕獲、即ち奪還である。ザフトの最新鋭機であるセカンドステージシリーズはパクられたからといってじゃあ壊ちゃえなどとできる代物ではない。

 

「分かっていると思うが、あれは我が軍の──」

 

「分かってます! でもできるかどうか分かりませんよ!」

 

 重ねて注意してくるアーサーに、敵の技量もあり余裕がないシンは苛立ちから返答が荒くなる。

 実際、ガイアを占領している敵はかなり強く、気を引き締めなければガイアを奪還するどころかインパルスの方がやられかねないことを、対峙しているシンは強く感じ取っていた。

 

「そらそらそら!」

 

「後ろに──!」

 

 加えて、ここにいる敵はガイアだけではない。

 アウルの占領しているザクも脅威であり、一度は物陰を破壊されたがガイアが注意を引いている隙に立て直してインパルスの背中を取り、ビーム突撃銃を撃ってきた。

 

 ロックオン警報に反応して、ザクのビーム突撃銃をシールドにて防ぐ。

 ビームブーメランを飛ばして牽制しつつビームライフルを発射するが、アウルはうまくザクを扱いスラスターにてビームブーメランを回避しつつ、物陰に飛んでビームライフルから身を隠した。

 

「へっ、そんな攻撃当たるかよ!」

 

「こんのぉ!」

 

「ガイア……!」

 

 邪魔をしてくるザクを仕留めようにも、瓦礫を吹き飛ばして機体を晒す前に今度はガイアがビームサーベルを抜刀して向かってきたため、それの対応に回らざるを得ず、敵の連携を崩せない。

 ガイアのビームサーベルをエクスカリバーで受け止め、反撃にビームライフルを撃とうとするも、そうはさせるかとザクからビームトマホークが投げつけられビームライフルが切り裂かれた。

 

「ステラ、今!」

 

「でえええい!」

 

「くっ……!」

 

 そこにガイアがシールドバッシュを叩き込み、インパルスの姿勢を崩す。

 咄嗟にシンはガイアの押し込む力に対抗せず後ろに向かってバーニアを噴射して後退し、バランスを崩され転倒するという最悪の事態を回避して、ガイアから距離を取ることに成功した。

 

 アカデミーの頃からモビルスーツを扱う才能に優れ、成績優秀者の証である赤服を授かったシンは、マーレに競り勝ちインパルスの正式パイロットに選ばれることもありその戦闘センスは抜きん出たものがある。

 そんなシンとセカンドステージシリーズのインパルスだからこそ紙一重で拮抗できているが、並のザフトでは例えビーム兵器を装備したゲイツやザク、同じセカンドステージシリーズの機体に乗せたとしても鎧袖一触、2合と切り結ぶことができずに瓦礫に変えられていただろう。

 あの前大戦の英雄の1人であるアスランが操縦するザクですらも撃破寸前まで追い込まれてしまうほどに、ステラとアウルの連携と操縦の技量のレベルは高かった。

 

「こいつら、連携が……!」

 

「何でザクが!? どういうことだ、シン!」

 

「アレも奪われたに決まっているでしょう! 見てわからないんですか!?」

 

 そして、アウルの扱うザクがガイアを援護してインパルスに攻撃している光景に、ザクが奪われていることをまだ知らないアーサーが困惑する。

 どういうことだとシンに尋ねるが、見ればわかるだろアレも奪われたんだよと半ばキレながら返答された。

 

「だいたい、何でこんなことになったんです!?」

 

 ガイアの振り回すビームサーベルと背中を取りながら撃ってくるザクのビーム突撃銃を凌ぐシンから、そもそも何でこんなことになったんだとアーサーは逆にこの事態の説明を求められる。

 その間にもお互いにビームライフルを失ったことで接近戦となったガイアが振り回してくるビームサーベルによる猛攻をエクスカリバーで受け、ザクからの攻撃を回避する。

 

 うまくザクとの間に瓦礫を置く位置取りに成功したところで、突撃してきたガイアに対してエクスカリバーを振るう。

 しかしその一撃はシールドで防がれ、その隙をつくように振られたガイアのビームサーベルをインパルスのシールドで受けたことで、今度はお互いの剣を盾にぶつけ合う鍔迫り合いに持ち込んだ。

 

「何だってこんな簡単に、敵に──くっ!」

 

 鍔迫り合いになりながら、どうしてこんなにモビルスーツを奪われているんだと苛立ちをミネルバのCICに向けるシン。

 その間にもアウルのザクがインパルスの背中を狙いビームを撃ってくるので、重量のあるエクスカリバーが有利となる鍔迫り合いをすぐに解かなければいけなくなり、ザクからのビームを回避する。

 

「こいつ、ちょこまかと!」

 

「はあああぁ!」

 

 何とか2機の連携をうまく凌ぐインパルスに、2機がかりで攻めているのに倒しきれないことから焦りと苛立ちを募らせるアウルとステラ。

 特にステラは戦闘時となれば3人の中ではもっとも感情が振れやすい性格もあり、より一層攻撃が苛烈となって行く。

 

 一方、アビスと戦う側でドラグーンを通じ2人の様子も見ていたスティングにもインパルスの合体、そしてVPS装甲を展開する新型機の戦闘の光景は見えており、驚きが隠せず一瞬動きが止まった。

 

「何だと!? ──くっ!」

 

「そこだ!」

 

「舐めるな!」

 

 すかさずアビスがその隙をついてビームランスを振り回し、警報にすぐさま反応したカオスがシールドでそれを防御。

 しかしザフトが隠匿していたこともあり事前情報になかった5機目のセカンドステージシリーズの登場に混乱しており、それまでのザフトを圧倒する鋭く苛烈な戦いぶりに明らかに焦りが生じ始めた。

 

「ガンダムだと……!? 情報にないぞ、あんな機体……クソッ!」

 

「そのまま倒れろ!」

 

 一方、マーレを傷つけられ仲間を殺されたことで頭に血が上っているユノはインパルスの登場にまだ気づいていない。

 ビームランスはシールドで防がれたが、さらに一歩踏み込んでシールドにランスの柄をぶつけてカオスを転倒に追い込もうと力尽くで押し込んできた。

 

「チッ、ひとまず後回しだ! まずはこいつを──」

 

 インパルスの登場に面食らったスティングだが、アビスとの戦闘に意識を戻しドラグーンからのビーム砲による攻撃で牽制して押し留め、すかさずシールドに搭載されている機関砲をアビスの頭部に向けて発射。

 実体弾のためVPS装甲に守られたアビスに被害はないものの、頭部のカメラアイを集中的に狙った銃撃は一時的にアビスのコクピットの視界を奪う。

 

「小癪な真似を──うわっ!?」

 

 それによりアビスの押し込む力が一時的にズレた隙に、その方向に力を流すようにシールドを傾けてアビスのバランスを崩す。

 カオスを倒すために押し込む方向に力を注ぎ込んでいたアビスは、それを流されたことで力をぶつける先を失いそのまま前に倒れるようにバランスを崩してしまう。

 

「この距離なら貫けるだろ!」

 

 その隙にスティングはカオスを動かしてアビスの側面を取ると、胸部に備えられているスキュラに匹敵する破壊力を持つビーム兵器“カリドゥス改”を至近距離で発射してアビスの肩の巨大な対ビームシールドを破壊しようと、モビルアーマー形態に移行しようとする。

 

 至近距離でこの高火力兵器を受ければ、如何に対ビームシールドといえども貫けないはずはない。

 転んだ状態ならば回避のしようもないはず。

 

「撃たせるか!」

 

「何!?」

 

 だが、発射するべくモビルアーマー形態に移行しようとしたタイミングで、カオスもバランスを崩す。

 倒れた先でカリドゥス改を向け至近距離で放たれそうになるという絶体絶命の状況でも、回避や防御よりもカオスを占領する強奪犯を倒すことに執着するユノが倒れる中でアビスを支えることよりもビームランスを振り回してカオスに損害を与えることを優先し、足に損傷を与えてバランスを崩したのである。

 

「くたばれぇ!」

 

 さらに倒れながらもアビスの向きをカオスに向けたユノが、そのままアビスの最強の兵装である胸部のカリドゥス複相ビーム砲を無茶な体制で発射してきた。

 

「マズイ──ッ!?」

 

 アビスの発射したカリドゥスは倒れそうになりながらもかろうじて回避に成功したカオスを外れ、奥のハンガーに直撃しこれを破壊。

 ビームランスにより足に損傷を与えられるという不安定な姿勢になっていたこともあり、爆風に煽られたカオスも背中から倒れ込んだ。

 

「確保だ!」

「急げ!」

 

 転倒したカオスに、奪還の絶好のタイミングだとジンが群がってくる。

 

「鬱陶しいな! 引っ込んでろ雑魚ども!」

 

 しかしスティングもドラグーンのビーム砲と誘導ミサイル、ビームライフルと足に装備しているビームクローを振り回して飛びかかってきたジンをことごとく迎撃。

 倒れた状態にも関わらず2機のジンを瞬く間に破壊すると、さらに群がってくるザフトのモビルスーツをドラグーンで迎撃しつつ、本体はすぐさま立ち上がり同じく立ち上がってきたアビスに対し牽制目的でビームライフルを撃つ。

 

 牽制のため狙いよりも弾数を撃ってきたカオスの攻撃にアビスはビームシールドで防ぎつつビームランスで再度距離を詰めようと突撃してくるに対し、カオスはアビスから距離を取るように動きながら2機のドラグーンを肩に戻す。

 そしてアビスに対して牽制射撃を行いつつ、アビスの強奪失敗に加えて未知のガンダムの参戦という形成不利の事態を受け、アーモリー1を覆う原因不明の通信妨害の中でもやり取りが可能な特別回線を用いてコロニーの外にいる友軍機に援軍を要請した。

 

「この手は使いたくなかったが、奪った機体を取り戻されるわけにも行かないか……こちらスティング・オークレー。スカウト0984、撤退支援を要請する」

 

「……スカウト0984、了解」

 

 一回だけしか使えない通信の先で友軍機の了解の返答を聞いたスティングは、アウルとステラにも指示を出す。

 本来の予定ではある程度暴れてザフトの追撃の手を鈍らせてから、本隊が仕掛ける軍港への奇襲に合わせて強奪したザフトの新型機で内側からコロニーの隔壁を破壊し脱出、合流するという手筈だったが。

 アビスに加え想定外の新型であるインパルスの参戦に、それぞれカオスとガイアを抑えられては脱出どころではないため、最後の手段として用意されている友軍機に援軍を要請しアーモリー1の外壁を破壊してもらい、その際の混乱に合わせて離脱するという方針に変更することとした。

 

「アウル、ステラ、もうすぐ時間だ。その新型は未知数だ、無理に相手取るな。スカウト0984に援軍を要請した、テスタメントにコロニーの外壁を破壊させるからそれに合わせて離脱するぞ。あとは外でネオに合流、いいな?」

 

「それなら了解──って言いたいところだけど……」

 

 それを聞いたアウルはアビスを奪えなかったこの状況では自分たち3機で新型を含めたザフトを振り切るのは困難なことだと理解できるため、冷静さを取り戻して了解する。

 だが、もう1人。

 アウルと共にインパルスと交戦するガイアに乗るステラは──

 

「こいつぅ!」

 

 インパルスの撃破に執着し出しており、聞く耳を持たなかった。

 

「……こんなだけどどうする?」

 

「ええい、クソッ! 奪った新型は確実に離脱させる必要がある、時間になったら分縛ってでも連れてこい!」

 

「じゃあそれまで子守しつつ適当に暴れますか!」

 

 援軍のテスタメントが来るまではまだ時間がある。

 母艦が回収準備を整える合図もまだ起きてない。

 アビスとインパルス、そしてガイアを短時間とはいえ押さえ込んでいた謎のザクのせいでザフトの数も当初の想定よりも削れていない状況。

 

 インパルスだけではない、軍事拠点というだけあり時間が経てば経つほど続々とモビルスーツが増えてくるザフトに、ステラが暴走しすぎてガイアをやられないように援護を続け時間になったら力尽くでもガイアを回収するようアウルに指示を出し、スティングはカオスのビームサーベルを抜刀してアビスと対峙する。

 

「ネオのやつには後で文句言っとかねえとな。予定にないぜあんなのってよ!」

 

「軽口を叩く暇があるなら露払いくらいしろ!」

 

「分かってるって!」

 

 ガイアを取り押さえようとインパルスの援軍に来るディンを撃ち落としつつ、インパルスにも嫌がらせのようにちょくちょく攻撃を加えながら立ち回るアウル。

 口ではアウルを注意しつつも、インパルスを見落とした自分たちの上官にはスティングもまた文句をつけたいところであるが、今はアビスを始めとするザフトの対応に専念する。

 

 

 

 

 

 アーモリー1が戦場となる中、通信障害で連絡のつかなかったコロニーの港の方にもカオスやガイアの暴れる情報がもたらされ、外の宙域に展開する艦隊にも通信が行われていた。

 

「エヴァンス基地長! ミネルバより、通信! “強奪が目的ならば付近に敵母艦が展開しているはず、それを捜索するべし”とのことです!」

 

「グラディスなんぞに言われなくても分かっているわ! 余計な口は出すなと伝えてやれ!」

 

「それより艦隊との通信は!?」

 

「ダメです! 依然として謎の障害が発生しており──」

 

 軍港の方では、タリアから基地長であるエヴァンスにモビルスーツの強奪が目的ならばそれを回収する敵の母艦が付近の宙域に展開しているはずなのでそれを探すようにと要請が出されており、要請を受けたエヴァンスのそんなこと言われなくても分かっているという声が司令室に響き渡っていた。

 

 アーモリー1近郊の宙域では現在謎の障害が発生しており、まともな通信が取れていない。

 そのため外に展開している警備の艦隊との通信ができない状況であり、敵母艦の索敵の命令が送れない状況にあった。

 

「ええい、やむを得ん! 港に停泊している戦力を出せるだけ出して数で索敵させろ! 艦隊出航用意!」

 

 宙域の索敵がこのままではできないと判断したエヴァンスは、軍港に停泊している軍艦のうち動ける艦から順次出撃させ、敵母艦の索敵に動員するように指示を出す。

 

 事態の早期収束は現在このアーモリー1に訪れているプラント最高評議会議長のデュランダルからの命令であり、進水式を終えて就役すれば余所者となるミネルバの艦長なんぞにアーモリー1の基地長として口を挟まれるのはエヴァンスとしてはいけすかなかった。

 

 この艦隊出撃命令に基づき、アーモリー1の軍港で多くの宇宙艦艇が出撃体制に入る。

 

 そして軍港からローラシア級、ナスカ級といったザフトの戦闘艦艇が出港体制に入る中、その港のそばに宇宙の闇に溶け込むカラーリングの施された連合製モビルスーツである“ダークダガーL”の姿があった。

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