仮面ライダーギーツ アナザーワールドジェネレーションズ 作:Naniro
カナタ・スミス・パンダィンにとってこの世界は、はっきり言ってクソな世界だった。彼は仮面ライダーダパーンとなってその実力が認められて貴族に成り上がることができ、どんな暮らしが待っているのだろうと胸を膨らませた。だがそこは強欲で我儘な女達が蔓延るドロドロとしたものだった。
『そんなもんで私を満足させれると思ってるわけ?』
『あんたみたいな底レベルの貴族なんてお呼びじゃない』
『自分の姿を鏡でよく見たら?王子様みたいな感じでなくちゃ。最もあんたには一生無理でしょうけど』
カナタはそんな女達の態度に嫌気がさし、これなら平民の方がマシだと思えるほどだった。そんな時、彼はある人物に呼び出された。それは王家に次ぐ高い権力を持つレッドグレイブ公爵家だった。
「君の実力の高さは伺っている。私に雇われないか?内容は単純だ。私の娘の護衛だ」
カナタは最初は渋った。あんなクソな性格の女達がいる中で王家に次ぐ家系の娘なんか想像すらしたくない。だが報酬の高さに根負けし、雇われることにした。そして公爵令嬢と対面する。
「お前が私の護衛を務めるのか。私はアンジェリカ・ラファ・レッドグレイブ。よろしく頼む」
「カナタ・スミス・パンダィンです」
赤い瞳に輝く金髪のアンジェリカにカナタは一瞬目を奪われるが、即座に気を持ち直す。どうせ彼女も他の貴族と同じだろうと、カナタは極力彼女とは距離を取る形で接した。
だが、過ごしていくうちにカナタはアンジェリカが他の女達とは違うことがわかった。なんと彼女は他の人見下したり、罵ったりしないのだ。
(どうせ言わないだけだろ…)
そんなある日ジャマトが現れ、アンジェリカが襲われそうになり、仮面ライダーダパーン マグナムフォームに変身してジャマトを撃ち、アンジェリカに駆け寄る。
「大丈夫ですか?」
その瞬間、ダパーンはハッとなり、やってしまったと手を顔に当てる。何故なら前にもジャマトに襲われそうになった貴族の女を助けたら、罵倒が返ってきたのだ。
『最悪、こんな奴に助けられるなんて…』
ありがとうの一言も言えない女にダパーンは絶句した。それを思い出し、あぁ、また罵倒されるとため息をつく。
「すまない、助かった。感謝する」
「!?」
ダパーンは目を見開いた。初めて礼を言われ、戸惑った。
「…何故?」
「ん?」
「何故礼を…?」
「礼って…助けられたのだから礼を言うのは当然だろう?」
すると変身が解除される。アンジェリカはカナタを見ると驚いた表情になる。
「ど、どうした?何を泣いているんだ?私が何かやったか?」
「え?」
カナタは自分が泣いてることに気づき、涙を拭く。
「…なんでもありません」
「なんでもないわけないだろ!何があった!?話してみろ!」
◇
209:乙女ゲーはパンダにも厳しい
それからアンジェ様は俺の話を聞いてくれて、優しい笑みで苦労したんだなって言ってくれて…。アンジェ様のあの言葉がなければ、俺は今頃ギャングライダーズになっていたかもしれない
210:名無しのギーツ
お前も苦労してたんだな…
211:シローは元シャドウガーデン
シーカーにもこういう人が側にいてくれたら少しはマシになっていたのかもしれない…
212:グレア司令官
確かにそうだな
213:シーカーはISを壊したい
>>211>>212なんの話だ
214:乙女ゲーはパンダにも厳しい
だから俺はあの人に着いていくと誓った。そしてアンジェ様の気持ちをわかっていない殿下を一回ぶん殴る
215:ペンギン提督:好感度-100
>>214しかしまあ、王子に喧嘩を売るとは、君もとんでもないことをするな…
216:シローは元シャドウガーデン
ん!こっちも緊急事態!落ちるわ!
217:女神に追われる犬
>>216いってら
218:乙女ゲーはパンダにも厳しい
お、決闘が始まる。
【● LIVE】
◇
「あれがリオンの鎧…すごいずんぐり体型だな」
カナタはアンジェリカとオリヴィアと共にリオンが出した鎧という名の機体、アロガンツを不安そうに見ていると、それが顔に出ていたのかオリヴィアが話しかけてきた。
「あの…カナタさん?どうしてそんなに不安そうなんですか?」
「ああいう機体は時代遅れだ。パワーはありそうだが逆に動きが鈍いだろう。今はスピード重視が主流だ」
「でもなんだか可愛いですよ。ずんぐりしてるところとか!」
「「それはお前の感覚がおかしいだけだ!」」
カナタとアンジェリカの声がハモり、お互いハッとなって顔を見合わせる。アンジェリカは少し顔を赤らめながら椅子に座る。
するとリオンのアロガンツの背中のコンテナようなものからスコップが出てきた。
「『スコップじゃねえか!!』」
リオンとカナタが同時に声を上げ、周囲が笑いに包まれる。
ここからはタイクーンのいう原作通り(一部違うが)なので箇条書き。
ブラッド:ドローンを全部回避され、スコップで殴打され気絶し敗北。
グレッグ:スコップで何度も殴打され、機体の手足を引きちぎられ、生身の状態で闘おうとするがリオンに煽られる。鎧はほぼ大破している為リオンの勝利となり、審判から強制退場を言い渡された。
クリス:リオンのドローン攻撃に圧倒され、それでも剣で攻撃しようとするが受け止められて剣を折られ、戦意喪失。
ジルク:リオンの機体に爆弾を仕掛けており、射撃が効かないことで発動させたがこれも効かず、リオンに地面に叩き落とされ敗北。
(汚ねえ手を使いやがる。by.カナタ)
そしてユリウスに番となる。
「ほら、お前の出番だぜ、カナタ」
「あぁ」
「カナタ!?おいバルトファルト!何故!?」
「俺が頼んだんですよ。殿下とやらせて欲しいって」
「カナタ…!お前はわかっているのか!?殿下の鎧は他の四人よりも最新の技術で作られているのだぞ!?いくらお前でも…!」
「大丈夫です。アンジェ様、切り札ならあります」
カナタはブーストバックルを取り出してアンジェリカに見せる。
「確かにそれは強いが…」
アンジェリカはブーストバックルが強いということは知っているようだがそれでも不安のようである。
「アンジェリカさん、信じてあげましょうよ。カナタの強さなら、貴方がよくご存知の筈でしょう?」
リオンがそう言うとアンジェリカはしばらく考え込み、意を決したかのようにカナタを見る。
「…死ぬな。これは命令だ」
「…かしこまりました」
◇
『まさかお前と戦うことになるとはな…パンダィン』
「……」
『主人を想う気持ちは理解できる。大した忠義だ』
「…全力でいかせてもらいます。殿下」
カナタはデザイアドライバーにマグナムバックルとブーストバックルをセットする。
SET
SET
「変身…!」
DUAL ON
GET READY FOR BOOST & MAGNUM
READY FIGHT!
仮面ライダーダパーン マグナムブーストフォームとなり、マグナムシューター40Xを構える。すると周囲が笑いに包まれる。
「なんだありゃ!?」
「変なの!しかもちっさ!あんなんで勝てるかよ!」
ダパーンは言ってろと言いたげに周囲の声を気にしない。
『両者、始め!』
するとダパーンが一瞬でユリウスの間合いに入った。
『な!?』
気づいた時は既に遅し、ダパーンのブーストキックが炸裂し、ユリウスが大きく怯んだ。
「「「…!?」」」
さっきまで笑いに包まれていた周囲が一瞬にして静かになった。
『うぅ…油断した…!はぁぁ!!』
ユリウスはダパーンに剣を振り下ろすが、ダパーンはそれをブーストダッシュで素早く避け、マグナムシューター40Xで射撃する。こうしたヒット&アウェイ戦法でユリウスを圧倒する。
『なるほど…確かに実力は高いな…』
「殿下…何故ですか?何故アンジェ様という婚約者がいながらあの女を選ぶのです?アンジェ様も殿下のことを本気で想っていたというのに…!」
『あの女じゃない!マリエだ!アンジェリカは俺の気持ちを察しなかった!王宮の女達と同じだ!俺は王族になど生まれたくなかった!誰も本当の俺を見ようとしない!マリエだけが俺の気持ちに気づいてくれた!マリエだけが俺を愛してくれたんだ!』
「…王宮の女共については同情しますよ。金食い虫共の集まりですからね。ですが殿下。そのマリエとやらの目は欲と金に眩んでいます。貴方はただ利用されているだけだ!」
『黙れ!マリエを悪く言うな!』
「殿下!!いい加減目を覚ましてください!!おかしいと思わないのですか!?他の四人も位の高い貴族!奴は殿下達をセレブ生活を満喫する為の手段としか見ていません!そこに一欠片の愛などありません!」
ダパーンのその言葉にマリエは動揺する。
「今ならまだ引き返せます!アンジェ様は本気で殿下を愛しているのです!この俺が保証します!現にアンジェ様から殿下に関して色々と相談に乗りました!だから…!」
『アンジェリカのは愛ではない!押し付けだ!!マリエを奪われるくらいなら死んだ方がマシだ!!』
「なん…だと…!?」
ユリウスのその言葉にダパーンは絶句する。ふとアンジェリカの方を見ると彼女は涙を流していた。
「本気…なのですね、殿下。本当にあの娘が好きなのですね」
(アンジェ様…)
一瞬の静寂の後それを破った人物がいた。
「ま、間違っています!」
特待生のオリヴィアが立ち上がり、声を上げたのだ。
「確かに殿下はマリエさんを愛しているかも知れません。でも、でも! アンジェリカさんだって殿下を愛しています! だって、ずっと、ずっと苦しそうにこの戦いを見守っているんですよ! 見ているのも辛いのに、目を背けないで悲しそうに見ているんです! それを愛じゃないなんて言わないでください!!」
オリヴィアの必死の叫びに再び静寂が訪れる。ダパーンはオリヴィアの言葉にまるで心が洗われたような気がした。
『一方的に押しつけるのが愛だと? 俺を王子としか見ていないその女の気持ちが愛? 俺は…俺個人を見てくれる女性を見つけた。そして分かったんだ。これが愛だ。これこそが愛だ! アンジェリカ、お前は俺を理解しようとしたか? お前の気持ちは押しつけだ!もう、二度と俺に関わるな!』
プッツーン…
アンジェリカのことをよく知るダパーンにとってユリウスのその言葉は、ダパーンの逆鱗に触れた。
『さぁ、続きを始めようか。パンダィン。どちらかが死ぬまでこの決闘は終わらない』
「……けるな…」
するとアンジェリカがダパーンの変化をいち早く察知する。
「カナタ!よせ!!」
「ふざけんじゃねえぞこのクソ王子があぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「「「!?」」」
その場にいた全員が驚愕した。ダパーンが突然豹変したのだ。
「気持ちを察しないだと!?アンジェ様の気持ちを察せない奴が気持ちを察してなんて言ってんじゃねえ!!何が王族に生まれたくなかった、だ!!俺達は女子に話しかけただけで突き飛ばされたり、ただのパシリのように扱われたりで!!この惨めな気持ちがわかるか!?わからんだろうな!!てめぇは毎日女共にキャーキャー言われてるんだからよぉぉぉぉぉ!!!」
『パンダィン…お前…』
ユリウスはダパーンの豹変ぶりに唖然とし、アンジェリカは遅かったかと言いたげに手を顔に当てる。するとオリヴィアが聞いてくる。
「カナタさん、一体どうしちゃったんですか…!?」
「カナタは怒ると礼儀を忘れて罵詈雑言を浴びせる困ったところがある。しかも今回は殿下に対して…!」
ダパーンの放った言葉は男子達の心に響いており、うんうんと頷く者もいれば泣き出す者もいた。
「へぇ…カナタも言うなぁ…」
『実感がこもっていますね』
リオンとルクシオンも関心していた。
「ハァ…ハァ…失礼、取り乱しました…」
ダパーンは落ち着きを取り戻したのか、いつもの口調に戻った。そしてゾンビバックルを取り出した。
SET
DUAL ON
ZOMBIE & BOOST
READY FIGHT!
「これで決める」
ダパーン ゾンビブーストフォームはブーストバックルのグリップを二回ひねる。
BOOST TIME
すると巨大な墓石が現れ、そこから四本のバーサクローが現れるとユリウスの機体を拘束する。すると墓石にこの世界の言葉でユリウス・ラファ・ホルファートと言う名前が刻まれた。
『な、なんだこれは!?』
ユリウスは抜け出そうともがくが、バーサクローは放そうとしない。そしてダパーンはブーストバックルのグリップをもう一回ひねった。
ZOMBIE BOOST GRAND VICTORY
拘束されたユリウスに向ってライダーキックを放った。
ドオオオォォォォン!!
『ぐあああああああああああ!!』
ユリウスの機体はバラバラに大破し、勝負がついた。
「…安心してください。加減はしておきましたから」
『しょ…勝者、パンダィン!!』
すると周囲が悲鳴を上げる。リオンとダパーンが勝つとは思ってもみなかったのだ。
◇
アンジェリカはユリウスとの最後の会話を交わし部屋を出るとそこにはカナタがいた。
「カナタ…」
「アンジェ様…実は俺は前々から思っていたのです。殿下は貴方に見向きもしてないから諦めた方がいいと。ですが、貴方のことを思うと言い出せなかった…」
「いや、いいんだ。今回のことでようやく決心がついた。……カナタ」
「…なんでしょう?」
「こんな不甲斐ない私だが…ついてきてくれるか?」
カナタはフッと微笑み、
「貴方がお望みなら、どこまでも…」
その光景をリオンとオリヴィアが静かに見守っていた。
どうも作者です。モブせかってアニメと原作で色々違うところがあるんですねぇ…。特にブラッドとの決闘はかなり違っていて驚きました。ダパーンニキはアンジェリカのような存在がいたから闇堕ちを回避できたと言っても過言ではありませんね。次回はシロー編いきます。
ダパーンニキ
実はアンジェリカに思いを寄せているが身分が違い過ぎるし、王子の婚約者でもあったため、それは叶わないと思っているが、出会えてよかったと思っている。もしそうでなければ今頃ギャングライダーズになっていたかもしれない。
アンジェリカ
色々可哀想な人。ダパーンニキのことは頼りに甲斐があると信頼は厚い。ダパーンニキ対して信頼とはまた別の感情が目覚めつつある…?