仮面ライダーギーツ アナザーワールドジェネレーションズ 作:Naniro
「いくぜレンチス!」
「…来い」
ハイリヒ城では今、バッファとヴァルバラドがぶつかり合っていた。ゾンビブレイカーとヴァルバラッシャーが火花を散らす。
「すげえ!あのレンチスさんと互角じゃねえか!」
龍太郎は2人の戦いを見て興奮しており、他のクラスメイト達やケミー達も盛り上がっていた。だが、光輝だけは顔を顰めながら見ていた。
DUAL ON
ZOMBIE NINJA
READY FIGHT
ゾンビニンジャとなったバッファはスピードで勝負に出たようだ。ヴァルバラドはならばこちらもと、ガッツショベルのカードを取り出す。
「少し本気を見せてやろう」
『ガーッツ!』
ガキン! GUTSSHOVEL! ゴキン!
ヴァルバラッシュ!
TUNE UP! GUTSSHOVEL!
ヴァルバラドの左腕にショベルバーサークが装備され、ガッツショベルカスタムとなる。
「レンチスさんもこんなことができたのね…」
雫はヴァルバラドのカスタムに目を見開く。
ZOMBIE NINJA VICTORY
「オラアアアアアアアア!!」
バッファはスピードと共にヴァルバラドに強烈な一撃を叩き込むが、ヴァルバラドのショベルバーサークがそれを受け止めた。
「嘘だろ!?」
「なかなかやるな。クラスメイト達の中じゃお前が一番強いと言える。だが…」
SCRAP
「まだまだだ!」
ヴァルバラブレイク!
すると、ヴァルバラドのショベルバーサークが黒い炎に包まれ、バッファに叩き込まれた。
ドォォォォォォォン!!
「ぎゃああああああああ!?アチチチチチチィー!?」
バッファは黒い炎に包まれて悶える。
「しまった!つい本気になり過ぎてしまった!」
ヴァルバラドはやってしまったと慌てる。バッファは即座に変わり身の術で黒い炎から抜け出した。ヴァルバラドは即座にバッファに駆け寄る。
「大丈夫か!?すまない、強くやり過ぎた」
「だ、大丈夫だ、このくらい…アチチ!」
「無理するな。治癒師!治癒師はいるか!?」
バッファは治癒師達に回復魔法をかけてもらう。すると雫がヴァルバラドに近づく。
「レンチスさん、今のって…」
雫に先程の黒い炎について聞かれ、ヴァルバラドは少し黙り込んだ後、話し出す。
「俺の技能の1つ、黒い炎だ。かなり強力で制御が難しくてな対人戦では使わないようにしてるんだが、勝手に出て来てしまうときもある。どうにか制御できるようにしようとはしてるんだが…」
どうやら彼には黒い炎というとてつもない力があるようでそれの制御が難しいようだ。すると、今度は光輝が近づいてくる。
「随分と危険な力ですね、それこそ俺達を傷つけてしまうのでは?さっきの吾妻のように」
「…何が言いたい?」
「つまり、貴方のような力を持った人は危険な存在だと言いたいのです。その力で俺達や弟であるテュークを傷つけてしまうかもしれない。だから──」
「戦いから身を引けとでも言いたいのか?そんなことなら最初からとっくに身を引いている。それに人を殺す覚悟すらないくせに戦場に出るお前に言われたくないな」
「そ、それは…」
「いつからお前はそうやって人に対してものを言うようになったんだ?俺を陥れたいのか?悪人に仕立て上げたいのか?」
「そ、それは違います!」
「…自分ができないからって人に当たるな。醜いぞ」
ヴァルバラドはその場から去ろうとする。すると兵士が慌ただしく入ってきた。
「ジャマトです!ジャマトが攻めてきました!」
「一応テュークにケミーを貸してもらうか…」
◇
その頃、グリューエン大砂漠の中を車で移動中のハジメ達はオルクス大迷宮での出来事を話していた。
「え?ユエちゃんってオルクス大迷宮にいたの?」
「なんだテューク。ユエがいるってことを知らなかったのか?」
テュークはユエがオルクス大迷宮にいたことを知らなかったそうだ。
「ハジメ君達のいうでかい扉っていうのは見かけなかったよ。俺も足を滑らせて深い所まで落ちたからな。もしかしてその時に通りすぎちゃったかも。なんか申し訳ないな」
「大丈夫、私は気にしてない。ハジメも最初は私を見捨てようとした」
「うっ…」
ユエに痛いところを突かれたのかハジメは顔を顰める。すると、ホッパー1が騒ぎだす。
「ホッパー!」
ホッパー1が指さす方向には、砂漠の中に生い茂る緑があった。
「まさかあれって、オアシス!?」
オアシスがあることに香織は目を見開く。すると、香織がテュークから渡されたゲキオコプターが反応する。
『オコオコ!』
『ふむ、ゲキオコプター曰く、そこには仲間がいるらしい。どうやらゲキオコプターは前にそのオアシスに身を寄せていたことがあるみたい』
ゲキオコプターの言葉をクロスウィザードが通訳する。
「ハジメ君!オアシスに向かってくれ!!」
テュークは運転しているハジメのハンドルを取ろうとする。
「おいやめろ!わかったわかったから!まあ丁度休憩したいと思ったしな」
◇オアシス◇
オアシスに着いたハジメ達はテントを立てていた。
「ここがオアシスか…人が住んでる気配はないが、水が綺麗だな」
「本当だね~」
ハジメと香織はオアシスの水で手を洗っていた。するとホッパー1が反応を示す。
「ホッパー!」
「どうしたホッパー1」
「ホッパホッパー!」
ホッパー1は付いて来てとでもいうかのように手招きしていた。着いていくと、そこには1人の青年が倒れており、その周りには複数のケミー達が看病しているようだった。
「ケミー達とそれに誰か倒れている!?」
「ホッパー!」
「「「!!」」」
ホッパー1が声をかけるとケミー達はこちらを向く。
「デンジ…!」
アーティファクトケミーレベルナンバー1 ライデンジ
「ジャン!?」
プラントケミーレベルナンバー9 ジャングルジャン
「ゴリー…?」
アニマルケミーレベルナンバー8 ゴリラセンセイ
「バーニング!」
プラントケミーレベルナンバー2 バーニングネロ
「サボ~?」
プラントケミーレベルナンバー4 サボニードル
「ホーク!!」
アニマルケミーレベルナンバー6 ホークスター
「ゲンゲン…!」
インセクトケミーレベルナンバー3 ゲンゲンチョウチョ
「バレット!」
ジョブケミー レベルナンバー7 バレットバーン
そしてケミー達はティークが腰に巻いているガッチャードライバーに気付くと歓声を上げた。
「なんだ?まるで喜んでいるようだが…」
ハジメ達が困惑しているとクロスウィザードが説明する。
「ガッチャードライバーの継承者が現れたからだよ。僕達はかつて先代の継承者と共に戦ってきたからね。僕達ケミーだけじゃ力不足でも、解放者と共に今まで乗り越えてきたんだ。まあ、邪神を討つことは叶わなかったけどね…。ドライバーが継承されただけでも希望が見えてきたんだよ」
クロスウィザードは少しうつむき、悲しそうな感じになる。ハジメ達はこれ以上は深堀しないでおいた。すると香織が倒れている男に近づき、容体を見る。
「これって、魔力暴走!?摂取した毒物で体内の魔力が暴走しているの?」
「ゴリー…」
「ゲンゲン…」
「…なんて言ってるの?」
香織はクロスウィザードに通訳をお願いする。クロスウィザードはカードから出て、ケミー達の言葉を伝える。
「砂漠の真ん中で倒れていたからここまで運んだけど最初からこの状態だった。自分達だけじゃどうしようもできないって…」
クロスウィザードは青年を見ると苦しそうに呼吸を荒くしていた。するとハッとなり、香織に声をかける。
「もしかして…。香織、
「え?できるけど、どうして?」
「この人の魔力を廻聖で影響が和らぐ程度まで抜いてほしい。それで応急処置ができる。僕はこの症状に1つ心当たりがある。ちょっと調べたいんだ」
「わ、わかったわ」
「ん?状態異常の解除じゃダメなのか?」
ハジメは何故状態異常系の回復魔法ではダメのかを聞く。クロスウィザードは自分が持っている本を開き、調べながら答える。
「恐らく、それじゃあほとんど効果がないかもしれない。これはちょっと質が悪いものだね…」
クロスウィザードが調べている間、香織は廻聖で青年の魔力を症状を和らげる。すると青年の呼吸は落ち着き、目を覚まし、香織を見る。
「女神?そうか、ここはあの世か…。あぁ、女神よ…」
「いやあの世じゃないから、あんたまだ死んでないから」
青年のとんだ勘違いにテュークが突っ込んだ。
◇
「ケミーさん達がいっぱいなの~」
「リッパ~」
ジョブケミーレベルナンバー1 オドリッパ
「カマカマ~」
インセクトケミーレベルナンバー9 カマンティス
「カニ~!」
アニマルケミーレベルナンバー3 メカニッカニ
「スマホーン!」
アーティファクトケミーレベルナンバー8 スマホーン
「ベロベロ~!」
オカルトケミーレベルナンバー2 ベロソル
「ナーンモナイト」
エンシェントケミーレベルナンバー1 ナンモナイト
「オジ~」
エンシェントケミーレベルナンバー4 オジーラカンス
「チャマー!」
プラントケミーレベルナンバー6 ウツボッチャマ
「エンジェリー…!」
オカルトケミーレベルナンバー4 エンジェリード
ミュウはケミー達と仲良くなり、一緒に遊んでいた。一方ハジメ達は目が覚めた青年から話を聞いていた。
「まず、助けてくれた事に礼を言う。本当にありがとう。あのまま死んでいたらと思うと……アンカジまで終わってしまうところだった。私の名は、ビィズ・フォウワード・ゼンゲン。アンカジ公国の領主ランズィ・フォウワード・ゼンゲン公の息子だ」
「アンカジ公国だと?」
「海上の町、エリセンから海産物を運ぶための要所ですね」
「ん。エリセンはミュウの育った町」
「そうか、確かエリセンは海人族の住む町だったな」
「ご主人様、アンカジといえば、妾達が立ち寄ろうとしてた町じゃが…」
「あぁ、そうだ。その町が何だかヤバいことになってるみたいだな。詳しく聞かせてもらおうか」
ビィズは咳払いしつつ語りだした。アンカジで原因不明の高熱を発し倒れる人が続出したこと、患者は日に日に増え、医療機関は飽和状態であること、原因は飲み水に魔力の暴走を促す毒素が含まれていることがわかり、アンカジのオアシスそのものが汚染されていたこと、
「しかもグリューエン大火山には、”火山の主”と呼ばれる怪物の縄張りで入ったものを恐ろしい声で威圧し、さらには”炎の魔物”という魔物を従えていて、それをけしかけてくるのだ。そのせいで静因石を取りに行った冒険者達が返り討ちに遭ってしまっている」
ビィズはしばらく黙り込んだ後、意を決して再び口を開く。
「…君達に、いや、貴殿達にアンカジ公国領主代理として正式に依頼したい。どうか、私に力を貸して欲しい」
そう言ってビィズは深く頭を下げた。その場に静寂が降りる。いつの間にか、ケミー達も集まってきていた。全員の視線がハジメを向く。決断はハジメに任せるということなのだろうが、ユエとティオ以外は、皆、その眼差しの中に明らかに助けてあげて欲しいという意思が含まれていた。
「パパー。たすけてあげないの?」
ミュウの純真な眼差しにハジメは断りずらくなってしまう。どっちみち、アンカジには寄るんだしついでという形で引き受けることになった。
「ところでさっきから気になっていたのだが、この生き物達はいったい…」
「彼らはケミー、錬金術によって生まれた。奇跡の生命体さ」
ビィズはケミーのことが気になっており、それをテュークが簡単に説明する。
「錬金術!?つまりこの生き物達は人工生命体なのか!?そんなことが…」
「バクオーン!!バクオーン!!」
インセクトケミーレベルナンバー4 バクオンゼミ
「な、なんだ!?」
突如慌ただしくやってきたバクオンゼミにクロスウィザードは通訳する。
「サンドワームが…攻めてきた…?」
「サンドワームじゃと!?」
サンドワーム、グリューエン大砂漠のみに生息するミミズ型の魔物で体長は平均でも20メートル、大きいものでは100メートルまでにもなる大型の魔物で地中に潜行し、得物が近くを通ると真下から大口を開けて襲い掛かる。そんなサンドワームが大群で攻めてきたのだ。ティオ曰く、サンドワームはこんな真似はしないとのことだが考えている暇は無い。
「迎え撃つぞ!」
ハジメがそう叫ぶと全員が臨戦態勢に入る。ケミー達も参戦してくれるようだ。すると、テュークの元にライデンジとジャングルジャンがやってくる。
「デンジ!」
「ジャン!」
「ん?どうしたの?」
すると、クロスウィザードが通訳する。
「テューク!ライデンジとジャングルジャンは自分達を使ってほしいって!このオアシスはみんなで作り上げた憩いの場だから!」
「そうか!わかった!いこう!」
テュークはブランクカードを2枚取り出し、かざすとライデンジとジャングルジャンはカードに入っていった。そしてガッチャードライバーにセットする。
JUNGLEJAN!
RAIDENJI!
「変身!」
ガッチャーンコ!
ライトニングジャングル!
仮面ライダーガッチャード ライトニングジャングルがここに誕生した。
「なんかすげえずんぐりで動きにくそうだな…」
ハジメはライトニングジャングルに対して微妙な反応だった。
「おいおい、ずんぐりだからって戦えない訳じゃないぜ!」
ガッチャードは腕部にあるライトニングブランチを蔓のように伸ばし、鞭のようにサンドワームを攻撃する。そこに電撃の追加攻撃も重なり、サンドワームは怯む。
「なるほど、そういう戦い方か。テューク!俺達が俺達がサンドワームを1ヵ所に集める!そこで大技で一気に倒せ!」
「わかった!」
「ユエ!シア!ティオ!テュークを援護するぞ!サンドワームを1ヵ所に集めろ!」
「ん!」
「了解ですぅ!」
「うむ!」
「ケミー達も力を貸して!」
ガッチャードの掛け声でケミー達はサンドワームを1ヵ所に誘導し始める。スケボーズはユエを乗せ、ゴルドダッシュはシアを乗せ、ティオはスチームライナーの頭に乗る。
「スケボーズ、このサンドワームをあっちに誘導」
「スッケボー!」
「このまま引き付けてください!ゴルドダッシュさん!」
「ダーッシュ!」
「スチームライナーよ、こいつを足止めするぞ」
「スチーム!」
ハジメはバレットバーンと射撃しながらサンドワームを誘導していた。
「バレットバーン!」
「お前、ガンマンなだけに射撃上手いな」
そして、すべてのサンドワームが1ヵ所に集まり、準備が完了する。
「今だテューク!やれ!」
ハジメの合図にガッチャードはガッチャードライバーを操作する。
ライトニングジャングルフィーバー!
ガッチャード ライトニングジャングルがワイルドモードに変形するとサンドワームを取り囲むように巨大なコイルが現れ、高圧電流がサンドワームに襲い掛かる。
ドォオオオオオオン!!
サンドワームは一気に全滅した。この戦いを終始見ていたビィズはこの人達は絶対敵に回してはならないと思ったのだった。
◇
サンドワームとの戦闘を終え、ケミー達を仲間に加えたハジメ達は車でアンカジに向っていると、クロスウィザードが口を開いた。
「汚染の原因が分かったよ」
「本当か?」
「うん、これは魔物の仕業だね。こういう系の奴、過去で何回かあったんだよ。その元凶である魔物を倒せば、オアシスは自然浄化されていく筈だよ」
どうやら汚染の原因はオアシスに潜んでいる魔物が原因らしく、そいつを倒せば汚染は止まり、自然浄化されていくのだという。
「詳しいんだな」
「伊達に魔物と相手していないからね」
◇アンカジ公国◇
アンカジに着いたハジメ達は早速領主に接触し、オアシスの場所まで案内させてもらう。そこでハジメが取った行動は…。
「ダイナマイト漁かよ」
テュークが静かに突っ込んだ。ハジメはオアシスに手榴弾を投げまくり、魔物をあぶりだそうとしていたのだ。そして、スライムのような魔物が姿を現した。そのスライム型の魔物には核のようなものがあった。
「あれが弱点か!」
テュークはガッチャージガンを取り出し、カマンティスのカードをスキャンする。
KAMANTIS!
ガッチャージバスター!
ガッチャージガンから斬撃が発射され、スライム型の魔物の核を切り裂き、魔物は沈黙した。ハジメ、ユエ、ティオが目を見開きながらテュークを見る。
「テュークお前、何だその銃は」
「これはガッチャージガン、ケミーカードをスキャンすればケミーの能力も使える銃さ」
「ガッチャージガンって、もっといい名前無かったのか?」
「ドンナーとかシュラークとか厨二っぽい名前付けてる人に言われたくないね」
◇
オアシスの件が済み、ハジメ、ユエ、シア、ティオ、テュークはグリューエン大火山に向かい、香織は患者の治療をするためにアンカジに残り、ミュウも香織と共に残ることになった。
「私も頑張るから…無事に帰ってきてね。待ってるから…」
「あ、あぁ」
すると、ミュウが口を開く。
「香織お姉ちゃん、さっきのユエお姉ちゃん見たいなの~。香織お姉ちゃんもパパとチュウするの~?」
香織はその言葉に反応する
「!?」
「したんですか!?」
「おや? 見えておったのか、ミュウよ?」
「ミュウもパパとチュウしたいの~」
「ミュウは、もっと大きくなってからじゃな」
「えぇ~」
「まったく、人前なのによくもまあこんなことが堂々とできるもんだ」
シアはずるいと言いたげにハジメを見つめ、テュークはジト目になりながら呆れた。すると香織がハジメの胸ぐらを掴む。
「…どういうことかな、かな? ハジメくん達は、お仕事に行ってたんだよね? なのに、どうしてユエとキスしているのかな? どうして、そんなことになるのかな? そんな必要があったのかな? 私が、必死に患者さん達に応急処置している間に、二人は、楽しんでたんだ? 私のことなんて忘れてたんだ?むしろ、二人っきりになるために別れたんじゃあないよね?」
ハイライトが消えた目で見つめてくる香織にハジメは冷や汗をかく。するとゲキオコプターが出て来て香織を宥めようとする。
『オ…オコオコ…』
「ゲキオコプター君は黙っててもらえるかな?」
『オ…オコ…』
ゲキオコプター、撃沈。するとユエはにこりと笑いながら…
「美味だった」
と告げた。
「あは、あははははは」
「ふふ、ふふふふふふ」
香織とユエの不気味な笑い声が響く。するとテュークが何か思い出したかのように香織に話しかける。
「そうだ香織ちゃん、さっき兄ちゃんから連絡があって、なんでもハイリヒ城にジャマトが攻めてきているらしいんだ。それでゲキオコプターを貸してほしいみたいなんだ。いいかな?」
「え!?ハイリヒ城に!?それなら構わないわ!」
「ありがとう!ゲキオコプター、兄ちゃんに力を貸してあげて!」
『オコオコ!』
ゲキオコプターは任せろと言いたげに声を上げる。ハジメはテュークに静かにサムズアップしていた。
◇グリューエン大火山◇
火山というだけはあって、砂漠以上の灼熱がハジメ達を襲う。この過酷な暑さでは素人は簡単にくたばってしまうだろう。だが、ティオだけは平気そうだった。するとシアが口を開く。
「グリューエン大火山には確か火山の主と炎の魔物がいて迷宮に入った人達を追い返してしまうってビィズさんが言ってましたね」
「そういえばそんなこと言っていたな」
「詳しく聞いてみたんですが、炎の魔物は体全体が炎に包まれていて、四足歩行で頭に3本の角、背中に炎の翼、茨のような尻尾が何本もあるって言ってました」
「何とも変わった姿だな」
「火山の主は、影が見えた時に巨大な口があったということしかわかってないんです」
「どっちにしろ邪魔をするなら殺すだけだ」
「相変わらず物騒なこと言うなー、ハジメ君は」
そんな会話をしていると入り口にたどり着く。
「ここが入り口か。いくぞ」
「ん!」
「はいですぅ!」
「うむ!」
「……(頷き、ガッチャードライバーを装着する)」
5人はグリューエン大火山に足を踏み入れ、階段を下りていく。そして階段を降りきったその時だった。
「れーーーーーーっくすーー!!」
突如何かの咆哮が響き渡った。
「今のは…」
「火山の主、だろうな」
すると先へ進む道が炎で塞がれる。ハジメ達は円陣を組んで警戒する。そして巨大な炎が現れたかと思いきや、その炎は形作っていった。
「あれは…さっきシアが話してた炎の魔物と特徴が似ている…」
「じゃあ、あれが炎の魔物…!」
「けらー!!ろーず!!ふぇにっくす!!まるす!!」
炎の魔物は咆哮を上げる。シアが話した通り、体全体が炎に包まれており、四足歩行で頭に3本の角、背中に炎の翼、茨のような尻尾が数本あった。そして球体の炎が炎の魔物の周りを回っている。
「炎の魔物…一筋縄ではいかなさそうだな」
HOPPER1!
STEAMLINER!
「変身!」
ガッチャーンコ!
スチームホッパー!
「僕も参戦するよ!」
ハジメ、ユエ、シア、ティオ、ガッチャード、クロスウィザードは炎の魔物と対峙する。戦いの火蓋は火山の主の咆哮によって切られた。
「れーーーーーーっくすーー!!」
というわけで次回、グリューエン大火山編中編です。そしてレベルナンバー10も……
本日のケミー達
オアシスのケミー達
皆で作った憩いの場。アンカジのオアシスとはまた違う。ジャングルジャンの能力とゴリラセンセイの知識が活躍した