仮面ライダーギーツ アナザーワールドジェネレーションズ 作:Naniro
◇???◇
エースはショータにギャングライダーズが狙っていることを伝える。ショータはそれを聞いて激しく動揺する。コウヘイはショータを宥める。
「落ち着けショータ、そのためにお前の所に来たんだ」
「……なぜ俺を?どうして狙ってくる?」
ショータは小声でそう問いかけてくる。
「お前もライダーの力を持っているからだ」
「……これが?」
ショータは服をはだけさせ腹を見せる。そこには赤い口のようなものがあり、左には手回しハンドル、右にはボタンという奇妙な器官があった。ショータはをそれをすぐしまう。
「……コウヘイ、こういうライダーは知らない」
「まあ、お前は平成までしか知らないから無理もないな」
◇
ショータを帰らせ、エースはコウヘイに問う。
「お前、あいつの知り合いか?」
「前世の友人だ。あいつは仲の良かった女の子が辱しめられて殺害されてあいつ自身も犯人達に責めて一矢報いようとして死んだんだ…」
「そうか…。あの力を持っているということは、グラニュートもこの世界にいるのか?」
「いるらしい。だがあいつ自身は自分が何者かわからないとのことだ。ただ、グラニュートの老人に引き取られて可愛がられていたが、同族に狙われるようになり、老人が決死の覚悟で逃がしてくれたらしい。それこの地球にやって来て結城家に拾われたんだと、あいつもあの老人を祖父と慕っていたらしいしな…」
エースはショータの過去を知り、これ以上は何も言わなかった。すると亡が口を開く。
「彼は自分の出自を知りません。気がついたら記憶がない状態で老人に引き取られており、転生者だと自覚したのは地球に来てからだそうです」
「……しばらく様子を見てみるか。ジオウの方はどうだ?」
「ゼロワンの世界にキバがいたらしい。ゼロワンに招待状を出してきた。今はそこに向かっている」
「ゼロワンの…!?」
◇
◇ハイリヒ城◇
日は落ちて夜になり、猛はレンチスを探し続けるがどこにもいなくて困惑する。すると香織、ユエ、シア、リリアーナがやって来た。
「猛君!レンチスさんはいた!?」
香織がそう聞くが、猛は顔を横に振る。何がどうなっているのだろうと思ったその時だった。
ガッシャーン!!
「きゃああああああ!!」
「な、なんですかー!?」
「……っ!?」
城の窓が一斉に割れ、猛達は何事かと外を見る。窓の外には光の粒子が雪のように降っていた。それを見たリリアーナは愕然とする。
「そんな……、結界が破られた……!?」
「なんだと…っ!?」
なんと王都を囲う結界が破られてしまったのだ。これには猛達も驚きを隠せなかった。
「どうしてこんなに脆くなっているのです……!?これではすぐに...」
リリアーナがそう言いかけた時、エクシードファイターがやってきた。
「エクシード!」
「どうした?エクシードファイター」
「エクシード!ファイター!」
するとエクシードファイターからひょっこりとテレヴィが出てきて映像を写す。そこにはグリューエン大火山で出会ったフリードがいた。
「テレヴィ~」
「なるほど、あいつも来てるんだ」
ユエは険しい表情になり、窓に身を乗り出す。
「おい、どこ行くんだ?」
「あいつはハジメを酷い目に遭わせた。私はあいつをぶん殴りにいく。ここからは別行動」
「だったら私もいきます!」
シアもユエに便乗して戦いにいくようだった。猛は溜め息をつきながら頭を掻く。
「しょうがねえな。俺もいってやる。リリィ、香織、コイツらを連れてけ。エクシードファイター、手伝ってくれ」
「エクシード!」
猛はリリィと香織にゲキオコプター、テンフォートレスを渡すと、エクシードファイターに乗ってユエとシアと共に外に飛び出していった。
◇ハルツィナ樹海◇
一方ハルツィナ樹海にある大迷宮に時計のようなケミーが静かに佇んでいた。
「タイム…、ターイム……」
アーティファクトケミーレベルナンバー7 タイムロード
時計のケミー、タイムロードは自身の能力を使って未来予知をしていた。そして見えたのは世界を滅ぼさんとする金髪で赤目の女性だった。
「タタ、ターイム!!」
タイムロードは取り乱し、周囲にいた他のケミー達が何事かと駆け寄ってくる。
「ヤミ…?」
アニマルケミーレベルナンバー1 ヤミバット
「クル?」
ビークルケミーレベルナンバー1 スパイクル
「パク~?」
エンシェントケミーレベルナンバー3 パクラプター
「ヴィーナ?」
コズミックケミーレベルナンバー2 キンキラヴィーナ
「グリフォン…?」
ファンタスティックケミーレベルナンバー8 ギングリフォン
「ターイム!ターイム…!!」
タイムロードは他のケミー達に事情を説明するとヤミバットが叫ぶ。すると巨大ロボットのようなケミーが現れた。
「レンキン!」
アーティファクトケミーレベルナンバー9 レンキングロボ
レンキングは手を差し出すとその上にケミー達が乗り、全員が乗ったことを確認すると、レンキングロボは飛び上がった。
◇
◇王都◇
王都では魔物の大群が進行しており、周囲に被害をもたらしていた。上空には鳥のような魔物に乗った魔人族達がおり、その先頭には白竜に乗ったフリードがいた。
SET
SET
「変身!」
DUAL ON
NINJA ZOMBIE
READY FIGHT
バッファ ニンジャゾンビフォームとなり、エクシードファイターと共に魔人族を迎え撃つ。すると、鳥型の魔物に乗った1人の魔人族の男が血眼になりながらバッファに突撃してきた。
「うおおおおおおおお!!」
「……っ!」
バッファはニンジャデュアラーを振るい、軽くあしらう。すると魔人族の男が怒号を上げた。
「貴様が…!貴様がカトレアを殺したのかっ!!」
「カトレア?そんな奴は知らねえ」
「とぼけるな!!赤髪の魔人族を覚えているだろう!!貴様らがオルクス大迷宮で殺した女だ!!彼女は俺の婚約者だった!!」
「……あいつか」
バッファはオルクス大迷宮の時に対峙した魔人族の女を思い出す。そして懐からロケットペンダントを取り出すと魔人族の男に投げ渡す。
「これは…!カトレアの…!」
「あの魔人族の女にトドメを刺したのは……俺だ!!」
それを聞いた魔人族の男はより憎悪の表情になり、目が血走る。
「貴様あああああああ!!」
「ユエ、シア、ここは任せる。俺はあいつをやる」
「わかった」
「了解ですぅ!」
バッファは魔人族の男にかかってこいと手招きをする。
「……こい。その恨み、ぶつけてくるがいい」
バッファはエクシードファイターと手分けして魔人族達の相手をする。魔人族の男も負けじと魔法でバッファを撃ち落とそうとする。
「カトレアの仇だああああ!!」
「……」
バッファはニンジャフォームの機動力を活かして魔人族の男の攻撃を避けながら徐々に距離を積めていく。エクシードファイターは自慢の超高速飛行で魔人族達を翻弄する。
「エクシード!ファイター!!」
「なんだこいつは!?」
「速すぎて見えん!?」
そして気付かぬうちに次々と落とされていく。魔人族の男も指示を出そうとするが、バッファがそれを許さない。
「貴様ぁ……!!」
「悪いな、お前の使命も重いだろうが、こっちだって愛する人を守らなきゃならねえんだよ!!」
NINJA ZOMBIE VICTORY
「オラァ!!」
ドォオオオオオオン!!
「がああああああ!?」
バッファのニンジャゾンビビクトリーにより、騎乗していた魔物は倒され、魔人族の男は地に落ちる。
「うぅ…、こんなところでっ……!」
痛む体に鞭を打って立ち上がろうとすると、バッファがニンジャデュアラーを突きつけてきた。
「あっ……!」
「……勝負ありだ」
「なっ…、舐めるなあああああ!!」
最後の足掻きと言わんばかりに魔人族の男は魔法を撃とうとするが、バッファの一太刀が魔人族の男を切り裂いた。
「がはぁ…!?」
致命傷を負った魔人族の男はその場に倒れる。するとバッファが近寄り、腰を降ろす。
「最後にこれだけは言っておいてやる。あの魔人族の女は、最期までお前のことを想っていたぞ」
「カト……レ…ア…」
魔人族の男は愛する人の名を呟きながら静かに息を引き取った。バッファはその場に立ち尽くしているとエクシードファイターが駆け寄ってくる。
「エクシード…」
「なんでもない。いくか」
バッファはエクシードファイターと共にユエとシアと合流する。ユエとシアはかなり不機嫌そうにしていた。バッファは状況を察する。
「仕留め損ねたか」
「はい、負傷させることはできたんですが逃げられてしまいました」
「……」
ユエは険しい表情をし、絶対仕留めてやると言わんばかりの感情が見て取れた。
◇
◇神山◇
「私はノイント、イレギュラーと反乱分子であるあなた方を排除します」
ハジメ達は神山の聖教教会に囚われていた愛子を助け出したが、ノイントと名乗る背中に白い翼を持った天使を思わせる女性が立ちはだかった。
「ハジメ君、奴は神の使徒、つまりエヒトが差し向けた人形だ!遂にハジメ君まで排除対象に入れられたのか!」
「問題ねえ!邪魔するならぶっ殺すだけだ!」
ノイントは羽をハジメとテュークに向かって飛ばしてきた。ハジメはドンナーとシュラークで、テュークはガッチャード ニードルホークに変身してトゲを飛ばして相殺する。
ニードルホークフィーバー!
ガッチャードはワイルドモードに変形してノイントに突撃する。吹っ飛ばしたは良いものの、ノイントは翼で防御体制を取ったため、効果はイマイチだった。
「クソ!天使みたいな見た目しやがって!」
「エンジェリードの方が余程天使らしい導きをしてくれるからお前の導きなんかいらない!!」
◇
一方、聖教教会の周りを飛び回っているのはティオ、彼女の背中には愛子、アルガン、ジャスティンが乗っており、愛子は手の甲に魔法陣を書いていた。その行動にジャスティンが聞いてくる。
「畑山愛子、本気なのか?」
「何もしないよりはマシです!微力ながらも、南雲君達の力になってみせます!」
『その意気じゃ!ギガバハム、妾達もいくぞ!』
「バハム!」
◇
聖教教会の地下にて、蒼汰はビートルクスと同じ牢屋の中に入れられていた。否、入れられたのではない。わざと教会の連中に降伏し、自ら牢屋に入ったのだ。ビートルクスは蒼汰の心配をする。
「ビ、ビートルクス……」
「心配ない。そろそろこの教会は崩壊するだろうから」
「ビ、ビートル?」
ドォオオオオオオン!!
突如、轟音と共に地下牢が大きく揺れた。すると、ビートルクスを拘束していたアーティファクトが機能停止した。
「ビートルクス…!!」
アーティファクトの機能が停止したことにより、本来の力を取り戻したビートルクスはアーティファクトを破壊し、自由の身になった。
「ビートルクスー!!」
ビートルクスはそのまま飛び上がり、天井に大穴を開けて出ていった。続いて蒼汰もビートルクスが開けた穴を通って脱出した。
◇
一方、愛子達は目の前の光景に唖然としていた。そこに広がるのは瓦礫の山とかした聖教教会、結界も張られて安全対策はバッチリだったはずが見るも無残な光景となっていた。
「まさかガス爆発が結界もろともここまで吹き飛ばしてしまうとはな」
アルガンがそう呟き、愛子はこんなはずではと愕然とする。実は愛子は作農師のスキルの1つである発酵操作で可燃ガスを生成し、それを教会全体に留めさせ、ティオのブレス、ギガバハムのはかいこうせんにより、とてつもないガス爆発を引き起こしたのだ。すると瓦礫の山がボコッと動き出す。
「ん?これだけの威力を前にまだ生きている奴がいるのか?」
ジャスティンが身構えると瓦礫の山が弾け、ビートルクスが姿を現した。
バガアアアアアアアン!!
「ビィィートルクスゥゥー!!!」
「なんじゃ!?」
「赤い…カブトムシ…?」
「あれは、ビートルクスか!」
勢いよく飛び出したビートルクスは解放されたことを喜ぶかのように声を上げる。すると後から蒼汰も出てきた。
「ん?やあ!ジャスティン君、君達も来ていたのかい?」
「貴様、蒼汰か?なぜここに…」
蒼汰はここに至るまでの事情を説明する。地下に隠れていたため、あの爆発の影響も受けなかったと話した。ジャスティンも経緯を説明する。すると愛子がビートルクスに話しかける。
「あの…!えーっと…ビートルクスさん、ですよね…?」
「ビ?」
「お願いがあります!今私の生徒が神の使徒と戦っているんです!助けてあげて欲しいんです!お願いします!」
愛子は頭を下げて懇願する。ビートルクスはノイントと戦闘するハジメとガッチャードを確認し、状況を察する。
「ビートル!ビートルクスー!」
ビートルクスは飛翔するとノイントに向かっていった。唖然とする愛子だが、アルガンがビートルクスの言葉を通訳する。
「解放してくれたお礼にその頼みを引き受けてくれるそうだ」
◇
一方、ノイントと戦闘中のハジメとガッチャードの元にビートルクスが高速で飛んできた。ビートルクスのXの形をした角の先が光り出す。
「
「……!?」
ドォオオオオオオン!!
ビートルクスはノイントに角を突き立てて突進攻撃を仕掛けた。ノイントは咄嗟に翼でガード体制を取るが、そのガードを容易く破り、地面に突き落とした。
「なんだ?カブトムシ?」
『インセクトケミーレベルナンバー10のビートルクスだ!』
ビートルクスはハジメとガッチャードと向き合う。そしてガッチャードライバーを確認し、目を輝かせた。
「…一緒に戦ってくれるのか?」
「ビートル!」(頷く)
するとノイントが戻ってきた。さっきのビートルクスの攻撃がかなり効いたのか、ボロボロの状態だった。
「レベルナンバー10のケミーを確認。排除します」
「排除されるのはてめぇだ」
ハジメはドンナーとシュラークでノイントを撃つ。ノイントは剣で防ぐが、さっきのビートルクスの突進の影響なのか、剣が折れてしまった。
「……っ!?」
「ビートルクスゥゥー!」
ノイントが動揺した一瞬の隙をビートルクスは見逃さない。ビートルクスはノイントを頭部の角と胸部の角で挟み込むとそのまま物凄い勢いで回転する。
「ビィィートルクスゥゥー!!!」
ドォオオオオオオン!!
回転の勢いと共にビートルクスはノイントに地面に向って思いっきり叩きつけた。
CATCHULA!
TRICERA!
ガッチャーンコ!
トライキャッチャー!
すかさずガッチャードがトライキャッチャーワイルドモードにフォームチェンジし、ノイントの四肢を糸で拘束する。
「ハジメ君!やっちゃって!!」
「サンキュー!!」
ハジメはパイルバンカーを出し、ノイントの核に突き刺し、そのまま撃ち抜いた。
ドォオオオオオオン!!
「イレ……ギュラー……」
ノイントはそう呟くと、二度と動かなくなった。神の使途を撃破したハジメ達は、聖教教会だった場所にいたティオ達と合流する。すると、スキンヘッドで半透明の男が現れた。
「あんた、誰だ?」
『ラウス!!』
『……ラウス・バーン。解放者の1人だ』
クロスウィザードとタマゴンは半透明の男は解放者の1人であるラウス・バーンだと説明した。ラウスはある場所に指をさす。すると瓦礫がどかされ、魔法陣が現れた。ハジメ達はその魔法陣の上に乗ると別の場所に転移される。そして神代魔法の1つである魂魄魔法を手に入れた。
『魂魄魔法…魂に干渉できる魔法だね。ミレディがゴーレムの体に魂を移していたのも魂魄魔法なんだよ』
「なるほどな」
クロスウィザードの説明を聞いてハジメは納得する。するとティオが口を開く。
「ご主人様よ、急いだ方がよさそうじゃ」
「そうだ!王都が襲撃を…!皆無事だといいのですが…」
「ネルムや兄ちゃんも心配だ」
「だな、ユエとシアとも合流しねえと。猛がいてくれるから大丈夫だと思うが…」
ハジメ達はハイリヒ城に戻るため、攻略の証を回収し、その場を後にする。テュークはスチームライナーを召喚し、全員を乗せる。
「スチームライナー!ハイリヒ城まで全速前進!」
「スチーム!!」
スチームライナーは汽笛を鳴らし、ハイリヒ城に向かって走り出した。
◇
一方、ハイリヒ城では光輝率いる生徒達は訓練場に来ていた。大結界が破られ、魔人族達の進行に対抗しようとメルド達騎士団と合流したが、それは罠だった。突如全員負傷させられ、手錠をかけられて拘束される。
「どういうことなの…?恵里…!!」
「フフフ…、アハハハハハ!!」
なんと罠にかけたのは生徒の1人である中村恵里だった。恵里はメガネを外し、光輝に近づくと彼に首輪を着けた。
「光輝君、捕まえーた♪」
恵里はそう言うと光輝の唇を奪う。そして雫に向き直る。
「こういうことだよ。雫」
「どういうことよ…!」
「うーん?わからないかなぁ?僕はね、ずっと光輝君が欲しかったんだ。その為に必要なことをしただけだよ」
「光輝が好きなら、告白でもすればいいでしょ…!」
雫の言うことは最もだが、恵里はそれを否定する。
「ダメだよ。ダメダメ。光輝君は優しいから特別を作れないんだ。告白なんて意味ない。周りになんの価値もないゴミしかいなくても、優しすぎて放っておけないんだ。僕だけの光輝君にするためには、僕が頑張ってゴミを掃除しないとね。異世界に来られてよかったよ。日本じゃゴミを掃除するのはホント大変だからねえ。もちろん日本に帰るなんて絶対認めない。光輝君は僕と一緒にずっとこの世界で暮らすんだから」
クスクスと笑いながらそう語る恵里に、雫は、まさかと思いながら、ふと頭をよぎった推測を口からこぼす。
「…まさか…っ…大結界が簡単に…破られたのは……」
「アハハ、気がついた? そう、僕だよ。彼等を使って大結界のアーティファクトを壊してもらったんだ」
雫の推測通り、大結界を破壊したのは恵里だった。
「彼等の…様子が…おかしいのは……」
「もっちろん降霊術だよ~。既に、みんな死んでま~す。アハハハハハハ!」
「噓よ!降霊術じゃあ、受け答えが……!」
「そこはホラ、僕の実力? 降霊術に、生前の記憶と思考パターンを付加してある程度だけど受け答えが出来るようにしたんだよ。僕流オリジナル降霊術〝縛魂〟ってところかな?とはいっても、死亡直後に1人ずつしか使えないのはちょっと面倒だけどね。皆の死は無駄にはしないからね。ちゃあんと再利用してあげるから」
すると光輝が声をあげる。
「止めるんだ…恵里! そんな事をすれば……俺は……」
「僕を許さない? そう言うと思ったよ。光輝くんは優しいからね。それに、ゴミは掃除してもいくらでも出てくるし……だから、光輝くんもちゃんと〝縛魂〟して、僕だけの光輝くんにしてあげるからね? 他の誰も見ない、僕だけを見つめて、僕の望んだ通りの言葉をくれる! 僕だけの光輝くん! あぁ、あぁ! 想像するだけでどうにかなってしまいそうだよ!」
すると今度は恵里の親友である谷口鈴が声を張り上げる。
「嘘だよ…。エリリンが…恵里がそんなことするはずない!」
鈴がそう言うと恵里はニヤリと笑い、生徒の1人である近藤礼一に近寄る。そして剣で彼を突き刺して殺害した。
「……!!なんてことを!!」
恵里は近藤に手をかざし、呪文を唱え、縛魂を施すと近藤は他の兵士達と同じように虚無のような表情になりながら立ち上がった。
「は~い、お人形一体出来上がり~」
「恵里…なんで……」
鈴は愕然としながら恵里を見つめていると、恵里は鈴に振り向く。
「ねぇ、鈴? ありがとね? 日本でもこっちでも、光輝くんの傍にいるのに君はとっても便利だったよ?」
「……え?」
「参るよね? 光輝くんの傍にいるのは雫と香織って空気が蔓延しちゃってさ。不用意に近づくと、他の女共に目付けられちゃうし……向こうじゃ何の力もなかったから、嵌めたり自滅させたりするのは時間かかるんだよ。その点、鈴の存在はありがたかったよ。馬鹿丸出しで何しても微笑ましく思ってもらえるもんね? 光輝くん達の輪に入っても誰も咎めないもの。だから、谷村鈴の親友っていうポジションは、ホントに便利だったよ。だからありがと」
「恵里!!あなたは!!」
あまりの仕打ちに雫は怒号を上げる。しかし傀儡と化したメイドが必死にもがく雫の髪を掴んで地面に叩きつける。
「怒ってるね? 雫のその表情、すごくいいよ。僕ね、君のこと大っ嫌いだったんだ。だからね、君には特別に、とっても素敵な役目をあげる」
「っ…役目…?」
「ねぇ? 親友に殺される香織ってどんな顔するのかな?」
その一言で、恵里が何をしようとしているのか察した雫は目を見開く。
「…っ!?ふ、ふざけ…!ごふっ…!あぁ…!!」
踠こうとした雫の背中にナイフが突き刺さる。
「アハ、苦しい? 痛い? 僕は優しいからね。今すぐ、楽にして上げる」
「やめろ!やめてくれ…!恵里…!!」
光輝は恵里に懇願するが、今の彼女にその声は届かない。恵里は兵士から剣を受け取ると、雫の背中に突きつける。
「じゃあね雫。君との友達ごっこは反吐が出そうだったよ」
雫は自分はもうダメだと察し、猛と香織の顔を思い浮かべ、涙を流す。
(ごめんなさい...。猛…、香織…)
恵里が雫に剣を突き刺そうとしたその瞬間、何者かの手が剣を掴んだ。
「「…え?」」
恵理と雫が声が重なり、恵里は顔が真っ青になり、雫は歓喜に満ちた。何故ならそこには仮面ライダーバッファが剣を掴んでいたからだ。
NINJA MONSTER
READY FIGHT
「猛…!」
雫が彼の名を呼ぶとバッファは雫にゆっくりと頷いた。そして恵里の方を向く。
「おい中村、これはどういうことだ?あぁ?」
「あ、吾妻君…!」
「歯ぁ食いしばれやあぁぁぁ!!!」
ドゴォ!!
「がはぁ!?」
バッファ ニンジャモンスターフォームの蹴りが炸裂し、恵里は吹っ飛ばされ、壁に叩きつけられた。
「クソ…!クソ…!オルクス大迷宮で落として死んだと思ったら這い上がってくるし…!なんでお前はこうも僕の邪魔ばかりするんだ!!」
「やっぱりあの時はお前のしわざだったのか。お前は日本にいたときから狂っていた。そして今度はこれか!!もう勘弁ならねえ!!てめぇはここで処刑だ!!」
どうやらバッファは恵里の本性を知っていたようだ。そして恵里はバッファから処刑宣告を受け、ひぃっ、と悲鳴をあげた。
ビートルクス
神山にいたケミー。イシュタルに捕らえられていたが、ティオと愛子のおかげで解放された。ノイントをボッコボコにする程強い。