持たざる者は幻想と共に   作:ゲガント

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キャラクターが増えると途端に難しくなりますね




それでは、どうぞ。


第16話

「んー?………ねーねー出水くん、太刀川さん今何してるっけ」

「確か……なんか緊急の召集があったっつって会議室に連れてかれましたね。食堂で飯奢って貰った時に当真さんから聞かされて思い出したらしいっす」

「えー私も奢って欲しかった~」

 

隊室……と言うには私物等で溢れ返り雰囲気の緩さが顕著な部屋の中、ソファに座って格闘ゲームに興じていた2人……出水公平と国近柚宇はゲームの休憩中に昼頃の話を始めた。

 

「つか、いきなりどうしたんすか?太刀川さんをゲームでボコしたくて仕方なくなったとか?」

「それは今度やるよー。でもこれは別件~、何か太刀川さんからたった今連絡来てね、お客さん連れてくるから模擬戦の準備しとけってさ~」

「……なんか文章の内容が微妙に変っすねそれ」

「さぁ~?でもそんくらいの事しか書いてないから詳しいことは分かんないや~」

 

内容に疑問を持ちながらも自分の隊長の指示に逆らう訳にも行かず、出水は立ち上がって座り続けて固くなった体を解しながら移動する。その途中、置いてあったテーブルに突っ伏している青年の頭を徐に叩いた。

 

「おら~いつまで寝てんだお前~、お客様が来るからシャンとしてろよな~」

「いだっ!?訓練でボッコボコにした後輩にする仕打ちじゃないでしょう!?人権団体に訴えますよ!?」

「うるせぇ、新しい戦法思い付いたとか言って俺に戦い仕掛けてきたのお前だろうがッ」

「いだだだだだっ!?ぼ、暴力、暴力振るいましたね!?」

「そこまで反抗できる元気があるならもうちょい強くしてもいいんだよなッ」

「アバッ!?」

「2人ともうるさーい」

 

反抗してきた青年……唯我尊に出水がヘッドロックを決めた頃、隊室の扉が開いて太刀川が入室してきた。

 

「おーう、戻ったぞ」

「あ、お帰り………」

「グベッ!?」

 

隊長の帰りに声をかける出水だったが、扉の方を見た瞬間に固まり絞め落としていた唯我を離してしまう。足元で唯我が地面に叩きつけられ断末魔を上げるのも意識の外側に追いやり、そしてゆっくりと己の隊長の元へと近づいていく。

 

「………太刀川さん」

「んお?」

「悪いことは言わないっすからさっさと自首してください」

「いきなりなんだよ」

「あからさまに絵面が女子高生に絡むおっさんなんすよ!自分の隊長に言いたくねぇけど犯罪臭が半端じゃねぇ!」

「わー、綺麗系の女の子だ~!初めまして~国近柚宇だよ~」

 

肩をわし掴んで前後に揺らしながらそう叫ぶ出水と、マイペースに自己紹介する国近に若干面食らったように固まる修。これまたマイペースな太刀川は揺らされている事を気に留めることなく話を続ける。

 

「お前ら何おかしな事言ってんだ?こいつ男だぞ」

「だから男だとしても……………へ?」

「ふぇ?」

「三雲修と申します、以後お見知りおきを」

 

さも当然のように明らかにされた事実に固まり、呆然と声を漏らす二人を他所に修は頭を下げながら名前を告げた。己の認識と事実の齟齬に脳が処理落ちしたのか、数秒間ポカンと立ち尽くしていた出水は錆びたブリキのオモチャのようにギギギギキと首を太刀川へと向ける

 

「……も、もうその子トリオン体だったりします?」

「違いますが」

「すご~い!現実の男の娘なんて初めて見た~!写真撮って良い~?」

「別に構いませんが……何か可笑しくなかったですか?」

「来年からの新入りだとよ。入ったらお前も気に掛けてやってくれ」

 

目を輝かせながらパシャパシャと写真を撮り始める

 

「待ってください!新入りというのならまずエリートであるボクが相手を……………………を?」

「んあ?どうした唯我」

「み、三雲くん!?」

 

先程まで沈んでいた唯我が起き上がりながら自分の存在を主張し始めるが、その勢いは修を視界に入れた瞬間に沈静化され目を見開く。しばし沈黙が流れるが唯我の顔を視界に入れた修があ、と声を漏らす。

 

「お久しぶりです唯我さん。その節はどうも」

「何故ここに君がいるんだい!?はッ、まさか太刀川さんに誘拐されて………」

「いえ普通についてきただけですが」

「くそうッ、安心したまえ三雲くん!このボクが何とかして見せるともッ!」

「話聞いて貰えますか?」

「何?お前唯我と知り合いだったのか?」

「精々勤務先の依頼で身辺の警護を担当した位ですね。俺はまだ学生ですし非常勤なので機会は一回程度ですけど……」

「そう謙遜するんじゃない!ボクとキミは友人じゃないか!」

「とまぁ、こんな感じです」

 

自信を持って胸を張る唯我に対し修は特に何も思って居ないようで、その冷淡な表情は一切揺らいでいなかった。

 

「めんどくさいやつに好かれたなぁお前」

「つーか太刀川さん、そいつがさっき連絡してたお客さんってやつっすか?」

「おう!じゃ、早速訓練室入るぞ~」

「へぇ~、太刀川さんが入隊前から相手するって珍しい事もあるんだね」

「随分とまぁいきなりだな~………じゃ、楽しんで来て下さいよ~」

「?何言ってんだよ出水、お前らも来るんだよ」

「…………はぁ?」

「「「お邪魔しまーす」」」

「は、え、は?」

 

 

 

 

 

 

「よーし、んじゃ始めるぞ~」

「まって?」

 

まだ何も設定されていない無機質なままの訓練室の中、やる気満々の太刀川がトリオン体に換装したところで正気に戻った出水が制止する。

 

『どうしたのよ公平くん、もしかして怖じ気付いちゃった?』

「いやいやいやいや、加古さんと嵐山さんとなんか見たこと無い白チビが隊室にいるのもあれっすけどそもそもなんで戦う事になってんの!?」

「そりゃあ、今から訓練だからな」

 

先程入ってきた3人や現状に出水が突っ込むが太刀川はそれを笑って流す。流れについて行けていなかった唯我はようやく現状を理解した様子で急激に顔を青くさせる。

 

「ってことは今から三雲くんと戦うって事ですか!?」

「おう」

「いやいやいやいや、無理です!絶対嫌です!まだボクは死にたくないんだぁ~!!」

「いーだろトリオン体だし。お前も少しは強くなるチャンスだぜ?」

「トリオン体にならずとも暴漢を1秒で張り倒せる人に向かって行くほどボクは無謀じゃないですよ!」

「え、何、あいつそんなに強いの?」

 

普段よりも煩く、そしてそれ以上に臆病な唯我の様子に思わずポカンとしてしまう出水。そんな気の抜けた様子の先輩に唯我は涙目になりながらすがり付いた。

 

「先程三雲くんも言ったでしょう、身辺警護をしていたと!少なくともトリオン体になってもボクがボコボコにされる未来しか見えないんですよ!」

「取り敢えずお前は落ち着けゴルァ!」

「アベシッ!?」

「まぁ今からやるのは俺達対あいつ一人の戦闘訓練だからな、唯我が言ってる事も別に間違ってる訳でもねぇし。まぁごちゃごちゃ言ってるよりもさっさと始めた方がいいよな。国近、訓練室起動しろ!」

『はいはーい』

 

中々に混沌とした状況の中、

 

「んで、お前は何で来る?さっき見せた枝か?それとも別の奴か?」

「先程のEGOは貴方を相手取るには力不足にも程があります。ですのでこちらを

 

幻想模倣 Life for a Daredevil(決死の一生) Exuviae(抜け殻)

 

身に纏っていたお洒落なコートは、即座に「紅の傷跡」へと切り替わり、左手には古びたような刀、右手にはどこか生物的でぬめりがある木のような巨大な銃が握られていた。それを見た瞬間、太刀川はその気配にニヤリと笑い出水は顔をひきつらせる。

 

「遠慮する必要もないと言われましたので、手加減はいたしません」

「ははっ!それでいい。さぁ行くぞ三雲、噂の「狩人」としての実力を見せてくれ」

「「……はぁ!?」」

 

知らなかった情報に固まっている出水達を他所に、両手に一本ずつ弧月を抜いた太刀川は地面を蹴って修に肉薄し、最初からフルスロットルで武器を振り抜く。二振りの刃が己を切り裂こうと迫る中、修はその軌道を読み取り少し体を捻りなから下がることで攻撃を空振らせる。しかし、それを折り込み済みだったのか、そのまま返すように二撃目が振るわれた。

 

「そらッ!」

 

更に下がって避ける修だったが、勿論それを逃がしてくれる程太刀川も甘くなく追撃を入れる。それを刀状のEGOである決死の一生で受け止めると、そのまま右手の脱け殻を構え、引き金を引いた。

 

ガギンッ!!

「おっと!?」

 

放たれた弾は体をずらした太刀川が左手に握る弧月の根本に命中すると小さな爆発を起こし、その部分を消し飛ばした。左手も巻き込まれたのか若干ひびが入り、そこから少量のトリオンが放出され始める。

 

「旋空弧月ッ」

 

武器を失った左手側へと決死の一生が突き刺される直前、太刀川は即座にオプショントリガーを発動させた弧月の袈裟斬りを間に挟み、相手の行動を制限する。飛ぶ斬撃のように伸びる弧月を決死の一生で受け止める修だったが、その反動で少しばかり離れた場所に着地し、即座に脱け殻の引き金を数回引く。宙を駆ける爆裂弾は太刀川に向かうが、それを遮るように降ってきた光弾に打ち消されて届く前に爆発した。

 

「おせぇぞ出水」

「俺の気持ちの整理がつくまで待ってくれなかったのはそっちでしょうが。ったく、終わったら詳しく話して貰いますからね!」

 

手元に光るキューブを出現させた出水は太刀川の背後からバイパーを放つ。一度拡散したかと思えば、全ての光弾が太刀川を避けるように動きながら修へと迫る。地面を蹴って光弾から逃れるようにその場から退避するも、その移動先目掛けて旋空弧月がクロス状に放たれていた。

 

「シッ!」

 

ガインッ!!

 

体を捉えたかと思われたその一撃だったが、それよりも前に振り下ろされた決死の一生によって斬撃が砕かれる。その光景を見て、出水はうへぇと気の抜けた声を漏らす。

 

「なんすかあの刀、旋空弧月が負けるとか相当ですよ」

「EGOとか言ってたな。下手すりゃ掴んだだけで死ぬらしい変な武器だとよ」

「やっぱ都市伝説になるレベルの強さは伊達じゃねぇってことかぁ」

『うーん、生体反応はあるけどトリオン反応に関しては太刀川さん達の分しかないや。やっぱりトリガーとは別物だって言うのは本当なんだ~』

「……構えろ出水、来るぞ」

 

静かに相手を観察していた太刀川は目線の先の修から漏れだすオーラを捉える。赤まるで血を体現したかのような赤黒い色をした炎のオーラは修の背後から体を伝うように決死の一生に纏わりつき、その存在を強固なものへと昇華させた。

 

「"匹夫の勇"」

 

燃え盛るオーラは決死の一生は振り抜かれた瞬間に明確な形を成し、斬撃となって突き進む。途中にあった電柱や家の壁を切り裂いて向かってくるそれを迎撃しようと出水がアステロイドを放つが直撃しても止まらない。引き笑いを浮かべる出水は即座にその場から後方に跳び退き、楽しそうに笑う太刀川は弧月を構えた。

 

「うぉらッ!!」

 

下から繰り出した2本の弧月とオーラの斬撃がぶつかり合い、僅かながら軌道が逸れる。耳が持っていかれるが攻撃をしのいだ太刀川はそのまま修が立つ建物目掛けて走り出し、グラスホッパーで跳んで突っ込んで行く。

 

「シッ!」

「ッ!」

 

 

 

 

「ははっ、やっぱやるなお前。ボーダー相手に手加減しながらずっと逃げきれる実力はあるって訳か」

「それはどうも。あなたこそ、その実力は流石ボーダー隊員トップといった所でしょうか」

「なんだ、俺のこと知ってたのか?」

「迅さんから聞いていたので。では次の段階に進みましょうか」

「うおッ!?」

 

火花を散らし、拮抗状態であるかのように見えた鍔迫り合いだったが、修が左手に入れる力をさらに込めた瞬間、太刀川が足を引いて受け止める姿勢になる。

 

「ッどんな腕力してやがんだお前!」

「精々道路標識を握力だけで千切る位ですよ」

「マジで漫画じゃねぇかッ、そんな細い腕のどこにそんな筋肉あるんだよ!」

「少し特殊なだけですよ………はいそこ」

「バッ!?」

 

顔を正面に向けたままフリーになった右手を横に伸ばし速撃ちのように引き金を引く。放たれた弾丸は透明になってそろりそろりと近づいていた唯我の首に命中し、そのまま爆発して頭を消し飛ばす。その後、声を出す暇もなくベイルアウトした唯我を一瞥もせず、受け止めていた振り下ろしを横に流した太刀川が次の行動に移る前に腹部に蹴りを入れて突き放す。そんな状態でも旋空弧月が繰り出され、足場を切り刻まれた修は追撃を諦めて退いたのであった。

 

「まず一人、ですね」

 

 

 

 

 

 

「ノールックでカメレオン稼働中の唯我くんをヘッドショット、しかも太刀川くんを抑えながら……他に出来る人居るのかしら」

「桐絵なら行けると思いますよ?」

「小南ちゃんなら多分相手の攻撃を利用して跳んでもう一人を狩るわ。メテオラはあるけど主な用途は撹乱で遠距離武器を積極的に使うタイプでもないでしょうし………銃の扱いに関しては貴方の方が知ってるんじゃない?」

「確かに俺の隊は全員銃型トリガーを使ってますが……それでもあそこまで離れた上で姿が見えない相手の頭を拳銃で狙うのは現実的じゃないですね」

「やっぱそうよね………それにしてもなんで気が付いたのかしら。見てる限り足音立てずに近付いてたみたいだけど」

「オサムが気配の消し方を知ってるからだな」

「どういう事だい?」

「オサムは気配を消す時は自分を隠すんじゃなくて周囲の一部にならなきゃいけないって言ってた。そうしなきゃ慣れてる奴は違和感で普通に気付くし、位置まで正確にバレるらしいデス」

「成る程、確かに三雲くん自身がそれを実行出来るなら他人の不完全な隠密なんて簡単に看破出来るわね」

「にしてもオサムのやつ、まだ本気出さないのか。そろそろアレを………お、始まるな」

「「アレ?」」

 

 

 

 

 

 

「 幻想顕現 Cherry Blossoms() 」

「ッ!」

 

本能的な勘なのか、修がボソリと呟いた瞬間即座に仕留めようと弧月を振るう。しかしその凶刃は修の体に届く前に、間に割り込んだ桜の木に阻まれ、更にカウンター気味に無限に成長する根による刺突が襲いかかる。

 

「おーおー、とんでもねぇなぁ」

「これでも抑えている方だ。流石に貴方を殺すつもりは無い」

 

修の姿は先程までの血の色とは様変わりし、桜があしらわれた着物を身に纏っていた。その色は辺りに舞い散る桜をそのまま押し込めたようで、妙な不気味ささえ感じる。そして何よりも目を引くのは修の側頭部から根を張るように生える桜の枝と、その足元から大きく伸びる薄紅色の花びらが鮮やかな桜の大木だった。

 

《何が起こってるんすかこれ!?》

《さっさと合流してくれ出水、向こうが本気出してきた。迅の言ってた通りまさしく規格外だなこりゃ》

《そうは言ってもこっちもヤバイんすよ!そっち行こうとしても舞ってる花びらに当たったらトリオン体破損するから迂闊に動けねぇ!》

《じゃあそっから援護しろ。国近、出水の方に力入れろ》

《はいは~い》

 

内部通信をしながらも太刀川の目線は大木の前に佇む修から離れない。

 

「……………………」

「わざわざ待ってくれてどーも」

 

修は木の根が絡まり桜色に侵食された決死の一生を、太刀川はシールドを展開しながら両手で一本の弧月を構える。二人の間で舞う桜の花びらがコンクリートの地面に着いた瞬間、シンクロするようにその場から駆け出した。

 

「フッ!」

「……」

 

ガキンッ!!

 

弧月の振り下ろしが受け止められ、金属同士がぶつかり合ったような音が響きわたる。決死の一生の動きからそのまま力を流されるのを危惧したのか即座に一歩だけ退いた後、今度は横薙ぎに振り抜く。

 

「…………」

 

届く筈だった斬撃は桜を散らすように舞う修には掠りもしない。それどころか辺りに漂う桜の花びらが増える一方で、攻める太刀川は段々と行動が制限されていく。頭上から落ちてくる花びらを防ぐために展開したシールドもほんの少しだがヒビが入り始めていた。

 

「…………」

「随分と、消極的になったな!」

 

太刀川は真っ直ぐ修に突撃し、一撃を食らわせんと弧月を振るい続ける。一見荒々しいがその技術は確かなものであり、多少武術を嗜んでいる程度の相手ならなす術もなく切り刻まれてしまうだろう。

 

「…………」シャリンッ!!

「うぉッ!」

 

しかし相対している狩人には通用しない。掴み所が無く、気配も薄い、しかしそれでいて振るう剣の鋭さは一級品である。かなりの人員がいるボーダーでも、中々お目にかかれない戦闘スタイルに太刀川は何回も打ち合い、互いに弾かれるように下がったところでで笑みを深くする。

 

「やっぱやるな、お前」

「…………」

「おいおい、少しはお喋りに付き合ってくれよ。向こうは対処で手一杯だから話相手はお前しかいないんだよ」

「…………」

 

いくら呼び掛けても修は刀を構えるだけで反応しない。先程まで普通に斬り結びなから話していた相手が急に黙り出した事に流石に違和感を覚えたのか、太刀川は改めて相手を観察する。感情が無くなったかのようにストンとした真顔は人形のような端麗さが印象に残るが逆に生気が失われているようでひどく不気味に見えてしまう。

 

「何だお前、急に人形みたく黙りこくって…………」

 

そこまで口に出したところで太刀川の言葉が切れる。戦闘においては他の追随を許さない彼は己から溢れた言葉からこの場において最悪の展開が既に起こっている事に勘づいていた。

 

「おい、出水!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーもーキリがねぇ!」

《がんばれー、少し反応薄くなってるからもう少しで安全が保証できるかも~》

「信じますよ先輩!たくっ、太刀川さんも無茶言うなよな…木の根っこが壁になって見えねぇしそもそも打ち出したバイパーもハウンドも途中で花びらに当たって消えちまうし……あの桜ホントになんなんだよ」

《おい、出水!》

「うぉっ!?急に大声出さないで下さいよ太刀川さん。援護ならもう少しかか《違う!()()()()()()()()()()本体が多分お前の方に向かってる!》は?何言っ

 

シャンッ

 

………て?」

「2人目」

 

援護が可能な場所を探しながら進路と頭上から降ってくる花びらを打ち消していた出水の体が縦に真っ二つに割れる。突如として予期せぬ攻撃を食らった出水は呆然とした表情のままベイルアウトする。

 

「さて、どう殺すか」

 

ベイルアウトの爆発による煙が晴れると、太刀川が相対している存在よりも着物や体から生える桜の色がより鮮明かつ赤に近くなった修が立っていた。





修のやってるバイトは知り合いの探偵事務所の雑用です。まぁ雑用と言っても依頼の解決等大きな仕事も1人でやってますが。
イメージは文ストの探偵社です。普通に物騒な依頼も舞い込んで来るのでほぼフィクサーみたいなもんですね。


ちなみに修が得意なのは殺人術ですので特に武器を選り好みすることはありませんが、強いて言うのであれば刀剣類を良く使います。
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