持たざる者は幻想と共に   作:ゲガント

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明けましておめでとうございます。しばらくは忙しいので更新が遅れる可能性もありますが、気長に待っていただけると幸いです。




それでは、どうぞ。


第24話

(頑張れば修くんが褒めてくれる、頑張れば修くんが褒めてくれる!)

 

修達と別れて移動している最中愛しの幼馴染みから笑みを向けられながら褒められる想像をしてやる気を漲らせている千佳だったが、不意に一人の少女がそんな千佳の肩にちょんちょんと触れた。

 

「ね、ね」

「?」

「あんた、もしかしてあの雨取さん?」

「確かに私は雨取だけど……貴女は?」

「あ、ゴメンゴメン、自己紹介が先だよね」

 

突然名前を呼ばれて訝しげに返された言葉に猫目の少女は慌てて自分の名前を告げる。

 

「私、夏目出穂。よろしく」

「雨取千佳です……所で何で私の名前を?」

「ありゃ、知らない?ウチの学校内でトップクラスの熱々カップルって有名じゃん」

「………あ、確かそんな話あったっけ、気にしたこと無かったなぁ」

「やっぱ彼氏以外の評価とか気にならないとかそんな感じ?」

「うん、修くんが居れば幸せだもん」

「かぁ~っ!幸せオーラがスッゴい!」

「……もっと聞きたい?」

「興味ある!」

 

恋愛事が気になるお年頃の少女……夏目出穂から目を輝かせながら問われて満更でもない顔をしながらウキウキと続きを語ろうとする千佳だったが、丁度狙撃手の訓練スペースに到着するとの説明が入り、コソコソと話していた2人は残念そうに前へ向き直る。そんな事もありながら歩き続ける千佳だったが、そのスペースに入った瞬間に目を見張る。

 

「さぁ狙撃手志望の諸君、ここがオレたちの訓練場だ!」

 

遠くまで案内役の少年……佐鳥賢が振り返ってそう告げる。規模の大きさに新入隊員達は呆然と辺りを見回しており、千佳も例外ではなかった。只でさえ玉狛の設備でも一般人の感覚からしたらオーバーテクノロジーに近い物でありそれよりも大幅に規模を大きくしたものとなれば圧倒されるのも仕方ないだろう。異常の塊である修とこれ以上無いほどに親密で本人も半ばそちら側に足を突っ込んでいる千佳を一般人と定義出来るのかは怪しい所ではあるが、今この場でそれを知るのは居ない為ノーカンということにしておこう。

 

「広い……!」

「これが本当に建物の中……?」

「10フロアぶち抜きで奥行き360メートル、この基地のなかで一番でかい部屋だ。キミたちにはここでまず訓練の流れと狙撃用トリガーの種類を知ってもらう」

 

驚きを隠せない少年少女に対し佐鳥が自信満々に説明を行う。

 

「えーと、今回の狙撃手志望は1、2、3……全部で11人か」

「……あれ?すいませーん、12人居まーす!」

「恐らく私が数えられてないかと……」

「ん!?うおっと!?女の子を見逃すとは!マジでゴメン12人ね!」

 

焦ったように詫びを入れた後、教師となる正隊員が紹介されそのまま実践練習が始まる。各々がイーグレットを持ち出し所定の位置に向かう中、女子2人も話しながら移動する。

 

「ひどいなー、こんな可愛い子見逃すなんて」

「多分見えにくかったからじゃないかな。昔から気配が薄いって言われるからそれもあると思うよ」

「えー?そんなんで見逃すかなぁ……そーいや私達のと違って服真っ黒だけどなんで?」

「うーん、所属が違うからかな」

「へー、初めて知ったわ」

 

先程の出来事に文句を溢す夏目に対しクスクスと笑う千佳だったが、射撃の為のカウンターに着いた辺りでじっと目の前の設備を見つめ、ついでにキョロキョロと横を見回す。

 

「………これなら走らなくてもいいのかな」

「んえ?走る?」

「うん、走る」

「……別に必要無くない?」

 

首を傾げて尋ねる夏目の表情には疑問を持っているということがありありと浮かんでいた。

 

「狙撃手って撃つと居場所がバレるから同じ場所で狙撃し続けるのは危ないの」

「……あ~成る程、そう考えたら移動は必要になるのか」

「まぁ今は取り敢えず狙撃の技術を磨くのに集中した方がいいのかな」

「うん、そりゃそうだ。よーしやるぞ~」

 

気を取り直した夏目は張り切って与えられた狙撃用トリガーを起動し、そのまま自分に振り分けられたスペースで構える。それを千佳が隣のスペースから見守りながら自分の練習を始めようとしていた頃、教師役の隊員の一人だった東は思考を巡らせていた。

 

(随分と実践的な事を教えられているな………既に教師役が居るんだろうがそれほど見込みがあるということか?)

 

先程までの会話に耳を傾けていた東はそのしっかりとした基礎戦術を語った事に関心を寄せていた。そしてチラリと一瞥した際、東が注意を向けたのは肩に記されたエンブレムである。

 

(玉狛……となると木崎か?それにあの狩人とも関係がある可能性が高いと……)

「あの……」

「ッ!?あ、あぁすまない少し考え事をしていた。それで、何か質問かな?」

「はい、それぞれのエリアの角にあるモニターについてなんですけど……」

 

思考を巡らせ意識を少し逸らした隙間に入り込むように千佳が東に近づいて声をかける。意識外の予想していなかった存在に驚愕しながらもそれを顔に出さずに対応し始めるが、内心その異能とも言える気配の希薄さに対して驚くばかりだった。

 

(気配が読めなかった……いや、さっきは普通に認識出来ていた辺り意図的に薄めたのか?成る程、佐鳥が見逃す訳か、あれが自由に調節出来るならスナイパーとして将来有望かもしれないな)

「そうだな、あのモニターは的の拡大とかが出来るんだが……今は取り敢えずトリガーに慣れるために用意した的を狙うだけでいい。説明は後から全員に対してやるから待っていてくれ」

「わかりました、ありがとうございます」

 

千佳はそう礼儀正しくペコリと頭を下げて練習に戻る。本人からしたら他の面々が練習台に向かっている中堂々と聞くのも憚れると思い気配を殺して聞きに行っただけなのだが、その技量は隠れる自分を修に見つけてもらう遊びを繰り返していくうちに磨かれており本家の暗殺者と比べても劣らないレベルにまで育っているのであった。

 

 

 

 

 

「んじゃ、次は狙撃用トリガーの紹介ね」

 

一度練習を切り上げ、再度集められた新入隊員達の前に立った佐鳥はそのまま説明を始めた。

 

「ボーダーには狙撃用トリガーか全部で3種類がある。みんなが今使ってる"イーグレット"は射程距離を重視した万能タイプで、基本的にはこれ一本で大体OKだ。そんで……」

 

そこまで言うと佐鳥は2種類の狙撃用トリガーを手に持つ。軽い近未来的なデザインで威力を犠牲に弾速を強化した軽量級トリガー"ライトニング"、重々しく所謂アンチマテリアルライフルに似た見た目で弾速を犠牲に威力を突き詰めた重量級トリガー"アイビス"。2本を抱えた佐鳥がキョロキョロと新入隊員達を見回すと、先程自分のミスで数え損ねてしまった少女がふと視界に入った。

 

「んーと、じゃあそこの女の子2人に試し射ちしてもらおっか。まずはキミ、アイビスで今出したあの大型近界民の的を狙おう」

「……あの、大丈夫ですか?」

「んぇ、ゴメン何か問題あった?」

「私、かなりトリオンが多いらしくて………もしかしたら何かしら破壊してしまうかもしれませんよ?」

「あー、まぁ大丈夫大丈夫!もしなんかあってもオレが何とかするし!」

「………わかりました」

 

佐鳥が少し思考を巡らせた後に返した答えに内心渋々と歩き出す。

 

「………」

(あの人は大丈夫と言ったけど、あんなことかあった以上そのまま射つのもなぁ……………)

 

近場のスペースで準備しながら脳裏に過ったのは先日の玉狛での出来事だった。

 

 

 

 

 

「取り敢えず基礎は十分に出来ているようだな。この的中率は初めて狙撃銃を握った奴のそれじゃない」

「ありがとうございます」

「……たしか修から貸し出されたライフル型のEGOをよく使っていたんだったな。それを使用する状況というのがよくわからんが……」

「えっと、まずは私の近場に出てきたトリオン兵の破壊と……あと修くんと一緒にやってたバイトでちょっと色々と戦ったり、あと時々愚かにも修を付け狙おうとするゴミを始末してます!あ、殺してはないですよ!一人は2度と歩けない体になりましたけど

「よし、俺は何も聞かなかった」

 

ニコニコと笑いながら報告する千佳に対し、流石の木崎でも深く事情を聞く度胸も止めるように言う勇気も持ち合わせていなかった。気を取り直し、訓練を再開する。

 

「さて、早いうちに他のトリガーにも慣れておいた方が良いだろう。まずはアイビスからだ」

「はい」

「お前のトリガーに既に設定してある。起動してあの的に向かって撃ってみろ」

「わかりました」

 

そう言って今までと同じ様にアイビス構えて引き金に指をかける。

 

ドパンッ!!!!

 

「「ッ!?」」

 

チュドンッ!!!!!!!!

 

「…………………」

「………えっと」

「………ここまでなるのか」

 

呆然とする二人の目線の先には、千切れ飛んで残骸となった的と跡形もなく消え去り向こう側が見えるようになった堤防、そしてそこだけ抉り取られたかのように開けた住宅街の跡地があった。

 

 

 

 

 

 

(絶対あの的じゃ止まらない、けどこの状況だと断り難いし……修くんから習ったトリオン量の調節をするしかないかな)

 

数秒だけ迷ったが諦めた様子でカウンターの前に屈み、アイビスを構えた。一度目を閉じた後に息を吐き、意識のスイッチを切り替えてスコープ越しの巨大な的の中心部の一点のみに意識を注ぐ。

 

「………………」

 

その姿は先程まで夏目と言葉を交わしていた時の様子とはうってかわって顔から表情が抜け落ち、その視線は酷く冷えきっている。訓練中に横から見た木崎に「恐らく何人か殺ってる」と言わしめたそれを見た人間はポジションの関係上居なかったが、それでもその気迫は戦い慣れた隊員達も目を見開くレベルであり、異様な雰囲気を感じ取った新入隊員達もざわめき始めた。

 

(…………)

 

しかし周囲の状況を一切思考に挟ませないレベルで集中している千佳はその事に気付く事はなく、ただひたすらに己の中に巡るトリオンを操作する事に注力している。

 

(修くんはEGOの影響でトリオンの操作を感覚で完璧に出来る………普通の人なら無理なアプローチだろうけど、修くんから分けてもらったEGOを何年も保持し続けてきた私なら)

 

この空間にいる他全員のトリオンを足したとしても尚、半分にも満たない程の莫大なトリオン。ボーダーが保有する計測器の針が振り切れる程の量のそれを独自の感覚で察知して操作し始める。

 

(一定の割合のトリオンが移動する瞬間………ここの供給量を絞れば……)

 

さて、一つ忘れてはならないのが規格外としか言い表せない彼女のトリオン量だ。そんな千佳とトリオンが多ければ多いほど威力が増加するアイビスと組み合わせることで全てを破壊する砲台と化すのである。その脅威に関しては、別の世界線ではそのまま引き金を引いたことで頑丈に作られている筈の基地の壁をぶち抜いて穴を開けられた時点でお察しだろう。

なおかつ、トリオン自体の操作というのは常人では不可能な芸当なのである。修が己のトリオンを制御しトリガーの設定すら書き換えるという離れ業を行えるのはEGOと融合し半ばアブノーマリティと同存在になった結果、魔力や気功等と呼ばれる普通であれば認識出来ない物を捉えることが出来た為であり、EGOを保持するだけではトリオンの操作は叶わない。千佳がそれを行えるのはトリオン量が膨大で存在が捉えやすかったからである。

 

「…………ファイア」

 

ただ2つ、間違えたとすれば

 

 

チュドッ!!!

 

 

莫大なトリオンを完璧に制御出来るほど彼女のトリオン操作の錬度が高くはなく、かつ壁まで訓練用の設備であると勘違いしていた点である。

 

「………よし」

 

的を消し飛ばした後に反対側の壁に衝突し、周辺を揺らしながら巨大なクレーターを形成する。大雑把ながらも地形の完全破壊まではいかなかった事に満足げに息を吐き集中を解く。そして背中に刺さっている大勢の視線に気付き恐る恐る振り返ると、正隊員訓練生関係なく絶句している光景にビクリと肩を跳ねさせた。

 

「「「「「「「……………………」」」」」」」

「…………あの、もしかして壁壊しちゃダメでしたか?」

 

そう言って誤魔化すように笑う頬は若干引きつっていた。

 

 

 

 

 

 

「すいません、壁は弁償します………一応親戚の方の事務所でバイトしててお金はありますので………」

「へ!?いや、こちらこそ!?」

 

深く頭を下げる千佳に対し同じ様にペコペコと頭を下げる佐鳥。そんな応酬が行われている中、横にたたずんていた東が口を開いた。

 

「頭上げなよ。訓練中の事故だからな、責任は現場監督の佐鳥が取るから大丈夫だ」

「ひぇぇッ!?あ、東さん!?」

「そもそも君は事前にこうなることを予見して佐鳥にああ尋ねたんだろう?許可したのは佐鳥だから君が気にすることじゃないさ………えぇと?」

 

動揺している佐鳥をよそに名前を言おうとして言葉を詰まらせた。自己紹介もしていなかったので当然ではあるが、千佳は慌てて口を開く。

 

「玉狛支部所属の雨取千佳です」

「成る程、やっぱりか。道理で本部でのトリオンの測定記録が無い訳だ。一つ聞きたいんだが、もしかして………」

「何だ今の揺れは!何が起きている!?」

 

東がピンと来た様子で尋ねようとした所で入り口から鬼怒田の困惑が多く含まれた怒鳴り声が狙撃手の訓練場に響き渡った。そして壁に刻まれた巨大なクレーターを視界に入れた瞬間に大きく目を見開いた。

 

「んなぁッ!?だ、誰がやったんだ!」

「あの…………」

「鬼怒田開発室長」

 

名乗り出ようとした千佳を遮るように佐鳥が前に出る。

 

「訓練中にちょっとした事故が起きました。責任は全て現場監督のボクにありま……」

「その通りだ!防衛隊員が基地を破壊してどうする!」ゴッ!

「いだっ……くない!あれぇ?これが正解じゃないの?」

「……あの」

 

キメ顔だった佐鳥の頭にチョップが入り、そのまま襟を掴まれて揺さぶらて涙目になる中、流石にまずいと思った千佳がそれを止めようと介入した。

 

「すいません、壁を壊したのは私です」

「何………?東くん、本当かね?」

「それは事実です。彼女がアイビスを撃った結果、的を貫通し壁にクレーターを形成しました。玉狛支部の雨取隊員です」

「何、玉狛だと………!?」

 

その声色にあまりよく思っていない派閥の名前が出た事で不機嫌になると予想されたが、それに反して鬼怒田は普段からはあまり想像のつかない柔和な微笑みを浮かべた。

 

「そうかそうか、それほどのトリオンを有するとは中々に有望だねぇ、親御さんに感謝しなきゃいかんよ。壁の事は気にせんでいい、トリオン製だからいくらでも修復できる」

「は、はい」

「え、鬼怒田さんロリコン……?」

「別れて暮らしてる娘さんを思い出してるんだろ。自慢気に家族写真を見せてきた時に確か中学一年生位だって言ってたな」

 

怒ることなく褒めちぎる鬼怒田に千佳や佐鳥が戸惑っていた一方で東がこの事態をどう終息させようかと頭を悩ませていたその時、連絡を受けた嵐山が修と遊真を引き連れて訓練場に入ってきた。

 

「佐鳥、何があったんだ?」

「嵐山さーん!」

「千佳、無事か?」

「修くん!」

 

頼れる隊長の登場に歓喜する佐鳥がそちらに向かおうとする前に小さな影が残像が見えるんじゃないかというレベルの速さでポニーテールの訓練生へと駆け寄る。

 

「三雲……なぜここに?」

「お久しぶりです鬼怒田開発室長……こちら先日お渡しした装備の資料の追加です。玉狛での解析も進んだので再現性は上がったかと」

「む、そうか、受け取ろう。緊急時の備えはいくらあっても困らんからな………しかしそれはそれとして、この子と随分と親しいようだが友人かね?」

「えぇ、10年来の幼馴染みです」

「ならお前がしっかりと面倒を見てやらんか!」

「………すいません?」

 

何があったのかまだ把握出来てないうちに背中を叩かれながら叱責される修だったが、解放された後に遠くの壁にクレーターを見た瞬間に何が起こったのかを理解する。

 

「あ、あのね………あの壁までがステージだと思って調節しちゃって………」

「トリオンの調節が出来るようになったのか。完全に破壊してないだけ上出来だ、よく頑張ってるな千佳」

「ッ!うん!」

 

少し気まずげに話し出す千佳に対し修本人はそこまで気にしておらず寧ろ感心している様子で頭を撫でる。不安から一転、喜びと嬉しさが天元突破した千佳のアホ毛はブンブンと犬の尻尾のように荒ぶっていた。十数秒の至福の時間を過ごして夢うつつとなっていた千佳の意識を引き戻したのは、興奮した様子の夏目の声だった。

 

「スッゴいじゃん!どうやって撃ったの!?」

「あ、夏目さん、ごめんね訓練止めちゃって……」

「出穂で良いって。それよりさ、色々と話したい事があるんだけどいい?」

「えーっと……」

「……千佳、少し話してくるといい。折角出来た新しい友達だろう?」

「……うん、わかった!」

 

個人的にはあまり側を離れたくはなかった部分もあったのか、数瞬だけ迷った後に元気よく頷いて夏目の方へと駆け出す。そのタイミングを見計らって声をかけたのは、他の隊員への指示を終えた東だった。

 

「や、去年ぶりだな2人とも」

「東さん……でしたっけ。お久しぶりです」

「あぁ……あの子も君の関係者だったか。"狩人"と近界の傭兵、そして2人を前衛とした狙撃手か。末恐ろしいチームになるだろうな」

「まぁ俺はサブトリガーを縛る予定ですが」

「へぇ?そうなのか、」

「オサムが得意なのは複数の武器を使って相手を追い詰めるやり方だからな。フル装備でやるとオサムがえふおーいーとかいう奴になりかねないってこなみ先輩としおりちゃんが言ってたし、レイジさんととりまる先輩とあと迅さんも含めた全員でキメマシタ」

「FOE?……まぁそれはよくわからんが特訓ではなくハンデということか。あいつらがそこまで言うほどなのか?」

「さぁ?ドウデショウ」

 

問いかけに対し棒読みでとぼける遊真に東は興味をそそられたようで、いい機会だとそのまま幾つか質問をし始める。純然たる興味か、それともこれから競争相手となる存在の調査の為か、情報を引き出すための応酬が静かに始まったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「そういやさ、あの美人な人ってもしかしてチカ子のお姉さん?滅茶苦茶クールビューティーって感じで気になっちゃうんだけど」

「違うよ、私は兄さんとの2人兄妹。お姉ちゃん……みたいな人はいるけど今は外国で暮らしてる。でも大切な家族って意味では合ってるのかな」

「ほほ~?………じゃああの人誰?」

「というか、出穂ちゃんも知ってる人だと思うよ?」

「ほへ?ん~……………件の恋人?」

「うん」

「いやぁ、やっぱそうだよなぁ、一旦忘れ………マジ?」

「うん、幼馴染みで私の自慢の旦那様」

「だッ、え、え!?だッ!?あの人男なの!?というか私の知ってるあんたの恋人って髪あそこまで長くなかった筈だしあんな顔整ってたなんて話無かったけど!?」

「……実はね、修くんは魔法が使えるの。あまり目立ちたくないから、軽い認識阻害?をしてるんだって」

「魔法って……いや、それなら説明つくし、何よりトリオンなんて物があるからあり得ない話でも………ん~~~?」




ここの千佳さんは意識して隠れると他人に気づかれてにくくなっていく中、幼馴染みだけが自分を一切の迷い無く見つけてくれる事に対し無意識のうちに名状しがたい悦楽を感じてます。

あと悪い事をしたら普通に謝る程度には良識を持ち合わせてはいますが原作よりもかなり精神が図太く必要であれば顔色一つ変えずに嘘を吐きます。
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