おバカの提督業   作:京勇樹

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経過確認

明久が提督になり、約1ヶ月が経過した。

明久は不知火に指摘されながら、何とか鎮守府を運営し、復興と調査を進めた。

復興に関しては、新しく艦娘用に図書館とレクリエーションルームを増やした。

図書館は過去の海戦の資料を始めとして、明久が住んでいた部屋から持ってきたマンガや取り寄せた小説。レシピ本、図鑑など、様々な本が置かれている。

レクリエーションルームは卓球台、ダーツ、ビリヤード等が置かれており、それらは何時でも使えるようにしてある。

他に、使用出来る時間に多少の制限はあるが、明久が使っていた様々なゲーム機、BDプレイヤーがある。

図書館の蔵書やゲームに関しては、要望を出せば増やす方式を取っている為に、随時増えていく事になるだろう。

それはさておき、明久は明石と夕張。そして、大本営からの連絡を持ってきた不知火から報告を受けていた。

 

「そっか……女性達は、後二週間位で退院出来る段階になるんだ」

 

「はい。軒並み衰弱状態から脱して、歩行等も問題なく行える事は確認済みです。退院後は定期的に検診を行い、後遺症の有無の確認とメンタルケアを行う予定です」

 

「うん。その方向でお願い」

 

明久の言葉に明石は頷き、書類を挟んだボードを脇に挟んだ。続いて、夕張が

 

「では、現在再建中の各寮についてです。すいません。寮の各所に爆弾を発見し、その解体と寮自体が予想以上に硬く作られているので、解体は予定より伸びてしまっています……」

 

「爆弾ね……なんでそんな物を、寮に仕掛けてたのやら……遅れるのは分かりました。決して怪我人だけでなく死者を出さないように、確実に解体をお願いします」

 

「分かりました!」

 

これは寮の解体を始めてから分かったのだが、各寮の様々な所に強力な爆弾が仕掛けられている事が判明したのだ。

これを受けて明久は、大本営に爆弾解体班の派遣を要請し、大本営もこれを受諾し派遣してきた。

その爆弾の数が多く、爆弾の解体も難しいタイプの為に寮の解体が遅々と進まないのだ。

 

「それでは、最後に私からです」

 

「うん。お願いね、不知火ちゃん」

 

不知火は頷くと、数枚の書類を明久の前に置き

 

「まず、以前に申請された追加の人員の要請。こちらが受理され、数日中にこちらに配属される事が決まりました」

 

と告げた。

明久が申請した追加の人員というのは、整備士と食堂の人員である。

整備士に関しては前提督が配した艦娘に対して不当な扱いや手抜き整備をする輩を、明久は徹底的に排除し、大本営に送り返した。その代わりの人員を申請していたのだ。

次に食堂の人員は、いくら間宮と伊良湖の二人が働き者でも、捌ききれない人数が食堂に押し掛けるようになったのだ。

再開した当初は使う人数は少なかったが、二週間が経つと増え始め、三週間が経過した時には混雑するようになった。

調理に関しては明久も出来るが、何時までも鎮守府のトップがキッチンに立っているというのも体裁が悪いと考えて、間宮と伊良湖が増員を決めたという訳である。

 

「良かった……これで、人員不足は一応大丈夫になるかな……」

 

「今のところ、という言葉が着きますが、大丈夫かと……次に、新たに大本営から四名の艦娘が配属されます……こちらになります」

 

不知火はそう言って、新たに明久の前に書類を置いた。

のだが、その書類を見た明久は固まった。

 

「……まさかだけどさ……これ全員……教官?」

 

明久の問い掛けに、不知火は頷いた。

軽巡洋艦娘、矢矧

防空駆逐艦娘、秋月

装甲空母艦娘、大鳳

最後に、戦艦娘の金剛だ。

その全員が、明久の短期教育機関中に明久に色々と教えていた艦娘なのだ。

ちなみに、不知火もその教官で、夕立と時雨は演習で明久が指揮し、懐かれたのだ。

 

「いやいやいや……教官出来る艦娘が5名も抜けたら、新人教育大丈夫なの?」

 

明久の問い掛けに、不知火は

 

「……少々支障が出るかもしれませんが、大丈夫かと」

 

「最初の間が気になるなぁ……」

 

不知火の表情は変わらないが、明久は半年以上の付き合いからダメなんだろうな、と思った。

しかし、大本営から通達されたのだから、断る理由はなかったし、何よりも熟練で高い練度の艦娘が来るのはありがたかった。

明久は積極的に練度上げをしているが、ようやく最高練度が30を越えた位で、最低が10後半というところだ。

特に空母と戦艦は資材の消費が激しく、まだ再建が終わってもいない現段階では、練度上げも中々に進まない。

そこに高い練度の大鳳と金剛が来るのは、凄く心強かった。

 

「あれから襲撃は無いけど……何時襲撃されるか分からないし……戦力が上がるのは頼もしいね……」

 

「はい。一応ですが、鬼・姫級が来ても戦える艦隊は編成出来ますね」

 

鬼・姫級とは何か。

通常の深海棲艦はイロハ歌になぞらえて名付けされているのだが、遥かに凌駕する性能と特殊な能力を有している存在が、鬼級と姫級と名付けられているのだ。

確認された能力は、一定時間経つと回復、通常級の無制限召喚、一定以下のダメージの無効化と挙げられる。

 

「まだ会いたくないけど、備えないといけないよね……」

 

「ええ……備えあれば憂いなし、です」

 

不知火の言葉に明久は頷き、窓から青空を見上げた。

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