おバカの提督業   作:京勇樹

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戦艦棲姫・改、撃沈

空母ヲ級フラグシップ・改を撃破した明久の艦隊は、元帥の艦隊の援護に動いた。

戦艦棲姫・改は凄まじい火力で、元帥の艦隊に対して反撃し、空母艦娘四人の内、二人が大破で一人が中破。一人は小破だが、艦載機は大部分が撃破されている。

事実上、空母艦娘はその戦闘力を喪失している。残るは、長門と陸奥の二人。

二人は姉妹らしく息を合わせて、次々と砲撃。戦艦棲姫・改にダメージを蓄積させていく。

しかし、姫級の中には高い回復力を有している個体も確認されており、そしてどうやら、この戦艦棲姫・改はその回復力が高い個体のようだ。

矢矧も気付いたのだが、一回は空いた艤装の穴が、塞がっている。

どうやら、戦艦棲姫・改を倒すには微ダメージの蓄積よりも、一撃で致命傷を与えるしかないようだ。

 

『矢矧さん! 長門さん達の援護を! あの姫級に、時間を与える訳にはいかない!』

 

『了解!!』

 

明久の指示を受けて、矢矧は艦隊を率いて動いた。

明久の艦隊で大きなダメージを与えられるのは、金剛と霧島の主砲、そして矢矧達の魚雷位だろう。

しかし、魚雷は潮の流れの影響を強く受けて軌道が変わってしまうし、砲弾が着水して発生する衝撃波で爆発する可能性もある。

それらを考えて、明久は

 

『作戦を伝えます! 空母の皆さんは後退してください! その護衛に、雷ちゃん! 一人で負担が大きいけど、お願い!』

 

『了解!』

 

『分かったわ!』

 

明久の指示に従い、元帥の空母艦娘達を護衛しながら、雷が後退を開始した。それを見て、明久は

 

『次に、長門さんと陸奥さん、金剛さん、霧島は一時後退! 赤い煙の場所に支援物資を投下します! 補給してください!』

 

『了解した、感謝する!』

 

『ありがとう!!』

 

妖精に発炎筒の投下と支援物資の投下の準備を指示し、明久は激戦を繰り広げて砲弾を消耗しているだろう長門と陸奥、金剛と霧島に砲弾の補給を指示した。

そして

 

『矢矧さん、時雨ちゃん、夕立ちゃんの三人は活殺自在陣!!』

 

『了解!!』

 

明久の指示を受けて、三人は戦艦棲姫・改の周囲を動き始めた。フラグシップ級の撃破に使った斬劇包囲陣は近距離のみ、近接戦闘のみで戦うのに対して、活殺自在陣は遠距離、近距離両方を組み合わせて戦う陣形となっている。

艦としての戦い方の砲雷撃戦、そして人としての戦い方の近接戦闘を組み合わせた変幻自在の戦闘陣形。

これを明久は、教育期間中に艦娘達と編み出したのである。

艦娘も人の姿をしてるんだから、格闘戦闘が出来ると考えたのだ。

最初これを聞いた教官軍人からは、バカにされた。

艦娘なのだから、砲雷撃戦こそが普通だと。

しかし、偶々聞いた元帥から、やってみなさいと許可を出されて、本格的に始まった。

最初に付き合ってくれたのが、矢矧だった。

その後に、不知火、時雨、夕立の三人。

最大は上記の四人で動き、以前の教官軍人とやった模擬戦闘では完封勝利したこともある。

まず最初に、矢矧が主砲で牽制。勿論だが、さほどのダメージも無いのは承知済み。

しかし次の瞬間、背後から時雨がナイフで攻撃。その一撃で、戦艦棲姫・改の艤装にあった機銃を破壊した。

戦艦棲姫・改は時雨を捕まえようと腕を伸ばしたが、それは間に入った夕立の蹴りで阻まれ、夕立は至近距離で主砲を叩き込んだ。

勿論、駆逐艦の主砲では大したダメージは無い。しかし、主砲の直撃で戦艦棲姫は体勢を大きく崩した。その隙を突いて、矢矧がナイフで右肩を突き刺した。

激痛故か、戦艦棲姫・改は悲鳴を上げながら主砲を至近距離で撃とうとした。だが

 

『この距離で、それは悪手だよ!』

 

と時雨が、戦艦棲姫・改の主砲に何かを突っ込んだ。その直後、大爆発が起きた。

時雨が主砲に突っ込んだのは、予備の魚雷だ。

魚雷の方が大きいから入ったのは、ほんの先端だ。しかし、それでも砲身を破壊するには充分過ぎた。

戦艦棲姫・改の砲身はまるで花のように開き、明らかに砲撃出来るようには見えない。

その時

 

『補給完了した!』

 

『反撃するわよ!』

 

と戦艦娘達が、補給を終えて戻ってきた。

それを確認した明久は

 

『三人、一斉に魚雷発射!』

 

『了解!!』

 

明久の指示の直後、三人から同時に魚雷が発射された。

主砲を破壊する程の衝撃で戦艦棲姫・改は避ける余裕もなく、三人の全魚雷が命中。戦艦棲姫・改はフラフラと明らかに大ダメージを受けていた。

そこに、戦艦娘四人の砲撃が次々と直撃していき、戦艦娘達が復帰してから、数十秒後。大爆発が起きた。

そして爆炎の中、戦艦棲姫・改はゆっくりと海に沈んでいったのだった。

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