おバカの提督業   作:京勇樹

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前提督の被害者

 

 

 

大規模作戦が終わってから、約一ヶ月。

明久に、不知火がある報告をしていた。

 

「……提督排除論?」

 

「はい。一部の過激な艦娘が、司令を排除しようとしています」

 

そう言って不知火は明久の前に、未だに従わず強硬な態度を取る艦娘の名前が書かれた書類を置いた。

戦艦では、扶桑と山城。空母は加賀、軽空母は飛鷹。重巡洋艦、愛宕、摩耶、足柄。軽巡洋艦、川内、能代、天龍。駆逐艦、長波、朝霜、涼風、白露、江風。

以上が、未だに従わない艦娘達になる。

 

「妖精達からの報告によりますと、時折集まっては何やら計画しているようです……念の為に、時雨と夕立がこの付近にて待機しています」

 

「そっか……ありがとう……」

 

明久としては、艦娘達とは仲良くしたいのが本音だ。

しかし、前提督のやった悪行が理由で上手くいかない。

これは後に霧島から聞いた話だが、まず扶桑と山城だが、実は扶桑は明久に協力しようとしてはいるが、山城に阻止されている。

この理由は、前の提督により扶桑が危うく轟沈しそうになったが、それは一緒に参加していた山城により窮地を逃れて生還。

しかし作戦は失敗しており、前提督はそれを扶桑と山城のせいだと罵倒し、殴った。

だが山城は、前提督の作戦が悪いと指摘した。

実際確認したら、確かに前提督の作戦は稚拙としか言えないもので、単純な火力によるゴリ押し頼みだった。

それを指摘したら、前提督は激怒し二人の艤装ロッカーの鍵を隠した。それ以来二人は出撃出来ず、改にすらなれていない。

次に加賀。

彼女は前提督が無理な出撃をさせた事で、相棒の赤城が目の前で轟沈した。無理な出撃というのは、赤城と加賀の二人だけで鬼・姫級が率いる深海艦隊と交戦させたのだ。

加賀は辛うじて生還したが、前提督は命令違反として、加賀をあの隔離施設に軟禁。艤装も機関部分を解体させて、出撃出来ないようにした。

飛鷹は前提督が出した作戦に異議を唱えたら、武装を爆弾のみにされて、特攻してこいと命じられた。

そうして編成された特攻艦隊だが、同じ編成だった皐月が飛鷹の爆弾を奪って戦艦級に体当たりし、飛鷹は生還する事になった。

その後はPTSDにより、隔離施設に入っていた。

愛宕は高雄が前提督により、人身売買に出されており、高雄を逃がそうとして捕まった。

足柄、溺愛していた羽黒が前提督に拘束具を使われている事を知り、前提督を突き飛ばそうとした所を捕まった。

川内

彼女は神通と那珂の二人を、当時一緒に艦隊を組んでいた駆逐艦娘諸共失った。

今居る神通は、前提督が逮捕される直前に新しく入った2代目になる。

能代

姉の阿賀野がある日にいきなり居なくなって、前提督の私室の家具がやたら華美な物になっていた。

そこから、艦娘の密売をしていると察して、証拠を探そうとして見つかり、捕まった。

天龍

天龍は面倒を見た駆逐艦娘達が特攻に使われた事を、前提督に詰め寄ったら、妹の龍田と共に死んでこいと特攻を命じられたが、出撃する前に前提督が逮捕された為に姉妹揃って生存した。

駆逐艦娘達は、姉妹艦娘達が特攻を命じられ、深海艦を倒せず死んだ事を犬死だと言われている。

前提督のあまりの短絡的かつ、無駄極まりない命令の被害者達。

明久には、どうすれば良いか分からなかった。

既に、前提督は処刑されている。だが、それだけでは彼女達の気が晴れず、怒りは収まらなかった。

 

「……どうすれば良いのかな……」

 

明久は窓から外を見た。

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