おバカの提督業   作:京勇樹

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解放作戦 1

 

 

 

絃神島から、南に約50km。

絃神島の分島こと、南絃神島。かつてそこは、海軍のレーダー施設と絃神島の漁業の生け簀があった。

しかし前提督の指揮の杜撰さにより、深海棲艦に占拠され、レーダー施設は破壊され、生け簀はどうなったか分からない。

前提督は躍起になって奪還の為に無謀な出撃や、艦娘達による特攻を繰り返して、イタズラに戦力を浪費した。

しかし、何故約50kmという航空機では目と鼻の先の距離なのに、あまり深海棲艦からの攻擊が無かったのか。

その理由は、南絃神島が物資集積場という一点に集約されているからだ。

一応護衛艦隊は居るが、艦娘艦隊が接近した際に迎撃する事に特化していて、積極的には侵攻する気配は無いらしい。

そこのボスは、集積地棲姫と呼称されている。

航空戦力を有しているが、迎撃に特化していると言われている。

 

「けどさ雄二、そんな場所に空挺降下って難しいんじゃ……」

 

「だからこそ、多段作戦なんだよ」

 

雄二はそう言って、明久に合図して

 

「作戦の第一段階を開始する。五十鈴を旗艦とした潜水艦漸減艦隊、出撃」

 

と指示出しさせた。

今言った五十鈴を旗艦にし、択捉、佐渡、村雨、叢雲と新しく艦隊に加わった軽空母の隼鷹という艦隊。

隼鷹が索敵と敵機の対処。五十鈴がソナー、海防艦娘と駆逐艦娘の四人が潜水艦を狩るという布陣により、徹底的に潜水艦を狩り尽くすのが、第一段階になる。

前提督の残した資料によれば、潜水艦は最低でも20隻近く存在する事が分かっている。

明久は教育で、五十鈴が潜水艦処理能力が高い事は覚えていた。そこに、同じく潜水艦対処能力が高い海防艦娘が二人に、時々潜水艦に補給する為か輸送ワ級が出た時の為に駆逐艦娘が二人という編成だ。

深海棲艦潜水艦隊は、約一時間で23体撃沈する事に成功。その報告を聞いた雄二と明久は顔を見合わせ

 

「作戦を第二段階へ移行」

 

「敵前衛艦隊を削ぐ! 高雄を旗艦とした全体第一艦隊と霧島を旗艦にした同第二艦隊出撃!!」

 

明久の指示の直後、高雄を旗艦として球磨、多摩、朝潮、満潮、愛宕の前衛第一艦隊と霧島を旗艦とした金剛、摩耶、鳥海、飛龍、蒼龍が出撃し、深海棲艦の前衛艦隊と交戦を開始した。

第二段階は、軽巡洋艦と重巡洋艦が旗艦となってる深海棲艦の前衛艦隊の撃破となる。

要は、第三と第四段階からだ。

しかし、第二段階からある意味正念場にあたる。

場所は変わり、最前線

 

「駆逐艦級と軽巡洋艦級を最優先で攻擊してください!」

 

『了解! ファイヤー!!』

 

『了解!!』

 

霧島の指示に従い、砲撃と近接戦闘をする第二艦隊艦娘達。

同じく、高雄の第一艦隊も深海棲艦に対して次々と攻擊を繰り出す。

こちらも、駆逐艦級と軽巡洋艦級を最優先しつつ、近付いてきていた深海棲艦に砲撃を叩き込んでいた。

何故、駆逐艦級と軽巡洋艦級を最優先に攻擊しているのか。

それは、駆逐艦級と軽巡洋艦級が対潜水艦能力を有しているからだ。

 

「目視、駆逐艦級。残数23! 軽巡洋艦級は残数15!!」

 

『11時方向の水雷戦隊は、こちらで引き受けますわ!』

 

「了解! 各員! 簡易補給ポイント(デポ)は赤い煙幕の位置に補給コンテナが複数投下されますから、確認してください!」

 

霧島からの通達に、全員から斉唱が返ってきた。

そして霧島は、主砲で飛龍を狙っていた重巡洋艦リ級を吹き飛ばした。

 

(司令が連れてきた参謀……中々な作戦を考えるわね)

 

艦隊の頭脳と自称する霧島からしても、簡単には思い付かない作戦だった。

 

「ふふ……面白くなってきたわね!!」

 

霧島は笑みを浮かべながら、敵に対して砲撃を敢行した。

その海域の遥か上空に、円盤を背負った飛行機。

偵察機が飛行していた。

明石と夕張が、何故か鎮守府に有った試作陸上攻擊機の深山を勝手に改造して作った偵察機。

名前は神凰。

4発あるエンジンから得られる潤沢な電力を活かし、レーダーを搭載。

その代わり、武装は一切ないから、制空権が得られていないと運用出来ない代物だ。

だから、周囲には護衛戦闘機が展開している。

勿論、そんな機体を操縦しているのは

 

「いやぁ……まさか、私達が運用するなんて」

 

「まあ、開発者ですからね」

 

明石と夕張御本人である。

何故かと言えば、夕張が言った通り開発者だからこそ、粗探しも出来ると目を輝かせたからに他ならない。

因みに、貴重な陸上攻擊機を勝手に改造されたのを知った明久は頭を抱え、不知火は二人に石抱きの刑を執行した。(艦娘だから耐えられた)

 

「あ、一つ大きな反応……戦艦級かな」

 

「妖精さん、居ます?」

 

流石に二人だけでは色々と運用が難しいため、監視妖精やら元深山の操縦妖精やらが協力している。

夕張に問われ、窓から外を見ていた妖精が、ある方向を指差した。

確かにその方向に、戦艦タ級が居た。

 

「艦隊に通信! 戦艦タ級確認!」

 

「数は2体! 警戒を!」

 

明石と夕張は、急いで詳細な情報を暗号化し、味方に伝えるように指示した。

 

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