「え!? 戦艦タ級が二隻!?」
「資料で見た強力な奴が!?」
夕張達からの通信を聞いた明久と雄二は、急いでその戦艦タ級を探した。そして、見つけた。
全体的に白く、旧海軍のセーラー服のような格好をした深海棲艦。
「あれが……戦艦級か……凄いプレッシャーだな……」
「確かにね……だけど、姫級に比べたらまだまだだよ」
初めて戦艦級を見た雄二は冷や汗を流すが、大規模作戦で姫級を見た明久は、耐えていた。
そして明久は、無線で
「金剛さん、霧島さん! 戦艦タ級が出現! 最優先対象にします! 攻擊してください!」
『了解しました!』
『了解デース!!』
「流石に、空母勢はまだ使えないしな……」
明久の指示を聞いた雄二は、乱暴に髪を掻きながら呟いた。
少しずつ信頼を得て、仲間になる艦娘は増えてきているが、空母はまだようやく六人だけ。
その六人には作戦の第三段階で、大事な役割がある為にここでは投入出来ない。
だから、今ある戦力で対処するしかないのだ。
そして投入出来ないのは、元教官組もだ。元教官組は、最終段階で投入する。
「今投入出来る戦力……あっ」
何かを思い出した明久は、無線で
「ビスマルクさん、出撃願います!」
と告げた。
『任せなさい!!』
即座にビスマルクは快諾し、出撃を開始する。
『戦艦ビスマルク、出るわよ!!』
暴力を振るう提督から救助されたドイツの戦艦、ビスマルク。確かに艦娘だから、肉体的苦痛には強く、治りも早い。
しかし、精神的苦痛は目に見えない為にどういう影響が出るか分からない為、明久としてはまだ療養してほしかった。
だがビスマルクは、作戦前に作戦に協力する旨を告げている。
『作戦が失敗する位なら、幾らでも協力するわ』
そう告げていた。
「すいません、ビスマルクさん。本当なら、まだ療養してもらう筈だったのに……」
『いいえ、構わないわ。アドミラル。タ級は厄介だもの……作戦を成功させる為なら、私は全力で応えるわ!!』
出撃したビスマルクは、最大戦速で戦域に突入すると
『レーダー捕捉……距離9500……フォイア!!』
タ級を狙い、主砲を撃った。
放たれた砲弾は真っ直ぐにタ級目掛けて飛翔し、4発の砲弾の内、2発が命中。残り2発は近くの海を穿ち、水柱を作った。
『ん……実戦久しぶりだから、少し勘が鈍ってるわね……だけど、次は外さない』
ビスマルク
彼女は元提督から日常的に暴力を受けていたが、ほぼ毎日出撃していた。
だから、今現在の明久の鎮守府では、元教官組以外の高練度艦娘で、その練度はなんと60に迫る。
微調整をしたビスマルクは、再度砲撃。
中破していたタ級に、4発全て命中させて撃沈させた。
『よし……もう一隻のタ級も、私が引き受けるから、金剛型の二人は支援砲撃に戻して!』
「了解! 金剛さん、霧島さんは、前線への支援砲撃に復帰!」
ビスマルクの自信に満ち溢れた提言を受け入れ、明久は金剛と霧島の二人を支援砲撃に戻した。
「補給物資の投下用意! 前衛艦隊の燃料と弾薬が、平均3割になった!」
続けて明久は、補佐役に徹していた大淀に指示を出した。明久は戦況を見ながら、各艦娘の艤装から送られる情報を確認していて、最前衛の艦隊の燃料と弾薬が黄色い表示になった事に気付いた。
明久の指示を聞いた大淀は、すぐに補給物資の運搬を手配した。
その時、夕張達から
『戦艦タ級、二隻の排除を確認!』
と通信が入った。
どうやら、ビスマルクは役目を果たしたようだ。
明久は少し考えて
「ビスマルクさん、念のために現海域で待機を……後詰とします」
『了解。補給物資で補給してから待機するわ』
ビスマルクからの返信を聞いた明久は、戦況マップを確認した。軽巡洋艦級と駆逐艦級は、最早片手で数えられる程度にまで減少している。
そこから明久は雄二と目配せし
「作戦を第三段階に移行」
「潜水艦隊、出撃!」
いよいよ、作戦は問題の段階に入る。