インフィニット・ストラトス 〜チョウゾの新たな歩み〜 作:すくりゅうあたっく
みんな全くいやな顔をしないし、どこか嬉しそうに接してくる人もいるほどだった。
それから1年くらい経って、何となく新しい家族がどんな人達なのか分かった。
おじさんのお母さんである
おじさんのお父さん、
おじさまは……まだよく分からない。
分からない事を聞いたら教えてくれるけど、それ以外のときは口数の少ない一輝おじいちゃんよりも喋らないし、昔のことを聞いてもほとんど答えてくれない。
毎日寝る前の1時間だけ私の体を借りるけど、ノートに何か描いて、おじさまが1から作ったパソコンに何かを打ち込んでは、画面の前でうなるばかり。
一つだけ分かっているのは…1冊目のノートの1ページ目に、細い宇宙服みたいな絵が真ん中にあることだけ。
パソコンはわけのわからないグラフだらけで、ノートはどう読むのかも分からない、私の知らない文字で書かれていてさっぱりだった。
「はぁ……」
「あら真央ちゃん。朝からため息ついてると幸せまで出ていっちゃうわよ?」
「えっ、……おはようございます、
……私は新しい家族の中でただ1人、少しニガテな人がいる。
「あはは!細かいことは気にしない! ほら、またため息つきそうな顔してる。笑ってた方が人生得するわよ〜?」
それが今目の前にいる、
背が高くて日焼けしたみたいに黒い肌(雪って名前についてるのに)、肩まで伸ばしてる赤っぽい…というか、暗めのルビーみたいな赤に近い(おじさまは
小学校の友達はみんな羨ましそうに雪美さんの事について聞くけど……私はこのグイグイくる感じが苦手な気がする。
「へぇ〜! 真央ちゃんの部屋も色々と物が増えたわね〜。って、随分ノートが多いじゃない! 勉強熱心なのはいいこ、と………なに? これ」
振り返ると、始めて見る真剣な顔をした雪美さんが、おじさまの書いているノートを開きながら私に見せていた。
私の体中からイヤな汗が出てきてくる。おじさまはノートやパソコンの中身を見せたがらない。大晦日に私の荷物整理を手伝ってくれた
《……遅かったか》
私にしか聞こえないおじさまの諦めの声がこぼれる中、雪美さんは次々と答えを当てていく。
「これ、真央ちゃんが書いたものじゃないよね? こんなものを”設計“するなんて大の大人でも出来ていないし、私はこんな古代文字みたいな言語は知らない。 それに、あなたや
「え、えっと……《誤魔化さなくて構わん。それと、ここからは直接私が話す》その…はい、おじさまがいつも書いてるやつです。……おじさまにかわりますね?」
私はどうにかしてごまかそうとするけど、おじさまは正直に話すようにと言って、私はおじさまに体を貸した。
おじさまが体を動かして雪美さんに話しかけると、雪美さんは体をビクリと震わせる。
「……そうだ。それは私が“設計”した…尤も、それに書かれている全てが自分で考えて作っているものではないがな」
「……確かに、構造材や基礎部分の機能はこれを見れば独自に設計してるみたいだけど、それ以外は殆ど既存のもので埋めてる。これには何か意味があるのかしら? 貴方自身が考えている部分を見れば分かる。そこだけ既存のものとは必要な技術力に差がありすぎるもの」
おじさまが答えると、雪美さんはノートを見ながら私がさっぱり分からなかった事をどんどん理解して聞いていく。
どこかで見た事があると思ったら、神社の近くに住んでいるお姉さんが同じような顔をしてうろうろしているのを見たんだ。
「ほう、文字を見ずに凡その理解をしたか。なら貴様の欲しい答えを出そう」
「やっぱりこれには意図があったのね。何が理由かしら?」
「簡単な事だ……技術を理解して設計できても、それを実現する為の設備が無い……ふむ、貴様には話しておこう」
置いてけぼりにされる私に気にもとめず、おじさまは部屋の電気をつけてカーテンを閉める。誰にも見られたくないのだろうか。
「真央もそろそろ知っておくべきだ。 ……これから起こることを見ても叫ぶな。それは守れ」
「どういうこと…… !!」
「おじさま、なんでいきなり……へ?」
雪美さんが大きく目を見開いたと思ったら、いつの間にか私が体を動かせるようになった。
そして顔を上げた先には、紫色のスライムみたいな生き物がふよふよと浮いていた。
スライムはぐにゃぐにゃと形を変え、ボロボロになっている銀色の鎧をつけたワシ人間に変身した。
「…もう、次から次へと無茶苦茶な事ばかり起きるわ……」
雪美さんが右手で顔を押さえている中、私はこのワシ人間に見覚えがあった。
「お前は気づいているようだな、真央。そうだ、これが