転生バイオハザード レオンと俺と生き抜く世界   作:黒世界

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第十四話 記憶違いの記録 祈りの届かない場所

建物の中は異様な雰囲気だった。

よくあるカルト的な雰囲気も然ることながら独特の空気のようなものが漂っていた。

おくに進むにつれてその異様さが浮き上がってくる。

 

「なんだこりゃ・・・。」

 

暗い部屋にたくさんの蝋燭で飾られた部屋には祭壇のようなものとでかでかと一人の男の絵が飾られていた。

 

「こいつがトップか?」

 

「ローグ、これを」

 

呼ばれて更に奥へ行く。長いテーブルの先にあったのはたくさんの蝋燭と象の頭部のようなでかい頭蓋骨であった。

だが、

 

「これはどう考えても」

 

「人の頭、だな。」

 

布でぐるぐる巻きにされているが口には歯があり顎があり、回りに転がってる頭蓋骨がその姿を用意に想像させる。

 

「こんな巨大な奴がいるのか?」

 

いる。と断言するのは憚られた。説明するにも材料がない。何かないかと辺りを見回すと何かの日記を見つけた。

 

「レオン、これ。」

 

差し出して一緒に読んでみる。

何かの成長日記のようだが牛一頭や大食いの世界チャンピオンですら逃げ出すような麦を食事にしている辺り巨人がいるのは疑いようがない。

 

「もしこんなのがでてきたら・・・。」

 

再び巨大な頭部を見て身震いする。

エルヒガンテ

ゲームではどうとでもなる相手だが実際に戦うとなるとその巨体は洒落にならない凶器となる。

 

「まぁ、なんとかなるさ」

 

考えても仕方ないとばかりにあっけらかんとレオンが言う。呆気にとられている俺とは対照的に辺りを物色し始めた。

 

「気にしすぎると後が続かないぞ?まずは目の前の問題からだ。」

 

あぁ、と力無く返事をするが現実とはこんなにも脆いものなのか、と疑問にしかならない。今更にどれだけの経験と恐怖に向き合ってきたのか。その一端を見た気がした。

 

部屋探しを終わらせて扉を空ける。警戒して空けた扉の先にいたのは。

 

「新しい品のお目見えだ。見逃すなよ?」

 

あの商人がいた。

 

「おまえ、どうやってここに?」

 

先回りしたにしては怪我一つない。別ルートがあったのかと思ったが、

 

「細かいことは気にするな。それとも金を払うか?情報だって立派な商品だぜ?」

 

言われてしまえば手持ちもない。

 

「いや、商品を見せてくれ。」

 

そう言ってレオンが懐からいつ拾ったのか宝石の類いを出す。

 

「おお!こいつは良いぜぇ?なんせあの世には持っていけねぇからなぁ。」

 

そう言って鑑定を始めるので急いで俺も少しだけ拾った分を出した。手際良くさばかれていく間に商品を見定める。

 

「できればあのライフルがほしいな。」

 

「ああ、戦略が増えるのは助かる。」

 

そして鑑定が終わる。結構な額になったが一番に見るべきなのは水と食料だ。さすがに腹が減ってきた。

だが、残った額でライフルが手に入った。

 

「こいつはおまけだ。上手に使えよ?」

 

弾のサービスは正直ありがたい。弾薬の補充をしているときにグリーンハーブがあることに気が付いた。

 

「この草、つかえるのか?」

 

商人に聞いたがそれより先にレオンが答える。

 

「擂り潰して使うと痛み止になるんだ。意外と世話になるから使い方覚えておけよ。」

 

「すり鉢ならあるぜ?」

 

いくらだ?と聞くと呈示された額に驚く。

 

「こんな小さなのが?」

 

「おいおい、ここじゃ手に入らないかもしれないんだぜ?命がけの行商だ。当然だろ?」

 

レオンも当然のように見てくる。ポーチの空きを確認して購入。お試し用のハーブはおまけしてくれた。

 

「次は買ってくれよ?ひっひっひっひっ。」

 

ゲームだとボタン一つだが実際使うとなると違和感しかないが、これが現実と言うならそれも飲み込むしかない。

お礼を言ってレオンに使い方を教わる。何てことはない、ナイフの底で擂り潰して(すり鉢と一緒にすりこぎも貰ってる)粉薬として飲む。もしくは傷口に水で濡らして塗った後包帯を巻いておくだけ。どうやって使ってるのか疑問だったが使い方はごく普通に一般的だった。

 

「おっと、ちょっと待ってくれ」

 

去り際に呼び止められる。

 

 

「依頼をこなしてくれたみたいだな?みていたぜ?」

 

「依頼?」

 

「討伐依頼がでててな。異常にでかい犬居たろ?あれさ。その報酬だ。」

 

そう言ってスピネルを八個出してくれた。どこから見てたんだ?と言う問いには「そいつぁ企業秘密だな」と返された。

 

「中身みていくかい?」

 

良いながら着ているコートを広げると所狭しと商品が並んでいた。その中にレーザーポインターがあったのでこれを今貰ったスピネルと手持ちを合わせて交換、その場で装着する。これで先の戦いが楽になるはず。

 

「また来てくれよな。」

 

勉強会後、商人を後にして整備された石造りの道を進むととうとう教会が見えた。

目の前に墓地が広がりその奥に教会がある。

墓地の管理人なのか男が一人、何やら作業していたが、恐らく村人と同じだろう。その証拠に農作業用のフォークで何もない土を掘り起こしていた。

だが決めつける訳にも行かず、恐る恐る話しかけてみる。

 

「すまない、ここの人だろうか?」

 

話しかけられて振り向くとフォークを振り上げて突撃してきたが、相手は一人。顔を見合わせるとレオンがナイフでさばき、体勢を崩した所をラリアットで吹き飛ばした。倒れた男の首を足で踏み抜き動かなくなったのを確認した。

 

「流石に慣れてきたようだな?」

 

「慣れてしまうのもどうかと思うが?」

 

「直にそれにも慣れる。そうすればいっぱしのエージェントだ。」

 

苦笑を苦笑いで返す。それが強さなのか傲慢なのかはレオンが示してくれている。彼の強さは俺には計れない何かを乗り越えてきた強さだ。いつかあの背中を支えられるだろうか?そんなこと考えている自分に少し驚く。

(斉木命)

一般人だった自分からは考えられない現実ばかりだと言うのに、どこかしっくり来るのはやはり(ローグ・アルビナス)として生きているからだろう。

と考え事をしているとレオンが懐から何かを出した。青い紙は先ほどの商人から貰った依頼書だった。

 

「双子の墓の紋章を壊せ」

 

双子なだけに墓は直ぐに解った。一つだけ繋がった墓石があるからだ。その丸い飾りの紋章を蹴り抜くといともあっさり壊れた。

 

「これで良いのか?」

 

「恐らくは。まぁ、会えば解るさ。」

 

そう言うと教会の正門に向かった。

扉は重かったが開かないと言うことはない。ギィィ、と言う音と共に両開きに開いた。

だが目の前の入り口は固く閉ざされていた。

 

「くっ、駄目か。」

 

一度離れるとレオンが通信を開いた。

 

「HQ、やはり教会は封鎖されてる。」

 

「ターゲットは?」

 

「まだ確認できてない。だがここの戸締まりはやけに厳重だ」

 

「成る程、彼らがそこまでして守るものは一つね。」

 

「ああ、彼女は教会の中だ、間違いない。侵入方法を探す。」

 

通信の間正面玄関を調べるが、やはり何かを嵌め込む窪みがある。

 

「鍵はこれかぁ、一体何処に。」

 

「中に入れない以上周辺を調べる。行くぞローグ。」

 

レオンに呼ばれて脇の道へ、直ぐに扉があった。

 

(こんな所に扉・・・?)

 

またゲームにはなかったはずの物。長らくやってないせいで記憶が薄れているのかと思ったが。

 

「カバー頼む」

 

上の空だと思われたのか鋭い指摘が入る。とっさに気持ちを切り替えて壁に背中を当てる。銃を構えてカバーの体制に入った。それを確認してレオンが扉を開ける。

中は薄暗い蝋燭で照らされた小さな部屋だった。

壁に飾られた地図には所々読めないが拐われた女の子と教会の鍵の行方が記されていた。

 

「やはりあそこにアシュリーが?」

 

「ああ、これで間違いなくなったな」

 

可能性が確信へと変わったのは大きい。湖は広いが「洞窟」と言うからには特定は難しくないだろう。

 

「レオン?」

 

小さな紙切れをじっと見つめるレオンを呼び掛ける。振り返ったレオンがそれを差し出した。そこに写っていたのは、

 

「アシュリー!?」

 

縛られ、転がっているアシュリーの姿だった。気絶しているのか放り投げられているように見える。所々汚れているのか痣なのか解らないがたいした怪我はしてないようだ。たが、

 

「無事・・・には見えないな。」

 

「あぁ、そうだな。待ってろよ。」

 

「!。レオン!」

 

静かな決意を新たに部屋を出るレオンを呼び止めて床の扉を指差す。

 

「下への梯子か。よくやった!」

 

誉められて少し気を良くする。そう言えば誉められたの初めてじゃないか?と思いつつ先に降りたレオンを追う。

続く道は教会の更に脇。出て右には木の扉があり閂を開けて開くと先ほど入ってきた扉のそばに出た。

 

「ここに扉有ったのか」

 

「怪我の功名だな。手間が省けて良い。」

 

そんなこともあるさともと来た道に戻る。その先には崖に作られた橋?と呼ぶべきか。恐らく作業通路があった。小屋や梯子があり村人が手を振って歓迎して・・・。

 

「危ない!」

 

投げられた火炎瓶をバックステップで回避する。

割れた瓶から燃料が溢れ、直ぐに火が燃え上がる。

 

「これ、不味いんじゃ?」

 

「燃えたら通れなくなる!」

 

直ぐに屋根の上の投擲主に射撃。頭部へ直撃し床へバウンドして谷底へ。

 

「くそっ!火が消えない!」

 

「諦めろローグ!いざとなったら他の道を探すんだ!」

 

そうは行かない!この道は一本道のはずだ。燃えて落ちたら戻れなくなる!

そうこうしている内に他のも集まってきた。中には火炎瓶持参の怖いもの知らずも居た。

 

「正気かあいつら!」

 

「そんなわけないだろ!なるべく先に始末するんだ!」

 

消火を諦め銃を構え直す。落としても割れて燃え広がる可能性がある以上火をつける前に仕留めるのが定石だ。

 

「援護を!」

 

言うと貰ったショットガンで特攻をかける。

W870

レオンから貰ったそれを真っ正面に放つ。

二人吹き飛ばし三人目に肉薄。コッキングして次弾装填しながら銃の底で敵の顔面を殴打する。のけ反った所をハイキックで沈めそのまましゃがんだ。

後ろからレオンの射撃。火をつける前に敵を撃ち抜くと駆け寄ってきて二発目三発目と次々当てていく。

 

「上を!」

 

即座に梯子を登り通路を確保。上に居た連中をハンドガンに持ち変えて射撃。怯んだ奴らは軒並み体当たりか喧嘩キックで叩き落とす。前衛をレオンと交代してタクティカルリロード。

 

「下がれ!」

 

とっさに下がると火の手が上がった。倒しきれなかった奴が投げたのだろう。

 

「無事かレオン?」

 

「ああ、問題ない!」

 

火の向こうでレオンが敵を倒しながら無事を伝えてくる。

所々出っ張った岩肌があるため燃え広がる心配がないのは良いが。

 

「面倒だな!ったく!」

 

息を大きく吸い込み火に飛び込む。範囲が狭いので我慢すればどうとでもなるがもう一度と言われればごめん被りたい。

 

「今ので最後?」

 

最後らしき敵を谷底に落としたレオンに聞くと

 

「おかわりがお望みか?」

 

奥から二人、突撃してくる。

 

「勘弁してくれ。」

 

地面が板ではないことを確認して側のドラム缶を撃ち抜く。派手な爆発と共に突っ込んできた二人とも爆発に巻き込まれた。

 

「ふぅ。」

 

「とっさに良く判断できたな?」

 

「正直冷や汗物だったよ。」

 

「笑えないぞ?それ。」

 

勘弁してくれとばかりに両手を広げて見せるレオン。最初の張り積めた空気よりは大分馴染めてきたのだと実感する。

それ以上敵は来ないようだが念には念を入れてリロードしておく。後で弾を入れ直すためマガジンはポーチに入れた。岩肌に囲まれた場所を抜け罠を解除して先へと進むと広々とした場所へと出る。

 

「こんなでかいの誰が使うんだ?」

 

入り口前に置かれた巨大すぎるハンマーを見上げ、思い出すのは巨大な頭蓋骨。あいつが出てくるのはもう少し先のはずだが。

広い空間でよみがえる記憶。

ここ最近の記憶違いにも似た違和感。

不安が緊張を呼び、心臓が高鳴る。

 

「レオン」

 

「ん?」

 

「気を付けよう。」

 

こちらの緊張感を感じ取ったのかより一層険しい顔になるレオン。

開いた大扉より先へ。

間違いであってくれと祈りながら。

採掘所へと歩き出した。




長くなりました&予定どおり行きませんでしたごめんなさい。
そして次回予告使い回します(笑)
次回
三度商人
会いたくない湖
燃料確保
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