転生バイオハザード レオンと俺と生き抜く世界   作:黒世界

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第十九話 先を知る不安 踏み込むべき居場所

扉が開く。そちらを見るとレオンが戻ってきた。

 

「無事か?」

 

そう聞くとこちらに歩み寄ってくる。俺は立ち上がって無事を伝えるとお互いに安心して抱き合う。その後ろから少し小柄な美少女が顔を出した。

 

「レオン、その人は?」

 

「大丈夫。俺の相棒だ。任務で一緒に助けに来た。」

 

そう、相棒のローグだ。俺はそう言ってなぜか言葉が出てこないことに気が付いた。

レオンが少女と会話している。俺の方を見ない。これは任務だから仕方がない。れおん。レオン。れオん。

 

「レ、レオン?」

 

少女がこちらを指差し真っ青になる。レオンが振り返ると驚愕の表情を見せた。

 

「ローグ?なのか?」

 

どうしたんだ二人とも?なんで?ナンで?

なんでこちらにじゅうをかまえているんだ?

 

「れおおおおおんんんんん」

 

誰の声か解らない声が響き渡り、何かがレオンの胸を裂いた。

血を吹き出し倒れるレオンと悲鳴を上げる少女。

 

「逃げろ!アシュリー!」

 

震える少女にそう言ってこちらに狙いを定めるレオン。それが音を出すより早く、触手がその手を貫いた。

悲鳴を上げるレオンを更に追い討ちのごとく滅多刺しにする触手が自分の視点と交わると。それが自分の体から生えていることが解ったが、更に両手も触手になり自由が効かない。

 

(止めて!止めてくれぇ!)

 

更にバラバラにされるレオン。一通り終えると震えている少女に狙いを定めた。

最早悲鳴を上げることすらしない少女に、三本の刃が襲いかかる。

 

(やメロオぉぉぉぉぉ!!!)

 

気が付いてはっと顔を上げる。

眠っていたようでどれぐらい時間がたったのか解らない。身体中から汗が吹き出している。腕や顔を確認したがそこに有ったのは紛れもなく「人間」の顔や腕であった。

 

「なんて夢を・・・。」

 

気持ちを落ち着けるために深呼吸して立ち上がって背筋を伸ばす。

 

「ん~・・・」

 

脳に血が回る音がまだ生きている実感を沸き立たせる。

呼吸が落ち着くとハンドガンをホルダーから取り出し安全装置を確認。セーフティーを解除。

本来撃たない場合は解除しないのだがこの状況下ではこの方が安心する。だが、

 

「もう撃てないかも知れない。」

 

先ほどまでの記憶も無かったことにはならない。今見た夢が後で現実になるかもしれない。

あの時植え付けられた筈であるプラーガ、これのせいで自分すら信用できなくらるのだとしたら。

銃口をそっと顎に当てる。

引き金に指を添える。

そして、

 

「撃てるわけ無い」

 

そんな度胸もなかった。

ゆっくりと腕を下げると再び座り込む。

 

「一体どうしろと言うんだ。」

 

頭を抱えたところで出る答えも無し。

軽い絶望感が俺を襲った。

どうにもなら無いと思った俺は、今の状況を知る為、言いつけも忘れて外に出ることにした。

撃てるかどうかも解らないハンドガンを握りしめ、扉をそっと開ける。

外は、暗かった。

いつの間にか腕時計は壊れていたため、正確な時間は最早知る術はないが、月が登っている辺りかなりの時間眠っていたらしいことが解る。

 

「夜はプラーガの時間。」

 

プラーガは強い光などを嫌う。そのため夜になると活性化する。あの夢のように、寄生された宿主がさらに狂暴になる。

しかし辺りにはレオンは勿論、敵も居ない。

来た時と同じように静寂が支配していた。

 

「そう言えば、デルラゴ・・・」

 

湖の怪物はどうなっただろうか?史実と違って?

いやいや、レオンに限ってそんな。

 

「そんな・・・。」

 

デルラゴ戦後、小屋の中で倒れる。その後、この時間ぐらいに目が覚めて鍵を探し戻ってくる。そのはずだ。そのはずなのに、なぜか不安が消えない。

 

「レオン」

 

気が付けば足は湖に向かっていた。

組まれた足場を抜け、くり抜かれた岩の道を通り、そして、

 

「ここは・・・。」

 

気が付くと採掘所にいた。

戻るときもそうだが誰もいなかったのはレオンが片付けたからかあちらに集中しているからか。

どちらにせよ今の状況ではありがたい。

湖に向かうために歩き出すとその出口が急に閉じられた。

 

「なんだ?!」

 

はっとして振り向いて入り口に走り出すが、その入り口も目の前で閉じられた。

 

「嘘だろ?」

 

この状況、よく覚えてる。この後引っ張り出されてあれが出てくる!

上から声が聞こえるので見上げてみると、見たこともない赤いローブを来た奴が鹿の骸骨を被っていた。手に持った杖についているカンテラが、杖を振る度に左右に揺れた。

 

「なんだあいつ?」

 

見たこともない敵らしき者に戦々恐々としていると更に背後から音がした。

見れば巨大な扉にそれに見合った閂がかけられている。その閂が。音と共に亀裂が走っていく。

二度目、亀裂が深くなる。扉がひしゃげ始めた。

俺はゆっくりと後ずさるが逃げ場はない。

そして三度目。

閂が吹き飛び、同時に扉がぶっ飛んだ。

土煙を掻き分けてそいつが姿を表す。

 

「何で・・・。」

 

歪な巨人「エルヒガンテ」は、咆哮と共にこちらに狙いを定めた。

 




デルラゴ戦はありません。
エルヒガンテとどう戦うんでしょうね?
次回
一度だけで良いから
心強い救援
弱さと向き合うこと
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