因みにいまはインフルエンザです(泣)
意外と待っててくれてる(?)人が居ることに驚いておりますが、さてさて。
その期待に何処まで答えましょうや?
ともあれ続きです。
どうぞ。
ルイスと別れた俺たちに待っていたのは非常な現実を突きつける彼女の連絡だった。
「天候のせいでヘリが降下地点に近づけない。」
彼女は悔しがっていてそれにレオンが軽口で返す。
強い信頼関係を匂わせる会話だが俺の隣に居る娘はそうもいかなかった。
「私・・・私、どうなっちゃうのかな・・・?」
「問題ないよ!ほら、さっきだって乗り越えたじゃないか?大丈夫だよ。」
「・・・足、震えてるわよ?」
ワン◯ースの長鼻小僧張りの足の震えを見てジト目で突っ込んでくる。
「もう!しっかりしてよね!」
そう言って背中を叩いてレオンの後ろにつく。
「行くぞ」
「行こ行こ。」
道なりに歩き出す二人にならって後を追う。
足の震えは演技だが心臓の鼓動は未だに収まらない。
俺は、俺は生き残れるのだろうか?
この答えに向き合うためにも今は模索するしかない。
身体が、心が動くようになって尚、恐怖は拭えない。
そしてそれが、「ゲーム」ではなく「現実」なのだと教えてくる。
リセットも、セーブも、ボタン1つで切り抜けられる裏技もない。
唯一のアドバンテージである知識ですら、最早意味をなさなくなってきていた。
そんなことを考えながらしばらく行くと例の商人の小屋があった。青い炎が見えることに少し安堵する。
「よぉ!旦那がた。新しい品を、覗いていきな?」
小屋のなかで向かえてくれた商人が見せてくれたのはひときわ大きな銃。
「これは又・・・」
「何処から仕入れてきたことやら」
ライオットガン。
ショットガンでアメリカ警察でも非殺傷武器として採用されているものである。
勿論実弾も発射可能。とは言え手に入れようと思えば手に入る代物であるのも又確かで、別段珍しい代物ではない。
が、この状況では意味が変わってきた。
レオンと俺が集めた換金ものと(レオンは換金済みなのか結構持ってた)勿体ないが手持ちのw870を下取りに出す。
「毎度ぉ!いい取引が出来たぜ?へへへ。」
ずしりと重いライオットの感触を確かめる。そして、
「悪くない」
そう言ってストックつけたTMPを構える。ライフルにサブマシにと重そうだが本人は一切気にもしていない。
ストックはスピネルと交換なので実質0。弾丸も補充して戦力の補充はバッチリだった。
「これで又戦えるな。」
「出来ればごめん被りたいね。」
「熱烈な追っかけがいるんだ。諦めろよ色男。」
「羨ましいなら変わってやるぞ?新しい玩具貰ったからってはしゃぐな。」
ルイスの陽気が移ったのかそれとも先の戦いでハイになったか。俺は自分の変化にも気がついていなかった。
「でも新武器だし試し撃ちは必要だ。早く撃ちたくて・・・。」
レオンの手が俺の口を塞ぐように鷲掴みにしてそのまま壁に叩きつけた。
アシュリーが驚いてひっ!と言う声と共に口を両手で覆い隠す。
レオンの目付きは敵を見るそれと同じだった。
「調子に、乗るな、わかったか?」
空気が変わる。
冷たく、重い空気に顔だけでうんうんと頷く。
やがてゆっくりとその手を離してくれた。
「気分がコロコロ変わるのはあの激闘の後だからだ。生きてる実感と死の恐怖から心が不安定になってるんだ。」
そう言うとこちらの肩を掴んでまっすぐ目を見つめて来た。
「落ち着いてくれ。その状態のお前をつれては行けない。」
そこで初めて気がついた。
先ほどまで不安だらけだったのに、武器を新調しただけで妙にはしゃいでいたことを。
「そうか、そう言うことか。」
自分でも気が付かない内に無理矢理ハイになってたらしい。
「そうだ。その状態では周りへの視野が狭くなる。生き残りたければ常に冷静でいろ。解ったな?」
そう言われて一呼吸考えた後、武器を置いて深呼吸を始める。それが終わると軽く跳ねる。
「ねぇ?何やってるの?」
「まぁ見てな。」
やがて跳ねるのをやめるともう一度だけ深呼吸をする。
そして、
「お待たせ。」
「良し、行こうか。」
「え?何?どう言う事?」
さっぱり意味が解らないアシュリーにレオンが答える。
「背中を任せるって事。」
「なにそれ!意味解んないんだけど!」
プリプリ怒るアシュリーを真ん中にして、俺たちは商人の小屋を出る。
「ヘマして死ぬなよ?」
最後の商人の言葉に小さく「あぁ、」と答えた。
さて、記憶が宛にならなくなっても記憶は記憶だ。この先は二手になってて片方にはエルヒガンテとの追いかけっこ。もう一方にはまるで闘技場のような作りの建物にわんさか敵さんがいる扉があるはずなのだが?
どう見ても一本道。しかも張り紙にはご丁寧に「この先、危険」と書かれているらしき文章があった。
「他に道、ないよなぁ?」
「そうだな、行くぞ?」
「あっ、ちょっとレオン。」
要塞戦。補充したばっかなのだが金も道具も消費の激しさは増すばかりだ。しかし、レオンはお構いなしに扉を開け放つ。目の前には壁があり、まだ誰にも気が付かれていなかった。
「見つからないように行けるか?」
「中を見ないとなんともな。」
「二人とも、上見て上。」
言われて指の刺された方を見る俺とレオン。崖の上にも歩き場があり、そこを数名が見張っていた。
「難易度跳ね上がったな?」
「楽しいだろ?」
「上等!」
「頼んだぞ?」
「え?まさか、一人でこれ?全部?」
やるしかない。アシュリーを守りながら上にまで気を遣うのは墓場での戦闘で体験済みだ。リスクを減らすならこれがベストだ。
ナイフを持つ手が震える。
あれだけ殺したのにまだなれない。
「なぁレオ・・・」
「行くんだ。」
見透かされているのか言葉が遮られる。
「お前なら出来るさ。」
「ファイト」
おまけに美女の応援付き。そう言われちまったらもう引き下がれない。
ナイフを握る手に力を入れて、一枚目の壁を覗く。
隙間から見える明かりが敵がいることを知らせる。その敵が後ろを向いていた。
すかさず背後から忍び寄り口を塞いで喉元をかき斬った。
音を立てず、血だらけになった男を倒し。
これ又血だらけになった手を払うように振る。
すぐに次のが来た。
壁に身をかくし、近くに来た所を引き寄せて喉に刃物を突き立てた。
三人目に手をかけた所で広い場所に出たため、上から見辛い場所で息を潜める。
「ここからなら見えずに進めるはず。」
顔を覗かせて誰も見てないタイミングでもっと近くに隠れる。そして、
「四人目!」
引き寄せた小屋のなかでステルスキルを達成させる。
「他のやつには・・・。」
よし、気づかれてはいない。
そう思って次の場所へ。
先ほどと同じ要領で、
「ふっ!」
ナイフが深々と突き刺さる。
牛男に。
「なっ!」
それぐらいで倒れることもなくもがき暴れる牛男。
やがてけたたましい音と共にレオンの声が響いた。
「ローグ!逃げろ!」
レオンの援護に踵を返し走り出す。
先ほどまで居た場所に炎が上がった。
此方からは狙えないのに器用に投げてきやがる。
「すまん、しくじった!」
「気にするな。楽しみが増えたろ?」
それぞれ新武器を構える。
上の火炎瓶はレオンがライフルで落としてくれた。
なら今一番気を付けるのは!
顔面にナイフを貫かれたまま、此方に襲いかかってくる牛男にライオットガンの接射を試す。
新武器の威力は絶大なのか。ものの数秒で倒れていった。
「後は雑魚ばかりか?」
そう言って接近戦に持ち込む。レオンもライフルに持ち変えて頭上の敵と援護に回ってくれる。
一本道のせいか割りとすぐに終わった。
なんなら自分達が仕掛けたであろうトラバサミに引っ掛かってるやつもいるぐらいである。
「思ったより少なかったな。」
出口付近のトラバサミを処理しながらレオンに話しかける。
「だがこれから先、こういう場所が増えるかもしれないな」
「勘弁してくれ。」
レオンの回答に心底うんざりする。
記憶は又も外れだった。
いや、巨人がいるルートが消えただけと思えば誤差範囲かもしれないが確かあの場所には・・・。
そんなことを考えながら扉を開いて先に進む。
進んだ先は採石所の上だった。
あの犬はどうしただろうか?
等と思いつつ左側の建物に入ろうとする。
中から解りやすく呻き声が聞こえる。
二人で顔を見合わせそれぞれ入った瞬間背中合わせで武器を構える。
当たりは、俺の方だった!
向かってくる敵に向かって胴体に一発。
それだけで終わってくれた。
「無駄弾使わずにすんだか。」
「せっかくだ何か探してみよう。」
小屋の探索はすぐに終わった。中でも、
「なんだこれ?グラス?」
「なんか・・・趣味悪そう」
「少なくともこれで飲む気はしないな」
三者とも同意見だが売れば高そうなので腰にくくりつけておくことにした。
少し大きめな焚き火を通りすぎてすぐに大きな門にぶつかった。
「これ?クランクだよな?」
「探すしかないか・・・。」
そう言って脇の道を進む三人。
この時、すぐに気づくべきだった。
「要塞」の攻略がまだ始まってすらいない事に。
続きをお待ちの皆様申し訳ありません。ただいま投稿です。
少し予定より進んでいませんがお楽しみは次回と言うことで。
次回
要塞
姉妹
強襲