転生バイオハザード レオンと俺と生き抜く世界   作:黒世界

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一息に書きたかったので少し長めになっています。


第五話 噛み合わない記憶 始まりの狂気

一歩、又一歩と姿勢を低くし村に侵入する。

パッと見ただけでもあの人数、先ほどの家の中の攻防を見ても集まってくることは間違いないだろう。

入り口から左に曲がって家の影から影へ。角を曲がると女性がフォークでなにもない地面を鋤いていた。

 

「どうする?」

 

と聞くと手で待ってろと制止の合図をする。足音を殺して後ろから近づくと、口を手で押さえて喉をナイフで切り裂いた。

派手に血が吹き出すが気付かれた様子はない。レオンが振り返って合図をする。すかさず合流し更に奥へ進もうとした。

 

グシャ。

 

思ったより大きな音がしたが響いてはいないはずだ。なぜこんなところに卵が?よく見れば放し飼いの家畜の中には鶏もいた。しかしまさか、そんな?

さっとかくれるレオン。判断は正しく壁からそっと覗くと男が一人こちらに来ていた。

まずい!

とっさの判断で引き返す。が、これがいけなかった。

 

「~~~~~~!!」

 

曲がった先で村人がこちらを見つけて指を指す。言葉は解らないが歓迎されてないのだけはわかった。

 

「こっちだ!」

 

走り出したレオンに続いて湖に続く道まで走り出すが、武装した村人に阻まれる。仕方なく戻り一番そばの家に入る

。運良く鍵ではなく閂があったのでそれを掛ける。窓からの侵入を防ぐためにレオンが棚で窓を塞ぐと隙間の小窓から外を覗いてみた。

 

「嘘だろ?」

 

隣を見るとレオンも苦虫を噛み潰したような顔をしていた。ゲームでは麻袋を被ったチェーンソー男が出てくる場面なのだが、出てきたのは血だらけの麻袋に血だらけの服。不気味すぎるその姿はゲームとはまったく違った恐怖があった。

 

「あんなの聞いてないぞ。」

 

そんな呟きにまったくだと相づちが来る。窓を叩く音が更に強くなった辺りでドアからチェーンソーが出てくる。閂は鉄製だが火花が散り始めたからそんなに長くは持たないだろう。軽く辺りを見渡すが使えそうなものはない。急いで二階に上がると壁際にショットガンが置いてあった。

W870

ポンプアップ式ショットガンで一般的で扱いやすい代物だ。弾は?とレオンが手に取り確かめる。中には装填済みだ。窓に近づいて掛けられた梯子を突き飛ばし辺りを見ると。そばにある机とベットにショットガンシェルを発見した。

 

「よし、これなら。レオン!」

 

そう言って弾を投げて渡す。丁度閂が壊れたのか下から断絶的に聞こえてきた金属音がなくなる。いよいよあれが入ってきた。

 

「外を頼む!」

 

「レオンは?」

 

「招待客は歓迎しないとな。」

 

そう言って集まってきた階段下にテープルに置いてあった手榴弾を投げ込む。爆発音と共に登りの階段が崩れる。これでもうここからは上ってこれない。ゲームではなかった展開だが、チェーンソーの音が消えることはなかった。

窓を開けてすかさず外へ。記憶が正しければ。

 

「あった!」

 

屋根に掛けられ今まさに上ってきた男を梯子ごとけり落とす。落ちて倒れた男に銃を向ける。が、

 

「はぁっ、はぁっ、」

 

とたんに呼吸が荒くなり手が震える。この状況でも撃てないのは致命的だ。

 

「ローグ!来るぞ!」

 

と窓からレオンが叫ぶ。下から鎌や包丁などを投げつけてきた。とっさに避けるがそこにやつが来た。けたたましい音をさせてチェーンソーを振りかぶる様は血まみれも合間って恐怖心をあおるには十分だった。

梯子を掛けられたにも関わらず数歩引く。

そして、チェーンソー男が登ってきた。登や否やグリップを握り回転数をあげて近づいてくる。

 

「伏せろ!」

 

意外な程体が反応してくれた。窓からショットガンを構えて一発!顔面付近に直撃したが怯みはしたものの倒れる気配は一切無い。

 

「構えろ、撃たなければやられるぞ。」

 

窓から外に出てきてレオンが言う。二歩近づいてもう一発。至近距離からのショットガンにはたまらず屋根下へ落ちる。次いでとばかりに梯子も落とすが最早焼け石に水だ。下から勢い良く投げ込まれる鎌や包丁、家の中からは梯子を登りきった村人たちがわらわらと出てきた。

すかさず屋根づたいに反対側へと向かう。

レオンが渡った所で下からチェーンソーの音がした。

とたんに反対側に渡る屋根への道が落ちた。

 

「しまった!ローグ!」

 

レオンが叫ぶが敵が登る隙を与えてくれるとは思えない。とはいえ家の中を突っ切るのは無謀である。何より俺の知ってるバイオ4では「床が落ちる」事も「チェーンソーが二体出る」こともなかったはずなのだ。

 

「レオン!後で合流だ!」

 

伝えると頷き、走り出す。合流に向けて最適な判断をしてくれるだろう。むしろ問題は、

 

「さて、どうしたものか」

 

悩んでる暇はない。

だが絶体絶命の状況に助けは来ない。どうせダメなら!

 

「うおおおおおおおお!!」

 

意を決した体当たり。振り下ろされる鉈や斧より早く目の前の敵にあたる。そして、

 

「ぬあぁ!」

 

敵を下敷きにして屋根から中央広場の方へ飛び降りる。

そのままクッションにして不格好に着地。苦しんでる暇はない。回りも見ずに飛び上がるように起きると全員がこちらを見て取り囲もうとしていた。手薄な方向を見つけ柵を飛び越えて向かいの家へ。扉を閉める一瞬、レオンを見つけるが向こうも手一杯だ。扉を背に一息付くが顔のすぐ横を斧がぶち抜いた。

情けない声を出しながら扉からはなれる。鍵も閂も掛けてない扉はすぐに敵の侵入を許した。

すかさず奥へと逃げ込む。もう一枚のドアを閉めて窓の方へ、幸い敵は外にはいなかった。か、窓が開かない。必死に持ち上げ、押して、ひいては焦るばかり。そうこう言う間に敵が来る。

 

「ああ、もう!」

 

少し下がるとそのまま飛び込む。窓が砕け外には出られた。訓練のせいか本能か、それともたまたまなのか怪我らしきものはなかった。

敵が来る前に動かなくては、そう考えてもう一度広場に向かう。迷わなかったのは行き止まりだからだ。だが、群れとなった村人たちは逃げ道すら塞いでいた。人間の壁に圧倒され数歩下がるが後ろからも敵が来ていた。そしてその奥から最早聞きなれたが聞きたくない音。チェーンソーを振りかざす、血まみれの男が向かってきていた。

 

(終わった)

 

最早逃げ場はない。俺に出来るのはこいつがレオンの方に行かないように一秒でも足止めすることぐらいだ。

更に数歩下がる。撃てない銃を抜く。持ってるだけで不思議と安心した。

 

「今頭でも撃てば苦しまないだろうか?」

 

等と言う考えが頭をよぎる。

更に数歩下がる。敵も来ているはずだからこれ以上下がれない。

 

「来いやぁ!」

 

叫んで最後の悪足掻き。すぐそこにいる敵の頭に照準を合わせる。引き金を引く。が、引けない。さっきまで撃てたのに。見ると安全装置がかかったままだった。

 

「くそったれ」

 

解除してもう一度構える。目前に迫った絶対的な死に足が震えた。死にたくないと涙が出てくるがもうどうにもなら無い。諦めだけが頭をよぎった。

最後の祝福かどこかで鐘が鳴っている。せめて苦しまないといいなぁ、とだけ祈って目を瞑る。

が、何時までたってもその最後が来なかった。

そっと目を開けると目前に迫っていたチェーンソーをおろしてどこか違うところを見つめていた。いや、チェーンソー男だけではない。回りにいた村人たち全員がある一定の方向をみていた。

そして思い出した。

 

「教会の鐘の音か」

 

ゲームでは一定時間たつと鳴り響くこの音で村人たちはある一ヶ所に集まっていく。そして、呆然としている俺を気にすることすらなく歩きだした村人たちは、吸い込まれるようにその建物に入っていった。

追うように広場に出るとレオンもいた。あまりの変貌ぶりに戸惑っているが、こちらを見つけると駆け寄ってきた。

そうしている内に最後の一人が建物にはいる。扉を閉めると重厚な音がした。鍵を掛ける音がすると先ほどまでの騒動が嘘のように静かになった。

 

「どうなっているんだ?」

 

戸惑うレオンだが答えの伝え方が分からない俺は、

 

「解らないが、命拾いはしたよ。」

 

と少し嬉しそうに言った。

そこに無線が入る

 

「こちらHQ、湖へのルートがわかったわ。大きな風車の先よ。村の奥へ向かってくれる?」

 

ハニガンからの無線にこれから向かうと返答するレオン。

 

「気をつけてね、コンドル1。コンドル2もね。」

 

そう言って通信が切れた。行く先ははっきりした。

行こう、とレオンに先に進む提案をする。

 

「そうだな。と、その前にプレゼントだ。」

 

どこからか拾ってきたのだろう。レオンの持ってるのより一回り小さなショットガンを渡された。

「スカルシェイカー」

と呼ばれた小さな短散弾銃。軽く扱いやすいが癖の強いそれを渡される。

 

「良く生き残った」

 

褒め言葉としては最上級であるそれを素直に受けとり二人で歩き出す。

向かうは湖。途中にある小屋の物色で弾とナイフを補充し広場から大扉へ向かう。

 

この先に待ち構える困難を、俺たちは知るよしもなかった。




やんでる時のほうが筆が進むと思いましたが、病みすぎると思考停止するんですね。
次回
新たな厄介ごと
走り抜ける
見えずらい未来
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