転生バイオハザード レオンと俺と生き抜く世界   作:黒世界

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第六話 見覚えのある家 見慣れない敵

扉を開き、村から外へ。道なりに歩くと風車が見えた。

 

「風車か」

 

地図にあったのだろうか?目印にするには丁度いいそれをみてレオンが呟く。ここには青いメダルがあったはずだが、ここが現実だとして同じ場所にあるだろうか?まぁあってもどこにあるか覚えてないのだが。

一番近くの小さな小屋に行き一息。

 

「ここでも囲まれるのか?」

 

軽い疑問を投げ掛けるが

 

「だろうな。」

 

とレオンからはこれだけ。さすがに彼もさっきのは堪えたようだ。平静を装っているがシャツが汗で濡れていた。

 

「ローグ」

 

と、呼ばれて返事もせずに顔だけ向ける。その顔に掌底が来た。

それをとっさに払いのけ距離を取る。すかさず距離を詰めるレオンが大振りな上段蹴りを放ってきた。

それをしゃがんで躱し懐に入り込む。ナイフを待ったように手を軽く握ると刃が首もとに来るようにレオンを押さえた。

 

「何のつもりだ?レオン」

 

問いかけるとレオンが答える。

 

「ローグ、君にはその体術があるはずだ。銃が撃てないならそれでもいい。だが自分の身の守り方まで忘れたか?」

 

言って手の平で腕を下げる。

 

「訓練は思い出せたか?」

 

苦笑ぎみでレオンが笑う。確かに今のはとっさの反応にしては中々だと思う。でもなぜこんなことを?と思っていると

 

「大事なのは動き続けることだ。考えすぎてもダメだ。」

 

と言ってまっすぐこっちをみてくる。屋根の上の攻防を見ていたのだろう。撃てなかった銃、下がる俺。でも伏せろと言われて伏せた事、咄嗟に反応できる事、培ってきた経験は無駄ではないことを教えてくれる。

 

「ありがとう、レオン」

 

そう言って目線を合わせるとお互いグーを作って殴るように合わせる。

痛みが少し、心地よかった。

 

「生き残るぞ。」

 

静かに、力強く言って励ましてくれた。

ああ。とこちらも力強く頷く。

そして二人で小屋を出る。角から角へ辺りをうかがう。幸いにもこちらの村人は中央広場の騒動を知らないのか静かなものだった。ふと右を見ると青いメダルがぶら下がっていた。

 

「なんだ?」

 

疑問顔のレオンを尻目に懐にいれる。

 

「何となく」

 

と言うと目尻を押さえてやれやれと呟かれる。後で役に立つとはいえ、まだ説明はできない。

 

「それよりも」

 

と指を指す。指した先は右の小屋と左の柵。どちらか通らないと先には進めなかった。

選んだのは柵。先を見るために忍び足で道を横切り、そばにいた村人の口を塞いでナイフを突き立てる。そのままゆっくりと寝かし壁に背を預け更に辺りを見渡す。

誰にも気付かれずに風車の辺りまでたどり着くが門がしまっていた。

 

「どこかにスイッチか仕掛けがあるはずだ。」

 

レオンの疑問に回りを見る。大体こういうのは近くにあるはずなのだ。幸い分かりやすく鉄格子型の扉があったのでそこに入る。中に誰かいる気配はない。が、規則正しい機会音が鳴り響いていた。すぐそこに爆弾トラップが仕掛けられていた。簡単なトラップだったため、線を切るだけで良かった。

その先には梯子があった。登るとそこにはレバーがあった。ためしに動かしてみるが歯車がひとつ足りない。

 

「自分で直せってわけか。」

 

顔を見合わせレオンが呟く。

 

「この部品もそんな遠くに有るとは思えないが」

 

そう言うがその辺にそれらしきものはなかった。

 

「仕方ない。辺りをみて回るぞ」

 

外に出る出口は二つ。ここは二手に別れる事にした。

 

「何かあればすぐに無線で。」

 

と言うレオンに解ったと返す。ある意味初の単独行動である。心配そうなレオンを背中に外に出る。

辺りを見渡すと下に降りれそうな場所を見つけた。反対側はレオンに任せ下へ降りる。

道なりに進むと南京錠のかかったドアがあった。

鍵は頑丈そうだが付けてあるつけねは簡単に壊れそうだった。

バキッ!

ナイフで叩くと思った以上に簡単に外れた。中に入って中を物色。テーブルの上にハンドガンの弾と大きな木製の歯車があった。

 

「これか。」

 

ここでふと疑問が生まれた。

 

「この歯車の仕掛け、俺は知らない」

 

何かが噛み合ってない。さっきのもそうだ、あんな血まみれなチェーンソー男ゲームでは出てこなかった。しかも二体も。

考えに浸っていると上からなにかが落ちてきた。鈍い音と軽い悲鳴、その後にもう一人、咄嗟に銃を構える。

ここら辺はレオンの言う通り「ローグ」の訓練の賜物なのだろう。成果が出ることに安堵する。

 

「銃を下ろせ。俺だ。」

 

振り返ってレオンが言うと此方をみて歯車を見つける。

 

「あったか?それで先に進めるな」

 

ああ、と頷いて手に取る。疑問もなにも俺がいる時点でイレギュラーなのだ。何年も前のゲームと同じ内容なはずがない。そう言い聞かせて側の梯子から二階に戻ろうとする。

 

「ドンッ!」

 

正面の大扉が叩かれる。ノックなんてかわいいものじゃない。間違いなくぶち破るために振り下ろされた何かだ!

 

「急げ!来るぞ!」

 

回りからは作業中だった村人達が集まる。すぐに囲まれるだろうその場所から脱出するため二階に駆け上がる。二人とも上に登りきったところで大扉が破壊された。

見えたのは牛の頭。恐らく被り物だろうそれは妙にリアルに作られていた。

手には大振りなハンマー。作業用、のはずなのだが持ち手が持ち手だけに打つのが杭や釘だとはとても思えなかった。

村人が牛の頭を被ってハンマーを持って襲ってきた。と言えば通じるだろうそれは、しかし村人と雄叫びと共にこちらに向かってくる。

登ってくる梯子を蹴倒してレオンが入ってきたであろう壊れた窓から外に出る。そのまま仕掛け歯車のところへ。

欠けている歯車の場所に歯車を差し込んだ。

 

「良いぞレオン!」

 

レオンが仕掛けを動かすとそれは凄い勢いで回り始め、ガシャンという音と共に止まる。これで扉が開いてなければあれと戦うことになる。出きれば避けたい!

登ってきた梯子から飛び降りて来た道を戻る。

門は、開いていた。

 

「レオン!吊り橋だ!」

 

「走りきるぞ!」

 

揺れる落ちるも何のその。一瞬躊躇するも後から追いかけてくるあれよりましと言い聞かせる。吊り橋の真ん中に指しかかったところで頭だけ振り替えると、牛頭を先頭に何人かが一塊になって向かってきていた。

 

「来た来た来た来た来た!」

 

焦る俺を、しかし振り替えること無くレオンが激を飛ばしてくる。

 

「もうすぐだ!走れ!」

 

目の前に吊り橋の終わりが見えてきていた。奥にあるのは見覚えのある二階建ての家。しかし今は気にしている場合ではない。レオンが右に曲がるのにならって俺もそちらへ。曲がった先の更に奥へ行く道には荷車がおいてあった。

 

「時間がない、どかすぞ!」

 

そう言って後ろから押し始めるレオン。一緒に押そうと手を掛けるが眼前に牛の頭があった。

一瞬ぎょっとしたがすぐに切り落とされた生首だとはわかった。ただし、その匂いは強烈だ。

吐き気を我慢しながら力一杯押し続けるとすぐに荷馬車が動いてくれた。そのタイミングで牛頭達もこちらに来た。

 

「構うな!いくぞ!」

 

そう、構ってる暇はない。荷馬車をどかしてで来た道を走り抜ける。暫くしてこの道を思い出す。

 

「レオン!待って!」

 

言って上を見回す。辺りにはなにもなく、なぜか牛頭達も追っては来なかった。

 

「なんだ?どうした?」

 

記憶が正しければこの少し先辺りで岩を落とすトラップが待ち構えているはずだ。しかし見渡しても気配ひとつ無かった。

 

「一体どうしたんだ?」

 

レオンが急かすように肩を掴んでくる。

 

「すまない、気のせいだったようだ。」

 

「そうか?その割には必死だったようだが。」

 

レオンも追ってこない事が解ってか息を整えている。同じく見回して安全を確認する。違和感を覚えながらもすまない。と謝罪し先へ進む。訝しげな顔をしながらもついてくるレオンだが道が二つに解れた辺りに差し掛かったときだった。

 

「危ない!」

 

違和感ばかりに気を取られていた俺は崖上からの爆破による落石に一歩遅れた。それをレオンが無理矢理引き戻す。

軽い悲鳴を書き消すほどの轟音と共に一瞬先まで居た場所に大量の岩が落ちてきた。

 

「まったく、自分で言ってて世話がないぜ。」

 

呆気に取られてる俺の胸を叩きながら立ち上がると銃を構える。

 

「脇道の方へ行くぞ。まだ待ち伏せがありそうだ、気を抜くなよ。」

 

立ち上がるのを待って歩き始める。慌てて後を追うとその分かれ道が先に繋がっていることに気がついた。

とたんにレオンが銃を二発、見ると吊り橋の上から二人落ちてきていた。手で来いと合図。振り返ることもなく歩き始めるレオンに見捨てられる、と言う恐怖を感じながら後ろをついていく。

更に先に行くと少し広い所に出た。壊れた小屋、荒れた道と柵、あからさまに見えるトラバサミ。右手には湖が見えた。

 

「ここだ。」

 

レオンが目的地に着いたことを告げる。ここから湖を渡って教会へ向かうのがセオリーだ。先ほどの違和感が外れていることを祈りながら先へ進もうとするとなにかが投げ込まれてきた。

 

「ばっ、爆弾だ!」

 

今度はまっすぐに下がる、というよりはみっともなく逃げる。すぐ後ろで爆発が起こる。倒れ込むように回避するとレオンが反撃するのが見えた。すぐに起き上がって敵から隠れようとする。

 

「まて!」

 

腕を掴まれ壁に押し付けられる。

 

「焦るな、トラップだ。」

 

見るとライン爆薬とトラバサミ。迂闊に進めば命はなかったそれをナイフでさばいていく。

 

「気を抜くなよ。奴さんのお出ましだ。」

 

投げつけられた斧をパリィで捌く。気を持ち直すと目の前に飛び出す。

側にあったトラバサミを飛び越え向かってくる敵に飛び蹴り、倒れた敵の腹を踏み抜き側にある小屋に意識を向ける。

 

「任せろ」

 

とはレオンの言葉。裏から回ったのか銃声が鳴り響く。

俺はもう一人へ駆け寄るともう一度飛び蹴り、そこにダイナマイトが投げ込まれる。

 

「やばっ!」

 

たまらず走って逃げる。倒した村人が巻き込まれるがそれよりも投げたやつがどこか解らなかった。

 

パンッ!パンッ!

 

銃声が鳴り響いた後、少しはなれた場所で爆発が起こる。レオンがダイナマイトを狙ったのだと理解して側の階段へ。

不思議なことに体が動いた。先の飛び蹴りもそうだが来る、と解っているからか快適に動く!だからなのか調子に乗った。

梯子上の確認を怠った俺はもう一人いることに気がつかなかった。

 

「あぼぶっ!」

 

今度は梯子で顔を踏み抜かれた。たまらず地面に叩きつけられる。痛がってる暇はない。すぐに飛び起きると上から斧が叩きつけられた。

至近距離、すかさず銃を構える。が、手が震える。

そうしている間に射程範囲にはいる敵が斧を振り下ろしてきた。

咄嗟に懐に入り腕の部分を手をクロスさせて受け止める。そのまま手首を捻って投げ飛ばす。倒れ付した敵の背中を踏み抜き振り替えると上で爆発が起こった。

 

「終わったか?」

 

声の方へ再び振り替えるとレオンが此方にやって来た。

 

「いや、まだだ!」

 

一番奥の小屋辺りにもう一人いた。レオンが銃を、俺は左に膨らんで走り込む。

狙いはこちらだった。

投げられた斧を余裕をもって躱し接近。レオンが頭に打ち込んでよろけさせる。

それで倒れないことは解っていたので三度目の飛び蹴り!

倒れた胸を踏み抜く。

倒れて動かなくなったのを確認して後ろを向く。

 

「もう居ないよな?」

 

「なんだ?物足りないのか?」

 

まさか、と頭を降る。むしろもう出てこないでほしい。

一番おくの小屋だけ鍵がかかっていた。やはり取り付けが甘いのか二、三回殴ると壊れた。

中はやはり荒れていたが他に比べるとしっかりとした作りになっていた。

 

「なんでこんな所に弾があるんだろうな?」

 

「この国も銃社会だ。有っても不思議じゃないだろ?」

 

俺の疑問にもっともだと言う回答を返してくる。ハンドガンとショットガンの弾を少し補充。奥に続く通路の爆弾線を切る。奥の部屋には写真や小物はあるものの特になにもなかった。が、

 

「奥からなにか聞こえるな。」

 

レオンの言う通りドアを叩くような音がする。たしかここは・・・。

 

「レオン、こっちだ」

 

指し示した棚の奥の隙間から空間があるのがわかった。

棚を押して道を開けると音が強く聞こえてきた。恐る恐る近づくと男が一人、床を叩いていた。顔を見合わせて俺の腰からナイフを抜いて渡してくる。やれ、と言うことだろう。さんざん蹴って殺した感触はあるのだが武器はいまだに使ってない。レオンには其処の所見抜かれていたのだ。いまだに覚悟が足りないと。

ゆっくり近づき後ろに立ちレオンのやり方を思い出す。

左手で口を塞ぎ、右手のナイフで首をかっ切る。男は度胸とばかりに当てた刃を引く。血を拭いて倒れる男の最後の感触を手に残しながら思ったより上がっている息を整える。

 

「良くやった」

 

肩に手を掛け労いを掛けてもらう。心のなかで「だいじょうふ、直ぐに慣れる」と言い聞かせ、床の板をはずすレオンに振り替える。

床を開けると更に地下が出てきた。

 

「先に行くから照らして」

 

解ったとレオンが行ったのを確認して梯子を降りる。思ったより深くはない。自分でもライトを取り出して先を照らす。手で合図をしてレオンが降りてくると目の前に暴れる袋があった。再び顔を見合わせるとレオンが袋を開ける。

中から出てきたのは髭面の中年だった。

口はテープで塞がれていたのではずしてやる。

 

「ゆっくり剥がせよ・・・」

 

文句たらたらな男の言葉に動じること無くレオンがいう

 

「色々と話がありそうだな」

 

「察しが良いなセニョール。じゃ、煙草あるか?」

 

「いいや、ガムなら」

 

「そうかそれは残念。ならこれほどいてくれ」

 

軽口の応酬にスマートに答えるレオン。俺の記憶じゃルイスは棚のなかで監禁されてるはずだ。

 

「ああああまずい!」

 

「へ?」

 

後ろを向くと同時に裏拳が顔面に綺麗に入った。ふっとびのたうち回る俺を無視して敵が近づく。レオンが蹴りをいれるが足を掴まれてしまう。そのまま投げ飛ばされる。

 

「レオン!」

 

叫ぶ俺は痛みを我慢して銃を向ける。

一発、二発、三発。やっと撃てたそれは、しかし服だけで弾かれる。

 

「嘘だろ」

 

俺の見た最後の光景は、顔ぐらいある大きな足の裏だった。




止め時見失って気がついたらこんな長くなってしまった。

次回
失われた時間
訓練の成果
武器商人
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