目を覚ますと男が二人、なにかを話していたのが見える。
顔と頭が痛い、少し呼吸もしにくい。
「起きたか?」
話を止めて男が話しかけてきた。頭が少しづつ回転し始める。
「レオン!」
ガシャン!
目の前の男がレオンだと気がつき飛び起きるがなにかに引っ張られてうまく起き上がれない
後ろを見ると手を縛られ鎖で繋がれていた。
良く見ると二人共に天井から鎖で腕を縛られ繋がっていた。鎖は止められているわけではなく滑車でどちらかが引っ張るともう一人が引っ張られるタイプだ。
「何してるんだ?」
「見たら解るだろ?情熱的なラヴコぉうぉ!」
男が話してる内にレオンが無理矢理引っ張る。滑車が外れて鎖が地面に叩きつけられる。と、同時に男も地面に倒れた。
「くそ!話ぐらい最後までっ」
会話は最後まで続かなかった。後ろから忍びよった敵にレオンが反応して鎖を引っ張ったのだ。男はたまらず前のめりで倒れ混む。先ほどまで首があった場所を斧が通り抜ける。
二撃目を転がって躱す男を横目にレオンが鎖を引き寄せて対峙する。
向かって振り下ろそうとする敵に鞭のようにしならせて鎖を飛ばす。顔面に当たった敵はたまらずのけぞった。
その隙を見逃さず首に鎖を巻き付ける。男と協力して引っ張ると首を絞められどちらにも手が出せなくなった。
しかしなお暴れる敵はがむしゃらに斧を振り回す。
「うぃや!」
伸びきった鎖を足で絡めて思いっきり引っ張る。ぐちり!と言う鈍い音の後で仰向けに倒れこむ。
「おおぅ」
とそれに引っ張られて男も倒れた。直ぐに起き上がると倒れた敵の側でなにかを拾っていた。
「レオン!」
鎖を足で引っ張るときに後ろ向きになったレオンを呼ぶが、気付くのが一歩遅れた!
振り返った時には拾った鍵で手錠をはずしていた。
「まて!まだ終わってないぞ!」
急いで追いかけるが敵に巻き付いた鎖で近づけない。俺もまだ繋がったままだった。
両手を広げてゆっくり後ずさる。
「またなアミーゴ」
そう言うとできるだけ遠くに鍵を投げた。そしてそのまま逃げていくその後ろ姿を俺達は眺めているしかできなかった。
気を取り直してレオンが鍵を拾いに行く。
「なんだったんだアイツは?」
「名前はルイス・セラ。アシュリーの事を知っているようだったんだが、」
鍵を使って手錠をはずしこちらにくる。後ろに回ると鍵を外してくれた。
「吐かせる前に逃げられた。」
「信用できるのか?」
「内容次第だ。少なくても無いよりましだろう。」
軽いやり取りをして手鼻で鼻の中の血を飛ばし体を伸ばす。自由になって無いものがあることに気がついた。
「そう言えば、装備は?」
「わからない。だがどこかにあるはずだ。」
「どこかか?」
「とにかくここを出るぞ。なにか武器を探さなくては。」
「わっ、分かった」
体術があるとは言え武器があるのはやはり安心する要素の一つだ。回りを見渡してスコップを見つける。
「まぁ、無いよりましか。」
「そうだな、行こう。」
そう言って二人で部屋の出口へ向かう。向かいながら通信機を起動。ハニガンが応答する。
「HQ、ターゲットの居場所を掴んだ。彼女は教会にいる可能性が高い」
「さすが!朗報ね」
喜んでいるのか良く分からない口調でハニガンが答える。
「それから、妙な男に出会ったんだ。名前はルイス・セラ。うさんくさい奴だった。奴の事調べられるか?」
「ええ分かった。少し時間をちょうだい。とりあえず・・・あなたは教会へ向かって。」
「まずは此処から出ないとな・・・。また連絡する。」
通信を切ると二人でライトの無い薄暗い道づたいに歩いていく。途中水の流れる音がしたが下水か川なのだろうか?
道の途中の死体になにか光るものを見つけた。近づいて見るとキッチンナイフがあった。
「よし、まだ使えるぞ」
抜いてみると血だらけだがナイフとしては十分だったそれを、レオンは武器として装備した。
階段を登ると声が聞こえた。
扉を開けて角から注意深く見ると、見張りが一人。
スコップで戦おうとする俺をレオンが手で制した。
「それだと音がする。まだ見つかるわけにはいかない。」
言うと拾ったナイフを片手に一気に忍び寄る。其処まで距離がなかったのもあってかスムーズにかたがついた。
倒した敵をゆっくり床に降ろすレオン。側に壊れた壁があり俺は近づきつつ其処を警戒するために覗き込んだ。
「レオン!あれ」
小声だがしっかり聞こえるように呼ぶ。
「取られた装備だ」
「ああ、あんな所に。」
軽く回りを見渡すとどちらからもドアがあった。
「回り込めば行けるな」
「直ぐ其処に見えるのに」
「仕方ないさ。直ぐに取り返せる」
レオンが肩を叩いて気を取り直す。とりあえず直ぐ其処の扉を開ける。こういう時の音はほんの少しでもものすごく気になる。積んである土嚢と瓦礫のの影に隠れて向こう側を観察する。
敵が一体。こちらに気付いてはいないが後ろも向いていない。
「どうする?」
聞いた俺にレオンは得意気に、
「こうするのさ」
石をつかんで上に投げた。敵の後ろで石の落ちる音がして確認のため振り返る。その一瞬でレオンが敵に肉薄した。
「ふっ」
軽い掛け声と共に首をかっ切られて音もなく倒れる。
手招きでこちらを呼ぶと、斧を手渡してきた。
「こちらの方が音がしにくくて使いやすい」
分かったとうなずいて武器の交換をする。ナイフが戻るまでの辛抱だ。
それが終わるとトラバサミに守られたドアを見る。此処に装備があるのだが。
「此処も仕掛けか?」
「じゃなければ別の入り口があるかだな。」
仕方なく先へ進むために近くの壊れた窓から再びなかにはいる。姿勢を再び低くすると目の前の崩れた壁から敵が見えたが、こちらに気がついてないのかそのまま素通りした。
素早く壁に近づくと二人で左右の確認。他の敵が側にいないことを確認すると今度は俺が壁を乗り越えて接敵した。後ろから首をめがけて斧を一振。慣れとは恐ろしいもので一度経験してしまうと躊躇がなくなる。訓練のせいもあってか振られた斧は一直線に敵の首を半ばまで切断した。
倒れそうになる敵の肩を支えて音を殺すことも忘れない。
振り返ってレオンにグッドサインを出す。
レオンは一つ頷くと壁を乗り越え肩を叩く。良くやったのサインだ。少し嬉しくなる。
更に先に進んで扉を開くとそとへの出口が見えた。反対側にはハンドルと扉。扉は鍵がかかってて開かなかったのでハンドルを回してみる。向こう側が開くと先ほどのトラバサミが見えた。
「レオン、さっきの場所だ。」
「分かった、そのまま開けててくれ。直ぐに戻る」
レオンが辺りを警戒しながら走って戻る。直ぐに反対側からレオンが見えた。
鍵を開けてもらい中へ、装備一式を取り返した。
「よし、良いぞ!」
「こっちもだ、全部ある」
一式を確認すると装備し直す。腰と脇に慣れた重量が戻ったことに安堵する。
「行けるか?」
レオンの問いに二つ返事でOKを出すと、引き返して先ほどの外への扉へ。扉に近づくと外が見える格子窓からこちらを覗く影があることに気がつく。
「誰だ!」
良く響く声と共に二人で銃を構える。
(ガラガラ)
影は怯えること無く扉の閂を外すと
「こっちだ、旦那がた」
と奥へと引っ込んだ。
「なんだアイツは」
疑問を投げ掛けるレオンに
「大丈夫、敵じゃない・・・気がする」
「根拠は?」
「カンかな?」
と言って外へ。
「おい待てっ!たくっ。」
後を追って外に出るレオン。
この出会いが後々まで語られるようになるとはまだ誰も知らなかった。
いざ書いてみると進まない進まない。
次回
取引
乱戦
攻砦戦