転生バイオハザード レオンと俺と生き抜く世界   作:黒世界

8 / 27
第八話 小粋な商人 戦いの渓谷

「それじゃあ取引を始めようぜ。welcome!」

 

そう言ってコートを開くと所狭しと武器弾薬がぶら下がっていた。

話が出来る辺り敵でも無いが味方かと言われれば目的が分からない。それでも何一つ無いこの状況ではありがたい限りだ。問題は・・・。

 

「お代がいただけねぁなら、この話は終わりだ」

 

そう言って店じまいを始める店主。二人顔を会わせていくら持ってるか確認する。

 

「ほとんどドルだ」

 

「換金してこなかったのか?」

 

「いつもカードなので」

 

「あー・・・。」

 

レオンもそうなのか頭を抱える。この頃のスペインは「ペセタ」通貨だ。ドルも使えるかどうか聞いてみたが

 

「ここいらじゃあ使えねぇなぁ」

 

といなされてしまった。相談が長くなってくると辛抱強く待ってくれてる武器商人からも不穏な空気が流れる。

 

「待ってくれ、食料はあるか?」

 

ふと思って聞いてみる。すると、

 

「あるぜあるぜ?ここいらのものは体に合わないものも多いからな」

 

そう言ってテーブルに出される水や干し肉。団子状のは?

 

「そりゃ小麦粉を水に溶かして丸めたもんだ。パンを持ちやすくしたもんさ。」

 

バックパックの中身は携帯食料もあるが先の事を考えると水だけでも確保しといた方がいい。その考えで買えるものを買っておく。他にも銃弾、薬。さすがに武器は諦めた。ライフルやサブマシンガンなどはこの状況では魅力的だ。

 

「ああ、そうだ。」

 

一通り買ってその場を後にしようとすると武器商人が呼び止める。

 

「こういう依頼があるんだ。金がないなら一つ試してみちゃどうだい?」

 

そう言って差し出される青い紙。中には、

 

「コインの回収にネズミ除去。蛇の回収?」

 

「ここいらじゃあ珍しくないのよ」

 

俺の問いに笑顔?顔が隠されてないので分かりづらいが営業スマイルで答えてくれた。

 

「こなして稼げと?そんな時間は」

 

突き返すレオンを手で制して

 

「悪い話じゃないはずだ。」

 

そう言って懐から小さな宝石を出す商人。

 

「ここいら特有の宝石だ。見つけて持ってきてくれたら特別な品と交換してやるぜ?もちろん依頼をこなしてくれたらスピネルと交換だ。」

 

スピネル。

本来はルビーなどのように赤いものらしいがこちらはすんだ水色のような色だ。それを通貨代わりにしているのだろうか?

 

「コイン回収ってこれの事か?」

 

そう言って先ほど懐にいれたコインを差し出す。ゲームでは割っていたが現実では証拠が必要だと思った。オートでなんでもやってくれる程現実は甘くない。

 

「おお、こいつだこいつ。でも一つじゃあ足りないぜ?」

 

探してみなと言う商人、二人顔を見合わせ依頼書をサイドポケットにいれる。

 

「毎度あり!また頼むぜ。」

 

軽い返事と共に店を離れる。側にある大扉を調べるがどうやらこれも見たこと無い仕掛けが必要らしい。

 

「この窪みのクランクが必要なのか?」

 

「ローグ、あっちだ。道がある。」

 

振り返ると進むべき道があるので取り敢えず進んでみた。道に二、三人待ち伏せがいたが体術と補充した弾薬の前では敵ではない。だが直ぐに、

 

「行き止まりか。」

 

此処も何か仕掛けが?と思い見回すと梯子があった。レオンを手招きして登ると、

 

「なんだこりゃ?要塞か?」

 

大きな谷に地形と吊り橋を使った。そう、まさしく砦のような場所だった。だがやっと見覚えのある場所を見つけた

ことに少し安堵する。とはいえ、

 

「多分これ、降りたら囲まれるよね」

 

「だろうな」

 

途方に暮れそうになる。何せ今見えてるだけでも結構な数居るのだ。折角補充した弾薬が今や心許ない。

 

「どうする?もどるか?」

 

作戦会議のつもりで聞く。商人の元へ戻っても良いがこれ以上補充はできない。単純に金がない。

だが戻って依頼をこなすにもそんな時間も無いかもしれない。心に少々の焦りがうまれる。

 

「行こう。 何かあるかもしれない。」

 

そう言って飛び降りるレオン。仕方なく覚悟を決めると後を追って飛び降りる。と同時にゆっくりと間合いを詰め始める村人達。俺達は銃を構えてお互い背中合わせに立つ。わらわらと集まってくる村人にレオンはハンドガンを、俺はスカルシェイカーを、ゆっくりと深呼吸して。

 

バン!

 

レオンが戦闘を始める!俺は少し歩き、敵が近づいたところで射撃開始。狙う必要がない腰だめの射撃にまとまって吹っ飛ぶ。

 

「どうする?」

 

「付いてこい!」

 

別れるか?と言うより先にレオンが指示をくれる。飛んでくる斧をナイフで払い。分かったと同時に射撃、進むレオンの後を追う。が、

 

「ダイナマイトだ!」

 

言うが否や襟首付かんで飛び退く。仲間すら巻き込んで爆発。そういや仲間意識皆無だったな。ちょうど真ん中あたりの吊り橋に逃げ込んだがさすがに場所が悪かった。あんなもの投げ込まれたら最後、二人揃って谷の底だ。そしてその予感は当たった。反対側から投げ込もうとして居る奴をレオンが撃ち抜く。落ちたダイナマイトが転がり橋の近くで爆発。敵を巻き込むが橋が揺れて不安定になる。

 

「不味い、掴まれ。」

 

必死に捕まり難を逃れるが尚も追撃は止まらない。

 

「走り抜けよう!」

 

提案に賛成したレオンと共に駆け出す。吊り橋を走るのはこれで二度目だ。慣れた訳ではないが飛んで来る斧が鬱陶しい。捌く腕の差かレオンが先にたどり着く。しかし其処にダイナマイトが投げ込まれた。

レオンが蹴りあげ、空中で爆発。爆風を躱すために顔を腕でガードし身を小さくする。がそれがいけなかった。

吊り橋の上にダイナマイトが落ちる。しかも板に挟まり対処のしようがない。

 

「しまった!ローグ!」

 

俺はとっさに翻して駆け始める。が、間に合うわけがなかった。

 

「ローグ、掴まれ!」

 

爆発!橋は其処から分断され、俺はギリギリ捕まったロープに助けられる。巻き込まれた村人が谷底に消えていくのを感じる暇もなく。

 

「ぐぁ!」

 

壁になった橋に叩きつけられた。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。