転生バイオハザード レオンと俺と生き抜く世界   作:黒世界

9 / 27
第九話 生き抜く力 身を守る術

「ローグ無事か!?」

 

反対側でレオンの呼ぶ声がする。何とか落ちるのだけは回避できたが上からは村人達が一斉に群がってきた。上から投げ込まれた武器は当たりこそしないが上に登るには邪魔だった。それでも落とさなかったショットガンを腰に差し少しづつ登り始める。落ちた場所が場所なだけに先が長い。幸いにも隙間があるため指を掛けやすく登る事事態は苦労しない。レオンを見ると敵を捌きながらこちらに向かっている。何か叫んでいるのを登りながら聞いていると。

 

「急げ!橋が落とされるぞ!」

 

は?と一瞬耳を疑ったがその瞬間左手の綱が切れた。

 

「嘘だろおい!」

 

とっさに右側の綱にすがり付く。まだ運には見放されていないようだが時間はなかった。

レオンの援護があるものの多勢に無勢、直ぐにでも登りきらなければ後がない。

必死に登るが間に合うか?焦りが呼吸を乱し?しっかりな、心臓が破裂しそうなほど鼓動する。

 

「後少し、後少しだ。」

 

自分に言い聞かせ登り続ける。

 

「急げ!もう少しだ」

 

レオンが来てくれた!が、俺が居るせいで動けない。早く登らなければならない事に替わりはなかった。

とうとう上まで登りきり顔を出すとレオンが敵を蹴り谷底に落としていくところだった。

 

「上がれるか?」

 

大丈夫だと返事をして一息に体をあげる。

 

「ありがとう、助かった!」

 

「なに、良いってことさ」

 

再び背中合わせでお互いをカバーする。

敵は多数、逃げ道はなし、斧にフォークにダイナマイト。良くこんだけ出てくるものだ。

斧をナイフで払い、フォークを抱えて谷へ落とし、ダイナマイトを投げれないように体を撃ち抜く。

弾は減り、ナイフはすり減り、体は悲鳴を上げるが、気が付けば敵はもはや数えるだけになっていた。

 

「流石に弾切れか?」

 

「こちらもだがな」

 

レオンが笑いながら答えてくれるのが解った。何故だろう?疑問に確信が持てないまま目の前の一人の膝を撃ち抜く。

突っ込んできたもう一人の振り下ろされた斧をパリィして

上段蹴り。首の折れる音と共に吹っ飛ぶ。そして先ほど片足を撃った敵に回転したまま狙いを定めて頭をぶち抜く。

振り替えるとレオンも最後の一人を倒した所だった。

振り返って手を上げる。それにならってボロボロになったナイフを捨て手を合わせる。

パァン!

と言う派手な音と共に戦いの終わりを告げた。

 

「流石に疲れる。」

 

「全くだ」

 

先ほど商人から買った水を飲んでから頭から被る。持ってきた方の水は安全のため後に取っておくことにした。

 

「残念だが休んでる暇はない。直ぐに先に進む方法を探すんだ。」

 

急かされるが事実だ。先にも聞いた通り拐われた女の子が一人どこかに捕まっている。

 

「ああ、解ってる。行こう、あの家だ。」

 

小屋らしきものは目の前の一軒しかない。扉を明け、なかを物色し物資の補充に成功するが肝心の鍵らしきものが見当たらない。

 

「六角形の何かだと思うんだけどなぁ」

 

ゲームでは二つに割れたレリーフだったが家の中にはなかった。近くの梯子を登って屋根に出ると見覚えのない鳥の形の紋章が入ったレリーフがあった。

 

「まさかそれか?」

 

良く調べると中から取っ手が出てきた。少々重いクランクだ。

 

(この世界、やっぱり何か違う。俺の知ってるバイオじゃない)

 

この考えはずっと思ってきた。俺が居るのだからと考えていたがキーアイテムや細かい道筋まで違ってくるとこの知識がどこまで通用するか解らない。そもそも全部覚えてなどいないから通じるわけないのだが、それでも先の見えない不安だけは解消できる。しかしこれは、

 

(想定外が多すぎる)

 

心の中だけで舌打ちする。

アドバンテージが通用しないかもしれない。そう考えただけでゾッとする。

レオンの足を引っ張らない。

それだけが生き残る立った一つの方法だと思っていた俺にとってこれが何を意味するのか。

 

「どうした?怖い顔して。」

 

「あ、いやすまん。何でもないんだ。」

 

振り返ったレオンがこちらを見て聞いてきた。何事もなく答えるが気にするときりがない。取り敢えず進むことにしよう。此処から見えるため帰りは簡単だった。

崖上のハンドルを回して封鎖された扉を上げる。後は道すがら回収しながら戻るだけだ。意外なことにいくつかの宝石を手に入れた。

思ったよりかさばらない上に売れば幾らかになるだろうそれを手に先ほどの場所に戻る。

レリーフを使える場所まで戻ると商人はもういなかった。

 

「居ないな」

 

「まさか襲われてるとか?」

 

「あれだけ武器があるんだ。早々くたばりはしないさ」

 

そりゃそうだと思いクランクをはめ、回し始めたレオンを横目に不安を拭えずにいた。

この先は村長の家のはず。狭い場所での面倒な籠城戦もどきがあったはずだから弾が補充できたら嬉しかったんだけど。

思いながら先ほどまで商人が居た場所を見る。テーブルまで綺麗さっぱり無くなっていたそこに何か落ちてないか探りに行こうか迷っていると、

 

「よし!開いたぞ」

 

開け終わったレオンが呼んできた。開けられた扉の前に立ち皮肉たっぷりにレオンに問うて見た。

 

「今度は一体何が出てくるやら」

 

「言うな、気が重くなるぞ?」

 

「フラグって奴かな?」

 

「日本だと死亡フラグって言うらしいな」

 

そんな言葉知ってるんだ?と少し意外性を感じながら先へ進む。

 

「ローグ」

 

「ん?何、レオン?」

 

「さっきは見事だった。」

 

夢中で当たり前にやっていたが銃を撃てることに今頃気が付いた。

 

「この後も頼りにしてるぞ?しっかりな」

 

そう言い立ち止まって銃を見ている俺の肩を叩く。

さっき言われたばかりの励まし方なのに前回より心に余裕と安心感が生まれた。

 

先に歩き始めたレオンに追い付くために少し早歩きで付いていく。

 

「ギュイイイィィィン!!!」

 

先ほど生まれた余裕と安心感を砕く音が聞こえた。




人生は詰んでも人生そのものは続いていく。
いっそ心が壊れたらどれだけ楽か?
と言うほど苦労もしてないのが甘ちゃんの証拠なのかも?

次回
恐怖再び
家捜し開始
飛び回る影
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。