競馬界のレジェンドになったら…   作:展開郎

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本日は2話投稿します。


第十二話 思い出せなくて苛々することはあるのか?

涼しいどころか、寒くさえある車内で僕は目が覚めた。

サッカーボーイをどう勝たせるかで、頭を悩ましてその疲れのせいかどうやら少し眠っていたらしい。いや本当にどうしようか。

1200の重賞を裂蹄させずに勝つか、いや本当に難しい。

勝利のビジョンは少ないながら見えても、その中で更に怪我をさせないビジョンというのが今の今まで何度考えても思いつかない。函館の開催は明日で最後だから、相当馬場も荒れているしなぁ…

恐らく自分の騎乗能力では無理だと思う。競馬の神様でも乗らない限り、そんな条件で勝てるわけがない。

まず輸送の時点で相当、サッカーボーイ自身が相当荒れるはずだ。となればいつものパワーが出せるかどうかという確証がない。

レースのペース自体をどこまで下げれて、よーいドンッに持ち込めるかどうかが勝利のビジョンへと繋がるのは分かるがまだ見えない。

そうこうしていると、函館空港から走っていた車は函館競馬場に着いたようだ。パパッと、調整ルームのチェックインなどを終わらせて部屋に入りベットに横になりながら窓を見る。

 

「雨…だな。はぁ、ほんとどうしようか。」

 

外の天気は生憎の雨、サッカーボーイのことと重なって本当に憂鬱に感じる。

今まで挑んできた重賞より、更に難易度が高い。

金鯱賞のシヨノリーガル、小倉記念のオグリローマン、小倉三歳Sのトウカイハマナス…どれも二着惜敗だ。

未だ重賞を勝っていないのに、更に怪我をさせてはいけないと来た。

うーん、本当に勝ち筋が見えない…函館1200は2回走ってある程度の経験はあるが何も思いつかん。

サッカーボーイは二番人気…か。やっぱし父ディクタスのせいで人気が落ちてるな。

ディクタスといえば、産駒にはサッカーボーイ後にイクノディクタス、ムービースターなどが生まれるがスプリンターは少ない。マイラーやクラシックディスタンスホースが多い。

そしてディクタス自身もマイラーである。血統的にも、体質的にもスプリントに対して勝ちにくい。だからこその二番人気である。鞍上が竹豊で、前走を大差で勝ったとしても二番人気だ。同じディクタス産駒のディクターランドも高評価ではあるが三番人気である。

警戒すべき馬としてはまず一番人気のカゲマル。モガミ産駒でありデビューしてから函館1200を二戦二勝と負けなし鞍上は芝田政人先輩である。

九番人気のチカノパワーも警戒する価値があり、ナイスダンサー産駒で函館1200を勝っており松長先輩が手綱を引いている。

そして同じ産駒のディクターランドである。サッカーボーイはマイルから中長距離であるのに対して、ディクターランドはスプリントからマイル・中距離を距離適正としている。馬主は社大ファームであり、わざわざ出すということはサッカーボーイと同じレベルの期待が寄せられているのだろう。恐らく、サッカーボーイにとって一番の強敵になるだろう。

色々とレースの戦略を考えていると、雨が窓ガラスに当たる音がどんどん激しさを増していく。窓を見ると、さっきより雨が降っている。

 

「雨本当すごいなぁ…当日は田んぼ状態かもしれんな。」

 

いや待てよ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。どこかで、見たことがある。そしてサッカーボーイなら出来るかもしれないと何故か思ってしまう。

だが見たことがあるだけで、思い出せない…

一番苛々するパターンだ。喉に魚が引っかかったことや、数学の問題で計算ミスをしていたことより苛々する。髪の毛をむしゃくしゃにいじってみても、頭をブンブン振っても思い出せない。

親父に電話でもして、聞いてみようかと思ったが電話に出ない人だしなぁ…

本当にどうすれば勝てるんだろうか。幾ら、弾丸シュートといってもそれはマイルでの話だ。それがスプリントでは発揮できないし、弾丸シュートのデメリットである裂蹄を絶対にしてはいけないと来た。

さっきから何度も、何度も考えているけど、可能性が見えない。

ビジョンはどれもこれも、役に立たない。

焦る気持ちばっかで、ビジョンも徐々に変になっていく。

勝てる未来が見えない…

 

『カンッ、カンッ、カンッ』

 

雨が本当に凄い勢いだ…確か、天気予報では明日になれば勢いが落ちて晴れるっていってるけど晴れても馬場は完全に重馬場確定だな。

そんな馬場でサッカーボーイが走るのか…少し心配だな。

蹄が弱いというのにこんな、馬場を走るのか。

本当に今回のレースは一か八かのレースだ。

もう一度、考えてみよう、サッカーボーイが安全に勝てるビジョンを。

 

 

 

 

 

朝日が昇り出した。いや、本当にどうしようか。

結局あれから考えても、何も思いつかなかった。少しだけ曇っている、空模様が僕の心を余計苛々させる。

本当に()では勝てるビジョンが見えない。サッカーボーイの調子は問題がなく、遠征による何かしらの不安要素などはない。本当に、ただただサッカーボーイをどうやって勝たせるか本当にそれだけがどうしようもない。

こんな時、どうやったらいいんだろうか…

もうそろそろで本馬場入場だ。もう腹を括るしかない、どう走るかを。

無限に繰り返されるビジョンの前に、今答えを出さないといけない。




ということでサッカーボーイの函館三歳Sの前編、ということで竹豊とサッカーボーイは一体どうなるか。予想や考察など感想欄で書いても構いませんよ。

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