「…歩夢ちゃん一体、何があったの?」
「え、と、それがね…。」
「わたしからお話します…。」
「しずくちゃん。」
〜5分前〜
「しず子にちょっと見せたい物があるんだ〜」
「なになに?」
「じゃーん!」
「これは、ペンダント?」
「うん。これね、わたしが小さい頃にね、ママから貰ったペンダントなの。わたしの大切な宝物なんだ。しず子にも見せてあげる。」
「まぁ、ありがとう。綺麗…。」
「でしょー♪」
その時でした、私が持っていたペンダントのチェーンが切れてしまい、ペンダントトップが落ちてしまって…。
「あっ…。」
キーン
床に落ちたペンダントトップが、割れてしまいました。
「あ…あ、、かすみさん、ご、ごめ…」
「…う、うぅ…、し…、しず子のばかーーーー!! 。…しず子なんて、だいきらっいーーー!!」
ダッ!
「あ、まって、かすみさん…!」
〜〜〜現在〜〜〜
「そっか、そんな事が…。」
机の上には、割れたペンダントが置いてあった。 それは元は、太陽と月を半分ずつ象って、1つの形であったであろう物だったが、割れてしまい、半分に分かたれてしまっていた。
「きっと、私がペンダントを持つ時力を入れすぎてしまったんです。私が、かすみさんの大切な宝物を壊してしまいました…。私…、私…!。」
ダッ!
「しずくちゃん…!」
「しずくさん…!」
傍にいる璃奈ちゃんと栞子ちゃんを置いてしずくちゃんは部室から走り去った。
「ううん、大変な事になっちゃったな…、どうしよう、ねぇエマさん、果林さ…、あっ」
そうだ、3年生の皆は今、学年末考査でしばらくいない。それに愛ちゃんせつ菜ちゃんランジュちゃんの3人も、今イベントをやってていないんだ。
今皆が頼れるのは、私しか居ない。
私が…、私がしっかりしなくちゃ…!
「2人とも居なくなっちゃった…。」
「どうしましょう…。」
「璃奈ちゃん、栞子ちゃん。2人はしずくちゃんを追いかけて、一緒に居てあげて。しずくちゃんは多分屋上にいると思う。」
しずくちゃんは落ち込んだ時屋上にいることが多い。だからきっと今もいるだろう。
「分かりました。」
「あなたはどうするの?」
「私は、かすみちゃんを探してみるよ。」
かすみちゃんを探してみたものの、見つからなかった。もう帰ってしまったのかな…。
ぷるぷる…!
電話だ、しずくちゃんから。
「先輩、かすみさんは…」
「ごめん、見つからなかった。」
「そうですか…。先輩ごめんなさい心配かけてしまって。」
「ううん、何かあったら頼っていいんだよ。私は先輩なんだから。かすみちゃんとは明日ちゃんと話をしよう。」
「はい。ありがとうございます。」
翌日 放課後
しずくちゃんとかすみちゃんはちゃんと話出来たかな…。
「あ、かすみちゃん。」
「せ、せんぱい…。」
ダッ!
かすみちゃんは私を見ると走り出してしまう。
「ま、まって〜、話を、話をさせて〜」
「はぁ、はぁ…、ここって、かすみちゃんのお家?」
ピンポーン
「はい。かすみんです。」
「かすみちゃん、私。入っちゃだめ?」
「せ、せんぱい…。、…ど、どうぞ。 。」
かすみちゃんの家に入り、部屋の前に立つ。中からかすみちゃんの声が聞こえる。
「今のかすみんの顔はかわいくないので、せんぱいには見せられないです…。だから、ここで扉越しでお話し、きいてくれませんか?」
「うん、わかった。」
私は部屋の扉に背中を預けた。
「あの、ペンダントね、小さい頃にママから貰った、私の宝物なの。」
「うん」
「だから、壊れちゃったの見た時、ついあんな事言っちゃって…。でも、しず子は悪くないの。あのペンダント、古い物だから、きっと元々脆くなっていたの。私がそれに気づかなかったのが悪いの。謝らなきゃいけないのは私なの。」
「うん…」
「でも、私、しず子に酷い事言っちゃったから、どんな顔して会えばいいのか、分からくて。私、しず子に嫌われちゃったんじゃないかって、怖くなっちゃって…。」
「大丈夫。かすみちゃんが本気でそういう事言うはずないこと、しずくちゃんは分かってるはずだよ。それはずっと一緒にいたかすみちゃんが一番わかってるんじゃないかな?」
「…うん。」
「せんぱい、お話し聴いてくれてありがとう。少し気持ちがスッキリした。せんぱいがいなかったら私…。」
「私は何もしてないよ。私がいなくても、かすみちゃんは大切なことに自分で気づいていたよ。」
「そんな事ないです、せんぱいがいると、なんか心が落ち着いて、気持ちがスっと出てくるんです。」
「そ、そうかな…、あはは。」
「でも、私の宝物、壊れちゃったの、やっぱりちょっと悲しい、な…。」
「……。かすみちゃん、メッセ見て。」
「え?はぃ……。」
私はかすみちゃんにメッセで画像を送った、それは、割れたペンダントの写真。
「これ…、」
「確かに、ペンダントは割れてしまったけど。でも…、こういう考え方は出来ないかな…?」
「あっ…。」
帰り道、近くの公園でしずくちゃん達を見つけた。
「このままなんて嫌です、でも、今日、学校でも顔を合わせてくれなくて、メッセもずっと見てくれなくて。私、かすみさんに、どんな顔をして会えばいいのか分からなくて。」
「わたしもこのままは、嫌。このままかすみちゃんが戻って来なかったら、わたしがお話しする。しずくちゃんの事許してほしいって、お願いする。」
「璃奈さん、私もお付き合いします。しずくさんとかすみさんには、ずっと仲良しでいて欲しいですから。」
「2人とも…、ありがとう。…私、かすみさんにちゃんと謝りたい。」
「きっとね、少しだけ時間が必要だったんだよ。気持ちを整理させるための。 だから、大丈夫。かすみちゃんはきっとすぐ戻ってくるよ。」
「はい…。そうだと思いたいです。」
「うん。今日はもう暗いから、帰ろう。」
家の前
「あ、歩夢ちゃん。」
「あなた…。今帰り?」
「うん。」
「そっか…。あの、ごめんね、私、なにも力になれなくて…。」
「ううん、歩夢ちゃんがいてくれたから、私はしっかりしようと思えたんだよ。私があの時歩夢ちゃんの立場だったら、きっと何も出来なかった。」
「優しいね、あなたは。…かすみちゃんとしずくちゃんは、ちゃんと仲直り出来そう?」
「うん。きっともう、大丈夫だよ。」
今日話を聴いて2人の気持ちはわかった。2人とも謝りたいと思ってるけど、きっかけが掴めないだけなんだ。
だったら私がやることはひとつだけ。
そのきっかけを作ってあげればいいんだ。
…その日の夜、私はしずくちゃんとかすみちゃんの2人に同じメッセを送った。
(明日の昼休み、部室に来て。大事な話があるから。)
翌日 昼休み 部室
「先輩、話ってなんですか。…あれ…?」
「せんぱい、話ってなん…、あ、しず子…。」
「か、かすみさん…。」
2人を廊下から見守る影が4つ
「あぁ…、大丈夫でしょうか…。」
「璃奈ちゃんボード「あわあわ」」
「うう、心配だよぉ…。」
「皆落ち着いて…、信じて見守ろう。」
「かすみさん…、ごめんなさい!私、かすみさんの大切な物を壊してしまいました。…本当に、ごめん、なさい…。」
「しず子…、謝らないで。あのペンダントはね、古かったから、きっともう壊れかけていたんだよ。だから、しず子は悪くないよ。」
「でも…」
「私が許せないのは私自身だよ、しず子に酷い事言っちゃった。きっとしず子を傷付けちゃったよ…。うぅ…、だから、ごめんなさい…!許して!」
「…………。かすみさん、顔を上げて。」
「あ…。」
「これからも、ずっと私の友達でいて下さい。それなら許します。…それで、いい?」
「しず子…。うん。友達…、私たちずっと友達だよ…!」
「うん…!かすみさん!」
「でも、本当にいいの?あのペンダント…」
「うん、もういいの。それよりしず子、ちょっと手出して。」
「え?う、うん…。」
かすみちゃんはしずくちゃんの手に、ペンダントを置いた。それは月を象った形の、元は1つだった物の片割れ。
「それ、しず子にあげる。」
「え?…でもこれは、」
「しず子は大切な友達だから、持ってて欲しい。私のコレと、しず子のとで、これからは、2人の、宝物 にしよっ!」
「…か、かすみ、さん…。ありがとう…、うぅ…。」
「ちょっ、ちょっと泣かないでよしず子〜」
「だっ、だってうれしくて…。」
「…ふぅ、一件落着かな。栞子ちゃんと璃奈ちゃんは…あっ。」
「かすみさん!」
「しずくちゃーん」
「しお子、りな子!?」
「見てたの…!?」
「とっても心配、していたんですよ…!」
「このまま2人が仲直り出来なかったらどうしよって、うぅ…。」
「…、ごめん、2人にも心配させちゃったね。もう大丈夫だから。」
ギュッと、かすみちゃんは3人を抱き寄せていった。
「しず子もしお子もりな子も、みーんな私の宝物、だよっ!」
「…ねぇ、思い出さない?」
「何を?」
「小さい頃私達が喧嘩した時のこと」
「え〜そんな事あったかなぁ?」
「あったよー!、あの時私すっごく辛かったんだからー」
「ふふっ、ごめん。」
「宝物、かぁ…」
皆を見てると何か、新しい曲のイメージが浮かんできそうな予感がした…。
翌日部室
「はぁ〜、平和っていいなぁ〜。」
同好会はいつもの日常に戻っていた。
「ただいま〜、帰ってきたよ〜。」
「エマさん!おかえり!テスト終わったんだね。お疲れさま。」
「うん。ありがとう〜。」
そしてエマさんはギュッと私の手を握る。
「…?どうしたの?」
「あなた、ついてきて。」
「え?」
「大変なんだよ、とにかく大変だからついてきて〜!」 ダッ!
「えぇぇ〜!?」
しずかすなのか?