SSSS.GRIDKNIGHT Another God Wish 作:ゴリニティ75
「…えっと…ナイトは俺たちのことはあらかた古澤さんに教えたってことで…OK?」
「ああ。…彼女の理解が早くて助かった」
パソコンの画面の向こうで腕組みをしながら頷くナイト。
「うん、色んなこと教えてもらったよ……それにしてもすごいことになってるんだね…私たちの世界…」
と今さっき怪獣のことを知ったばかりなのにもう状況を飲み込めている響子に「流石は学級委員長!」と素直に感心する。
だがそれと同時に、やはり巻き込んでいいものかという感情がでてきてしまう。
俺は…失くすものがないからいいけど古澤さんは…と樹は言いかけるがその時、昨夜のナイトの言葉が脳裏を過ぎる。
"1人でなんでもできると…勘違いするなよ…少しは他人を頼ってみろ"
頭では…分かっている、分かっているつもり…なのだが……と晴れない面持ちで響子を見つめる樹を見てナイトが口を開く。
「樹、昨日も言ったが…1人で出来ることには限界がある。だからこそ今の俺たちには協力者が必要だ……孤独なやつはいつか必ず限界が来る。1人で苦しみ、葛藤し、そして…朽ちていく…」
とどこか遠くを見るような目でナイトは語り続ける。
「…だが、どんなに巨大な敵が現れようとも、共に戦う仲間がいればそれを乗り越えることが出来る。そのことを…俺は知っている」
ナイトの深遠な話を聞いて、樹は気づく。
もしあの場所に響子がいなかったらあの怪獣は倒せていなかっただろう。
響子がいたからこそ、1人ではなかったからこそあの怪獣を撃退することができたのだ。
「…あとはもう…わかるはずだ」
「…ナイト、ありがとう」
そう短くナイトにお礼を告げ、響子の方へと身体を向ける。
「…古澤さん。…えっと、昨日は…ごめん。あんなこと言って…。古澤さんがいなかったら…俺たちは負けてた。…俺は正直…他人を巻き込みたくないし、1人で何でもやれる…やらないと…って思ってた。だけど…」
人に自身の気持ちを上手く伝えることができない樹だが、今は少しだけいつもよりも勇気を出してみる。
伝えなくてはいけない。その思いで響子に自身の思いを伝える。
「でもわかったんだ。昨日、古澤さんが協力してくれたからあの怪獣を倒せたんだって。仲間がいればもっと強くなれるって…だから……。
俺たちに協力して欲しい…!」
そう言って頭を下げる樹。しばらくして響子が口を開く。
「…じゃあ…さ、約束…守ってくれる?」
「約…束?」
「そう、約束。」
響子の思いがけない言葉に驚くがそれを了承する。
「新条くんが困ったとき、思い悩んだときは必ず私に相談すること!」
と響子は最後にビシッと人差し指を樹に向けながら歩み寄ってくる。
「わ、わかった!必ず!…しますっ!!」
と響子の顔が目と鼻の先まで近づいているのに気づき慌てて少しだけ距離を置く。
この子…距離感バグってね…?と内心思うがまぁ気にしないでおこう。
「あっ!あと……」
と何か思い出したかのように制服のポケットからスマホを取り出すと樹へ画面を見せる。
画面にはQRコードが写しだされている。
…うん?と、響子が何をしているのかが分からずしばらく画面を見たままフリーズしたように動かなくなる樹。
「…あー!なるほどね!」
と、しばらくしてこれがL◯NE交換だと悟ると樹は慌ててスマホを取り出して慣れない手つきでQRコードを読み取る。
…L◯NEを交換するのなんていつぶりだろう…?と思いながら友達へと追加する。
「…!うん!追加OK!…これで…まずは友達…だね!!…やっぱり秘密を共有するからには連絡先は知っとかないとね〜」
とどこか嬉しそうにスマホを軽く上下に振りながら答える響子。
…友達か……なんか久しぶりだな、こういうの…と思いながら微笑む。
「……なんとかなったみたいだな」
とナイトは2人をみて軽い微笑を右頬に浮かばせていた。
「ここは…こうやって…!いいね!いいよ〜!!」
とテンション高めに怪獣の素となる模型を形造る少女:コピー。
「…だから…何回言えばわかる…シンプルなのでいいんだよ!今回の怪獣は!!」
と声を荒げながらファージは、コピーが作った怪獣の模型から触手やら角やらをむしり取っていく。
「あぁっ!?何するんすか?!どんな怪獣でも個性を持たせないとダメなんですよ!!」
「知るか!そんなもの!それをつけることでそれが弱点となる可能性だってあるんだぞ!」
とファージは今までの冷静さはどこへ行ったのかというほどに興奮していた。
「こうして見てると〜兄弟みたいですね〜★」
「誰がだっ!!」
「ひぃっっ!」
といつの間にか学校から帰っていた望美が2人を茶化す。
「ハァ……めんどくさいのが帰ってきた…。」
「ちょっと〜♪酷くないですか〜それ〜♪」
と笑いながら模型の置いてある机へと近づいてくる。
「へぇ〜…♪今回の怪獣はなんだか…お堅い感じがでてますね〜♪指示したファージさんによく似て…♪アハッ★」
「……うるさい……さっさと実体化させろ。」
と若干不貞腐れながら望美へと指示をする。
「はいはーい♪それじゃ〜いきますよ〜♪」
そう言って怪獣の模型に白い鎧の装甲を取り付ける。そして…
《インスタンス〜♪・アブリアクション★》
響子とのL◯NE交換の後、再びナイトは自分のことを話し始めていた。
この世界に来た経緯やナイトが知り得る怪獣の知識などを2人に語りながら怪獣の出現に備えていた。
だが時刻が19時を過ぎても怪獣は現れることはなく、樹と響子は各々帰りの支度を始めだす。
…今日は出ない日なのだろうか…?いや出ない方が有難いんだけど!!
と内心思っていると樹の左手首に装着しているプライマルアクセプターがまるで急き立てるように光り、鳴り響く。
今回は学校の近くではないためか、怪獣の姿は見えない。
だがアクセプターが鳴ったということは怪獣が出現したということだろう。
「…来たか…」
「ハァ…やっぱ来ちゃうよなー…」
「新条くん、ナイトさん…頑張って!!」
と響子が2人にエールを送る。
そのエールに応えるように樹は構えた左腕に右腕をクロスさせる。
「アクセス!フラァァーーッシュ!!」
樹の身体が光と化し、パソコンの中へと突入する。
グリッドナイトと一体化した後、巨大化。
パサールトを抜けると怪獣が現れた大きな川の辺りへと転送された。
〈あれが今回の怪獣か…なんか昨日のとかよりもシンプルだな…〉
グリッドナイトが見据える先には樹が言った通り、先日までの怪獣よりもかなりシンプルな怪獣だった。
今回の怪獣は、爬虫類のような鱗を持っているがシルエットは人を連想させる見た目をしており一言で言い表すなら二足歩行するトカゲ,もしくはリザードマンと言った方がわかりやすいだろう。
怪獣の名は''凡力石竜怪獣ゴウ・スワード"
先日までの怪獣のインパクトが強かったせいか、なんだか見劣りしていると思う樹だが、ナイトはその見た目のシンプルさ故かどこか不審感を感を覚える。
〈樹、油断するなよ…〉
〈あぁ…わかってるよっ!!〉
そう樹が言うと同時にグリッドナイトは跳躍し、ゴウ・スワードの頭めがけて蹴りをお見舞いし、先制攻撃を仕掛ける。
『はぁっ!!』
続け様に殴り、蹴りを繰り返し追い打ちをかける。
グリッドナイトの攻撃にゴウ・スワードは堪らず後方へと倒れ込むが、即座に尻尾を使って体制を立て直しこちらに向かって攻撃してくる。
ゴウ・スワードはグリッドナイトの胴体めがけて突進し、そのまま取っ組み合いとなる。
〈コイツ地味にパワーあんな!おいっ!〉
そのシンプルな見た目に反してゴウ・スワードのパワーは強く、グリッドナイトは危険を感じ、距離を置く。
〈コイツは、近寄らせない方が得策か……ならば…!〉
そう言うとグリッドナイトは胸の前に光弾を生み出しそれをゴウ・スワードめがけて放つ。
『ナイト爆裂光波弾!!』
紫色の光弾がゴウ・スワードに見事直撃し、大ダメージを与える。
[ーーーーー!!]
するとゴウ・スワードは激昂し、最後の悪足掻きかというような勢いでこちらに向かってくる。
〈…一気に決めるぞ!!〉
〈あぁっ!!〉
グリッドナイトは両腕をX字に重ねて左腕で弧を描き、必殺技の
『グリッドナイト…ストーム!!!』
「アァ!ゴウ・スワードがっ!!」
と自分が創った怪獣がやられそうになるのを机の上に映し出されている映像を見ながら叫ぶコピー。
「うーん…今回の怪獣はなんというか…あんまり魅力感じませんね〜…ファージさーん?…何であんな怪獣を創れって指示したんですか〜?」
と望美はファージに疑問をぶつけるが、返事は返ってこない。
「…も〜また無視ですか〜?ファージさ…ん…ってあれ?」
望美は、不満を漏らしながら後ろへと振り返るがそこにファージの姿はない。
「ファージさん…?いったいどこへ…?」
「……」
グリッドナイトとゴウ・スワードとの戦いが繰り広げられているなか、その光景を橋の上から見守る1つの影があった。
それは、黒と白のサイバー感のある衣装に身を包み、異常なほどに白い髪色を持った青年:ファージだった。
『ナイト爆裂光波弾!』
グリッドナイトから放たれた無数の光弾によりゴウ・スワードの身体はもう限界を迎えているのがみてとれる。
「そろそろ…か…」
そう言うとファージはゴウ・スワードに向けて右の手を突き出し、照準を定めるようにして人差し指と中指、薬指と小指を合わせたままV字に開くとその奥から右目を覗かせる。
それは閉ざされた世界に自ら新たな視界を拓くような、ある能力を行使するための構えのようだった。
『グリッドナイト!ストーム!!』
グリッドナイトから必殺光線がゴウ・スワードに向けて放たれる。
光線がゴウスワードの胸部へ直撃する…
だが、その直前にファージは双眸を赤く輝かせるとゴウ・スワードに向けて言葉を発した。
「インスタンス…ドミネーション……!」
グリッドナイトの必殺光線が当たる直前怪獣は突如、突進するのをやめて立ち止まり、身体を斜めへ曲げるようにして光線を回避する。
それはまるで"何か"に操られているような変則的な避け方だった。
だが、全てを回避することはできずゴウ・スワードの右半身に光線が直撃し爆散する。
『何っ!?………ならば!!』
そのゴウ・スワードの奇行に驚くがグリッドナイトはそれに怯まず、即座に右手に紫色のエネルギーを円形状に収束するとそれを手に持ったままゴウスワードへと斬りかかる。
〈今度こそ決めるっ!!〉
『グリッドナイト…サーキュラー…エェェンドッ!!』
ゴウ・スワードの身体をグリッドナイトサーキュラーがもう少しで切り裂く…とその時だった。
ガキィンという音と共にグリッドナイトサーキュラーが何かに阻まれる。
〈な、なんだ…?これは…剣…!?〉
グリッドナイトサーキュラーを食い止めていたのは先程までは影も形もなかったはずの禍々しい大剣だった。
その見た目は、ゴツゴツとした鬼の金棒に近い形状をしているがしっかりと刃部分がついており、峰にあたる部分には竜の角のような突起がいくつも生え、柄頭には黒く染まったような大きな宝玉のようなものがはまっているようだ。
するとその巨大な大剣はグリッドナイトサーキュラーごとグリッドナイトを押し返し、後方へと吹き飛ばす。
『!?グハァッ!!』
後方へと飛ばされたグリッドナイトの身体は川へと倒れ込み辺り一帯を揺らす。
〈痛っ!!なんなんだよ!あれ!〉
〈…新手…か…〉
と2人で状況を整理しながら立ち上がる。
すると
『…お前が…グリッドナイト…か』
と言う声がどこからともなく聞こえる。
誰だ…?と思い辺りを見渡すが声の主を見つけることはできない。
代わりに目の前の大剣の黒い宝玉部分が喋るように点滅しているのが見える。
〈もしかして…あの剣が喋ってんのか??〉
〈……?〉
と樹の疑問にそうだと答えるように大剣の宝玉部分が光る。
『…俺は、お前を倒すためにここにいる…お前には何の恨みもないが…この世界のために、お前を…倒す…!』
そう発言すると大剣はグリッドナイトに再度一人でに動き、襲いかかってくる。
〈うおっ!!〉
大剣の攻撃を真剣白刃取りのような感じで受け止める。
だがキリキリと受け止めている手から段々と刃が滑り落ちていく。
〈…なら…こうだ!!〉
とグリッドナイトは大剣に思いきり蹴りを入れ、すぐさまグリッドナイトサーキュラーを手に持つとそのまま大剣へと斬りかかる。
蹴りを入れられた大剣はバランスを崩すが即座に回転してもちなおし、グリッドナイトサーキュラーとの鍔迫り合いになる。
〈くっ…〉
大剣との鍔迫り合いに負けまいと必死に力を入れ踏ん張る。
〈…お前は……〉
と先程から何か考え込むように黙り込んでいたナイトが口を開き、そして目の前の大剣へと言葉を発した。
『お前は…キャリバー…なのか…?』
ナイトが口にした通り、今グリッドナイトの前にいる禍々しい形の大剣は、かつてグリッドマンと共にとある世界を救った新世紀中学生の1人……
サムライキャリバーの変わり果てた姿だった。
忘れている方もいらっしゃるかも知れないので補足
キャリバー、マックス、ヴィット、そしてレックスは第0話にて行方不明になっています…
話変わってキャラ紹介…
ファージ… 黒と白のサイバー感のある衣装に身を包んでいる謎多き青年。髪は異常な程真っ白。生真面目な性格で結構…冷酷な人物…?かも…。望美の対応には手を焼いている。インスタンスドミネーションを使用することが可能。
と言ったところですかね…
特に言うことないんで…それじゃあadieu!!