SSSS.GRIDKNIGHT Another God Wish 作:ゴリニティ75
アズレンのグリユニコラボみんなもやろうね(脅迫
「ふぁーーーーぁ…」
と大きなあくびを繰り返しながら竜のバッジをつけた黒スーツが特徴的な青年は購買の店の中でお客様をひたすら待つ。
今はちょうど昼休み真っ盛りで他の高校の購買なら今頃生徒で溢れかえっている…はずだが、ここキヨシ台高校の購買はそうでもなかった。
むしろその逆、生徒は溢れるどころか購買のある前の廊下は人っ子1人の姿もない。
前はそうでもなかったのだが、どういうわけか青年が購買のバイトをしだした途端に客足は途絶えてしまい売上高はあまり芳しくない。
青年が接客すると何故か怖がられてしまい誰も近寄らなくなってしまった。
未だ青年が接客したのは2人だけというのを経営者が聞けば泡を吹いて倒れてしまうだろう。
「何が悪いんだろうなぁ…」
腕を組みながら悩んでいると廊下を誰かが歩いて来る音が聞こえる。
「おっ!久しぶりの客か?…いらっしゃいませーっ!!」
久しぶりの客に青年は自然と口角が上がり大きな声で接客をする。
「っうわぁぁお!!びっくりしたぁ!」
青年の声に驚いたのか思わず尻餅を着いているのが見える。
「おい大丈夫か?って…なんだよ太陽じゃねぇか、どうした?なんか用か?」
青年は購買の店舗から出ると太陽へ手を伸ばして立ち上がらせる。
「…なんか用か…って昨日言ってたじゃないですか!」
「…昨日?なんかあったか…?」
必死に頭の引き出しから昨日の記憶を引き出そうとする。
グリッドナイトと共に怪獣を倒した青年と太陽は河川敷へと降り立った。
手の平サイズに変化したダイナソルジャーを、不思議そうに見下ろす太陽。
「いったい、どういう構造…?」
小さくなったダイナソルジャーを恐る恐るツンツンと人差し指で突く。
「お前のおかげで、あの怪獣を倒すことができた…ありがとな」
青年はそう言うが早いか、気さくに太陽の肩に腕を回すと、頬擦りでもしかねない勢いで話しかけてくる。
「いやいや…俺だけの力じゃないし…あの紫色の巨人とお兄さんの力…➕俺で…みんなの力が合わさったから勝てたって言うか…」
青年の腕からするっと抜け出し、太陽は自分が役に立っていなかったことを気にして俯く。
「そんな謙遜すんなって、お前には充分素質がある…はずだ」
…はずだって…曖昧だなぁ…と思いながら青年の顔伺う。
…めっちゃいい笑顔だなぁオイ
「まぁ、とにかく、今日は疲れただろ。さっさと帰って…明日購買に来い」
「え、明日なんすか?今教えてくださいよ」
太陽は帰って行く青年の後ろ姿に声をかける。
「あのなぁ…いろいろあるんだよ、いろいろ。だから…すぐには話せない、何がなんでも明日だ。明日」
そう言って青年はそそくさと帰って行ってしまう。
…せめて名前ぐらいは教えてくれてもいいのに…
太陽はそう思いながらも、青年と同じく帰路に着くのだった。
「あー…かんっぺきに思い出したわ…そうえば言ってたな」
「忘れてたんすか…」
若干呆れ気味に太陽がため息をつく。
「…それじゃ教えてもらいますよ、あの紫の巨人とか怪獣とかのこと全部!」
太陽に詰め寄られ青年は顔を顰めつつも少しずつ話し出した。
「あぁ…わかったよ…そうだな、まず…」
「〜♪それじゃあ〜いっただっきま〜す♪」
お昼ご飯に買ってきたクリームパンを口いっぱいに頬張る望美を横目に樹は一人悩んでいた。
どうしてこうなった
…えっと…太陽が弁当忘れて、そしたら急に教室飛び出して行って…ぼっち飯確定演出のあと…小鳥遊さんに昼食に誘われて…
うん自分で言っててもよくわかんないなオイ
ってかなんで?なんで誘ってきたの?
…いかん理解が追いつかん…
いったん落ちついて物事を整理しようと、持参した弁当の箸をすすめる。
…我ながら美味くできてるな…
昼休みの微かな喧騒が聞こえる中、二人は数歩の距離を置いて昼食をとりしばらくお互いに沈黙のまま食事が進んでいっている。
…もうそろ気まずいぞ…と考え望美の方へ視線を向けるとバッチリと目が合う。
「あ★やっとこっち向いてくれましたね〜♪おそ〜い♪」
そう笑いながら望美は距離を詰めてくる。
…え、何?からかい上手の小鳥遊さんですか?
困惑している樹の思いをよそに望美は口を開く。
「前から思ってたんですけど〜♪新条くんって〜…厨二病さん…ですか〜?」
「へ?いや…違う…と思うけど…なんで?」
突然とんでもない質問をされて戸惑ってしまう樹。
…俺って他人からそういう風に見られてんの?
「いやぁ〜だって〜♪新条くんっていつも授業中に頭抱えて悩殺ポーズしてますし〜あんまりクラスの子とも話してない印象があるし〜♪」
…オイオイとまんねぇな……って今変なこと言われたな!
「別に悩殺ポーズしてないよ俺!?いやあれ寝ないように肘ついてたらタマタマなっただけだし!クラスのやつとも話せるし!別に!(太陽と響子のみ)」
「え〜♪ほんとですか〜♪…そ・れ・と〜…左腕に変なの付けてますけど〜それ…なんかのおもちゃですか〜?♪怪獣とか倒しちゃうんですか〜♪シュワッ…って♪」
「いやっ、これはなんというか…」
と左腕につけていたプライマルアクセプターを指摘されどう話していいものかと頭を抱える。
…どうも怪獣のことって他の人は覚えてないっぽいんだよな…話しても多分信じてくれないし…かといって教えないと変な噂流されかねないし…
「…アハッ★な〜んてウッソ〜ですよ〜♪冗談ですよ冗談〜♪」
「…な、なんだ冗談か〜」
樹はそう言われて、思わずホッとする。
「誰も新条くんのことなんて悪く言ってないですよ〜♪ただ単に眠たかっただけですよね〜…わかりますよ〜私もよくなるので♪それに〜左腕のそれ…最新の腕時計とかそんな感じのやつ…ですよね〜いいなぁ〜♪」
「そ、ソウナンダヨネーアハハハ」
全くそんな情報は知らないが取り敢えず話を合わせておいた方が良いと思い、合わせて笑っておく。
しばらく二人の笑い声が空に響く。
「よいしょっと…★それじゃぁ新条くん今日は楽しかったです♪また一緒にご飯たべましょうね〜♪」
望美はそう言って立ち上がると屋上から出ていった。
「な、なんとかなった〜」
望美がいなくなるやいなや、樹は緊張がほぐれたのか屋上で寝そべり、残りの昼休みの時間を過ごすのだった。
「〜♪」
屋上から出て階段を鼻歌を歌いながら望美は降りていく。
「怪獣を倒す…ってところは否定しないんですね〜♪…詰めが甘いですよ〜♪」
そう笑みを浮かべながら降りていくとクラスメイトの水上と宮田に見つかった。
「ちょっとノゾミ〜どこ行ってたんだよ〜」
「え〜…道に迷ってました〜♪」
「…なにその理由ウケる、でももう転校生ムーブはキチィと思うよ。…知らんけど」
「…つーか〜ノゾミン笑ってる〜…なんかいいことあったん?」
宮田に指摘され望美はしばし考えると満面の笑みで答えた。
「はい★と〜ってもおもしろいことが…アハッ♪」
「はい本日の授業は終わりねー。気を付けて帰れよー」
帰りのSTが終わり生徒たちは各自帰路へと着いて行く。
太陽はSTが終わるがいなや、昼放課と同様にすごい勢いで教室を出て行く。
「タイヨウあんな急いでどしたの?」
「漏らしそうだったんでしょ」
「ちょっとー汚いぞー」
「…最…低だな…ッフ」
「笑ってんじゃねぇよ」
太陽と仲が良い、ダイチ,西野,佐野,オザキ,コガネが順に好き勝手に推測していた。
「よいしょっと」
そんなことを小耳に挟むと席を立ち、樹はコンピュータ室へと向かう。
…そーえば太陽と最近帰ってなくね?とふと思う。
3日連続で怪獣が出たせいで忘れていたが普段二人は一緒に帰っていた。
…またいつ怪獣がでるかわからないからなー…太陽もなんか部活とかで忙しそうだし…
そう思いながら歩いているといつの間にかコンピュータ室の前まで来ていた。
…まぁしゃあないか。
そう結論づけて教室の戸を引き、今日も怪獣の出現に備えるのだった。
『太陽!そのまま、そのままだぞ!』
『はい!!このままこのまま…ってアァ!!』
都心から離れた、人気のない渓谷にけたたましい轟音が鳴り響く。
それは竜の頭部を持つ人型のロボット:ダイナソルジャーが倒れた音だったようだ。
『…おーい大丈夫かー?』
コクピット内部の謎の空間に映し出された青年が太陽を心配する。
『な、なんとか』
太陽がそう答えるとダイナソルジャーはぎこちなく動きだし立ち上がる。
『…昨日よりだいぶんマシだが…まだまだ全然ダメだな』
『…精進します…』
ダイナソルジャーは自身の各部にドラム缶を乗せるとそのまま片足立ちをし始める。
何故太陽たちが今ここにいるのかというと、時はしばらく前に遡る。
昼放課に怪獣などの話を聞き終えた後、青年に「学校終わったら昨日の橋のところに来い」と言われて太陽は放課後すぐに向かった。
橋の近くの河川敷で釣りをしていた青年と合流すると、青年はダイナダイバーを起動させ、何も言わずに太陽を連行、この場所へと移動した。
青年によればこれからも怪獣が現れる可能性があり、それに対応するためにここで訓練をするという。
…こうして今に至る。
『いける!今回はいけ…っアゥチッ!?』
再びダイナソルジャーが倒れて地面が揺れる。
最後にトドメとばかりにドラム缶がダイナソルジャーの頭へと綺麗に落ちてきて、甲高い音を奏でた。
『はぁ…こりゃあ先は長そうだな…』
「…あ、古澤さんここの問題なんだけど…」
「あー…っとそこの問題は…えっと教科書の…あ、ここ。ここの方程式を参考にして解くといいよ!」
「うーむ…なるほど、なるほど…」
響子に解き方を教わりながら問題集を進めていく樹。
二人がこうしている理由としては、怪獣がいつ現れるかわからないためコンピュータ室で待機しているが、ただ待っているだけでは時間がもったいないと思いこうして勉強会を始めた。
もうすぐテスト週間だというのに、怪獣の件で一切勉強していなかったため樹の表情は怪獣と戦うときと同じほど必死だ。
ただでさえあまり勉強が得意ではない樹にとって響子に勉強を教えてもらうという行為…それは天使による救済に思えた。
「どう?今のでわかったかな?」
「うん!めっっちゃわかりやすかったよ…ありがとう古澤さん!」
樹は難航していた問題が解け集中力が切れたのか身体を伸ばし始める。
いつもは10分くらいで集中力が切れてしまうのに今日はいつになく続いて珍しいなぁと感じる。
そんな樹を見ながらふと響子は時計を見るともう19時30分となっていた。
「あ…もうこんな時間経ってたんだ…」
「…ほんとだ…結局怪獣は出なかったね…」
ここのところ毎日、怪獣が出現していたため今日も出るのではないかと身構えていたがどうやら本日はでない日らしい。
すると今まで黙っていたナイトが口を開く。
「…お前たち…今日はさっさと帰れ」
「あ、ナイトさんお疲れ様でした」
「帰れって…相変わらず無愛想だな…」
今まで黙っていてようやく喋った言葉がこれか…と若干呆れた様子でナイトを見て、樹はある答えを導く。
「…あ、わかったぞ。ナイト…ホントは寂しいんだろ」
「…なに…?」
ナイトの眉がピクっと動き樹を覗きみる。
「図星か〜?このツンデレめ、ホントは帰ってほしくないんだけど、つい自分の思っていることと反対のことを言ってしまう…みたいな」
と勝手に妄想を膨らませていく。
その言葉を聞きナイトの顔はよりいっそう険しくなっていくのを見て響子はやばいと感じ取る。
「新条くん、そこらへんでやめといた方が…」
響子の忠告にも聞く耳を持たずといった感じでナイトをいじっていく。
「ナイトってそういうとこあるよなぁ…わかるわかる」
普段あまり喋らない樹が珍しく流暢に話している。
…これぞ仲が良い人と話すときは声がデカくなるオタクの権化である。
と樹の弄りに耐え切れなくなったのかナイトがすごい表情で樹を睨みつける。
「…調子に乗るなよ、樹…」
「へ?」
ナイトがそう言うと樹の左腕に装着しているアクセプターがビリビリと電気を帯び始める。
「"いっだあああああああ!!!」」
次の瞬間、樹は悶絶して床に転がりもがき苦しむ。
アクセプターから微量の電気が流されて、さながらお笑い芸人のような反応をみせる。
「…これはいいな」
「はぁ…はぁ…ちょっ…ナイト…ナイトもうやめ…」
「……ふん…」
「"いっでぇぇあああああ!!!」」
再び電流がながされコロコロと転がり苦しむ。
今までの弄りの仕返しという感じで何度もナイトは電流を流す。
そんなナイトの頬には微かな微笑が浮かんでいるのが見て取れる。
「あはは…」
響子はそんな樹を見てナイトは怒らせないようにしようと肝に銘じることにしたのだった──────
※本家アクセプターに電流機能は搭載されていません
完全に樹をお仕置きするためのオリジナル設定です…(多分もう出てこない
…そして第7回に出てきた西野くん…まさかの再登場です
※脇役です
…次回からはバトルパートに入っていく予定です
それではadieu!!