SSSS.GRIDKNIGHT Another God Wish 作:ゴリニティ75
第18回 同・盟
「…樹が…グリッド…ナイト…」
「…ダイナ…ソルジャーとウイング…あと…ダイバー…?だっけ?」
邂逅の後、2組はお互いに自分たちの情報を共有していた。
「まさか…あれが…樹だなんて…思いもしなかった…」
「俺もだよ、まさか太陽が…どうりで最近行動がおかしかったわけだ」
「…行動がおかしいのはお互い様だろ」
そんな二人を見ながら響子はうんうんと頷いていた。
「うんうんやっぱり、怪獣と一緒に戦っていくためにはお互いのことをよく知ってないとね〜」
「ほー…なるほどなぁ…」
樹のプライマルアクセプターをジロジロと見ながら青年は顎を掻く。
…っとここで「前、古澤さんが手伝うって言ったとき、巻き込みたくないって言ってたのに、今回は良いんですかー?」とか思っているそこのみなさん
…ちっちっち…!前までの俺と一緒にしてもらっては困るぜ…
…俺も日々成長しているのだよッ!!
…アハハハハハハハ…ハァ…
…まぁ…本音を言うと、前に古澤さんとナイトに、もっと人を頼れって言われたし…
…仲間多けりゃ敵はなし!って言うしな!うん!
…え?言わない?
などと一人考えているとサングラスを外しながら青年が近づいてくる。
「なら…同盟を組むってことで…これからよろしくな!」
青年は歯を剥き出しにして笑うと、バンバンとなかなかに良い音を奏でながら背中を叩いてくる
…ずいぶんと馴れ馴れしいなこの人…
…一度会ったらもうみんな友達とか言う昭和根性かよ…これだからヤクザは…
樹の怪訝そうな表情をみて青年は睨みつけてくる。
「あん?なんか文句あんのか…?」
「ありませんッ!!」
すごい勢いで樹は答えると、青年は再び笑いだす。
そんな会話を横目にナイトはようやく口を開いた。
「……あらかた自己紹介は済んだようだな」
突然、声が聞こえて青年はキョロキョロと辺りを見渡す。
「今どっから声が…って…ウワァッ…パソコンの中に人がいるぅ…気持ち悪りぃ…」
パソコンの画面に映るナイトを見るや怪訝な顔をして仰反る。
「おい……はぁ…まぁ良い、それよりもガウ…いや今は違うのか…レックス…お前のあの姿はなんだ…?」
ため息混じりにナイトはレックスと呼ばれた青年の方を向く。
「……呼ばれてんぞ」
そう言いながらレックスは肘で樹をつついてくる。
「へ?いや俺、新条 樹ですから違いますよ…」
そう答えた樹を見ながらレックスは目をパチクリとする。
「そうか…良い名前だな」
樹へそう言った後、次は横にいた響子へと視線を向ける。
青年の視線に気がついたのか響子は樹と同じように急いで訂正する。
「いやいやいや!私は古澤 響子です!…これからよろしくお願いします!」
真面目な響子らしく、しっかりと斜め45度の最敬礼をする。
「あぁ…響子か…良い名前だな」
響子の礼に驚きつつ、レックスも礼をする。
そして横にいた太陽にも目を向ける。
「いや俺、太陽ですって!知ってるでしょ?」
と太陽は関西人顔負けのツッコミをいれる。
「…多分…お兄さんのことだと思いますよ。っていうかレックスって名前だったんすね」
太陽は不思議そうにレックスを見つめる。
「……あっあ〜…そ、そうだったなー…アハハ…」
いつになく不自然な態度でレックスは目を逸らしながら曖昧に答える。
そんなレックスの態度に何やら不信感を感じ、ナイトはある仮説が脳裏によぎる。
「…貴様…まさか…」
しばらく考えた後、ナイトは口を開く。
「…試してみるか…そうえば…"ガウマ"お前…ダイナストライカーはどこへやった?」
ナイトの言葉にレックスは再び周りを見渡し、樹と響子に視線を移す。
「…いやだから俺、樹ですって!」
「響子!きょ・う・ こです!!」
二人は口を揃えてレックスへと答える。
「おぉ…悪りぃ…良い名前…ってさっきも言ったな…」
ポリポリと頭を掻きながらレックスは複雑な表情をみせる。
「はぁ……やはりな…」
そんな態度を見て、ナイトは自分の仮説が当っていたことを確信する。
「ガ……レックス…お前、記憶がないんだろ」
「「「え…?」」」
レックス以外の3人はナイトの言葉に驚きを隠さず声を漏らす。
「…はぁ…今まで騙し騙しやってきたけどやっぱバレるか…」
観念したようにレックスは両手を上げると話し出す。
「あぁ…俺はどうやら…記憶喪失って言うやつらしい」
「あぁ…!ゴウ・レボアースゥゥ……」
薄暗い部屋の中、コピーは自らが創った怪獣:ゴウ・レボアースが爆散する映像をみて悶絶していた。
「あちゃー…また負けちゃいましたね〜♪…あーおいしかった〜♪」
と呑気に駄菓子を頬張りながら望美は答える。
「なんなんですかアレ…次から次へと増えて…」
毎度恒例の愚痴ぶつぶつタイムが始まりコピーは椅子の上に丸まるとくるくると回転しだす。
「まぁまぁ〜落ち着いていきましょうよ〜♪ね〜?♪」
そう言いながら回転する椅子を片足で器用に止める。
「…さすがに毎回倒されっぱなしだと怪獣作りのモチベ下がってきちゃてますよぉ…」
机にグデーっと伏せコピーはやる気がないことをアピールする。
そんなコピーを見かねたのか望美はある案を思いつく。
「う〜ん…じゃあ〜今回は私が怪獣の提案…して良いですか〜?♪」
コピーは一瞬驚いていたがすぐにそれを了承した。
「え…まぁ…いいですけど…何か良い案あるんですか?」
コピーの質問に望美は食べ終わり、ゴミとなった駄菓子の袋を見つめながら笑みを浮かべる。
「はい♪とびっきりのが思いついちゃいました…♪アハッ★」
レックスの話を一同は聞いた。
どうやら彼は本当に記憶がないそうで、気づいたら学校の近くで倒れていたそうだ。
学校近くに倒れていたレックスをたまたま見た購買のおじさんが彼を助けてくれ、そのお礼で購買に働いている…ということらしい。
こうして彼に残されたものはダイナダイバーだったと。
その話を聞くと、難儀な人だなぁと思わざるおえない。
「…なぁ…アンタ、俺のこと何か知ってんだろ…?教えてくれよ!」
「知らん」
「なぁ…頼むよ!」
「知らんものは知らん」
さっきからずっとこの調子でナイトとレックスは話していた。
会話と言っても単にレックスが一方的に聞き、それをナイトが知らないと伝えているだけなのだが。
そんなナイトの対応に負けじとレックスは声を大きくするが、途中で何かに気づいたように口を止める。
「だから頼……って待てよ…今、何時だ…?」
「えっと14時ですけど…」
太陽の声に、レックスは冷や汗をダラダラと流しているように見える。
「やべぇ…バイトの時間だぁ!!」
「ちょっ!?お兄…レックスさん!?」
レックスは時間を知るやいなやコンピュータ室を飛び出していった。
「嵐のように去っていってしまった…」
とレックスが出て行ったことで急に場の空気が静かになる。
「…ナイト…何か知ってるなら教えてあげればいいじゃん…」
樹はレックスとナイトが話しているときにずっと思っていたことを口にした。
ナイトはしばらく腕組みをしたまま目を閉じていたが、やがて口を開く。
「…これはアイツ自身の問題だ」
「でも…少しぐらいなら…」
樹はナイトに反論するがそれを遮るようにナイトは一言付け加えた。
「…それに…アイツなら自分の記憶は自分で取り戻せる」
ナイトはそう言うと背を向けてしまった。
◾️
結果として、二組の邂逅は特にこれといった問題もなく終わった。
終わったのだが…
「ふ〜ん…なるほどなるほど…どうりで」
「んだよ…その俺を温かく見守るおかんみたいな目は」
「いんや〜別にー」
太陽と樹は久々に一緒に帰っていた。
先程までは響子もいたのだが、途中で病院に行くと言って別れた。
太陽は樹と響子の話を聞いてから何やらニヤニヤとしていた。
「樹には悪いことしたかもな〜」
「だからなんだよその気持ち悪い目は」
太陽の気持ちの悪い目を嫌がりながらも二人は歩いていく。
「…それにしても…あのレックスって言う人…話すと割と良い人だな」
「そうだろそうだろう…あぁ見えて優しいんだよレックスさんは」
「でもパッと見ヤクザなのは勘弁してほしいと思う」
「それは…うんまぁ…俺もそう思う」
いつしか、二人はいつもの二人へと戻っていった。
最近何かとすれ違っていた二人だったが、今回の件でいつものくだらないことを言い合える二人へと。
とここで太陽は何かに気がついたようでどんどんと青ざめていく。
「あ…!……えーここで…怖い話しまーす…」
「なんだよ急に…」
そんな太陽の反応に何やら嫌な予感がする。
「明後日から期末テストだ⭐︎」
樹の顔が絶望へと染まった。
「ふぅ…」
病院の帰り道、響子は一息吐きながら帰り道を歩いていた。
ゴウレボアースの攻撃により大破した家の下敷きとなっていた妹の奏はなんとか一命を取り留めたようで響子は安心した。
ゴウレボアースの破壊した街は今や、不思議な光によって修復され、日中の出来事がまるで嘘のように思える。
…いや…しかしあれは夢ではなかった。
ゴウレボアースが及ぼした影響は多大なものだ。
奏以外の家族は全ていなくなってしまったからだ。
これから自分たちはどうなってしまうのか、怪獣の対象にも力を入れていかねばならない…と問題は山積みだ。
…しかし…今は前よりも心が軽くなった気がした。
責任感…劣等感から解放され…正直気分が良かった。
それと同時に本当にこれでいいのかと罪悪感にも駆られる。
そんな複雑な感情を内に秘めながら響子は玄関の扉を開けた。
「ただいま…」
返ってくるはずもない言葉を口にしながら響子は玄関へと足を踏み入れる。
…ひとまず…今日は休もう…
そう考えながら靴を脱いでいると、何やら後ろから声が聞こえてきた。
「「おかえり響子」」
「えっ…」
それは本来、聞こえてはいけない声であるはずだった。
「…どうして…?」
後ろへ振り返ろうとしても首が動かない。
いや正確には怖くて動かせないというべきか。
そんな響子の気持ちとは裏腹に後ろの二人は響子の元へと近づいてくる。
「奏は…元気だったか…?災難だったな…まさか突然看板が落ちてくるなんて…」
「響子…ありがとうね、私たちの代わりに病院に行ってくれるなんて」
そこには両親の姿があった。
「…え…?看板…?代わりに病院…?…え…」
ありえない
あのとき確かに二人は…
下敷きとなって死んでいた…
なのに…なんで…
「まっ何はともあれ、響子が無事でよかった」
「そうね、響子もうご飯できてるから早く手を洗ってきて」
違う…違う…この人たちは…誰…?
姿、形は同じだが、前の両親とは明らかに違う。
前とは…まるで……
…?この感覚…初めてじゃない…こんなこと…前にも…
響子の表情が戦慄したものへと変わっていった。
いやお盆だからね!お母さんたちも帰ってきちゃうよね!
うん仕方ない!(強引
それではadieu!