SSSS.GRIDKNIGHT Another God Wish   作:ゴリニティ75

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第20回 廃・棄

 

「はい、それじゃあ各クラスに分かれて作業開始!」

 

教師陣の声が響き、生徒たちは各々作業に取り掛かる。

 

本日、キヨシ台高校の全生徒は町内清掃へと駆り出されていた。

 

「クリーン大作戦」という名目で年に何回かあるらしく、生徒たちからの人気も低い。

 

「…あちぃ…し…めんどいし…だりぃ…」

 

文句をブツブツと言いながらも樹はゴミ拾いをしていた。

 

やっとテストが終わったのに、次の日にこれって…

 

「はぁ…」

 

ため息を吐きながらもいやいや掃除を続ける。

 

「そう言うなよー午前授業で済むんだしさ」

 

太陽は無駄のない動きで、周りのゴミを右手のゴミ袋にせっせと放り込む。

 

お人好しの性格な太陽だからなのか、妙にテンションが高い。

 

まじこいつなんなんだよ。

 

…余談だが男子間では1番たくさん拾ったやつが勝ちというゲームをしているらい。(一応樹も無理矢理参加)

 

 

「ありゃぁ…元気だねー男子は」

 

「相変わらずくだんねーことしてるよ」

 

「あはは…」

 

遠目で太陽たちを見ながら、響子たち女子班は仲良く喋りながら掃除をしている。

 

話を戻すが、樹たちの担当するのは川辺付近の清掃で、川辺には無造作に積み置かれた粗大ゴミが大量に放棄されている。

 

もともとはゴミなんてなかったらしいが、いつからか不法投棄が徐々に増えていき、現在のような状況になったらしい。

 

…なんとも傍迷惑な話だ。

 

それを見かねた市長が学校へとボランティアと称して清掃を依頼したそうな。

 

先生たち的には、このボランティア活動を通して社会貢献、福祉活動等への関心を生徒たちに伝える…それが狙いなのだろう。

 

しつこいようだが、テストの次の日に町内清掃とは…先生たちもなかなか嫌な性格をしている。

 

「…よっし…あとはあのでかい粗大ゴミだけだな」

 

概要説明している間に、あらかた小さいゴミは拾えたようだ。

 

粗大ゴミに関しては、後でごみ収集車が回収しにくるらしい。

 

時計を見ると、11時30分になっておりもう少しで終わりそうだ。

 

「…じゃああともうふと踏ん張りしますか」

 

「おうよっ!」

 

残り時間を確認し自身に喝を入れ、違う場所へ掃除をしに行こうと樹と太陽は足を踏み出した。

 

瞬間、樹の左腕のプライマルアクセプターからGコールが鳴り響く。

 

2人がハッとして辺りを見渡しているのと同時、周囲を激しい揺れが襲う。

 

「うわっ、危ねぇ………」

 

激しい揺れに思わず樹は転びかけるが必死に踏み堪える。

 

「なんだ…?アレ」

 

1人の生徒が指差した先、辺り一面のビルというビルが、大きな影が前進するたびに徐々に地面へと飲み込まれている。

 

そして、大きな影が少しずつその姿を見せていく。

 

体全体が大小さまざまなゴミに覆われ…というか体がゴミでできているといったほうがいいかもしれない。

 

「…いや」

 

「それにしても…こいつは…」

 

2人は声を合わせて驚く。

 

「「…!でっっっっっっっかぁ!!!」」

 

いや、いつもの怪獣も大きいには大きいのだが今回は今までとは桁違いの大きさだ。

 

全長約数百メートルはあり、確実に街に出ていいサイズではない。

 

…それに悪臭も酷い。

 

…なんというか…この世の臭い物をすべて掛け合わせたような臭いだ。

 

正直な話…臭すぎる。

 

話は脱線したが、全身がゴミできているようであり、その身体の大きさも相まって言うならば「生きるゴミ山」といったところだろうか。

 

 

その超巨大なゴミの怪獣が現れたことにより、生徒たちはパニック状態へと陥る。

 

 

「いやぁぁーーー!!」

 

「ヤバいッて、ヤバいってぇ!!」

 

「臭い…レベ…チ……」

 

 

 

「みんな!落ち着け!落ち着けぇっ!」

 

教師陣は声を張り、生徒たちの避難誘導を進めていく。

 

「2人とも!」

 

響子が樹、太陽のもとへと走ってきて、合流を果たす。

 

「取り敢えず…行こう!」

 

太陽の言葉に頷き合う。

 

このパニックに乗じて、樹、太陽、響子はその場を離れる。

 

今まで見た中で最も大きな体を持つ怪獣は、ゆっくりとだが街を侵食していく。

 

「俺は先に行って食い止めとく!委員長は樹を学校へ!」

 

そう言い終わると、太陽は居ても立っても居られなくなったのか怪獣の元へと走っていく。

 

「うん、わかった!行こう!新条くん!」

 

なんか申し訳ない気持ちで押しつぶされそうになるが、今はそう思っている暇はない。

 

「古澤さん、お願い!」

 

響子は頷くとスカートの右ポケットからダイナウイングを取り出し、そのまま空へと掲げる。

 

「アクセスモード!ダイナウイング!」

 

 


 

「いっけぇ…!ゴウ・リタガドール!!」

 

暗い部屋の中心で、パソコンの画面を見ながらコピーは出現させた塵芥噴砲怪獣:ゴウ・リタガドールにエールを送る。

 

「いや〜やっぱ大きい怪獣は迫力ありますね〜♪」

 

と、町内清掃中に怪獣を実体化させ、戻ってきた望美がコピーの背後から抱きしめる。

 

「あ、ノゾミさん…怪獣の実体化ありがとうございます…」

 

抱きしめられて少し驚いた様子のコピーに望美は飄々とした態度で話を続ける。

 

「いえいえ〜♪…それにしても今回もすごいの創りましたね〜♪」

 

大体の案を出したのは望美だが、それからさらに色々と付け足していき完成したゴウ・リタガドールを見て、望美はコピーへと拍手を送る。

 

「質量で圧倒しようだなんて〜♪いやはや〜良いですね〜♪」

 

「…スケール違いは邪道…ですけど…そんなこと言ってられない…!」

 

コピーの言葉に、彼女をさらに褒め称えるようにニコニコと笑い続ける。

 

「うんうん…♪いい傾向ですね〜♪」

 

コピーは口角を上げ、ニッと笑う。

 

「勝負といこうじゃん…グリッドナイト…!」

 

◾️

 

コピーたちのいる部屋とはまた違う空間

 

部屋の中心では培養カプセルのような物が緑色に怪しく光る。

 

そんな空間でファージはパソコンの画面を見ながらほくそ笑んでいた。

 

「…ほぅ…」

 

画面上にはゴウ・リタガドールとグリッドナイトたちの交戦している画面が映る。

 

「…なかなか良い怪獣だ」

 

ファージは静かに独り言を呟く。

 

「……お、俺は出なくてもいいのか?」

 

ファージの背後で、画面を覗き見ていたキャリバーが口を開く。

 

「…あぁ、今はお前の出番じゃない」

 

「…そ、そうか…」

 

ファージにそう言われ、キャリバーは少し残念そうに肩を落とした。

 

 


 

『グリッドナイト…サーキュラー!!』

 

響子に学校まで乗せて行ってもらい、アクセスフラッシュを果たしたグリッドナイトは街の只中に着地し、すでに怪獣と交戦をはじめていた。

 

〈うわぁ…なんかぐちょぐちょしてて斬れないんですけど…〉

 

投げ放ったグリッドナイトサーキュラーはゴウ・リタガドールへも命中はしたものの、体の表面がゴミとヘドロのようなものに覆われているためか斬れていない。

 

『オラァ…!!』

 

太陽の操縦するダイナソルジャーも果敢に攻めるが、ゴウ・リタガドールは全く効いていないとばかりにゆっくりと街の中を進んでいく。

 

『ごめん!お待たせ!』

 

樹を送り終えて戻ってきた響子は、上空から光弾砲とペネトレーターガンを発射し、攻撃していく。

 

『待たせたなぁ!喰らいやがれ!ダイナランチャー…バーストミサイル!』

 

テレビの速報を見て、急いで駆けつけたレックスも到着際にバーストミサイルをお見舞いする。

 

バーストミサイルが直撃する前に、ゴウ・リタガドールは大声で咆哮をする。

 

[ーー!ーーーーーーー!]

 

すると、咆哮するのと同時に無数の光の粒がダイナランチャーに纏わりつき、ダイナランチャーはゴミへと変化してしまい、攻撃は不発に終わる。

 

『なっ…!』

 

レックスはバーストミサイルがゴミに変えられたことに戸惑う。

 

『じ、地面が…』

 

すでに街中の建物は半分近くすでに地面へと沈んでいっている。

 

液状化現象がどんどん進み、グリッドナイトとダイナソルジャーも地面に沈みそうになり、急いでまだ大丈夫そうなビルへと足場を変える。

 

〈このままだと一時間もしないうちに、ほとんどの建物が沈むぞ…〉

 

今もなお、ゴウ・リタガドールは進行をやめず、どんどん地上を液状化させていく。

 

『これじゃまともに戦えない…』

 

コックピット内で怪獣を悔しげに睨む。

 

ここでレックスは打開策を思いつく。

 

『よぉし…なら…3人で合体するぞ…!』

 

『できるんですか…?』

 

レックスの提案に響子は驚く。

 

『委員長…いつもの気合いだってさ』

 

太陽に至っては、慣れた様子でレックスの提案を承諾する。

 

 

『…いくぞぉ!!』

 

 

レックスの合図とともに三機は宙へと飛び上がり合体を開始する。

 

まずダイナウイングのフラップが開き、ダイナソルジャーの腰のシリンダーへと接続。

 

次いでダイナダイバー船首を九十度回転させて左右に展開し、連結ユニットを構成。

 

その後ダイナソルジャーの腰部に連結させ、合体が完了する。

 

 

『『『ダイナソルジャー…!ウイング…!ダイバー…!コンバイン!!!』』』

 

 

ダイバーコンバイン・バーストスマッシュモードにダイナウイングを合体させた変則的な合体を完成させる。

 

その姿は神話の蛇神: ケツァルコアトルを彷彿とさせ、空中と水上の両方での戦闘が可能となった。

 

合体したダイナソルジャーWDKはゴウ・リタガドールの周りを回転しながら飛行していく。

 

その行動を目障りと感じたゴウ・リタガドールは次々とゴミを圧縮したものを勢いよく放つ。

 

いくらゴミといえども、怪獣の体内から排出したもののため火山噴出物と同等の威力を誇るだろう。

 

そんな噴出物を機体を機敏に動かし避けていく。

 

『このまま突っ込むぞぉっ!!』

 

ダイナソルジャーWDKは後部のスクリューを全開にし、回転力を強める。

 

背中に折り畳んだダイナソルジャーの膝のブースターも解放して回転力をさらに加積させる。

 

やがてその回転は最高潮へと達し、怪獣の身体へと突撃する。

 

『『『いっけぇぇぇっっ!!』』』

 

搭乗者3人の声が重なり、さらに回転を強める。

 

やがてその回転は、ドロドロとした怪獣の皮膚を抉っていき、遂にダメージを与える。

 

『しゃあっっ!!』

 

体に穴が空いたことで悲鳴のような雄叫びをあげ、ゴウ・リタガドールは奮起したように、先程の倍の数の噴出物を発射してくる。

 

[ーーーーー!?ーーーーー(("!]

 

『ちょっ…やばっぃ…』

 

先程の攻撃の反動か、機体が思うように動かなくなってしまう。

 

ダイナソルジャーWDKへと噴出物がとめどなく降り注がれようとする。

 

 

『ナイト爆裂光波弾!!』

 

そこにグリッドナイトが光弾を打ち出し、噴出物を砕く。

 

〈今、俺たちにできるのは…援護だ!〉

 

グリッドナイトは支援へと徹し、ダイナソルジャーWDKを援護する。

 

『ナイス!!』

 

グリッドナイトの援護により、なんとか持ち直したダイナソルジャーWDKは再度先程の攻撃をするために回転力を貯める。

 

〈この方法ならば…いずれは…勝てる…か〉

 

だか徐々に足場がなくなっているのも事実。

 

このままではグリッドナイトもビル群のように地面に引きずり込まれるのも時間の問題だ。

 

怪獣を倒すのが先か、こちらが埋まるのが先か

 

果たして…

 

 


 

 

怪獣の音がする。

 

それは何かが壊れるようなそんな音だ。

 

だが、本来の怪獣はそんな音を発しない。

 

伝承などにも語られているように、怪獣は自然災害と同等の存在であり現れるのは自然の摂理なのだ。

 

だがここ最近出現する怪獣はそれらではない。

 

人々の醜い情動を吸収したもの、誰かの歪んだ感情によって創造されたもの。

 

それらは確実に世界に害をもたらす。

 

白い鎧を纏い、ただ街を、人を破壊していくだけの怪獣。

 

それに、戦いの後に必ず発生する不思議な再生の光。

 

それは傷ついた街を人を癒していく。

 

一見すればただの修復する光だが、果たして本当にそうなのだろうか?

 

人の命は本来一つしかないものだ。

 

だからこそ、それを尊び、愛し、関係を築いて絆を育むのだ。

 

それが果たして完全にそのまま再生するなんてことがあるのだろうか?

 

この世界は一体…

 

「なんなんだろうね」

 

そんな疑問を抱えたまま、ライラは怪獣とグリッドナイトたちの戦いを見守る。

 




とりま描きたかったウイングダイバーコンバイン出せたんで満足です

ゴウ・リタガドールは今作におけるゴーヤベック枠

まぁ、戦いはまだ続くんで今回はここで…adieu!
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