SSSS.GRIDKNIGHT Another God Wish 作:ゴリニティ75
第1回 日・常
《ー!ー!》《キャー!!》
けたたましいサイレンの断続的な叫びと、悲鳴が混ざり合い、耳をつんざく。
それは、日常の安寧が崩壊したことを告げる、悪夢のような音の洪水だった。
街は業火に包まれ、紅蓮の炎が天に向かって咆哮を上げる。
焦げ付くような異臭が、容赦なく鼻腔を突き刺し、現実感を嫌でも突きつけてくる。
天は憎悪に満ちた獣のように裂け、大地は断層となって亀裂が走り、海は怒涛となって牙をむく。
まさに、生きたまま地獄絵図を具現化したかのような、絶望的な光景が広がっていた。
その惨状の中、遠くからでも明確に捉えられるほど巨大な影が蠢いている。
それは、理性を失った破壊の権化――複数の怪獣が、街を玩具のように踏み躙っていた。
「……父さんっ!母さんっ!!」
崩れ落ちた瓦礫の下から、かすかに聞こえる声に、ライムグリーンの髪をした、一人の少年が必死の形相で叫ぶ。
怪獣の爪が引き裂いたであろうコンクリートの塊の下に、両親が埋まっているのだ。
「……嫌だ……!二人を置いて、俺だけなんて行けない!お願いだよ!一緒に逃げよう!」
少年の悲痛な叫びは、周囲の騒音にかき消されることなく、痛々しく響き渡る。それは、幼い魂の限界を超えた悲鳴だった。
[ーーー!!!]
その声に応えるかのように、一体の巨大な怪獣が、ゆっくりと、しかし確実に、少年の家族がいる場所へとその巨体を向けた。
「アアッ!ア、ア……!来んなっ!化け物っ!!」
恐怖が全身を駆け巡り、少年の足は竦み、地面にへたり込む。ガタガタと震える体で、彼は掠れた声で叫ぶ。
どうか、これは悪夢であってほしい。
そう願うことさえ、今の彼には贅沢な望みだった。
現実はあまりにも残酷で、少年の心は絶望という名の黒い奔流に飲み込まれていく。
――ああ……俺は、ここで死ぬのか……?
その刹那、閃光が全てを塗り替えた。
轟音と共に、強烈な光と地を揺るがす振動が、瓦礫の下の家族を、そして少年を襲う。怪獣が、破壊の息吹を放ったのだ。
少年は咄嗟に両腕で目を覆った。
恐る恐る目を開けると、そこにはもう、温かかったはずの両親の姿はない。ただ、赤々と燃え盛る炎の海が、無惨に広がっているだけだった。
「アァそんな…嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ…ウソダウソダウソダウソダ…」
少年の心は、悲痛な現実を受け止めきれず、音を立てて崩壊していく。繰り返される否定の言葉は、虚しく空気を震わせるだけだった。
[ーー!ーーー!!!]
破壊の限りを尽くした怪獣が、再びその巨大な爪を少年へと向け、咆哮を上げる。
……ああ、もういい。僕も早く、父さんと母さんのいる場所へ、連れて行ってよ……
全てを諦めかけたその時、少年の目の前に、信じられない光景が広がった。
それは、この世のものとは思えないほど眩しく、しかしどこか温かいような、不思議な光だった。
おそるおそる、光の源へと目を向けると――そこに立っていたのは、巨大な、紫色の人影だった……
pipipipi...pipipipi...
「……はっ!」
という携帯の目覚ましの音で少年は目覚めた。
身体は汗だくになっていてパジャマが濡れており、目からは涙が出ている。
「はぁ…またあの夢か……」
なろう系主人公のようなセリフを呟きながらライムグリーンの髪が特徴的な少年はダルそうに布団から出る。
顔を洗うために二階から一階への階段を下る。
洗面台の前に立つと少年は顔に乱暴にバシャバシャと水を叩きつけて眠気を追い払う。
「よっし!!今日も1日頑張りますかぁ……はぁ…」
と自分に気合いを入れるがじきに声が小さくなっていく。
「はぁ…学校めんどくさいなぁ…学校行くぐらいなら家でウルトラシリーズみたいなぁ…」
ブツクサブツクサ呟いていると外から今の少年とは真逆のテンションの声が聞こえてくる。
「おーい!!起きてるか〜?」
…騒がしいなぁそう思いながら、恐る恐る玄関のドアを開けて外の様子を伺う。
するとそこにはいかにもTHE人生楽しんでるぜ!ウェイ!!みたいな顔立ちの整っている陽キャの少年がオレンジ色の髪を揺らしながら立っていた。
玄関から覗いている俺に気づいたのか俺の元まで近づいてくるとオレンジ髪の少年はこう言う。
「おっ!!いたいた〜!!おはよう!!さぁ今日も元気に1日すごそうぜ★」
…絶妙に腹が立つ挨拶をしてくる野郎だなぁ、陽キャ怖っと思いながら返事をしてやる。
「…どちら様でしょうか?あいにく俺は君のことを一ッミリも知らないからこの扉を閉めさせてもらうねサヨナラサヨナラ」
とすごい早口で言い放ち即座に玄関の扉を閉めようとする。
だが、
「ちょいちょいちょい待ち!」
と靴のつま先を扉に挟み込み完全に扉が閉まるのを阻止してくる。
「チッ。おい靴を引っ込めろよ"太陽"!!俺は今日という今日は学校へ行かないぞ!!」
「おいっ!そうやって毎日駄々こね続けんのやめろよ!っていうか俺の名前言ったよね?知らないんじゃねぇのかよ!?」
俺の必死の抵抗に負けじと、両手を扉に掛けてこじ開け家の中へと侵入される。
彼の名前は天木 太陽。
名前のとおり眩しいくらい明るい性格の持ち主でクラスの人気者。
さらにスポーツ万能、困っている人がいたら必ず助けるという超がつくほどのお節介だ。
…主人公かな?
少年とは幼馴染で昔から何かと競い合う仲だった…昔は…
「お邪魔しますっ!!!」
礼儀正しく?挨拶をしながら入り、ニコニコと不適な笑みを浮かべながら俺の前に立つ。
「お前……力強すぎだろぉ!!」
と叫びながら後退りする。
「さぁ!さっさと支度しろっ!!」
「ひえぇぇぇぇぇぇ!!」と悲鳴をあげながら支度するのが少年の最近の日課だった。
「はぁ…はぁ…ギリチョンセーフッ!!なんとか間に合ったな」
「………誰かが駄々こねたせいでバスに乗り遅れ、そのせいで走る羽目になったからな」
「……いやそれお前じゃねぇか!!何しれっと俺のせいにしてるわけ!?」
なんだかんだと、他愛のない会話しながらチャイムが鳴る3分前に学校に着く2人。
そこから急いで自分たちの教室である1年E組へと向かう。
教室の中は外からでも聞こえるほどにワイワイガヤガヤとした声が聞こえてくる。
ガラッと教室の前のドアを開けて中に入ると先程まで賑やかだった教室がシーンと静まりかえる。
一斉にこちらに視線が集められる。
しばらく沈黙が場を支配したがのちに、
「おーい!!太陽!!遅いよー!!」
というクラスの男子の一言により、また賑わいを取り戻す。
すると一斉にみんな太陽の元へと集まってくる。
みんなまるで俺が見えていないような感じで太陽を取り囲み話し始める。
……いやそこで話されると、俺中に入れないんだけど…
仕方がないのでそそくさとその場を離れ後ろ側のドアから入ろうとする。
だが、
「ふんっ!!」
と踏ん張ってもドアは開かない。
どうやら内側から鍵がかけられているようだった。
…困ったな。
と少年が困っていると教室で何人かで集まって話していたうちの1人の水色の髪の少女が気づき、鍵を開けてくれる。
少年はドアを開けて鍵を開けてくれた少女に向かって
「あっ、鍵…開けてくれて…ありがとう…えっと…"古澤"さん…?」
とクラスメイトの名前をほぼ覚えていないため疑問符を浮かべながら感謝を伝える。
「ううん。全然いいよ〜!っていうかむしろ私が学級委員長なのに後ろのドアの鍵開け忘れちゃってたから…そのごめんね…」
と感謝を伝えたのに逆に謝られてしまい困惑する。
艶やかな水色髪の毛の彼女の名前は古澤 響子。1年E組の学級委員長で成績優秀、誰にでも優しく、クラスに馴染めていない俺にもたまに話しかけてくれるマジでいいやつだ。
つーかマジ天使かよ。かわいいかよ。ごちそうさまです?
「いやいや…元はと言えば、俺が前から入ればよかったわけだし…」
とその時、チャイムが学校内に鳴り響く。
「あ…じゃあ…俺はこれで…」
即座に話を切り上げ急いで自分の席へと座りこむ。少年の席は窓際の1番後ろでいわゆる主人公席だ。
(…自分が主人公だなんて思ってないけど。)
しばらくして先生が教室へ入ってきてホームルームを始める。
「皆、おはよーう。今日は欠席者が…いないな。よし、じゃあ早速…」
そう言って今日の時間割等の説明をしていく。
こうして今日も今日とて、穏やかで平凡な日々がスタートしたのだった。
そう…この時までは——————
あとがき
ここまで読んでいただきありがとうございます。
さて
今回登場したキャラクターたちはメインで活躍していく人たちなのでおさらいしておきましょう。
主人公;???ライムグリーン髪の少年←べ、別にまだ名前決めてないとかじゃないんだからねっ!!
癖っ毛。ウルトラシリーズのオタク。昔は太陽と同じくらい運動ができたが最近見る夢のせいでやめた…みたいな設定。性格もそのせいで変わってしまった的な…
ヒロイン;古澤 響子←透き通るような水色の髪を持つ少女。(ウマ娘のケイエスミラクルみたいな髪のイメージ)髪型はショートボブ…←別に性癖とかじゃないからね!断じて!割とおっとりとした性格。
友人ポジ(内海みたいな);天木 太陽←一言で言うと陽キャ。オタクに優しい?みたいな。オレンジ髪で髪型はちょい長めのベリーショート?みたいな感じ。
…です。ってか今回ナイト君登場してなくね?まぁ次回はがっつり絡んでくる予定なんでいいでしょ!!うん!!