SSSS.GRIDKNIGHT Another God Wish   作:ゴリニティ75

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第45回 策・墜

 

—多元宇宙の狭間で繰り広げられる、もうひとつの防衛戦

 

——月面研究基地で生まれる新たな“戦神”

 

——— そして、正義感あふれる地球防衛隊の少女の思いが生み出した、新たなるグリッドマン

 

——白銀の鎧にまつわる逸話の世界があった———

 

ユニバース♯Ⅵ【ダイアクロンVSグリッドマン】

 


 

 

 

[[——!—;::/-:;!!!!!!]]

 

 

二体の怪獣が、爆発と共に光の中へ消えていく────

 

 

 

 

その衝撃波が空と海に余波を残し、静寂が訪れる。

 

『よっし!流石グリッドナイト!』

 

晴れやかな声が通信越しに響く。戦いの手応えを喜ぶ、まっすぐな声だった。

 

『手強かったけど、なんとかなったね……!』

 

安堵の笑みがにじむ。緊張から解き放たれたように、響子もまた声を弾ませた。

 

 

 

 

『………』

 

だが──グリッドナイトだけは、その静けさを受け入れていなかった。

 

怪獣が爆発した、まさにその空間。火煙の渦の中に、彼の鋭い視線は留まり続けている。

 

肌に触れる風の流れ。耳に残る残響。漂う焦げた匂い。

 

手応えは確かにあった。

 

しかし──何かが、引っ掛かる。

 

戦闘が終わったはずのこの光景に、わずかな“ノイズ”が混じっている感覚が尾を引く。

 

〈ナイト……どうかした……?〉

 

樹の問いかけにも、ナイトはすぐには返さない。

まるで探りを入れるように、静かに火煙の中心を見つめ続けていた。

 

本来なら訪れるはずの“終わり”の感触。それが、どこか曖昧だ。

 

──ただの思い過ごしか、それとも……

 

 


 

 

 

「……今は、バスターボラーだったかな?」

 

その声音は低く、しかしどこか歪で、まるで深淵の底から響いてくるようだった。

 

耳ではなく、脳の奥へと直接流れ込んでくるような、ぞわりと背筋を撫でる不快感。

 

その名が発せられた瞬間、空気がさらにひとつ、沈み込んだ。

 

…ツインドリラー…その名を知っているのは…

 

胸の奥がざわつき、ボラーは目を細める。

 

「……お前……やっぱ、カーンデジファー……なのか」

 

その名を口にした瞬間、場の空気が再び重く沈む。

 

ボラーの問いに、ファージは否定も肯定もしない、だがそれは確かに──“答え”だった。

 

その瞬間、ボラーの背後で、空気の揺らぎが走る。

 

風を裂くようなわずかな気配。

 

「……!?」

 

そこには、いつの間にか接近していたキャリバーの姿があった。

 

手には、抜き放たれたトレイルカタナソード。

 

迷いも気配もない動きで、ボラーの首筋にピタリと刃を当てる。

 

「……キャリバー……!?」

 

言葉を発する間もなく、背中に殺気。

 

重く、沈んだ圧が肩越しにのしかかる。

 

「…ッ─────」

 

振り返らずとも分かる──マックスだ。 

 

ドラゴントゥースパイクを握りしめ、今にも拳を振りかぶろうとしていた。

 

完全に囲まれた状況に、ボラーの動きは封じられる。

 

「なんで…お前らが…」

 

ヴィットの話では、キャリバーもマックスも今回の邂逅をファージに悟られないよう監視していた筈───

 

動揺が、疑念とともに胸に渦を巻く。

 

「…俺たちがこの場に現れたのがそんなに不思議か?」

 

ファージの低く、嘲るような声が響く。

 

その反応を通じ、ボラーは気づく。

 

…俺たちの行動はファージに全部読まれていたということか─────

 

「いつから…気づいていやがった…?」

 

「…いつから…?…おもしろいことを聞く…」

 

そう小さく笑い、ファージは淡々と語る。

 

「俺は全てを見透している…実験体(コイツら)を媒介にしてな」

 

キャリバーとマックスの方へ視線を向け、二人ののことを指す。

 

「実験……体……だと」

 

喉の奥が焼けるような怒りが、全身を突き上げる。

 

「そうか…お前がアイツらを──────」

 

呟いた声の奥に、込み上げる怒りが滲んでいた。

 

キャリバー、マックス、ヴィット──かつて肩を並べて戦った、新世紀中学生の仲間たち。

 

彼らが、任務中に次々と消息を絶っていったと聞いたとき、ボラーの胸には言いようのない胸騒ぎが走っていた。

 

それでも、どこかで信じていた。

 

また必ず、どこかの世界で再会できると。

 

あいつらなら──きっと、生きてると。

 

「……なのに、再会したと思ったら……あの姿だぞ……!!」

 

この世界で再び出会った時、キャリバーたちは“怪獣兵器”へと変えられていた。 

 

人格も、記憶も、戦った日々の絆もすべてを奪われ、まるで別人のように、グリッドナイトたちに牙を剥いた。

 

それを招いた元凶こそが、ファージだったのだ。

 

「テメェが……テメェが全部……!」

 

怒りが、込み上げてくる。

 

自らの目の前で繰り広げられた、仲間との戦い。

 

その現実を突きつけられた時の、あのどうしようもない感情を──ボラーは忘れていなかった。

 

「アイツらの記憶を消して、改造して、挙げ句の果てに“実験体”呼ばわりかよ……!」

 

肩を震わせ、憤りを噛み殺すように唸る。

 

「ふざけるなよ……ファージ……!」

 

その声は、怒りと悔しさに震えていた─────

 

奪われたものの重さに、ボラーの視線が鋭く燃える。

 

握り締めた拳が震え、今にも地面を砕きそうなほど力が込められていた。

 

対するキャリバーとマックスは、無言のまま。

その瞳に、かつての仲間だった頃の面影はなく、ただ冷たい光だけが宿っている。

 

その背後から、重々しい足音が響く。 

 

空間の奥底を這うような気配を纏いながら、ファージが一歩ずつ前へと歩み出す。

 

「……情動とは、やはり面白いものだな」

 

ふと口を開いたその声は、妙に淡々としていた。

だが、言葉の奥には確かな嘲りと、支配する者の余裕が滲んでいる。

 

「怒り、悲しみ、信頼──それらすべてが、簡単に“制御”できるというのに」

 

ボラーはギリっと奥歯を噛みしめる。

だが、ファージはそれを意に介さず言葉を続けた。

 

「彼らが見たもの、聞いたもの──その全ては、俺を通して筒抜けだった…ただそれだけだろう?」

 

不意に、ファージの目がキャリバーとマックスを見やる。

 

無言の二人は、まるで自分が語られていることすら理解していないかのように、ただボラーを監視していた。

 

「まぁ…“実験体”としての価値は十分だったよ」

 

唇の端が、かすかに歪む。

愉悦に近いその表情が、ボラーの胸にさらに怒りの火を灯す。

 

「お前たちが手を組もうとする動きすら、逐一知り得ていた…が──」

 

ファージはゆっくりと歩を止め、ボラーを見下ろした。

 

「……だが、この俺にも少々誤算があった」

 

一拍の沈黙。

それは、次の言葉に重みを持たせるための“間”だった。

 

「洗脳しても尚、俺に疑問を抱き、秘密裏にお前たちと手を結ぼうとするとは……」

 

ボラーの拳が、ぶるりと震える。

それでも、ファージの語りは止まらなかった。

 

「流石は、“グリッドマン”の一部……というだけのことはある」

 

その声には、皮肉と、ほんの僅かな称賛が混じっていた。

 

「それも全て…無駄な足掻きだったわけだが」

 

わざとらしくその言葉を付け足し、微かに口端をあげる。

 

そしてボラーは、静かに──しかし怒気を宿したまま、低く唸るように言葉を落とす。

 

「──ッお前ェッ……!」

 

限界に達し、怒声とともにボラーの足元が砕ける。

 

思考するよりも早く、スクラップメーカーダガーを逆手に構え、一気に踏み込んでいた。

 

炎のように燃える怒気を纏いながら、ファージへと切っ先を突き立てる。

 

だが、ファージは微動だにせず、その眼を細めて嘲る。

 

「……無駄だ」

 

直後、空間が震える。 

 

ファージの足元から黒い圧──闇そのもののようなオーラが吹き上がる。

 

ボラーの身体が、その圧に呑まれた。

 

「ッ……ぐ、うああああっ!!」

 

強烈な重圧が襲いかかり、動きが止まる。

 

足が地を離れ、ボラーの身体が吹き飛ばされる。

 

重い衝撃音。砂浜に叩きつけられたボラーの身体が、土煙とともに数メートルも滑る。

 

その衝撃で、髪を結っていた赤いリボンが解ける。

 

解けた髪が空中にふわりと舞い、重力に引かれるように、散らばる土埃の中へと落ちていく。

 

荒い呼吸を吐きながら、ボラーは地面に手をつく。

 

怒りが、痛みすらも塗り潰していた。

 

ファージはゆっくりと歩を進め、倒れたボラーを見下ろす。

 

その背後で、のんびりとした声が響いた。

 

「ねーえ、ファージさんー。そろそろ、でしょ? アタシたちの"傑作"、グリッドナイトたちに見せてあげないと」

 

望美と、共に無邪気な表情を浮かべるコピーのその声に、ファージは振り返らずに答える。

 

「……分かっているさ」

 

ファージの片手が、ゆるやかに空へと伸びていく。

 

「……何を……する気だ……」

 

倒れたたまま、ボラーが苦悶の声を上げる。

 

「…そこで這いつくばって見ているんだな」

 

ファージは視線を落とすこともなく、ただ静かに言い放つ。

 

風を裂く音が空間を満たす中、ファージの指が形を取る。

 

人差し指、中指、薬指の三本を揃えたまま、Vの字に開く。

 

その狭間から──彼の紅い右目が覗いた。

 

 

「インスタンス…ドミネーション……!」

 

 

瞳が妖しく紅く煌めいた瞬間、天が唸りを上げ、上空の爆発の中心から何かが姿を現した。

 

鋭い音を響かせながら、2体の怪獣を庇い出るように飛来する機影──

それはかつての「スカイヴィッター」とは、もはや別物だった。

 

鋼鉄の外装は黒と深紅を基調に染まり、ところどころに脈打つような生体的な質感が混ざる。

 

機体の表面には有機的な“筋肉”のような隆起が走り、翼の端には牙のように湾曲した突起。

 

かつてコックピットだった部分は閉ざされ、巨大な単眼が備わったような“頭部”がそこに鎮座する。

 

──まさに怪獣戦闘機。

 

兵器でありながら、生き物のように蠢き、唸りをあげるそれは、もはや“スカイヴィッター”とは呼べない異形だった。

 

「……ヴィット……お前も……」

 

その名を呟いた声には、驚愕と、言い知れぬ怒りと、痛みが混ざっていた。

 

あの軽口を叩き合った仲間──自由奔放に空を駆けていたヴィットが、今や、ファージに操られる“怪獣兵器”として目の前に現れているという現実。

 

怪獣の皮を被った戦闘機──いや、戦闘機の形をした怪獣か。

 

それが、空を制するために生まれた“第三の実験体”。

 

ファージの声が、その不気味な咆哮に重なるように響いた。

 

「さぁ──これより第三実験を…始めようか……!」

 

 

 


 

 

 

 

──次の瞬間、空中に漂う爆煙が裂けた。

 

空に広がっていた火煙の渦が、風に吹き払われることなく、不自然なほど均一に、蠢くように裂けた。

 

そこから、鮮烈な紅の閃光が噴き出す。

 

幾筋もの紅い光線が、空を裂くように尾を引き、怒涛のごとくグリッドナイトたちへと襲いかかってくる。

 

『ッ……な──!』

 

戦いの余韻に包まれていた彼らの動きは、ほんの僅かに鈍っていた。

 

回避しようと飛びのいたダイナソルジャーを、旋回してきたレーザーが追いかけ、肩の装甲を焼く。

 

『うわアっ……!?くっ……!』

 

響子のダイナウイングも翼の端を撃ち抜かれ、空中でバランスを崩す。

 

『きゃあっ……!』

 

レーザーはまるで意志を持つかのように軌道を変え、回避しようとする動きすら読んでくる。

 

機動力が自慢のダイナストライカーと、ダイナダイバーすらも、その追尾レーザーを避けきれず被弾してしまい、装甲の一部が爆ぜ、機体が揺れる。

 

『……ッ!なんで……っ!?』

 

『…なんて執拗な……!』

 

咄嗟の防御もままならず、爆発の余波に巻き込まれるように、全員が直撃を受け、弾き飛ばされる。

 

『グッ……!』

 

グリッドナイトでさえも、即座に迎撃へ転じられず、大きく態勢を崩す。

 

〈一体……何が……!〉

 

一瞬の静寂。

 

全員の視線が、一斉に空中で炸裂した爆発の中心へと向かう。

 

そこには─煙と光の残滓が渦巻く中、確かに見えた。

 

崩れ落ちたはずの、二体の怪獣の輪郭が。

 

『なっ……怪獣が……倒せて……ない?!』

 

確かに、グリッドナイトストームで同時に撃破したはずだった。

 

だが、その巨影は物理法則を無視して、宙を漂っている。

 

爆発の光が徐々に薄れゆく中、2体の怪獣の背後に、それを庇うようにして佇む“機影”が浮かび上がる。

 

ただの影ではない。鋭利なシルエット、金属の質感、そして―無言の威圧。

 

しかしそれは、“戦闘機”と称するにははあまりに異端な姿。

 

翼は鋭利な刃のように湾曲し、金属の機体に脈打つような光が這う。

 

装甲の隙間から覗くのは、まるで“筋肉”のように蠢く異質な構造体。

 

機械と生物の境界が曖昧になったような、異様な生物兵器の姿──ゴウ・スカイヴィッター

 

その瞳孔にあたる箇所が赤く輝き、冷たい電子音のような咆哮が空に響き渡る。

 

『グリッドナイト……おい、あれって……』

 

問いかけに、グリッドナイトは静かに──だが確かに、答えた。

 

『あぁ………間違いない、ヴィットだ』

 

その姿を認識した後、ナイトはヴィットの行動に違和感を覚えた。

 

……ヴィットが今回の戦闘に関わってくること自体は、粗方予想していた。

 

…今回、ヴィットたちとの共戦協定を結んだものの、ファージにはその事実を悟られぬため、偽装戦闘を想定してはいた…

 

…しかし、何故このタイミングで奴は現れた?

 

すでに怪獣は二体、倒された後だ。

 

戦いは終息に向かい、終わろうとした今。

 

あえてこのタイミングで姿を見せる理由とは─────

 

ナイトはわずかな焦燥と共に疑念を抱く。

 

その思考と同時に、空が脈動を始める。

 

 

ドクンドクン

 

 

青く澄んだ大気がまるで生きているかのように揺らぎ、まばゆい光の波紋が地平線の彼方からゆっくりと広がっていく。

 

空気が重く震え、周囲の風景までもがその異変に引き寄せられるように揺れ動いた。

 

ゴウ・リアーゾルとゴウ・ソナーベル──既に衰退している二体の怪獣の残骸が、突如として暗紫の光に包まれ、三体の怪獣の瞳が紅く染まる。

 

崩れていた肉体が、まるで時間を逆行するように"再構築"されていく。

 

その中心にいるのは、空中を翔るゴウ・スカイヴィッター。

 

空中に渦を巻くように集まりだす、陸の力・海の力・空の力。

 

それらは三位一体となり、ひとつの形を成す。

 

肉体と金属の境界が曖昧になり、幾重にも重なり合った装甲と器官が不規則に融合する。

 

陸、海、空──三体の怪獣が放つ異なるエネルギーが一つに束ねられ、中心に重なる。

 

振動。衝撃波。咆哮。

 

そして──それは現れた。

 

【妖穹合体怪獣ゴウ・スカイラヴィーゼル】

 

翼を広げ、雷雲を裂きながら舞い降りるその巨体。

 

ゴウ・スカイヴィッターの滑空、飛行能力、ゴウ・ソナーベルの波動を放つ尾鰭、ゴウ・リアーゾルの猛々しい脚部器官が融合した怪獣が出現した。

 

『そ、そんな……!』

 

『……俺たちみたいに…三体で…合体した…?!』

 

『……悍ましい…嫌な音…』

 

その光景に、誰もが息を呑む。

 

爆発の余韻がまだ空を揺らす中、その異形の存在だけが、静かに、だが確実に空間を支配した。

 

『……あの動き…』

 

新たに誕生したゴウ・スカイラヴィーゼル、その合体の瞬間───グリッドナイトは、ふと怪獣の動きに違和感を覚えた。

 

自律した生物ならばまず見せない、無駄のない洗練された行動。

 

怯みも逡巡もなく、命の危機さえ感じさせない硬質な振る舞い。

 

意思というより、命令。感情ではなく、計算。

 

動作の一つひとつが、目的を果たすためだけに組み上げられた動線のような動き。

 

……見覚えがある。

それは、何度か戦ってきた「何者かに操られた怪獣」の動きそのものだ。

 

…何者か、それはファージなのだろう。

 

……そして、これは単なる偶然ではない。

この怪獣たちは最初から[合体するように創られていた]。

 

目的を持って、仕組まれて、そして──操られている。

 

ナイトの背筋に、冷たい感触が這い上がる。

 

────まさか。

 

ナイトの思考が、とある可能性にたどり着く。

 

キャリバー、マックス、ヴィット。

ファージの側にいながら、密かに裏切りの意思を抱き、協力を申し出てきた三人。

 

彼らの動きは、綿密で、慎重だったはずだ。

 

だが、それすらも──既にファージには見透かされていた…そう考えるとどうなる。

 

今回の共戦協定をを逆手に取り、こちらの油断を誘い──罠を仕掛けてきたのではないか。

 

…それならば、ヴィットの登場したタイミング、違和感にも納得がいく。

 

そして──ようやく、気づく。

 

ボラーの姿が、ないことに。

 

陸と海、同時に現れた二体の怪獣──それぞれが別方向からの侵攻、その対処に気を取られ気づくのが遅れた。

 

誰もがそれに集中していた。

樹、太陽、響子、ライラナクス、レックスも──そして、グリッドナイトさえも。

 

その瞬間、脳裏に蘇るヴィットの言葉。

 

 

───あれ…予定より随分早いな─────

 

あれは“怪獣の出現が早まった”という意味だけではない。

 

“予定”は、彼らヴィットたち側にあるように思えた。

 

だが──実際は違った。

 

早められたのではなく、既にファージの計画の範疇だったのだ。

 

戦況が一瞬止まったかのような沈黙。

 

『…グリッドナイト!何ボーッとしてるんだよ!』

 

レックスの声がナイトの耳へ飛び込み、その静寂を破る。

 

思考の淵から現実に引き戻され、グリッドナイトは短く息を吐く。

 

『…お前と違って、ただ呆けていたわけじゃない。…それよりも叫ぶ以外の伝え方を知らないのか、レックス』

 

『なッ…!?』

 

『…今はそんなことよりも、だ』

 

そう短く言い切ると、ナイトは静かに続けた。

 

『……どうやら、俺たちはファージの策に乗せられた可能性が高い』

 

『おいそれって………!』

 

レックスの問いに、ナイトは迷いなく頷く。

 

『……キャリバーたちが“裏切る”兆しを見せた時点で、奴はすでにそれを察知していた。そして、この状況を作り出した…』

 

ファージを出し抜いていたつもりが、逆にそれを利用されていた────

 

『この場所、このタイミング……怪獣との戦闘中という混乱の中で、“もう一つの目的”を果たすために』

 

『…もう一つの…目的…?』

 

レックスの声が、焦りを滲ませて響く。

 

グリッドナイトはうなずきつつ、ゴウ・スカイラヴィーゼルへと視線を向け、鋭く絞るような声で告げた。

 

「おそらく……奴らの狙いは、ボラーだ」




あとがき
お疲れ様です…いやぁちょっとわかりづらかったかなぁ…(クソデカため息)

と!いうことで簡単に物語の流れを解説しますね!(爆速開き直り)

正直、これさえ見ればなんとなく流れわかります("クソデカボイス")

まぁ…よーするに今回の戦いは、ただの怪獣戦ではなかったということですಠ_ಠ?

グリッドナイトたちが戦っていた裏で、ファージはもう一つの目的を進めていたのです。

▼物語の流れ(超ざっくり)

1. キャリバーたちの裏切り
キャリバー、マックス、ヴィットはファージに疑問を感じ、裏切りを決意。グリッドナイト側に情報を流す。

2. 会議と怪獣出現
次の戦場が「海」だと知り、グリッドナイトたちを収集、海の家で作戦会議。←ダイナマシンたちも出動しやすいように海に呼んだ)

…しかし何故か怪獣は予定よりも早く出現。すでにファージに裏切りはバレていた。

3. ボラーの孤立
ボラーは出動しようとしますが、ヴィット(操られている)に止められます。
その結果、戦場にいない異常な状況に。

4. 合体怪獣と違和感
倒したはずの怪獣が合体。
ナイトは合体の際の動きに「操られた怪獣」と同じ違和感を覚え、裏にファージがいることに気づく。

5. 真の狙いは…ボラー
グリッドナイトたちを怪獣戦で引きつけ、孤立したボラーを狙う⸻←今ココ!

第三実験と同時進行で進められていたファージの目的…それこそが、ボラーとの接触。

すべては、最初から仕組まれていた罠。

ファージの掌で、彼らは踊らされていたに過ぎなかった⸻的な…

「ヴィットの予定よりも早い…」のくだりの他に、
「…ボラー、『キミ』には別の任務がある」←ヴィットはボラーに対して『キミ』なんて使わない、『お前』とかお互いに言い合う間柄…とか結構忍ばせてはいたんすよね…(わかりづらすぎ)

以上…長文失礼しました!
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