SSSS.GRIDKNIGHT Another God Wish   作:ゴリニティ75

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戦闘開始や!!


第3回 初・陣

薄暗い部屋の中央にいる制服を見に纏った少女は足をぶらぶらしながら鼻歌を歌っていた。

 

「〜♪〜〜♪」 

 

どうやら彼女は相当気分がいいようだ。

 

すると少女は自身の紫色をした長い髪を手でくるくるしながら部屋の隅っこにいるもう1人の少女が作っている物をジーッと眺めはじめる。

 

「コピーちゃ〜ん★今回のそれ、とってもいい造形してますね〜♪」

 

「…は!はいっ!あ、ありがとうございます…」

 

と"コピー"と呼ばれたもう1人の少女は答えるとまた作業へ戻る。

 

少女は粘土で作られている"それ"の首元に細かく何度も何度もカッターナイフの刃を入れ彫りを深めている。 

 

目深に降ろしたパーカーのフードから少しだけ見える目からはそれに対する熱意と愛情が伝わってくる。

 

しばらくしてパーカーのフードを勢いよく取ると少女は叫ぶ。

 

「で、できた……!あ、あなたのお名前は…そう!ゴウ・ゴルガ…!」

 

完成したそれは襟巻きトカゲのような見た目の怪獣の模型だった。

 

「わぁーお!とっても情動的でいいですねー★…じゃあ仕上げに〜♪」

 

そう長い紫色の髪を揺らしながら少女は白い鎧のようなパーツを制服のポケットから取り出して怪獣の模型へとつける。

 

「よしっ♪それじゃあ〜頑張って世界をより綺麗にしてきてくださいね〜★」

 

口許に笑みを浮かべ、彼女は怪獣の模型に触れるとある言葉を口にした。

 

 

《インスタンス〜・アブリアクション★》

 

 


 

自らが街に立ち昇らせた炎を突き抜け、"襟巻震撼怪獣ーゴウ・ゴルガ"が全貌を露わにする。

 

巨大な二足歩行襟巻き恐竜が白い鎧を纏ったような異様なフォルム。

 

頭にはバイザーが付随した兜のようなものを被る。

 

それは少年がみる夢に出現する怪獣と姿こそ違うが白い鎧のような装甲はまったく同じだった。

 

[——!—;::/-:;!!!!!!]

 

怪獣は近くのビルを無造作に倒しながらこちらに近づいてくる。

 

「な、なんだよ…これ…夢…?じゃないよな…」

 

自分の頬を引っ張るがヒリヒリとした痛みが伝わってくるため夢ではないこと確信する。

 

「お前は逃げろ」

 

画面内で腕を組みながらナイトは忠告してくる。

 

「逃げるって…どこに!?」

 

少年は声を荒げる。

 

あんなのからどうやって逃げろって言うんだよと内心思いながらナイトに問う。

 

「……」

 

だが何もナイトは黙ったままで何も答えてくれなかった。

 

外を見るともうすぐそこまで怪獣が迫ってきている。

 

これはそろそろ本当にやばい状況になってきた。

 

ふと外を見ると太陽が率先して逃げ遅れた生徒たちを避難誘導をしているのが見える。

 

アイツ、こんな時にもお節介かよ!?と思い叫ぶ。

 

「おいっ!!早く逃げろバカ!!死ぬぞ!?」

 

と懸命に叫ぶが、怪獣ゴウ・ゴルガの足音のせいで声が揉み消される。

 

アァァ!!どうする。どうする。どうする…このままだと"また''大切なものを失ってしまう。

 

それだけは…それだけは……

 

 

 

「絶対に嫌だ!!!」

 

 

 

そう叫ぶと共にパソコンの画面が突如、その声に呼応するかのように光を発する。

 

光の発生源はナイトが左手首につけているプライマルアクセプターだった。

 

やがてナイトのアクセプターは光となりナイトの手首から離れる。

 

「…これは…!」

 

するとその光はやがて少年の左手首へと集まっていき、ナイトのモノとはまた別のブレスレットを形作る。

 

その形にナイトは見覚えがあった。

 

それはかつてグリッドマンが響裕太と一体化するときに使っていたものと非常に酷似している。

 

だがそれとは地味に配色が違っていた。もともと金色だったところは赤色に。銀色だったところは紫色へ、縦長のボタンはオレンジ色に、三角のボタンは黄色へと変化していた。

 

「…な、なんなんだ、これ?」

 

今起こった状況が、いまいち飲み込めない少年にナイトは口を開いた。

 

「…それはプライマルアクセプター…どうやらそれがお前の叫びに反応したようだな」

 

「…プライマル…アクセプター…」

 

「それを使うことが出来たのなら…あの怪獣を倒すことが可能だ」

 

ナイトと話している間にも、怪獣は学校のグラウンドへと足を入れようとしている姿が見える。

 

「本当に…これを使えば怪獣を倒せるんだよな?!」

 

「あぁ。お前に…その覚悟があるならば…な」

 

ナイトの言葉が重く響く。

 

「覚悟……」

 

少年の脳裏に、今もなお怪獣の暴威に晒されている太陽が過ぎる。

 

「時間がない、説明は後だ。戦う意志があるのなら、そのプライマルアクセプターのボタンを押し…アクセスフラッシュ!……そう叫べ」

 

……俺は…俺は…!!

 

「わかった…!!考えるのは後だ!!」

 

決意を湛えた顔つきで、パソコンの前に立つと、少年は画面の中のナイトに自身の覚悟を伝えるように左腕を構える。

 

 

 

 

「アクセス……! フラァァーーッシュ!!!」

 

 

 

そして左腕に右腕をクロスさせ、プライマルアクセプターのボタンを押す。

 

 

すると、少年の全身が光の矢となってパソコンへと吸い込まれていく──────

 

 

 

 

光瞬くベージュ色に彩られた内部の異空間(パドック)でナイトと邂逅する。

 

「…本当にいいんだな」

 

「あぁ…いつでも来い…!」

 

そう言って静かに目を閉じ、世界そのものに身を任せるように大の字になって宙を揺蕩う。その身体はナイトと重なっていき、一体化していく。

 

ナイトはグリッドナイトの姿へと変身し、腕を組みながら巨大化、パサールトと呼ばれる光の道へ突入していく──────

 

 

 

次の瞬間、グリッドナイトとなった2人は勇ましく腕組みをしてゴウ・ゴルガの目の前へと実体化を果たす。

 

〈こ、これどうなってるんだ?! それにこの姿…夢でみた巨人にそっくりだ!〉

 

学校の窓に映る自身の姿をみて驚く少年。

 

『これが俺のもう一つの姿…名は…"グリッドナイト"」

 

〈グリッド…ナイト…〉

 

『ゆっくり話している暇はなさそうだ…今は戦いに勝つことだけに集中しろ』

 

ナイトの声が直接頭に声が響いてくるのを聞き、本当に一体化したんだなぁと改めて思う。

 

ウルトラシリーズでは結構大石だな…そう考えていたのも束の間。

 

[——!—;::/-:;!!!!!!]

 

大地が激しく揺れ、ゴウ・ゴルガとの肉弾戦が開始された。

 

ゴウ・ゴルガは突如現れたグリッドナイトに一瞬怯むが、すぐに戦闘体制へと移り、グリッドナイトへと組み付く。

 

互いに、殴り蹴りを何度も何度も繰り返す。

 

するとゴウゴルガが突然、真っ直ぐ突っ込んでくるのをギリギリのところでかわし、がら空きだった顎に向けて続け様にパンチを喰らわす。

 

『ふんっ!!』

 

その後、背後へと回り込みゴウ・ゴルガの尻尾を掴みそれを目一杯の力で持ち上げぐるぐると回転させて投げ飛ばす。

 

[…;::/-:;!!!!!!]

 

だが投げ飛ばされたゴウ・ゴルガは即座に空中で体勢を立て直し、襟巻きを震えさせるとグリッドナイトに向けて口からブレスを放つ。

 

[——!—;::/-:!!!!!]

 

『…くっ!!グワァァッ…!!』

 

ブレスを受けて後方へと大きく飛ばされるグリッドナイト。

 

すると、額のエネルギーランプが点滅し始める。

 

〈え?何これ?なんかウルトラマンのカラータイマーみたいにピコンピコンなってるんですけど!?〉

 

驚いたのも束の間、身体が先程よりも明らかに重く感じてくる。

 

どうやらエネルギー切れが近いようだ。

 

『今までとは勝手が違うか…』

 

ナイトが低く唸る。

 

〈くそっ!どうすれば………!〉

 

こんな時、ウルトラシリーズだったらと少年は考える。

 

 

 

…確かこんな怪獣と戦う回があったな…

 

あのときどう倒していた…?

 

 

…………!そうか!!

 

と少年は思い出し、一か八かの賭けをナイトに持ちかける。

 

〈…アイツの襟巻きを取ろう…そうすれば弱体化させることができる…と思う!〉

 

『……根拠は?』

 

〈……アイツ、攻撃を仕掛けてくるときに必ず襟巻きを震わせる仕草をするんだ…だから襟巻きを取ればなんかの神経も取れるかなー…って〉

 

これで「ウルトラシリーズではこうなんです!信じてください!!」と言ってもナイトは理解してくれないだろう。

 

『…仕方あるまい…今はその妙案に乗ってやろう』

 

そう言ってグリッドナイトは地面を力強く蹴り、すぐさまゴウ・ゴルガの襟巻きを掴みとる。

 

『。フンッ!!!』

 

ガッチガチにくっついているがなんとか強引に離せそうだ。

 

ゴウゴルガは必死に抵抗して尻尾を打ちつけてくるがそんなのは無視して全力で引っ張る。

 

『オォリャァァァァァッ!!!』

 

ブチブチと肉が引き裂かれるような音を立てながら勢いよく襟巻きが取れた。

 

[——!—;::/-:;!!!!!!]

 

自身の体の一部が引きちぎられ、怪獣は悶え苦しむ。

 

 

〈…今だっ!!〉

 

その隙を逃さずグリッドナイトは両腕を交差させて予備動作(ルーティーン)へと入り、構えた左腕にエネルギーを集束させる。

 

『グリッドナイトォォォ…!!』

 

その姿にゴウ・ゴルガは圧倒され、後退りする。

 

『ストォォォーームッ!!!』

 

光の奔流が一直線に突き進みゴウ・ゴルガに炸裂。

 

[——!—;::/-:;!!???!!!]

 

次第に光の奔流に全身を飲み込まれ、そして────────

 

[—;::/-:;!!???───────]

 

 

ゴウゴルガは爆散したのだった。

 

 

 

⬛︎⬛︎⬛︎

 

 

〈怪獣を倒せた…のか?〉

 

『…どうやらそのようだな…よくやった』

 

お互いの勝利を讃えあう。

 

その直後、天空から謎の光が発せられあたり一面を覆う。

 

〈今度はなんだってんだよ!?〉

 

少年が声を荒げる。

 

『この光は…』

 

この光にナイトは見覚えがあった。

 

それはナイトがコンピュータへ閉じこめられる前に自分を襲った時に見た光とそっくりなものだったからだ。

 

 

やがてその光は怪獣に壊された街を元に戻していく。

 

 

それはまるでグリッドマンのフィクサービームのようだった…

 

 

 


 

今度こそ戦いが終わり少年はグリッドナイトとの合体を解除し、パソコンから飛び出す。

 

「俺…ほんとうに怪獣と戦ったんだ…」

 

未だ興奮が冷めきらず何度も左腕のアクセプターに触れる。

 

俺が…この俺が…ヒーローになったんだ…!

 

「貴様は…それで良いのか」

 

真剣な面向でナイトは問いかけた。

 

「そのアクセプターを手にしたからには…お前はこれから俺と共に怪獣の脅威に立ち向かわなくてはならない。…それで本当にいいんだな?」

 

今のならばまだ、引き返すことができる…そう忠告するようにナイトは少年の眼を臨む。

 

 

…確かに…初めて本物の怪獣と戦って正直言って怖かった。

 

戦っているときも逃げ出したくてたまらなかった…

 

だけど…それは戦えない人たちからしたらもっと怖いと思う。

 

だから俺は…俺にしか出来ないことはやりたい…そう思うから…!

 

「…うん。今回怪獣と戦って気づいたんだ…俺が見た夢は現実なんだって…」

 

少年は覚悟を決め、ナイトの視線に応えて見せた。

 

「だから…俺は戦うよ。ナイトと一緒に」

 

そう言い切った少年の目は今までの彼の目とは違い、とてもやる気に満ち溢れていた。

 

「そうか…では改めて…よろしく頼む」

 

「うん、よろしく…グリッドナイト」

 

こうして、俺は怪獣と戦っていくこととなった。

 

 

 

「して…貴様の名は…?」

 

「確かに自己紹介がまだだった…」

 

 

人に自己紹介するのなんていつぶりだろうと思いながら少し恥ずかしいのか頭をポリポリとかきながら自己紹介をする。

 

「俺の名前は————」

 

ナイトはその名前を聞き、眼を見開いた。

 

 

 

 

 

「俺の名前は(いつき)、"新条"樹」

 




最初にでてきた子たちの説明は次回の投稿で…

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