退屈姫、ダイナマイトプリンセスにジョブチェンジする   作:かりん2022

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チートさえ貰えばこっちのもんよ

16歳の誕生日。

なんていうか、新たなる力に目覚めていた。

というより、今までアバターの力が馴染んでいなかったのだろう。

朝起きたら、ゲートを開く力に目覚めていた。

なんとアイテム持ち越し、ギルドハウス持ち越し、マイハウス持ち越し、課金通貨持ち越し、新ジョブツリーの小神獲得である。そういや前世で小神昇格イベント全ジョブ分網羅したわ。剣士、僧侶、騎士、魔法使い、吟遊詩人、盗賊。そして隠し職のトリックスター。

そして、神様のスキル第一弾はジョブツリー作成。

これはジョブツリーを6本、特別なジョブツリーを2本作れるらしい。

しかも、たとえば剣士なら、剣士、派生の軽戦士、重騎士と言った具合に派生を全て含めて1本と数えるようである。それが全部で8本。それはもはや新ジョブではない、新ゲーム作れるレベルなんだわ。

 

私大勝利。

 

なお、この世界では殿方が16歳にジョブ就任の儀式をする。女は普通ジョブにつけない。けっ! じゃあいいわ、私、女の子用のジョブ作るから。

 

それにしてもあのゲームは一体……。

 

まあいいや、神様ありがとうございます!

 

もはや王国の事なんぞくっそどうでもいいという私と、このまま舐められっぱなしでいいのかという私が脳内で合戦を繰り広げる中、私は帝国と王国の条件を聞いていた。初めは予算だけだったのだが、ヒートアップするうち、領地の話も出てきた。やはり競争相手がいるというのはいい。

 

「自由とプライバシーと予算とマジで自由にしていい領地と屋敷と月一回の商人の行き来があればよくってよ」

 

 ほんとこれな。これに尽きるわ。

 とにかく、マイハウスという絶対的プライバシー及び命の安全地帯が出来たのだ、余裕が違う。

 色々条件を比べた結果、なんと帝国の魔物との最前線の街をいただける事になった。もう私、大喜びである。しかもここ、滅びかけてるのでスタンピード起きても構わないのだという。

 

 男共は顔を引き攣らせるが、私は笑みが隠せなかった。しかも予算がすんごい額なのだ。

 私は、激戦区への旅立ちの為に馬に乗る練習とジョブの習得をする事になった。

 半年後のデビュタントが終わったら出発だ。

 

 馬は騎乗スキル引き継ぎだったので容易く乗れるようになれた。

 ジョブは自作のジョブ、プリンセスとした。

 

 条件はマナーの習熟。

 適正装備品はドレス、ハイヒールに扇、傘など。

 スキルその1は祝福。要はバフだ。

 生産は刺繍で、これは布装備にプラスでバフ。

 あと、ドレスか傘を装備の場合に限りゆっくりと降りられる。

 伸びるステータスは気品と美貌。

 

 ということで、装備の準備だ。ひとまず実際の生産品のノウハウを見せてもらおうとしたら拒否られたので、代わりに素材を買い漁った。後は衣装室のドレスや宝飾品を片っ端からアイテムボックスに入れて、と。

 私のセンスで一番マシなドレスで精一杯着飾り、戦闘準備はオーケー。

 さて、いよいよゲートの出番である。

 

 私は祈りを込めてゲートを開けた。

 そこは倉庫のようなオフィスで、広い広い場所にマネキンやドレスが所狭しと並んでいる。

 びっくりするオシャレなマダムと、それを庇う体格のいい男性。卒倒しそうなほっそりした知的な男性。

 私は、ハキハキと目的を言った。

 

「私、リリアンヌ! デビュタントでガツンと行けるめちゃかわドレスと戦う時の強かわドレスを買いに異世界から来たわ! 期限は五ヶ月後の春よ!」

「来る場所間違えてない?」

「一流デザイナーの場所で指定してゲートを開いたのだけど、間違ってた?」

「いいや、それは間違えてないよ。アリスは世界一のデザイナーさ」

 

 知的な男性が通訳してくれる。一流のデザイナーには一流の通訳がついているものだという賭けに、私は勝った。

 

『リリアンヌさん? 貴方、代価は用意出来るの?』

 

「貴方をほんの少しだけ美しくするわ。そちらが掛けた経費の倍の価値の素材を払うわ。これは最低限で、成功報酬は別よ。私を満足させてくれたなら、素敵な美容液、素材の提供、貴方の推薦した人でマナーが完璧の人をほんの少し美しくする、とにかくタダ働きはさせないわ」

 

『そうねぇ……そのドレスではご不満?』

 

「金貨をきているなって思われるだけよ。私、デビュタントを終えたら、魔物の最前線の領地に姫として統治をしに行くの。そう簡単にやられるつもりはないけど、やっぱり死ぬかもって恐怖はあるわ。閉じ込められた醜い蛹から今まさに羽化して戦女神になりに行く。そうでありたいのよ。最初で最後かもしれない舞踏会、その為のバトルドレスが欲しいの。常識はずれで、でも誰もその美しさを否定できない、誰にも真似出来ないドレスが。無理かしら?」

 

『一国の姫ならば、流行を作るために真似しやすいドレスを作るべきだと思うけど?』

 

「じゃあ、お色直しで二着頼むわ。夜会用の伝説ドレスと流行ドレスを一着ずつと、軍服ドレスを三着。ねっいいでしょ? 専門外なら、友達を紹介してよ。一流の友達は一流っていうし。あ、伝説ドレス以外の素材は指定させてね」

 

『最後に一つ。なぜ自国のデザイナーに頼まないの?』

 

「私の想像を超えるどころか、思う通りのドレスすら作ってくれないからよ。だから異世界に賭ける事にしたの」

 

『……いいわ。貴方の世界のドレスと指定の素材とやらを見せて。ケリー! 契約書を』

 

「ありがとう!」

 

 私は素材やドレスをアイテムボックスからどんどん出した。

 そして、提供する素材などの細かい条件を定めて、最後にマダム・アリスをジョブ・プリンセスにした。

 

『マダム! 肌が一段と綺麗に!』

『鏡を見せて。……悪くないわね。いいわ。貴方に素晴らしいドレスを作ってあげる。ドレスのテーマは?』

「力ISパワー!」

 

 やったぜ!

 

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