ブルーアーカイブRTA キャラ個別√   作:パプテマス・シロコ先生

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秤アツコ編20話 少年少女のすれちがい狂詩曲

 

 

 

 

 

 

アリウス自治区内の中庭。かつてトモルが「花でいっぱいにしたい」といった場所。

 

ここにいた頃はいくらかの野花が咲いていたが、今は見る影もなかった。

 

 

「………」

 

 

先ほど、スクワッドが先生を連れて、自治区内に攻め込んできたと知らせがあった。アツコの救出のため、先生が手を貸したのだ。

 

 

先生。情報を聞くだけで、相当な影響力を持つ大人だと言う。だが、マダム・ベアトリーチェもまた大人であり、入念に戦略を整えてきた。先生ひとりが手を貸したところでどうにもならないだろう。

 

 

 

 

『ごめん、ね………トモル………』

 

 

「……煩い」

 

 

 

逃げれば良かったのに。何故こうも抗うのか。

 

 

一縷の奇跡にでも縋っているのか。それで全てを失うつもりなのか。

 

 

 

『ごめん、ね………トモル………』

 

 

「煩いッ!!」

 

 

 

 

声が耳から離れない。

 

それでもトモルは二丁のライフルを握り、ひとつの花もない中庭に立つ。

 

 

「……来い、スクワッド。せめて苦しまずに終わらせてやる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆

 

 

 

 

「来たか、サオリ。聖園ミカが追ってきただろうに、よく生きているものだ」

 

 

「……トモル。アツコを解放しろ」

 

 

 

 

 

 

 

「『全ては虚しい。何処までいこうとも、全てはただ虚しいだけだ』」

 

 

「……!」

 

 

「忘れた訳ではあるまい」

 

 

「……ああ、覚えている。忘れるはずがない」

 

 

 

 

 

 

 

「ならば何故抗う」

 

 

「ッ……!」

 

 

「あの子はロイヤルブラッドだ。生まれながらにして、こうなることを運命付けられている。あの子があの子である限り、マダムからは逃れられない」

 

 

「それが……どうした」

 

 

「定められた死だ。あの子はここで死ぬために生まれてきた」

 

 

「ふざけるな!!」

 

 

「ふざけているのはどちらだ! 貴様も分かっていたはずだ」

 

 

「……!」

 

 

「今までマダムの駒として動いてきた貴様らが、今更救おうなど、遅いんだよ何もかも!」

 

 

「ぐぅ…!?」

 

 

「分かった上での今だろうが!」

 

 

「それでも、それでも私は……」

 

 

 

 

「驕るな——!!」

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

「何も出来ない貴様が、駒でしかない貴様らスクワッドが、なぜそちらに立っている? 何故、何故だ! 理解出来ん!」

 

 

「お前っ…!?」

 

 

「我々は大人に搾取されるだけの道具だ、我々もあの子も例外なく道具だ、あの子はここで消えるべきなんだ!」

 

 

 

 

「他でもない貴様がアツコを貶すな——!!」

 

 

 

「ッ!?」

 

 

「あの子の支えだった貴様が、誰よりもアツコの幸せを願った貴様がアツコを貶すなッ!!」

 

 

「な、にを……そうするしかないだろう!? 事情があった! 事情が……!」

 

 

「私はもう決めたぞ、信じると決めた!」

 

 

「それが全員をみすみす死に追いやる選択でもか!?」

 

 

「ああそれでもだ! 乗り越えると決めた!」

 

 

「貴様はその選択を未来永劫後悔するだろう——!!」

 

 

「後悔するのは貴様だ——!!」

 

 

 

 

「サオリぃぃぃぃ!!」

 

「トモルぅぅぅぅ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆

 

 

 

 

「ハァ、ハァ……!」

 

 

「…………負けた、か」

 

 

「ああ、私の勝ちだ……!」

 

 

「こんな、ことをしたって……」

 

 

「…………」

 

 

「結局、何も変わらない……」

 

 

「…………」

 

 

「【Vanitas vanitatum】……全ては虚しい、それだけだ」

 

 

「だったらそこで見ていろ」

 

 

「……!」

 

 

「永遠に続く諦観の中で、ただ揺蕩えばいい。私は……」

 

 

「…………」

 

 

「私も、まだ答えが見つからない。だが先へとたどり着いた者も居る」

 

 

「……アズサ、か」

 

 

「私は抗う。たとえその先に答えがなくとも、それは抗わない理由にはならない」

 

 

「……毒されたな、サオリ」

 

 

「まだ足りないくらいさ」

 

 

「馬鹿野郎、ばっかりだ……」

 

 

「そこで寝ていろ、トモル。お前の姫は私達が救う。お前が呑気に起きた時には全て元通りだ」

 

 

「はっ、口先ばかり達者になりやがって……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「どの面さげろってんだよ……馬鹿野郎……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆

 

 

 

【かすんだ意識が浮上する】

【一体どれくらい眠っていたのだろうか】

 

 

 

お、暗転が解除されましたね。

 

無事にサオリに負けることが出来ました。後は先生達が何とかしてくれるでしょう。

だから、耐久を程々に留める必要が、あったんですね(メガトンコイン)

 

 

 

遠くから迫ってくるミメシスの群勢が見えます。あの気配でホモ君は目を覚ましたようですね。

どうやら物語も佳境のようです。今頃、先生とスクワッドはアツコを救う決戦を挑んでいることでしょう。

 

 

さて、ここから第3章終了まで短縮ポイントはありません。

まだホモ君はベアトリーチェ陣営なので、あのミメシスも敵対していません。

RTA的には、このまま放置してトイレ休憩なり出来る期間です。

 

 

 

ああ、皆さんの仰りたい事はよく分かります。

私もここはベアトリーチェ陣営で何周も試走してますから、気持ちはよ〜くわかります。

 

 

ミカァ!みたいにミメシスと戦わなくていいのか、ですよね?

 

 

でも此処は戦おうが戦うまいが短縮になりません。

貴重な休憩タイムですし、わざわざリスクを負う必要はありませんね。

ここでの戦闘結果次第ではホモ君が死亡し、再走になる可能性も十分にあります。もう走りたくない

じゃけんのんびり見守りましょうね〜

 

ほな、おやすみなさい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▶︎銃を拾う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホ モ は 嘘 つ き

 

 

ここで踏ん張らなきゃノンケの名が廃るよなあ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆

 

 

 

俺は何をやっているのだろう。

 

 

アツコを裏切って

スクワッドの皆を裏切って

その志も完遂できずにサオリに負けて

そして今、こうしてまた立っている。

 

 

眼下に広がるユスティナ信徒の複製体ミメシスの群勢。恐らくマダムが召集したのだろう。凄まじい戦力だ。

コイツらが集まれば、例え先生がいれど消耗したスクワッドでは勝てないだろう。

 

 

 

 

 

俺は何がしたいんだろう。

俺は何がしたかったんだろう。

俺にとっての大事なものは何だ?

 

 

 

マダムへの忠誠か?

虚しい世界への諦観か?

スクワッドとの絆か?

アツコを裏切った罪悪感か?

 

 

 

どうして俺はミメシスの前に立ち塞がっている?

どうして俺は今こんなにも滾っている?

 

 

 

 

 

『これがわたしたちの青春(ブルーアーカイブ)だから!!』

 

 

 

 

 

ああ、いや……違うな。そういうことか。

 

 

 

今わかった。俺は馬鹿だ。こんな簡単な事、今更気付くなんて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「惚れた女ひとり守れねえ青春なんざクソッタレじゃねえか!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆

 

 

 

『ふふ、へんなひと』

 

『むりだよそんなの』

 

『ありがとう、大事にする』

 

『どこにもいかないで』

 

『私、変わりたい』

 

『むー』

 

『きっと大丈夫だよ』

 

『みんなでずっと一緒に…』

 

『トモル、一緒にお風呂入ろう』

 

『いつかみんなであの場所に』

 

『美味しいね、トモル』

 

『怪我したらダメだからね』

 

『もう無茶しないで』

 

『この場所をお花でいっぱいに』

 

『ずっと一緒だよ』

 

『トモル』

 

 

 

 

『ごめん、ね………トモル………』

 

 

 

 

 

『私達………出会わない方が、良かったのかな………』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆

 

 

 

 

 

 

 

朝日が昇るのが見えた。世界に変動はない。

 

(マダムは負けた、か)

 

つまりアツコは無事だ。そのことを認識した瞬間、どっと力が抜ける。

ほぼ瓦礫に埋まったような状態で身体が動かない。血を流しすぎたようだ、意識が薄まっていく。

 

 

(これでいい)

 

 

まるで奇跡のような展開だった。

 

 

ここ以外から侵入したミメシスはどうした?*1

聖女バルバラは間に合わなかったのか?*2

マダム本人も戦闘力を持っていたはずだが?*3

追ってきた聖園ミカはどうした?*4

主力のアリウススクワッドは消耗していたはずだが?*5

 

 

これら全てをクリアしてアツコを助け出したというのか。それはまるでリアルタイムアタック(RTA)のような偉業だ。これをあの先生が成したというのか。恐ろしい人だ。

 

 

ああ、でも信頼できる。

あの人になら、アツコ達を任せられる。

 

 

 

 

 

サオリはリーダー面してるが、アツコよりも世間知らずだ。道筋を示してやってくれ。ほっといたらヘルメット団に入りそうな子だ。

 

 

ミサキは最初は冷たく見えるかもしれないが、この中で一番子供っぽいところがある。是非とも構い倒してやって欲しい。

 

 

ヒヨリは今まで苦しかった分、思う存分甘やかしてやってくれ。でも意外とすぐ調子に乗るから注意しろ。

 

 

アズサも最後まではっきり関わることはなかったが、あの子もスクワッドの家族だ。トリニティで救われたあの子にも苦難が降りかかるだろう、どうか最後まで見届けてやってくれ。

 

 

 

 

そしてアツコ、あの子を頼む。

俺が惚れ込んだ女だ。ああ見えて図太いししたたかだし、よくこっちを揶揄ってくるから気を付けてくれ。

俺は間違えた。けれど、貴方ならば大丈夫だろう、先生。

 

 

 

 

 

ああ、信頼できる大人ってのはこんなにも心強いのか。

心残りが一掃されてしまった。安心して眠れる。

 

ここで祈ろう。どうか皆の未来がなるべく幸せなものでありますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【エデン条約編】

 

【第4話 少年少女のすれ違い狂詩曲(ラプソディ) 完結】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガッコン!

 

 

「も〜〜ソイツの事まだ許してないんだけど!でも先生の言う事は従っちゃうええーい☆」

 

 

聖園ミカ?何故ここに……が、瓦礫をぶん投げてる……

 

 

 

「ふんむむむむむむむ」

 

 

何やってんだアツコ…?

 

 

 

「あ、アツコ義姉ちゃん*6……お兄ちゃんをひとりで抱えるのは重いし苦しいですよ?」

 

「やってみなきゃ分からない。奇跡が起きるかも」

 

「安い奇跡もあったものだね…」

 

 

ミサキとヒヨリの声も聞こえる。

 

 

 

「無理をするな。片方の肩は抱えるから、そっち側は頼む」

 

「サッちゃん、この際だから言うけどやっぱり怪しい関係……」

「ど、泥棒猫!?!?」

「間女。第四夫人」

「あっふーん、そういう関係なんだ。やーいBSS女ー!」

 

「違っ!? そ、そういうのではないぞ!?」

 

 

アツコとサオリから肩を支えられる。

どうして皆がここに…

 

 

【まだ眠るには早いんじゃないかな】

 

 

先生、貴方の差金か。

 

 

【やるべき事……いや、やりたい事が残っているだろう?】

 

 

そう、だな……

俺はまだエンディングを迎えていない気がする。

 

 

【私達がついている。もう一度立ち上がってみないかい?】

 

 

そう、か。

 

俺が望むエンディングを迎えるために。

 

もう少し、頑張ってみようか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:
ミカァ!が死ぬもの狂いで食い止めました

*2:
最終的に先生がぶっ飛ばしました

*3:
がんばりました

*4:
河原で殴り合って和解しました

*5:
気合いで頑張りました

*6:
※ヒヨリはアツコよりも年上です。判断が早い(天狗面)





●今日のホモ君
言えたじゃねえか……


●アツコ
この日を契機に「うるせー!!出会わなきゃ良かった訳ねーだろ!!」と言わんばかりの猛アタックが始まることを誰も知らない。



●謎のナレーション
ククッ、そうだ。それでいい。全て吐き出して楽になれ、今日という日を忘れるな。

お前のもっとも大切な物……それを祝う喜びをくれないか、曇り空の少年。




さあ――祝電を、贈ろうか。


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