ブルーアーカイブRTA キャラ個別√   作:パプテマス・シロコ先生

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秤アツコ編20話 少年少女のすれちがい狂詩曲

 

 

 

 

 

 

アリウス自治区内の中庭。かつてトモルが「花でいっぱいにしたい」といった場所。

 

ここにいた頃はいくらかの野花が咲いていたが、今は見る影もなかった。

 

 

「………」

 

 

先ほど、スクワッドが先生を連れて、自治区内に攻め込んできたと知らせがあった。アツコの救出のため、先生が手を貸したのだ。

 

 

先生。情報を聞くだけで、相当な影響力を持つ大人だと言う。だが、マダム・ベアトリーチェもまた大人であり、入念に戦略を整えてきた。先生ひとりが手を貸したところでどうにもならないだろう。

 

 

 

 

『ごめん、ね………トモル………』

 

 

「……煩い」

 

 

 

逃げれば良かったのに。何故こうも抗うのか。

 

 

一縷の奇跡にでも縋っているのか。それで全てを失うつもりなのか。

 

 

 

『ごめん、ね………トモル………』

 

 

「煩いッ!!」

 

 

 

 

声が耳から離れない。

 

それでもトモルは二丁のライフルを握り、ひとつの花もない中庭に立つ。

 

 

「……来い、スクワッド。せめて苦しまずに終わらせてやる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「来たか、サオリ。聖園ミカが追ってきただろうに、よく生きているものだ」

 

 

「……トモル。アツコを解放しろ」

 

 

 

 

 

 

 

『全ては虚しい。何処までいこうとも、全てはただ虚しいだけだ』

 

 

「……!」

 

 

「忘れた訳ではあるまい」

 

 

「……ああ、覚えている。忘れるはずがない」

 

 

 

 

 

 

 

「ならば何故抗う」

 

 

「ッ……!」

 

 

「あの子はロイヤルブラッドだ。生まれながらにして、こうなることを運命付けられている。あの子があの子である限り、マダムからは逃れられない」

 

 

「それが……どうした」

 

 

「定められた死だ。あの子はここで死ぬために生まれてきた」

 

 

「ふざけるな!!」

 

 

「ふざけているのはどちらだ! 貴様も分かっていたはずだ」

 

 

「……!」

 

 

「今までマダムの駒として動いてきた貴様らが、今更救おうなど、遅いんだよ何もかも!」

 

 

「ぐぅ…!?」

 

 

「分かった上での今だろうが!」

 

 

「それでも、それでも私は……」

 

 

 

 

「驕るな——!!」

 

 

 

 

 

「!?」

 

 

「何も出来ない貴様が、駒でしかない貴様らスクワッドが、なぜそちらに立っている? 何故、何故だ! 理解出来ん!」

 

 

「お前っ…!?」

 

 

「我々は大人に搾取されるだけの道具だ、我々もあの子も例外なく道具だ、あの子はここで消えるべきなんだ!」

 

 

 

 

「他でもない貴様がアツコを貶すな——!!」

 

 

 

「ッ!?」

 

 

「あの子の支えだった貴様が、誰よりもアツコの幸せを願った貴様がアツコを貶すなッ!!」

 

 

「な、にを……そうするしかないだろう!? 事情があった! 事情が……!」

 

 

「私はもう決めたぞ、信じると決めた!」

 

 

「それが全員をみすみす死に追いやる選択でもか!?」

 

 

「ああそれでもだ! 乗り越えると決めた!」

 

 

「貴様はその選択を未来永劫後悔するだろう——!!」

 

 

「後悔するのは貴様だ——!!」

 

 

 

 

「サオリぃぃぃぃ!!」

 

「トモルぅぅぅぅ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ、ハァ……!」

 

 

「…………負けた、か」

 

 

「ああ、私の勝ちだ……!」

 

 

「こんな、ことをしたって……」

 

 

「…………」

 

 

「結局、何も変わらない……」

 

 

「…………」

 

 

「【Vanitas vanitatum】……全ては虚しい、それだけだ」

 

 

「だったらそこで見ていろ」

 

 

「……!」

 

 

「永遠に続く諦観の中で、ただ揺蕩えばいい。私は……」

 

 

「…………」

 

 

「私も、まだ答えが見つからない。だが先へとたどり着いた者も居る」

 

 

「……アズサ、か」

 

 

「私は抗う。たとえその先に答えがなくとも、それは抗わない理由にはならない」

 

 

「……毒されたな、サオリ」

 

 

「まだ足りないくらいさ」

 

 

「馬鹿野郎、ばっかりだ……」

 

 

「そこで寝ていろ、トモル。お前の姫は私達が救う。お前が呑気に起きた時には全て元通りだ」

 

 

「はっ、口先ばかり達者になりやがって……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「どの面さげろってんだよ……馬鹿野郎……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【かすんだ意識が浮上する】

【一体どれくらい眠っていたのだろうか】

 

 

 

お、暗転が解除されましたね。

 

無事にサオリに負けることが出来ました。後は先生達が何とかしてくれるでしょう。

だから、耐久を程々に留める必要が、あったんですね(メガトンコイン)

 

 

 

遠くから迫ってくるミメシスの群勢が見えます。あの気配でホモ君は目を覚ましたようですね。

どうやら物語も佳境のようです。今頃、先生とスクワッドはアツコを救う決戦を挑んでいることでしょう。

 

 

さて、ここから第3章終了まで短縮ポイントはありません。

まだホモ君はベアトリーチェ陣営なので、あのミメシスも敵対していません。

RTA的には、このまま放置してトイレ休憩なり出来る期間です。

 

 

 

ああ、皆さんの仰りたい事はよく分かります。

私もここはベアトリーチェ陣営で何周も試走してますから、気持ちはよ〜くわかります。

 

 

ミカァ!みたいにミメシスと戦わなくていいのか、ですよね?

 

 

でも此処は戦おうが戦うまいが短縮になりません。

貴重な休憩タイムですし、わざわざリスクを負う必要はありませんね。

ここでの戦闘結果次第ではホモ君が死亡し、再走になる可能性も十分にあります。もう走りたくない

じゃけんのんびり見守りましょうね〜

 

ほな、おやすみなさい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▶︎銃を拾う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホ モ は 嘘 つ き

 

 

ここで踏ん張らなきゃノンケの名が廃るよなあ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は何をやっているのだろう。

 

 

アツコを裏切って

スクワッドの皆を裏切って

その志も完遂できずにサオリに負けて

そして今、こうしてまた立っている。

 

 

眼下に広がるユスティナ信徒の複製体ミメシスの群勢。恐らくマダムが召集したのだろう。凄まじい戦力だ。

コイツらが集まれば、例え先生がいれど消耗したスクワッドでは勝てないだろう。

 

 

 

 

 

俺は何がしたいんだろう。

俺は何がしたかったんだろう。

俺にとっての大事なものは何だ?

 

 

 

マダムへの忠誠か?

虚しい世界への諦観か?

スクワッドとの絆か?

アツコを裏切った罪悪感か?

 

 

 

どうして俺はミメシスの前に立ち塞がっている?

どうして俺は今こんなにも滾っている?

 

 

 

 

 

『これがわたしたちの青春(ブルーアーカイブ)だから!!』

 

 

 

 

 

ああ、いや……違うな。そういうことか。

 

 

 

今わかった。俺は馬鹿だ。こんな簡単な事、今更気付くなんて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「惚れた女ひとり守れねえ青春なんざクソッタレじゃねえか!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ふふ、へんなひと』

 

『むりだよそんなの』

 

『ありがとう、大事にする』

 

『どこにもいかないで』

 

『私、変わりたい』

 

『むー』

 

『きっと大丈夫だよ』

 

『みんなでずっと一緒に…』

 

『トモル、一緒にお風呂入ろう』

 

『いつかみんなであの場所に』

 

『美味しいね、トモル』

 

『怪我したらダメだからね』

 

『もう無茶しないで』

 

『この場所をお花でいっぱいに』

 

『ずっと一緒だよ』

 

『トモル』

 

 

 

 

『ごめん、ね………トモル………』

 

 

 

 

 

『私達………出会わない方が、良かったのかな………』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝日が昇るのが見えた。世界に変動はない。

 

(マダムは負けた、か)

 

つまりアツコは無事だ。そのことを認識した瞬間、どっと力が抜ける。

ほぼ瓦礫に埋まったような状態で身体が動かない。血を流しすぎたようだ、意識が薄まっていく。

 

 

(これでいい)

 

 

まるで奇跡のような展開だった。

 

 

ここ以外から侵入したミメシスはどうした?*1

聖女バルバラは間に合わなかったのか?*2

マダム本人も戦闘力を持っていたはずだが?*3

追ってきた聖園ミカはどうした?*4

主力のアリウススクワッドは消耗していたはずだが?*5

 

 

これら全てをクリアしてアツコを助け出したというのか。それはまるでリアルタイムアタック(RTA)のような偉業だ。これをあの先生が成したというのか。恐ろしい人だ。

 

 

ああ、でも信頼できる。

あの人になら、アツコ達を任せられる。

 

 

 

 

 

サオリはリーダー面してるが、アツコよりも世間知らずだ。道筋を示してやってくれ。ほっといたらヘルメット団に入りそうな子だ。

 

 

ミサキは最初は冷たく見えるかもしれないが、この中で一番子供っぽいところがある。是非とも構い倒してやって欲しい。

 

 

ヒヨリは今まで苦しかった分、思う存分甘やかしてやってくれ。でも意外とすぐ調子に乗るから注意しろ。

 

 

アズサも最後まではっきり関わることはなかったが、あの子もスクワッドの家族だ。トリニティで救われたあの子にも苦難が降りかかるだろう、どうか最後まで見届けてやってくれ。

 

 

 

 

そしてアツコ、あの子を頼む。

俺が惚れ込んだ女だ。ああ見えて図太いししたたかだし、よくこっちを揶揄ってくるから気を付けてくれ。

俺は間違えた。けれど、貴方ならば大丈夫だろう、先生。

 

 

 

 

 

ああ、信頼できる大人ってのはこんなにも心強いのか。

心残りが一掃されてしまった。安心して眠れる。

 

ここで祈ろう。どうか皆の未来がなるべく幸せなものでありますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【エデン条約編】

 

【第4話 少年少女のすれ違い狂詩曲(ラプソディ) 完結】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガッコン!

 

 

「も〜〜ソイツの事まだ許してないんだけど!でも先生の言う事は従っちゃうええーい☆」

 

 

聖園ミカ?何故ここに……が、瓦礫をぶん投げてる……

 

 

 

「ふんむむむむむむむ」

 

 

何やってんだアツコ…?

 

 

 

「あ、アツコ義姉ちゃん*6……お兄ちゃんをひとりで抱えるのは重いし苦しいですよ?」

 

「やってみなきゃ分からない。奇跡が起きるかも」

 

「安い奇跡もあったものだね…」

 

 

ミサキとヒヨリの声も聞こえる。

 

 

 

「無理をするな。片方の肩は抱えるから、そっち側は頼む」

 

「サッちゃん、この際だから言うけどやっぱり怪しい関係……」

「ど、泥棒猫!?!?」

「間女。第四夫人」

「あっふーん、そういう関係なんだ。やーいBSS女ー!」

 

「違っ!? そ、そういうのではないぞ!?」

 

 

アツコとサオリから肩を支えられる。

どうして皆がここに…

 

 

【まだ眠るには早いんじゃないかな】

 

 

先生、貴方の差金か。

 

 

【やるべき事……いや、やりたい事が残っているだろう?】

 

 

そう、だな……

俺はまだエンディングを迎えていない気がする。

 

 

【私達がついている。もう一度立ち上がってみないかい?】

 

 

そう、か。

 

俺が望むエンディングを迎えるために。

 

もう少し、頑張ってみようか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
ミカァ!が死ぬもの狂いで食い止めました

*2
最終的に先生がぶっ飛ばしました

*3
がんばりました

*4
河原で殴り合って和解しました

*5
気合いで頑張りました

*6
※ヒヨリはアツコよりも年上です。判断が早い(天狗面)





●今日のホモ君
言えたじゃねえか……


●アツコ
この日を契機に「うるせー!!出会わなきゃ良かった訳ねーだろ!!」と言わんばかりの猛アタックが始まることを誰も知らない。



●謎のナレーション
ククッ、そうだ。それでいい。全て吐き出して楽になれ、今日という日を忘れるな。

お前のもっとも大切な物……それを祝う喜びをくれないか、曇り空の少年。




さあ――祝電を、贈ろうか。


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