鬼殺の剣聖   作:DUN.ネコノカンリニン

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第壱話:火草去皿(ひぶた)

 

 

「おい。聞いたか。あの話」

「あぁ、聞いたさ。あの二月足らずで柱になった新人隊士の事だろ」

「その通り。驚異的な強さですぐさま下弦の鬼を三体討伐。それから超高速で階級を登って行った、あいつさ」

「えーっと、何柱だっけ?」

「確か...ゴロが合わないとかいう理由から柱とは付かないんだよな。えーっと...あ、思い出した」

「何?」

「彼女は『幽玄の剣聖』。又、本名を――

『魂魄妖夢』

 と言う――」

 

―――走る、走る、走る。

 目の前にある背を追いかけながら、刀を抜く予備動作――刀の柄に手をかける――を行う。

 そして、その背中が目の前に来た時、この刀を一瞬で抜く。

 来た!

 意識を集中させる。刀に、周りの環境に。

 そして、私はこう呟いた。

「全集中――魂魄流・本家派――壱ノ型....

『幽鬼剣・妖道餓鬼の断食』」

 途端、一閃が煌めく。それと同時に、美しい弾幕が放たれる。

 その剣先と弾幕は正確に追っていた鬼の首を撥ね、胴体部を爆発させた。

 私――魂魄妖夢は、相伝の能力を持つ、半人半霊。

 否、違う。半人半霊ではなく、「半人半鬼」――つまり、鬼と人間の間に生まれた一族。

 私は、この鬼の業を終わらせなければならない。

 だから、鬼殺隊に入った。

 

―――ここは、鬼殺隊本部――の敷地内にある産屋敷邸。

 今、ここには、鬼殺隊最高戦力――柱がそろっている。

 では、何が始まるかと言うと、一言で言うと、会議である。

 そう。柱合会議、と呼ばれる会議であるのだが、これと言った会議はしておらず、戦力把握、その後の戦略などを、お館様――『産屋敷耀哉』様が決めるといった、柱勢全く仕事してなくね、と言う会議である。

 大丈夫。たまにしっかりとした会議はある。

 まぁ、そんな話は置いておいて、一人ずつ柱を紹介していこう。

 まず、一番右――お館様から見た場合――にいるのが、無口で何もしゃべらない寡黙な人「『水柱』冨岡義勇」。

 次に、医学にも精通している「『蟲柱』胡蝶しのぶ」。

 次は、派手な宝石をジャラジャラ着けているデカい人「『音柱』宇随天元」。

 お館様以外にはいつもカッカしてる人「『風柱』不死川実弥」。

 そして、またもやデカい人――しかし、ただのデカい人ではなく、盲目でありながらも、強い人――「『岩柱』悲鳴嶼行冥」で、次に要するにめっちゃ熱い人――「『炎柱』煉獄杏寿郎」。

 そして、いつも何も考えてなさそうな人で、私と同時期に柱になった天才――「『霞柱』時透無一郎」。

 いつもキュンキュンしてる超恋する乙女――「『恋柱』甘露寺蜜璃」。

 最後に、私――剣術と能力しか取り柄がない半人半霊――「『幽玄の剣聖』魂魄妖夢」である。

 私は、この中だと、あまり、髪色では目立たない。なぜなら、他にも二人、同じような髪色の奴がいるからだ。

 そして、彼ら――自分も含め――全員が顔を上げた。

「やぁ、皆、今日はいい天気だね。息災だったかな?」

『はっ!お館様も息災で何よりでございます』

 と、一斉に――あるいは一人が――お館様に挨拶するのが定番となっており、そこから柱合会議は始まる。

―――まぁ、会議ではなかったんですけどね。

 

―――私は、目を覚ました。

 チュンチュンと、鳥がさえずる音で――ではなく、やかましいカラスの大声で。

「伝令!伝令!南西ノ方角ニ鬼ノ目撃情報アリッ!!アアアアァァァァ悪鬼滅殺ゥ!悪鬼滅殺ゥゥ!!」

 今日は朝から目覚めの悪い。

 ここは、私の屋敷――ではなく、西行寺家の屋敷――白玉楼である。

 実は、私は、鬼殺隊のほかに一族代々仕えている西行寺家の家臣もやっている――と、言っても、今の従者は私と父だけなのだが――。

 しかも、この西行寺家の当主――『西行寺幽々子』様は、多くの鬼の始祖『鬼舞辻無惨』とは違った方法で生まれた、鬼の始祖である。

 要するに、何が言いたいかと言うと、ここは幽々子様も住んでいらっしゃるので朝一番から大声で叫びまくるのはやめてほしいという事だ――実際、幽々子様もこれで起きるという事があるらしい――。

「はぁ、今日は朝一番からか...日光はつらいんだよね...」

 そう。私達、魂魄家はどちらかというと人間の要素が強いのだが、あくまでも半人半霊――もとい半人半鬼なので、日光は一応弱点なのだ――しかし、その分得られる恩恵は大きく、腕ぐらいなら、切られた瞬間から再生するし、全集中の呼吸を使わなくても、壁ぐらいなら走ることが可能だし、一応血鬼術も使える――。

「えーと、南西の方角は...えっと、窓が東方だから...あっちか」

 私は、急いでいつもの服――隊服の上に緑色の上着――に着替え、父に

「任務があるから幽々子様の世話はお願いします!」

 と、言って屋敷を出る。

「あいよ。はぁ、鬼殺隊ってそんなに忙しかったか?」

 と父が言ったのが聞こえた。

 実際、そうなのだ。何故だか分からないが、この頃は鬼殺隊の仕事が多い――鬼の活動が活発になっている。ここ十数年はいつも通りだったのに。

 しかし、そんなことはどうでもよく、まずはその南西の鬼の業を断ち切ることに集中することにした。

 

―――南西、のある山。

 ここには、炭焼きの一家が住んでいる――と、本部から渡された資料には書いてあった。が、もしかすると、その現れた鬼が、その者達をもう喰らったかもしれない、と考えた。

 ので、いつもより急ぎ足――恐らく馬車以上の速度は出ている――で向かった。

 そして、そこに行く途中で、人影を見かけた――シルエットは冨岡さんの様だった――。

 

―――その小屋に着くと、なんという事だろう。女と子供の死体がそこら中に散らばっていた。

 その光景を目の当たりした、私は、なんか、どこかでサイコロの振る音が聞こえたが、恐らく幻聴だろう。

「何という所業――許されることではない――今すぐにでもこの惨状を引き起こした鬼の首を取り、その業を晴らさなければ――!」

 そう、そっと決意した。

 

―――その後、恐らく鬼はもっと強大な力を得るため、この山の下にある集落に行こうとした――と判断し、私は、来た道を戻っていた。と、その時、

「生殺与奪の権を、他人に握らせるな!」

 と、どこかで聞いたことがあるような――あ、冨岡さんの声だ――声が、誰かに喝を入れていた。

 私は、そこに向かった――のだが、そこには、一人の少年と―――

一匹の鬼がいた―――。

「――冨岡さん。何をやっているんですか?水柱ともあろう人が、まさか、鬼に情けをかけているのではありませんよね?」

「――ッ!ん?あぁ、魂魄か。すまない。ここは俺に任せてくれないか?」

「嫌です。私は、あの炭焼き小屋で起きた惨状を起こした張本人の首を取り、その業を晴らそうと決意したのです。あの惨状を見ればわかります。あれは、残酷で凶悪な底辺、それも、あの鬼舞辻の様に。なので、貴方が殺せないのなら―――

私が殺します――」

 その言動と共に、私は、動き出した。

「まずは――少年、あなたです。あなたには何の罪もありませんが、少し、眠っていてもらいます」

 私は、人間にはそんなに危害を与えない剣――白楼剣を構え、

「全集中――魂魄流・本家派――弐ノ型――

『餓鬼剣・餓鬼道草紙』」

抜いた――。

 

―――「噂には聞いていたが、これ程とは――」

 俺――冨岡義勇は戦慄していた。その、美しい剣技に、その弾幕に。

 彼女は鬼と人間の混血――半人半鬼だとは聞いていたが、無惨に支配されずに、あの威力の血鬼術を操れるとは。

 改めて、彼女が何故、彼女を柱たらしめるかを俺はその光景をもって理解した。

 その答えは――圧倒的な剣技と、その能力、決意の固さだ。

 

―――「へぇ、今のを避けるんですか。しかし、次はどうでしょうk―――」

「聞いてください!」

「ん?なんですか?やっとその鬼を渡す気になりましたか?」

「いいえ!俺が話したいのは、妹――禰豆子の事です!」

 と、少年はその鬼――妹の禰豆子について語った――――

 

第壱話fin.

 

 




はい。筆者です。クロスオーバーです。以上。
追記…5/8修正しました。
 『幽鬼剣・餓鬼道草子』
→『餓鬼剣・(ry』
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