鬼殺の剣聖   作:DUN.ネコノカンリニン

3 / 4
久々投稿。展開がわからない。


第参話:無阝艮歹刂車(むげんれっしゃ)

「今日も任務かあ……この頃、幽々子様の面倒見れてないし、いやだなあ……」

 私は、お館様から呼び出しをされていたので、今、鬼殺隊本部に向かっているところだ。本当は、鬼殺隊の活動を少し休みたいのだが、階級が柱ということもあって、中々に給料が高いので仕方なくやっている。しかも、私が休めば、何十人と人が死ぬことになると、他でもない父と幽々子様にご忠告されているのだ。

 この一本道を通れば鬼殺隊本部。ここは、大正にもなるのに、徳川―――ひいては戦国の時代から変わっていない姿をしている。

「は〜……着いた……何気に白玉楼から距離があるから、結構疲れる……」

 全集中・常中も習得している私でも、これ程までに疲れるという距離は、決して短くないことが分かるだろう。

「やぁ、来たかい。妖夢」

「ハッ!『幽玄の剣聖』魂魄妖夢、ここに参りました。しかし、お館様を多少なりとも待たせてしまったという無礼を犯してしまい、申し訳ありません。処分は何なりと」

「いや、良いんだ。妖夢。こちらもついつい早く来てしまったからね。……早速、今日の本題に入ってもいいかな?」

「はい」

「ありがとう。では、早速だけど、妖夢。君には無限列車に乗ってもらいたい」

 ん?無限列車……列車……汽車?

「無限列車って……その……汽車ですか?」

「そう。そして、君にはそこに隠れ潜んでいる鬼を討伐してもらいたい。できるかい?」

「はい!当然です」

「それは心強い。では、気をつけて行ってくるんだよ」

「ハッ!」

 

 ……汽車……汽車かぁ……乗ってみたいなぁ。こう見えて結構長生きしているけど、汽車は乗ったことないんだよなぁ……。噂によると、この無限列車というのは、中々でかい列車らしい。最近、行方不明になる人物が多発しているんだとか。

「さて……もうそろそろ、汽車が到着する時間ですね。行きましょうか。……そうだ、列車内だから刀は隠しておかないと……」

 鬼殺隊は、政府非公認組織なので、警官とは違い刀を持つと普通に銃刀法違反で捕まるのだ。これで捕まった隊士を何人も見てきた。

「よし、これでもう乗る準備はできました!あとは少しだけゆっくりしましょう。ゆっくり……ん?あの派手な髪色は……」

「すまない!弁当を十三ほど買いたい!」

「お、おぅ。代金はこんぐらいかな……ありがとうございました」

 あの髪色、そしてあの食欲……間違いない!あれは……

「煉獄さん!お〜い、煉獄さ〜ん!」

「ん?おぉ!魂魄か!どうした、今日は何の任務で来たんだ?」

「今日はですね……無限列車内の鬼の討伐で……」

「俺と同じか!よし、今日は二人で……いや、五人で頑張ろう!」

 うんうん、やる気は必要。多人数で協力して頑張らないと……五人?

「え?五人ってことは、あと三人来るってことですか?」

「ああ、何でもこの前鬼の妹をかばった隊士とその同期の隊士たちが任務についているらしいぞ」

 へぇ……妹をかばった隊士ってもしかしてあの雪山に居たあの少年か?まさか鬼殺隊に入ったとは……。

「魂魄!列車がそろそろ出発するぞ!早く乗らねば!」

「あ、はい!」

 そしてその後、私達が席についた数秒後、プシューッ、ガッタン!という豪快―――というよりは少し物足りないが、大きな音を立てて扉が閉まった。そして煉獄さんは席についた途端、持っていた弁当を開け、早速食べ始めた。うまい!うまい!と叫びながら。視線がメチャクチャ集まっていて、正直、恥ずかしかった。

 数分間、列車に揺られながら鬼はまだかと待っていたところ、後ろから声が聞こえた。

「あの〜……すみません。鬼殺隊士の方ですか……って、あ!」

 聞こえたのは、あの雪山に居た少年だった。あの時よりも少しばかり筋肉が付き、がっしりとした体つきになっているから、相当鍛錬したのだろう。聞けば、彼は水の呼吸を扱うらしい。まあ、水の呼吸は初心者にもおすすめだし、なにより使いやすい。私も、魂魄流を習得するとき、五大流派―――水、風、岩、炎、雷―――の呼吸を一通りやったが、やはりどの様な盤面でも対応できるのは評判通り、水の呼吸だった。千差万別の戦況に対応する剣技は伊達じゃない!

「お久しぶりです。雪山の少年。あなた―――いや、あなた達がこの任務に配属された隊士ですか?」

「はい!お久しぶりです、えーっと……」

「『幽玄の剣聖』魂魄妖夢です」

「ありがとうございます!魂魄さん!俺たち、この無限列車の任務を受けて……あっと、その前に―――俺の名前は竈門炭治郎です!そして」

 そう言って、彼は金髪の少年を指した。

「こっちが我妻善逸で、もうひとりが嘴平伊之助です。そして俺の背中に背負っている箱の中にいるのが、妹の禰豆子です!」

「そうですか。よろしくお願いします、炭治郎、善逸、伊之助」

 金髪の少年―――我妻善逸は雷の呼吸を使うらしい。そして、本人曰くその金髪は雷に打たれて突然変異したものらしい。そして猪之頭の少年―――嘴平伊之助は獣の呼吸とか言う聞いたことのない呼吸を使うとか。どんなものなのか見てみたい。

「今日は、煉獄さんに聞きたいことがありまして」

「ん?なんだ?言ってみろ!」

「実は―――」

 語り始めたのは、なんと彼が扱うもう一つの呼吸―――ヒノカミ神楽という謎の呼吸についてだった。彼が言うに、そのヒノカミ神楽というのは、彼の実家が代々受け継いできた火の神に祈る舞らしく、この前の那田蜘蛛山の一件で、下弦の伍“累”に殺されそうになったとき、ふと思ったのがこのヒノカミ神楽らしい。

 そして、ヒノカミ神楽は火と関係がありそうなので一度胡蝶さんに聞いてみたが、炎の呼吸を“火の呼吸”と言うのは禁じられている、という情報が手に入ったのみで、その炎の呼吸を極めている炎柱の煉獄さんに聞けばなにか分かるかもしれないということで、聞きに来たのだそうだ。

 しかし、当の煉獄さんは―――

「うむ!全然知らん!」

「えぇ!?」

「そんなに気になるなら、俺の継子にならないか?四六時中面倒を見てやれるぞ」

 ズレたことを言っているのはわかっているが、こんなところであまり話を面倒にしても嫌なので、私はただ見ているだけにしていた。

 すると……

「……切符、拝見します……」

 今にも消え入りそうな声で、車掌さんが切符を切りに来たのだ。一瞬、幽霊かと思ってうひゃあ!ってなりそうになった。

「あ、はい……」

「確認しました……」

 そう言って、去っていった。その後、数分間列車に揺られながら窓の景色を眺めていたが、次第に眠くなり、最終的に眠ってしまった。

 

―――不意に吹く夜風が心地いい。一面に咲く桜の木はその花びらを散らし、見事な桜吹雪を演出する。

「あれ?なんで私、白玉楼に……?」

 それは自分の口から自然に出た言葉だった。いやいや、何を言っているんだ。私は西行寺幽々子様に仕える庭師兼剣術指南役―――魂魄妖夢!何を馬鹿なことを言っているんだ私は……。早速、今日の博麗神社である宴会のおつまみを作らなければ!

 そこから爆速で終わらせ、博麗神社に向かったが……。どこかおかしい。やはり、何とは言えないがおかしいのだ。そもそもの話、先程桜並木の中に居た理由も、その前の記憶もわからない。ちょうど霧の湖に着いていたので、そこで理由を探そうと座り込んだ。

「何がおかしいんだろう……?私は、ただ普通に博麗神社の宴会に行くだけじゃ……」

 

「あら?珍しいわね。こんなところで一人で居るなんて。あなたらしくないわ……魂魄妖夢」

 

 音もなく現れた彼女にびっくりしたが、すぐにその声色、音もなく現れた理由について分かった。その凛とした冷たい声。時を操る能力。それは彼女しか居ない。

「こんにちは。咲夜さん」

「ええ、こんにちは。それで、どうしたのかしら?」

「……実は―――」

 そこから、実は自分が違和感を抱えていると言うことを話した。

「なるほど……違和感。別に私達は何もないけれど……あぁ、あなたも何も変じゃないわよ。いつもと少し違うくらいで」

「違うって……何がです?」

「うまくは言えないけれど……何か妖怪とも似つかない実体がある―――獣の血の匂いがするのよ」

「獣……鬼……」

 ハッ、となった。私は、今何と言った?確かに獣と言われて真っ先に連想したのが“鬼”だった。なぜ鬼と連想した?鬼、鬼、鬼……―――

「あっ―――!」

「どうしたの?妖夢」

 そこで私は思い出した。そうだ、私は西行寺幽々子様に仕える庭師兼剣術指南役である、と同時にお館様に仕える鬼殺隊の柱―――!なぜ、それを忘れていた!?確かに、微かに血の匂いがする。しかも、今私は、列車の中にいるはず!これは夢?ならば、一刻も早く夢から覚めなければ。

「ありがとうございます。咲夜さん。もう大丈夫です」

「あら?そう。まあ、でも……―――もし、何か困ったことがあったらまた私に相談しなさい。いつでも乗ってあげるわよ」

 咲夜さん。私は貴女を知らない。けれど、どこか懐かしい気もする。こんな意味不明なことはないかもしれない。けれど……

「はい。またいつか来ます」

 最後に別れを告げないのは、無礼なことだ。

「ええ。じゃあ、これからの宴会でね」

 そう彼女が言ったとき、もう私はそこには居なかった。もう、私は走り出していた。どこか遠くへ。

 

 どうすれば夢から抜け出せる?どうすれば……どうすれば……。

「どうすればいいの……?」

『―――昼は夢、夜ぞ現です。その刃に問うてみなさい』

「ッ―――!」

 声が聞こえたが、いや、そんなはずがない。彼女は現実世界にやってくることはほぼ無いのだから。いや、ここは夢か。ん?私はこの声を知らないのに何故……。

 刃に問いかけるとは、どういうことなのか……。刃に問いかける……昼は夢、夜ぞ現―――なるほど、そういうことか。

「死ねと言うんですね。やってやろうじゃないですか」

 そう。この世界から抜け出す方法―――それは死ぬことだ。私はすぐに殺傷能力の高い方の刀―――「楼観剣」を首に当てていた。

「死ね!死ね!死ね!早く、夢から抜け出せ!あああああああああ!」

 発狂するかと思った。自分で自分の首を落とすなど、人生―――半人生でこんな体験するのかと。

 そして、数十秒後、視界は暗転し、目覚めた。

 

―――「ハ―――!」

 帰ってきた車内では、何故か手に縄が結ばれ、隣に一人の少女が居た。

「何をしている!この縄を解け!」

「は?なんで起きてるのよ!」

 少女は驚いた様子だった。しかし、そんなことには目もくれず、私は少女の胸ぐらを掴んでいた。

「もう一度言う。縄を解け!」

「いや!絶対解かない!そうじゃないと―――良い夢を見せてくれないんだもの!」

「いい夢?」

 私には思い当たる節がある。夢を見せる血鬼術―――それは下弦の壱の鬼“魘夢”の血鬼術だ。となると、この列車はすでに魘夢に占拠されている?

 こうしては居られない。私は懐から短刀「白楼剣」を取り出し。その縄を切った。この白楼剣は血鬼術を無効化する血鬼術がかけられている。故に魘夢の血鬼術で魂が破壊されることはないのだ。

「行かなければ!全集中―――魂魄流・非想天則派―――壱ノ型

『人符・現世斬』!」

 そうして、一瞬で魘夢の下へ移動した。

「見つけたぞ。下弦の壱!」

 

「……あれぇ?起きてたの?まだ寝ててよかったのに」

 

「私は眠りが浅くてすぐに起きてしまう。―――そういえば納得するか?」

「ううん。全然しないね。でも……すぐに寝なさい―――ねんねんころり。血鬼術『強制昏倒催眠の囁き』」

 クッ!相手の血鬼術は強制的に眠らせてくる。ならば……

「魂魄流・本家派―――捌ノ型

『修羅剣・現世妄執』!」

 精神を剣に乗せる!

「はあああああああああ!」




さぁ、今回私の作品の中で初めてスキルとかそういうもの以外での東方新キャラです。
それにしても現世斬が使い勝手良すぎる。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。